ソードアート・オンライン Re:紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、アーロン、カルム、アスナ、謎の人物の視点です。


第6話 それぞれの思い

悟side

 

 あの謎の影妖精族(スプリガン)と出会ったその翌日。

 僕は、学校に行っていた。

 といっても、今の時間は5時間目が始まったぐらいで、この時間に校内を歩いているのは、推薦入試組くらいだけど。

 来ていた理由としては。

 

直葉「お疲れ様、佐々木君。」

悟「お疲れ。桐ヶ谷さん。」

 

 剣道の練習だ。

 僕と桐ヶ谷さんは、同じ剣道部に所属している。

 今日は、顧問の先生に呼ばれて、剣道部に顔を出していた。

 

直葉「それにしても、一緒の高校になるなんてね。」

悟「まあ、同じ剣道部だしね。」

直葉「でも、昨日のスプリガンの彼に、道案内を率先するなんてね。」

悟「なんていうのかな…………。放っておけない感じがしてね…………。」

直葉「ふぅん…………。」

 

 僕と桐ヶ谷さんは、剣道の推薦で、高校に行く事になっている。

 同じ高校に、だ。

 そんな風に話しながら歩いていると、駐輪場の陰から1人の少年が飛び出してきた。

 それは、僕たちの知り合いだった。

 

???「リーファちゃん。それに、アーロンも。」

悟「長田君。」

直葉「ちょっと長田君!学校ではその名前は呼ばないでって言ってるじゃない!」

 

 彼は、長田慎一。

 僕と桐ヶ谷さんのクラスメイトで、ALOでは、レコンの名前でプレイしている。

 桐ヶ谷さんは、長田君がプレイヤーネームで呼んだ事に腹をたてる。

 

長田「ご、ごめん!直葉ちゃん!」

 

 そんな桐ヶ谷さんを見た長田君は、そう言って謝る。

 だけど、馴れ馴れしく名前呼びした事で、桐ヶ谷さんは、無言で竹刀に手を伸ばす。

 

長田「すみません、桐ヶ谷さん!」

 

 素早く謝る長田君に溜息を吐き、桐ヶ谷さんは、竹刀から手を離す。

 

悟「どうしたんだい?長田君。」

長田「そうだった。…………シグルド達が、今日の午後、狩りに行こうって。」

直葉「………悪いけど、あたしと佐々木君、暫く参加できないから」

長田「ええええええ!!?どうして!?」

悟「実は、アルンまで行くんだよ。」

 

 シグルド達が誘ってきたのか。

 桐ヶ谷さんの言葉に、長田君は疑問を口にして、僕が答えると、長田君は驚く。

 

長田「アルンって、世界樹の根元の………。て、ていうかそんなの駄目だよ!リーファちゃんとアーロンの2人だけなんて!そんなの破廉恥だよ!」

直葉「何言ってるのよ!?変な事想像しないで!第一、2人っきりじゃないから!」

 

 桐ヶ谷さんは、そう言って、竹刀を長田君にぶつける。

 長田君は、その場に蹲った。

 

悟「昨日のスプリガンをアルンに案内するんだ。助けてもらったお礼にね。」

直葉「そう言う訳だから、シグルド達にはよろしく言っといてね。じゃあね!」

悟「じゃあ。」

 

 僕と桐ヶ谷さんは、お互いの自宅へと帰っていった。

 僕は家に着くと、ALOにダイブする準備を始めて、アミュスフィアを被る。

 僕は、ある予感がしていた。

 何かが大きく変わる。

 そんな感じがする。

 そして、あの言葉を言う。

 

悟「リンクスタート!」

 

 その言葉と共に、僕の意識は、ALOへと向かっていく。

 目を開けると、昨日いた宿屋に居て、リーファもログインしてきた。

 

リーファ「やっほー!アーロン!」

アーロン「ほぼ同じタイミングだね。」

リーファ「そうだね。まだ、キリト君は来てないみたいだし、買い物しよっか。」

アーロン「そうだね。」

 

 僕とリーファはそう話して、買い出しに出かける。

 僕たちが色々と買い物をして、宿屋に戻ると、キリトがログインしてきた。

 

リーファ「お待たせ。」

アーロン「ごめん。待った?」

キリト「いや、そんな待ってないよ。」

リーファ「そっか、ちょっと買い物してたから、かなり遅れたかなって思っちゃった。」

キリト「買い物か………。俺も色々準備しないとな。」

アーロン「それなら武器屋に行こう。ところで、キリトはお金はあるの?」

 

 僕の質問に、キリトは確認して、声を出す。

 

キリト「結構持ってたよ。」

アーロン「じゃあ、武器屋に案内するよ。」

キリト「ああ。ほら、ユイ起きろ。行くぞ。」

ユイ「ふわぁぁぁ…………。おはようございます、パパ。」

 

 ユイちゃんが、欠伸をしながら出てくる。

 そうして、僕たちは、キリトの装備を整える為に、出かける。

 キリトは、黒色の防御属性強化された服に黒のロングコートを着た。

 武器は、土妖精族(ノーム)のプレイヤーが使いそうな巨大な剣を使う事にしたそうだ。

 それを見て、リーファは吹き出していた。

 その後、風妖精族(シルフ)領の象徴ともいえる風の塔へと向かっていた。

 

キリト「なぁ、どうして塔に行くんだ?」

アーロン「長距離を飛ぶ時は、高度を稼ぐために塔の頂上から飛ぶのが良いんだよ。そうすれば、飛ぶ時間が伸ばせるしね。」

キリト「なるほどね。」

 

 キリトが、疑問の声を出す中、僕はそう答える。

 その答えに、キリトは納得する。

 

リーファ「さ、行こ。夜までには森を抜けておきたいからね。」

 

 リーファは、話している僕とキリトに声をかけて、手招きする。

 塔の中に入って、魔力式エレベーターに乗ろうとすると。

 

???「リーファ!アーロン!」

リーファ「あ、こんにちは、シグルド。」

アーロン「どうもです。」

 

 僕たちに声をかけたのは、シグルドだった。

 仲間のプレイヤーが2人居た。

 シグルドとは、僕とリーファがここ数週間行動を共にしていたパーティーのリーダーで、また、風妖精族(シルフ)の領主のサクヤの側近を務めている。

 

シグルド「パーティーから抜ける気なのか?」

リーファ「うん、まあね。」

シグルド「残りのメンバーが迷惑するとは思わないのか?」

アーロン「パーティーに参加するのは都合の付く時だけでいい筈ですよね?それに、抜けたくなったらいつでも抜けていいと言う話だった筈ですよ。」

シグルド「だが、お前たちは俺のパーティーの一員として既に名が通ってる。そのお前らが理由もなく抜けたら、こちらの顔に泥を塗られることになる。」

 

 そのあまりに自分勝手な言葉に、僕とリーファは、心の中でため息を吐く。

 ALOに限らず、ハード志向のMMOでは、女性プレイヤーは希少であり、戦力として入れるよりは、パーティーのブランドを高める付加価値としてのスカウトが多いと聞いている。

 レコン曰く、シグルドを倒したリーファを自身の部下として迎える事で、自分の勇名を落とさない様にしているとの事。

 僕は、シグルドに声をかける。

 

アーロン「あのさ、シグルド。約束と違うじゃないか。確かに、僕とリーファの勝手な行動かもね。でも、勝手に約束を反故にするのは、どういう事だい?」

シグルド「黙れ。お前の意見は求めていない。お前なんて、居なくても良いんだぞ。」

 

 シグルドの暴言に、僕は顔を顰める。

 確かに、僕に関しては、リーファのついでにスカウトしたという感じだからね。

 その暴言に、リーファは堪忍袋の尾が切れたのか、武器に手を伸ばしかける。

 すると。

 

キリト「仲間はアイテムとは違うぞ。」

シグルド「……なんだと?」

 

 リーファが剣を抜刀する直前に、キリトがシグルドにそう言う。

 シグルドは、キリトを睨む。

 だが、キリトは、シグルドの睥睨に怯む事なく、平然と言い返す。

 

キリト「他のプレイヤーをあんたの大事な剣や鎧みたいに装備欄にロックしとくことはできないって言ったのさ。」

シグルド「き、貴様!」

 

 キリトの言葉に、シグルドは腰の剣の柄に手をかける。

 

シグルド「屑漁りの影妖精族(スプリガン)風情がつけあがるな!どうせ、領地を追い出された追放者(レネゲイド)だろうが!」

リーファ「失礼な事を言わないで!彼は、あたしとアーロンの新しい仲間よ!」

 

 シグルドは、キリトに対してそう叫び、リーファは、シグルドに対してそう叫ぶ。

 その言葉に、シグルドは驚愕の表情を浮かべる。

 

シグルド「なん……だと………!?リーファ、領地を捨てる気なのか……?」

リーファ「……ええ、そうよ。あたし、ここを出るわ。」

 

 リーファは、少し躊躇ったが、そう宣言する。

 それを聞いたシグルドは、剣を抜刀する。

 

シグルド「……子虫が這いまわる程度なら捨て置こうと思ったが、泥棒の真似事とは調子に乗り過ぎたな。のこのこと他種族の領地に入ってくるからには、斬られても文句は言わんだろうな。」

 

 シグルドは、少し芝居かかった台詞を言いながら、剣をキリトに向ける。

 それに対して、キリトは、肩をすくめる。

 シグルドが、キリトを斬りそうで、僕とリーファが、戦闘体勢を取ろうとする中、部下がシグルドに声をかける。

 

部下「まずいっすよ、シグさん。こんな人目のある所で無抵抗の相手をキルしたら。」

シグルド「…………ッ!?」

 

 部下の言葉に、シグルドはハッとする。

 キリトは、デュエルの相手でも、スパイでも無いのだから、無抵抗の相手を倒すのは、あまり褒められた物ではない。

 更に、騒ぎによって多くのプレイヤーの前も集まっている。

 シグルドは、忌々しそうにキリトを見た後に、僕たちに視線を向ける。

 

シグルド「せいぜい外では逃げ隠れることだな。…………今俺を裏切れば、近いうちに必ず後悔することになるぞ。」

 

 シグルドはそう吐き捨てて、部下と共に去っていく。

 

リーファ「ごめん、変なことに巻き込んじゃって。」

キリト「いや………でも、いいのか?領地を捨てるなんて?」

 

 そのキリトの質問に、リーファは、何とも言えない表情になり、エレベーターへと向かう。

 僕は、キリトに声をかける。

 

アーロン「気にしないで良いよ。」

 

 そう声をかけて、僕とキリトも、エレベーターへと向かう。

 塔の最上階に着くと、そこには、海原、草原、森、山脈が広がっていた。

 ここは、本当に好きな景色だ。

 

キリト「うお……凄い眺めだな……。」

リーファ「でしょ?この空を見てるといろんあことがちっちゃく思えてくるよね。……いいきっかけだったよ。いつかはここを出ていくつもりだったし………。」

キリト「そうか。……でも、なんだか、喧嘩別れみたいな形にさせちゃって……。」

アーロン「大丈夫だよ。あの感じじゃあ、どの道、穏便に済むとは思えなかったし。」

 

 あれじゃあ、穏便に済むとは思えない。

 ただ、シグルドのある一言が引っかかった。

 

シグルド『せいぜい外では逃げ隠れることだな。…………今俺を裏切れば、近いうちに必ず後悔することになるぞ。』

 

 シグルドを裏切ると、後悔する事?

 それは一体、何なんだろうか?

 何か、シグルドは企んでいるという事になるのか?

 僕は、少し悲しげな表情を浮かべるリーファを見ていると。

 

ユイ「フクザツですね、人間は。人を求める心を、あんなふうにややこしく表現する心理は理解できません。」

リーファ「求める?」

ユイ「わたしなら……。」

 

 ユイちゃんがそう言って、キリトの頬に手を添えてキスをした。

 

ユイ「こうします。とてもシンプルで明確です。」

 

 ユイちゃんの大胆な行動に、僕とリーファは唖然となる。

 すると。

 

レコン「リーファちゃん!アーロン!」

 

 レコンが現れる。

 

リーファ「レコン。」

アーロン「どうしたんだい?」

レコン「ひ、酷いよ!一言声かけてから出発してもいいじゃない!」

リーファ「ごめーん、忘れてた。」

アーロン「色々あったからね。」

 

 そういえば、忘れてた。

 僕たちの言葉に、レコンは肩を落とすが、すぐに持ち直し真剣な顔で言った。

 

レコン「リーファちゃん、アーロン。パーティー抜けたんだって?」

アーロン「まあ、殆どその場の勢いだよ。」

リーファ「あんたはどうするの?」

レコン「決まってるじゃない。この剣はリーファちゃんだけに捧げてるんだから……。」

 

 レコンはそう言うと、は腰の短剣を抜き、天に掲げる。

 それを見たリーファは。

 

リーファ「えー、別にいらない。」

 

 容赦なくそう言って、レコンはずっこける。

 ただ、そんな事でめげないのが、レコンなんだけどね。

 

レコン「ま、まあそういうわけだから当然僕もついてくよ……と言いたいとこだけど、ちょっと気になることがあるんだよね……。」

リーファ「……なに?」

アーロン「シグルドに何かあるのかい?」

レコン「まだ確証はないんだけど………少し調べたいから、僕はもうしばらくシグルドのパーティーに残るよ。……キリトさん。彼女、トラブルに飛び込んでくくせがあるんで、気をつけてくださいね。後、アーロンも、変な所で抜けてるので。」

キリト「ああ。分かった。」

 

 何か、地味にディスられてない?

 確かに、そうかもしれないけどさ。

 

レコン「それから、キリトさん!それに、アーロン!言っときますけど、彼女は僕の………!」

 

 その先を言おうとするが、リーファに足を思い切り踏みつけられる。

 

レコン「イッタ!」

リーファ「しばらくは中立区域に居るから、何かあったらメールでね!」

 

 リーファはそう言って、翅を広げ、空へと飛ぶ。

 僕とキリトも続いて、出発する。

 

カルムside

 

 昨日、キリトから連絡があり、シルフのプレイヤー2人を連れて、世界樹に向かうそうだ。

 

カルム「という訳で、キリト達と一刻も早く合流する為に、出発するぞ。」

ミト「そうね。カナ、案内お願いね。」

カナ「分かった。」

 

 カナ曰く、高山地帯を抜けるには、洞窟を通らなければならないらしい。

 だが、インプは暗中飛行と暗視に長けているのだ。

 万が一の際には、強行軍として、突破する為に。

 俺は、カナに質問する。

 

カルム「カナ。キリトと合流するには、どこで向かえば良いんだ?」

カナ「そうだね…………。キリトさんが、シルフのプレイヤー2人と向かうなら、ルグルー回廊っていう、中立都市があるから、そこに向かおう!」

ミト「ルグルー回廊ね。ありがとう、カナ。」

カナ「えへへへへ!」

 

 ミトは、カナを誉めて、俺たちは、そのルグルー回廊へと向かっていく。

 すると。

 

パラド『戦闘になったら、呼んでくれ。』

カルム『はいはい。』

 

 俺の中にいるパラドが、そう声をかける。

 まあ、現状、パラドが何か問題を起こした訳じゃないから、別に良いか。

 そんな事を思いながら、向かっていく。

 

アスナside

 

 オベイロンこと須郷が私の体を触ってくる。

 だが、耐えねば。

 嫌悪感が凄まじいが、ここで反抗したら、行動が制限されてしまう。

 それだけは避けたい。

 

オベイロン「やれやれ、頑なな女だね、君も。どうせ偽物の体じゃないか。何も傷つきはしないよ。」

アスナ「……あなたには分からないわ。体が生身か、仮想かなんて事は関係ない。少なくとも私にとっては。」

オベイロン「心が汚れると言いたいのかね。今の内に楽しみ方を学びなよ。」

アスナ「興味無いわ。……それに、いつまでもここにいるつもりもない。」

オベイロン「まさか、キリト君に、カルム君、ミト君が助けに来るとでも?」

 

 それを聞いて思わず体を震わせた。

 

オベイロン「それにしても、現実で会ったけどねぇ。あんなガキ共のあの顔は傑作だったね!思わず大笑いしそうになったよ!!あのガキ共は来ないさ。どうせ、ナーヴギアを被る度胸なんて無いよ!」

アスナ「………。」

 

 全く、頭は良いかもしれないが、実に愚かな男だわ。

 キリト君にカルム君、ミトが助けに向かっているはず。

 あの3人がそれを聞いて大人しくする筈がない。

 須郷が、どこかへと向かう。

 私は、手鏡を使って、パスワードを覚える。

 絶対、脱出してみせる。

 

???side

 

 パラドが、闇妖精族(インプ)のプレイヤーの元に渡っただと?

 まあ良い。

 

???「所詮、奴は私の言う事を聞かない奴だったしな。私には、これがある。」

 

 そう言って、私は、ある端末を見る。

 そこには、ゲムデウスと書かれていた。




今回はここまでです。
暗躍する謎の人物。
そして、その人物が持つ、ゲムデウスという単語。
いずれ、明かされます。
オリ主であるカルムの影が薄い?
合流していないんですから、仕方ないです。
次回も楽しみにしてください。
リクエストは、活動報告にて受け付けます。

カルムのGGOの武器はどうするか

  • ゼットソード
  • ブラストソード
  • ハンドル剣&ドア銃
  • マグナムシューター
  • その他
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