ソードアート・オンライン Re:紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、火妖精族達と交戦し終えるまでです。
そして、カルム達が合流します。


第7話 峠を越えろ

アーロンside

 

 僕達は今、スイルベーンを出発して、中立域の森の奥へと進んでいる。

 戦闘自体は、キリトが単独で無双して、僕とリーファが援護している。

 

リーファ「お疲れー。」

キリト「援護サンキュー。」

アーロン「お疲れ様。」

リーファ「しっかしまあ………。何て言うか、無茶苦茶な戦い方をするよね。キリト君は。」

キリト「その分、早く片付いて良いじゃないか。」

アーロン「あんな、無茶苦茶な戦い方、見た事ないよ。まあ、プレイヤー戦となると、話が変わるんだけどね…………。」

 

 そんな風に話しながら、イビルグランサーを倒していく。

 その後は、モンスターと出会う事なく、山岳地帯に入った。

 飛翔力も限界なので、草原の端に着陸する。

 僕とリーファは、同じタイミングで、大きく伸びをして、僕とリーファは、お互いに見合って、笑う。

 リーファは、キリトに話しかける。

 

リーファ「ふふ、疲れた?」

キリト「いや、まだまだ!」

アーロン「元気だね。………でも、空の旅は、暫くお預けかな。」

キリト「ありゃ、何で?」

リーファ「見えるでしょう、あの山。」

 

 リーファは、草原の先に聳え立つ、真っ白に冠雪した山脈を指差す。

 

キリト「あの山がどうしたんだよ?」

アーロン「あの山、飛行限界速度よりも高いから、山を越えるには、洞窟を抜けないといけないんだ。」

リーファ「そうそう。私とアーロンも、ここからは初めてなのよ。」

キリト「なるほどね…………。洞窟か。長いの?」

リーファ「かなり。途中に中立の鉱山都市があって、そこで休めるらしいけど………。」

アーロン「僕は大丈夫だよ。」

キリト「俺も当分平気だ。」

 

 僕の両親は、僕がVRMMOをやる事に関しては、特に文句を言っていない。

 その後、ローテアウトする事になって、まずは、僕とリーファからログアウトする事に。

 両親は、泊まり込みの仕事が多くて、自分で夕食を作って食べた。

 ただ、別に寂しいとは感じていない。

 リーファ…………桐ヶ谷さんが居るから。

 ここ最近、彼女の事が気になる。

 

悟「さて。戻るか。」

 

 すぐには、その答えが分からないので、心の中に留めて、僕はALOへと戻る。

 

直葉side

 

 私は、お兄ちゃんの為に、ベーグルサンドを作って、自分の分を食べて、超高速で服を脱いで、やや熱めのお湯を浴びる。

 アーロン君こと悟君と一緒に居ると、何かドキドキする。

 

直葉「もしかして、悟君の事が好きなのかも……。」

 

 そう呟いたが、恥ずかしくなって止めた。

 悟君が私の事を好きなのかも分からないのに、そんな事を考えてもどうしようもない。

 クラスでは、朴念仁と呼ばれるくらいにだ。

 赤くなった顔にお湯をかけて、ジャージに着替えて、ALOへと戻る。

 

アーロンside

 

 僕がALOに戻ると、丁度、リーファも戻ってきた様だ。

 

アーロン「お待たせ。」

リーファ「モンスター出なかった?」

キリト「お帰り。静かなモンだったよ。」

 

 そう言うキリトは、何やらストロー状の何かを咥えていた。

 何だろう、あれ。

 

リーファ「……それ、ナニ?」

キリト「雑貨屋で買い込んだんだけど……スイルベーン特産だってさ。」

アーロン「そんなのあるんだ…………。」

 

 それの新しい奴を放ってきて、咥えてみると口に辛味が襲ってきて、即座に捨てた。

 リーファも同様だ。

 キリトは、ニヤニヤしながら起き上がる。

 

キリト「ハハハッ。じゃあ、次は俺だな。護衛よろしく。」

 

 キリトは、俺達の反応に笑いながらログアウトして行った。

 

リーファ「何よ、あれ!」

アーロン「口がヒリヒリするよ………。」

 

 なんて物を食べさせたんだ、彼は。

 すると、キリトの胸ポケットから、ユイちゃんが出てくる。

 

リーファ「わぁ!…………あ、あなた、ご主人様が居なくても動けるの?」

ユイ「そりゃそうですよー。私は私ですから。それと、ご主人様じゃなくて、パパです。」

アーロン「へぇぇ………。そういえば、何でユイちゃんは、キリトの事を、パパって呼ぶのかい?」

ユイ「…………パパは、私を助けてくれたんです。俺の子供だ、って、そう言ってくれたんです。だから、パパです。」

 

 やっぱり、ユイちゃんって、随分と変わってるよね。

 リーファがキリトの事を好きなのかと聞いたら、本人は真面目な顔で見つめてきた。

 

ユイ「リーファさん、アーロンさん。……好きって、どういう事なんでしょう?」

リーファ「ど、どうって……。」

アーロン「そうだね……。一言で好きと言っても、家族として好きなのか、友達や仲間として好きなのか、異性として好きなのかで違うと思う。ユイちゃんは、キリトと一緒にいる時は楽しいんだろ?なら、それでも好きで良いんじゃ無いのかな?」

 

 僕は、無意識にそう答えていた。

 ユイがリーファに振ると、『いつでも一緒に居たい、一緒に居るとドキドキワクワクする、そんな感じかな……。』と答えた。

 僕は、リーファ………桐ヶ谷さんにそう思われてるのかなと思った。

 その後、キリトも戻ってきて、僕達は先に進む事にした。

 すると。

 

キリト「っ!?」

 

 キリトは、後ろを振り返っていた。

 僕は、キリトに話しかける。

 

アーロン「どうしたんだい?」

キリト「なんか、誰かに見られた様な………。ユイ、近くにプレイヤーは居ないか?」

ユイ「プレイヤーは居ません。」

リーファ「見られた気が、って…………。この世界に、そんな第六感みたいな物、あるの?」

 

 そんな風に話しながら、後ろを警戒しつつ、進んでいく。

 つけられていないと良いんだけど………。

 しばらくすると、洞窟に到着した。

 確か、ルグルー回廊って名前だったような………。

 キリトが何とか言えた暗視付与魔法で、先が見える様になった。

 しばらく進んで、キリトが詠唱を苦戦しながら行っていると、リーファにメッセージが来たみたいだ。

 

リーファ「レコンから?」

 

 リーファはそう呟いて、メッセージを見ると、疑問の声を出す。

 

リーファ「………なんだこりゃ?」

アーロン「リーファ?どうかしたの?」

リーファ「レコンから変なメッセージが来たのよ。」

アーロン「変なメッセージ?」

リーファ「これだよ。」

 

 そう言って、リーファが見せたのは。

 

『やっぱり思った通りだった!気を付けて!s』

 

 そうとだけ、書かれていた物だった。

 

アーロン「S?」

リーファ「うん。Sってなんだろ?S……エス……さ…し…す……う~ん………。」

アーロン「…………まさか。」

 

 それを聞いた時、ある事が思い浮かび、考え込む。

 すると、リーファが訝しげな表情を浮かべながら、覗き込む。

 

リーファ「どうしたの?」

アーロン「いや…………。レコンは、シグルドの事が気になるって言ってたんだ。」

リーファ「ああ………言ってたね。」

アーロン「胸騒ぎがするんだ………。」

 

 それを聞いた時、シグルドのある言葉が蘇ってくる。

 

シグルド『せいぜい外では逃げ隠れることだな。…………今俺を裏切れば、近いうちに必ず後悔することになるぞ。』

 

 そう、シグルドは何かを企んでいる様だった。

 まさか、そんな事を………!

 すると、ユイちゃんが叫ぶ。

 

ユイ「パパ、接近する反応があります!」

キリト「モンスターか?」

ユイ「いえ、プレイヤーです。12人………。」

リーファ「じゅうに………!?」

アーロン「胸騒ぎがするな。隠れてやり過ごそう。」

キリト「でも、どこに………!?」

リーファ「ま、そこはお任せを。」

 

 リーファはそう言って、僕とキリトを手近な窪みに引っ張り込んで、スペルを詠唱する。

 目の前に薄いベールみたい物をを張った。

 これは、隠蔽魔法だ。

 

リーファ「喋るときは最低のボリュームで。魔法が解けちゃうから。」

 

 リーファがそう言うと、キリトは頷く。

 今度は、ユイちゃんが囁く。

 

ユイ「もうすぐ視界に入ります。」

 

 僕たちが固唾を飲むと、キリトは呟く。

 

キリト「あれは………何だ?」

アーロン「どうしたんだい?プレイヤーは、まだ見えない筈だけど………。」

キリト「プレイヤーは見えないけど、なんか、赤い、ちっちゃい蝙蝠が………。」

「「!?」」

 

 キリトの言葉に、僕たちは驚き、目を凝らす。

 すると、小さい赤い影がひらひらと飛翔していた。

 

リーファ「………くそっ。」

アーロン「出るしかないね。」

 

 僕とリーファは、窪みから真ん中に出る。

 すると、隠蔽魔法が解除され、キリトは戸惑う。

 

キリト「お、おい、どうしたんだよ?」

アーロン「あれは、高位魔法のトレーシング・サーチャーだ!」

リーファ「早く潰さないと!」

 

 僕とリーファは、魔法を発動して、トレーシングサーチャーを潰す。

 そうして、キリトを連れて駆け出していく。

 

リーファ「走るよ!」

キリト「また隠れるのは駄目なのか?」

アーロン「トレーサーを潰したのは、もう向うにもバレてる!それに、あれは火属性の使い魔。という事は………!」

キリト「火妖精族(サラマンダー)か!」

 

 キリトは、察したのか、そう叫ぶ。

 僕たちは、わき目もふらず必死に走り、とうとう、湖に囲まれた中立の鉱山都市へ繋がる橋を渡る。

 

キリト「どうやら逃げ切れそうだな。」

リーファ「油断して落こっちないでよ。」

 

 すると、僕たちの後ろから飛んで来た光線が都市の城門の前に落ち、巨大な壁を生み出した。

 それを見て、キリトが武器を抜き、斬り掛かる。

 だけど、攻撃は軽々と弾かれ、キリトはそのままノックバックで後ろに吹き飛ぶ。

 

リーファ「ムダよ。これは土魔法の障壁だから物理攻撃じゃ破れないわ。」

キリト「もっと早く言ってくれよ………。」

アーロン「一応、攻撃魔法をいっぱい撃ち込めれば、壊せるかもしれないけど………。」

キリト「その余裕はなさそうだな………。」

 

 僕たちは、そう話して、後ろを振り返ると、火妖精族の部隊が近付いていた。

 すると、キリトが話しかける。

 

キリト「2人の腕を信用してない訳じゃないんだけど………ここは、サポートに回ってもらえないか?」

リーファ「え?」

キリト「俺の後ろで回復薬に徹して欲しいんだ。その方が、俺も思い切り戦えるし……。」

アーロン「…………分かった。」

 

 確かに、狭い橋の上で、キリトが持つ大剣を味方に気を遣いながら振り回すのは無理だ。

 リーファも、それを察して、回復を担当する事に。

 ただ、火妖精族の部隊の編成が気になる。

 すると、ある事を察した。

 

アーロン「まずい………!」

リーファ「どうしたの!?」

アーロン「多分、このままじゃ、僕たちは負ける。」

リーファ「何で!?」

アーロン「あの編成は、キリト対策の編成だ。」

 

 そう言うと、リーファは驚愕の表情を浮かべる。

 そう。

 あの編成は、前衛がキリトの攻撃を受け止め、後衛は、前衛を回復しつつ、魔法でキリトに攻撃する。

 そんな編成を組まれている。

 そう考える中、予感が的中して、キリトのHPバーが、半分を切る。

 即座に、僕たちで回復魔法を使うが、不利なのには、変わらない。

 すると、リーファが悲痛な叫び声を出す。

 

リーファ「キリト君!またスイルベーンから何時間か飛べば済むよ!だから……!」

キリト「嫌だ。」

アーロン「キリト………!?」

キリト「俺が生きてる間は、パーティーメンバーを殺させはしない。」

 

 それを聞いて、僕たちは立ち尽くす。

 キリトの目は、本気だ。

 システム的に覆しようがない状況に抗い、懸命に生存の道を探そうとする意思が渦巻いていた。

 すると。

 

「「ハァァァァ!!!」」

 

 裂帛の声がして、上空から2人のプレイヤーが奇襲をかけて、僕たちの前に立っていた。

 そのプレイヤーは、2人とも闇妖精族(インプ)だった。

 

???「やれやれ、1対12のワンサイドゲームとか、白ける事すんなよ。」

???「まあ、こっからは、私たちも増援っていう事ね!」

 

 その男女は、そう叫ぶ。

 

カルムside

 

 どうやら、間に合ったみたいだな。

 ついさっき、ルグルー回廊にある中立都市に着いたばかりだが、突然の爆発音が聞こえてきて、俺とミトがそこに行くと、岩壁があって、何事かと思ったが。

 

カナ「パパ!ママ!あの岩壁の向こうに、キリトさんが居ます!」

カルム「マジか!?」

ミト「カルム!行くわよ!」

カルム「ああ!」

 

 俺たちはそう話し、すぐに岩壁の向こうへと飛ぶ。

 

カルム「やれやれ、2対12のワンサイドゲームとか、白ける事すんなよ。」

ミト「まあ、こっからは、私たちも増援っていう事ね!」

 

 そう宣言する。

 すると、俺たちに気付いたのか、キリトが叫ぶ。

 まあ、あんな黒ずくめは、キリトだろうからな。

 

キリト「カルム!ミト!」

カルム「悪い、待たせた!」

ミト「さあ、こっから逆転よ!」

風妖精族1「あの2人の闇妖精族(インプ)って……。」

風妖精族2「さぁ………?」

リーダー「ハァ!?闇妖精族(インプ)だと!?情報によれば、風妖精族(シルフ)2人に影妖精族(スプリガン)の3人だけじゃなかったのか!?」

カルム「さて、親友をここまでやったんだ。」

ミト「覚悟は、出来てるのかしら?」

キリト「カルム、ミト!悪い、援護して欲しいんだ!」

カルム「あいよ!」

ミト「行くわよ!」

 

 そう言って、俺とミトは、空を飛ぶ。

 闇妖精族(インプ)は、暗闇の中でも、多少の飛行は可能なのだ。

 飛行しての強襲で、前衛を崩すが、すぐに回復される。

 本当に厄介だな。

 少し苛立ち、ウィザーソードガンをガンモードにする。

 これは、MPを消費して、変幻自在な軌道の魔力弾を放つ事が出来るのだ。

 それには、火妖精族(サラマンダー)のプレイヤーも戸惑う。

 それだけでなく。

 

カルム「行け!パラド!」

パラド「待ってました!」

 

 俺はそう叫び、パラドを出す。

 パラドは、嬉々とした表情で、火妖精族達に攻撃する。

 ガシャコンパラプレイガンというハンドアックスを持ちながら。

 気がつくと、キリトの方から魔法の詠唱が。

 すると、キリトの姿が、あの74層ボスのグリームアイズへと変化した。

 

カルム「うそーん……。」

ミト「何か、トラウマが……。」

 

 俺達、要らないかも。

 その後、まさに、グリームアイズVSアインクラッド解放軍の戦闘の再現が起こった。

 前衛が紙屑かの様に、吹き飛ばされていき、メイジ部隊も何人かは俺達が軽量級妖精共通スキルの壁走りを使い、壊滅させて、リーダーも湖に飛び込んで自滅した。

 まさに残りの1人を倒そうとすると。

 

カルム「キリト、ストップ!」

ミト「ソイツは生かして!」

ユイ「凄かったですねぇ〜〜。」

カナ「本当に、そうね。」

 

 その男は、放心状態になっていた。

 

リーファ「さあ、誰の命令とかあれこれ吐いてもらうわよ!」

火妖精族「こ、殺すなら殺しやがれ!」

 

 さて、どうしたものかと思っていると、キリトが近寄ってくる。

 

キリト「いやあ、暴れた暴れた。よ、ナイスファイト。いやあ、いい作戦だったよ。俺1人だったら速攻やられてたわ。」

リーファ「ちょ、ちょっとキリト君……。」

キリト「まあまあ、さて、物は相談なんだがキミ、これ、今の戦闘で俺がゲットしたアイテムとユルドなんだけどな。俺たちの質問に答えてくれたら、これ全部、キミにあげちゃおうかなーなんて思ってるんだけどなぁー。」

火妖精族「えっ!?……マジ?」

キリト「マジマジ。」

 

 そう言って、にやっと笑みを交わす両者を見て。

 

風妖精族「男って……。」

ユイ「何か、身も蓋もないですよね……。」

風妖精族「何やってるんだい………。」

ミト「まあ、情報を得るのなら、やっぱり、そうした方が良いわよね。」

カルム「アスナが見たら、どう思うのかね。」

カナ「やれやれです。」

パラド「もっと暴れたかったぜ。」

 

 俺たちは、そう話していた。




今回はここまでです。
ウィザーソードガンは、書いてある通り、MPを消費して、魔力弾を放つ事ができます。
詠唱をする必要性が無いので、カルムは重宝しています。
さらに、ウィザーソードガンには、隠された機能があります。
そして、パラドの初陣です。
アンケートを取りたいと思います。
それは、近いうちにやる予定のユージーン将軍との戦いで、キリトとカルムのどちらを戦わせるかです。
ユージーン将軍との一件にて、とあるオリキャラを出す予定です。
そのオリキャラは、アーロンの知り合いです。
シノンの彼氏キャラは、ギルバートだと言いましたが、意見を貰い、エターナルに変更します。

カルムのGGOの武器はどうするか

  • ゼットソード
  • ブラストソード
  • ハンドル剣&ドア銃
  • マグナムシューター
  • その他
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