ソードアート・オンライン Re:紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、須郷と戦う直前までです。


第14話 神を騙る者

 転送された俺達は、周囲を見渡すと、そこは静寂に包まれていた。

 ピクシー態ではなく、本来の少女の姿になったカナが声をかける。

 

カナ「大丈夫ですか?」

カルム「何もないな。」

ミト「とにかく、一刻も早く、アスナの元に行きましょう。」

カナ「アスナさんの位置はかなり近いです。」

パラド「気をつけるぞ。」

アーロン「うん。」

 

 エレベーターを見つけて、そこに入り、更に進んでいく。

 途中で、奇襲を警戒していたのだが、誰も出てこない。

 カナがドアを開けると、そこにはまさに世界樹の頂だ。

 だが……。

 

アーロン「無いじゃないか……。空中都市なんて……。」

ミト「つまり、アレは中身は大きい嘘だったという事ね。」

カルム「………許されないぞ。」

 

 これは、全てのALOプレイヤーを騙していたに等しい。

 あのサラマンダー達も、世界樹の攻略の為にあんな事をしたのだから。

 アーロンは、悲痛な表情を浮かべつつも、口を開く。

 

アーロン「…………早く行こう。リーファを助けないと。」

カルム「…………そうだな。さっさと終わらせるぞ。」

 

 俺たちは、敵の奇襲に気をつけつつ、先へと進んでいく。

 キリト達とも合流したい所だ。

 すると、キリトとユイちゃんと合流する。

 

カルム「キリト!」

キリト「カルム!?ミト達まで…………。」

ユイ「どうやってここに…………?」

カナ「パラドのおかげです!」

ミト「それよりも、面倒な事になったわ。」

キリト「どうした?」

アーロン「リーファが攫われた…………!」

キリト「なっ……………!?」

 

 それを聞いたキリトは驚愕する。

 キリトは大きく叫ぶ。

 

キリト「どういう事だよ!?」

カルム「全く持って分からん。」

ミト「私たちも、本当に分からなくて…………。」

アーロン「何か、怪人によって攫われた…………!」

パラド「……………リーファを攫ったのは、ゲムデウスと呼ばれる存在だ。」

 

 パラドがそう言うと、俺たちの視線は、パラドに集中する。

 

カルム「ゲムデウス?」

パラド「ああ。俺を開発した人物が、ボスモンスターとして作成した物だ。」

ミト「そんな奴が、どうしてリーファを?」

アーロン「というより、何でそんな事に詳しいんだい?」

パラド「ミトに関しては、その思考ルーチンを書き換えられた可能性があって、アーロンに関しては、須郷伸之の企みを調べるために、俺は起動したんだ。」

キリト「何にせよ、まずはアスナの元に行こう。」

 

 そうして、俺たちはアスナが居る場所に向かう。

 しばらく歩くと、そこには、一つの鳥籠が鎮座していた。

 ちなみに、パラドは俺の中に引っ込んだ。

 あの中にアスナが…………。

 すると、キリトとユイちゃんが駆け出して、俺たちも駆け出す。

 すると、アスナが顔を上げる。

 

キリト「……………アスナ。」

ユイ「ママ!」

ミト「アスナ!」

カルム「アスナ!」

カナ「アスナさん!」

 

 ユイちゃんが閉じられていた扉を開き、鳥籠の中へと駆け込む。

 ユイちゃんは、アスナに思い切り抱きつく。

 

ユイ「ママ…………。」

アスナ「ユイ……………ちゃん……………。」

キリト「アスナ……………。」

ミト「アスナ…………遅くなってごめん。」

カルム「待たせたな。」

アスナ「ううん、信じてた。3人なら、きっと助けに来てくれるって…………。」

 

 俺たちの言葉に、アスナはそう答える。

 

キリト「アスナ、帰ろう。現実世界に。」

ミト「それで、どうすればアスナを現実世界に帰せるの?」

ユイ「ママは今、複雑なコードによって拘束されています。」

カナ「それを解除するには、システムコンソールが必要。」

アーロン「そうなのか…………。でも、リーファはどこに…………?」

 

 という訳で、システムコンソールがある最下層に向かおうとしたが、誰かに見られている気配がする。

 

カルム「皆!警戒!!」

 

 そう言って、アスナ、ユイちゃん、カナを除いた面子は、武器を取り出す。

 すると、鳥籠が水没した。

 まるで、粘性が高い液体が、俺たちを包む様に感じた。

 体が重い…………!

 世界が暗くなった。

 すると、ユイとカナが体を仰け反らせる。

 

ユイ「皆さん、気をつけて!」

カナ「何か、良くないものが……!」

 

 その言葉が終わる前に、二人は消えた。

 

キリト「ユイ!?」

アスナ「ユイちゃん!?」

カルム「カナ!?」

ミト「カナ!?」

アーロン「どうなっているんだ………!?」

 

 俺たちは混乱する。

 何とか、ミトの手を掴もうとするが、凄まじい重力が俺たちを襲う。

 

ミト「カルム…………。」

カルム「ミト…………。」

 

 俺たちがそう呼びかける中、声が聞こえてくる。

 

 

???「やあ、どうかな、この魔法は?次のアップデートで導入するつもりだったが、ちょっと効果が強すぎるかな?」

 

 その声を忘れる訳がない。

 俺たちを英雄と揶揄したあの声だ。

 

カルム「須郷伸之……!」

キリト「須郷……!!」

オベイロン「おいおい、この世界でその名前はやめてくれ。妖精王、オベイロン陛下と……そう呼べッ!!」

 

 すると、俺とキリトは蹴られた。

 そこに居たのは、姿こそ違うが、あの須郷伸之だと分かる。

 

アスナ「須郷!あなたのした事は、全部この眼で見たわ!!あんな事をして、許される筈がない!絶対に!!」

オベイロン「へぇ?誰が許さないのかな?君かい、それとも、彼らかい?それとも、神様かな?この世界に神は、僕だけだよ!」

 

 本当に耳障りだ。

 その声を聞いていると、イラついてくる。

 すると、アーロンが叫ぶ。

 

アーロン「お前………!リーファを何処にやったんだ!?」

オベイロン「あぁん?リーファ?…………ああ、ゲムデウスが捕獲したプレイヤーの事か。安心しなよ。ちゃんと居るさ。」

 

 すると、リーファが鎖に吊るされた状態で出てくる。

 

アーロン「リーファ!」

リーファ「アーロン!」

アーロン「お前…………!リーファを攫ったのはどういう理由だ!?」

オベイロン「ああ…………。何でも、とある人物が、彼女には商品価値があると言ってね。攫ったのさ。」

アーロン「商品価値………!?」

オベイロン「詳しい事は、聞いていないんだけどね。」

 

 プレイヤーを商品価値とかで判断するとか、イカれてる。

 すると、須郷は俺たちに話しかける。

 

オベイロン「それにしても、桐ヶ谷君に、小野君、兎沢君……いや、キリト君にカルム君にミト君だったな。まさか、本当にここまで来るとはねぇ。」

カルム「生憎、俺は執念深くてね。」

オベイロン「フン。そもそもどうやってここまで来たんだい?」

キリト「飛んできたのさ、この翅で。」

オベイロン「まあいい。君たちの頭の中身に直接聞けば分かる事さ。」

ミト「…………どういう意味よ?」

 

 須郷の言葉に、ミトはそう聞く。

 

オベイロン「元SAOプレイヤーのおかげで、思考・記憶操作技術の基礎研究は、8割完了している。かつて、誰にも為し得なかった、人の魂の直接制御が、遂に出来る!その上、アミュスフィアを使っている実験台も手に入ったんだ!楽しみだねぇ!」

 

 イカれてる。

 自分が神になれると思ってやがる。

 

オベイロン「君達は性懲りも無くナーヴギアで接続しているのだろう?なら、立場は他の実験台と全く同じだ。」

アスナ「そんな事、許さないわよ!須郷!!キリト君にミト、カルム君に手を出したら、絶対に許さない!!」

ミト「……カルム。ログアウトして。」

カルム「…………分かった。」

 

 俺は、ミトの言葉に従う。

 メニューウインドウを出そうとするも、出てこない。

 

オベイロン「残念だけどねぇ!この世界からは誰も逃げられないんだよ!!」

 

 そう言うと、4本の鎖が現れて、それをアスナとミトの2人につけて、ぶら下げる。

 重力の影響を受けているのか、ミト、アスナ、リーファの顔が歪む。

 

オベイロン「…………さて。いでよ!ゲムデウス!!」

 

 すると、リーファを攫ったあの怪人が再び姿を現す。

 すると、ゲムデウスは、腕から白い煙を放出して、俺、キリト、アーロンを包む。

 

キリト「何だ!?」

オベイロン「ヒャハハハハ!その煙はな、アカウントをリセットする力があるんだよ!」

カルム「何っ!?」

オベイロン「さて…………ゲムデウス。彼らを痛めつけておけ。僕は、アスナ君を堪能しようとするかな。」

 

 すると、ゲムデウスが俺、キリト、アーロンに攻撃してくる。

 

カルム「くっ…………!」

ミト「カルム!」

アスナ「須郷…………!」

リーファ「アーロン!」

オベイロン「更に、システムコマンド!ペインアブソーバ、レベル10から8に変更!」

 

 須郷がそう叫ぶと、鋭い痛みが、俺たちを襲う。

 

オベイロン「痛いかい?まだツマミ2つ分だよ?。段階的に強くしてやるから楽しみにしていたまえ。もっともレベル3以下にすると現実の肉体にも影響が出る様だが………。」

キリト「須郷…………!」

アーロン「うぅ…………!」

オベイロン「しかし、最高だね!彼らが痛めつけられるのを見ながら、アスナ君達を犯せるとはね!!」

 

 須郷の言葉を聞いて、俺達は、怒りが沸いてきた。

 だが、ゲムデウスは俺たちを痛めつける。

 それでも、俺たちは立ち上がろうとする。

 

リーファ「アーロン!」

ミト「カルム…………!」

アーロン「諦めて…………たまるか………!」

カルム「ああ…………!あんな小物にな……………!」

キリト「そうだな…………!」

オベイロン「……………何だと?」

 

 俺が言った言葉に、須郷は反応する。

 須郷が指示を出すと、ゲムデウスは動きを止める。

 

オベイロン「この僕が…………小物?何を言っているのか、分からないなぁ。」

カルム「分からないのか?お前、この世界の神だとか自称しておいて、ただのプレイヤー相手に、拘束して痛めつけさせる?本当に小物じゃないか。」

オベイロン「何を言うと思ったら………!」

 

 須郷は激昂し始めたのか、叫びながら、俺の頭を踏む。

 

オベイロン「君たちとは、土俵が違うのさ!僕は神だ!わざわざ君たちと同じ土俵で戦うわけが無いだろう!」

カルム「くっ…………!」

ミト「カルム…………。」

オベイロン「まあ良い。君たち3人は、ゲムデウスに痛めつけられ、君たち3人にとって、大事な彼女達が、僕に犯されるのを、そこで見てるんだな!!」

 

 そう言うと、ゲムデウスは、俺たちに攻撃を再開して、須郷は、ミト達の方に戻る。

 須郷に対して、ああ言ったが、何も出来ないのは、事実でもある。

 現に、俺たちは…………。

 

パラドside

 

 くそ!

 このまま、何も出来ないのかよ!

 俺は、何とかゲムデウスのステータスリセットの力には影響されず、どうにか出来るのだが、カルム達は、嬲られている。

 このままじゃあ…………!

 すると。

 

巧「やっと繋がった!」

パラド「おせぇぞ!!」

巧「すまない!やっと対ゲムデウスのプログラムが出来た!」

パラド「そうか!」

巧「おそらく、須郷が居るな。」

パラド「ああ。なら、早くそのプログラムをくれ!!」

巧「ちょっと待ってろ…………。よし!送信出来たぞ!」

 

 やっと来たか!

 それにしても、何か、プログラムの内容が違くないか?

 

パラド「なあ、何か、プログラムの内容が違くねぇか?」

巧「それはだな…………。」

黎斗「巧が考えたのは、武器にインストールするタイプだが、それでは、武器が奪われている場合は、何も出来ない。そこで、煙状にする様に変更したのさ!」

 

 なるほど、そういう事か。

 

巧「それだけじゃないぞ!あるデータも転送したから、それを、カルム達に渡してくれ!ついでに、この人も連れて行ってくれ。」

パラド「この人?」

 

 すると、目の前に、誰かが現れる。

 

パラド「お前は…………!」

 

カルムside

 

 俺たちは立ち上がろうとしても、ゲムデウスに痛めつけられ、ミト達は、須郷に服を破られ、恥辱の涙を流していた。

 すると。

 

パラド「ハァァァァ!!」

カルム「パラド!?」

 

 パラドが飛び出して、ゲムデウスに何かを吹きかけた。

 すると、ゲムデウスが苦しみだして、そのまま怯む。

 

オベイロン「なっ…………!?貴様、何者だ!?」

パラド「安田博士と黎斗が作ったAIさ!」

オベイロン「何っ………!?何故、ゲムデウスが怯んだのだ!?」

パラド「簡単な話さ。安田博士と黎斗が、ゲムデウスの動きを止めるプログラムを作ってたんだよ。それと…………出てきて良いぜ。」

 

 パラドは、後ろに向かってそう言う。

 すると。

 

???「ああ。」

 

 一人の男性が現れる。

 それは、白衣を着た一人の男性だった。

 その人物を見た須郷は、大きく叫ぶ。

 

オベイロン「き、貴様はァァァ!!」

キリト「茅場……。」

カルム「晶彦……。」

 

 そう。

 ソードアート・オンラインの開発者にしてゲームマスターの、茅場晶彦だった。

 

アーロン「えぇぇぇ…………!?」

茅場「そうだ。システムログイン。IDヒースクリフ。」

 

 すると、俺たちを苦しめていた重力が突如として消えた。

 そうして、俺達は立ち上がる。

 

オベイロン「何!?」

茅場「この世界は返して貰うよ。システムコマンド、スーパーバイザ権限をオベイロンからキリトに変更。IDオベイロンをレベル1に。」

オベイロン「か、茅場!!」

 

 恐らく、ヒースクリフのGM権限を使って、権限を剥奪したのだろう。

 

茅場「それと、君たちにもだったね。システムコマンド。IDキリト、IDカルム、IDアーロンのデータを復旧。」

 

 すると、データが復旧したという通知が来た。

 

茅場「それと、安田君から、君たちに渡しておきたい物があるそうだ。」

アーロン「渡す物…………?」

パラド「おう!これだ!」

 

 そう言って、パラドは何かの光を照らしだす。

 すると、俺たちの装備が変わっていく。

 俺は、銀色のローブに、ダイヤモンドみたいな鎧が付いた物で、武器に、アックスカリバーという武器があった。

 キリトは何やら、バーコードみたいな鎧で、手には剣を持っていた。

 アーロンは、黄金に星が配置されたアーマーを着ていて、凄い派手な剣を持っていた。

 

アーロン「これは…………。」

カルム「凄いな…………。」

パラド「安田博士と黎斗の二人が作った物だぜ!」

オベイロン「アイツら…………!」

キリト「さあ、須郷。アスナ達を返してもらうぜ。」

 

 そうして、泥棒の王との戦いが、幕を開ける。




今回はここまでです。
SAOの完全新作のオリジナルストーリーの映画が発表されました!
これは、多分、2年後くらいにはなりそうですが、丁度良い感じになりそうですね。
ちなみに、キリトはディケイドのコンプリートフォーム、カルムはウィザードのインフィニティースタイル、アーロンはエグゼイドのムテキゲーマーを模した装備です。
ゲムデウスが残ったのは、次回に繋がります。
アンケートは、しばらく続けます。
あと、この小説のユウキの処遇はどうしましょうか。
リメイク前は、ミトの家で引き取ったのですが、設定が明かされたので、それは無理だと判断しました。
その為、キリトか、アスナか、カルムの家のどれかが、引き取る事にしようかなと思っています。
まあ、アスナの家は、現実的ではないですが。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
アンケートで、マグナムシューターが多いですね。
ただ、カルムにも剣を使わせたいと思うのですが、どうしたら良いでしょうか。
あと、その他を選んだ場合は、どんな武器が良いのか、教えて欲しいです。
それは、下記のアドレスから行ける活動報告にて、お願いします。
あと、オーディナル・スケールに代わるエピソードで、こんなのをして欲しいというのがあれば、宜しくお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=288419&uid=373253

今作では、ミトもGGOに行くべきか

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