転送された俺達は、周囲を見渡すと、そこは静寂に包まれていた。
ピクシー態ではなく、本来の少女の姿になったカナが声をかける。
カナ「大丈夫ですか?」
カルム「何もないな。」
ミト「とにかく、一刻も早く、アスナの元に行きましょう。」
カナ「アスナさんの位置はかなり近いです。」
パラド「気をつけるぞ。」
アーロン「うん。」
エレベーターを見つけて、そこに入り、更に進んでいく。
途中で、奇襲を警戒していたのだが、誰も出てこない。
カナがドアを開けると、そこにはまさに世界樹の頂だ。
だが……。
アーロン「無いじゃないか……。空中都市なんて……。」
ミト「つまり、アレは中身は大きい嘘だったという事ね。」
カルム「………許されないぞ。」
これは、全てのALOプレイヤーを騙していたに等しい。
あのサラマンダー達も、世界樹の攻略の為にあんな事をしたのだから。
アーロンは、悲痛な表情を浮かべつつも、口を開く。
アーロン「…………早く行こう。リーファを助けないと。」
カルム「…………そうだな。さっさと終わらせるぞ。」
俺たちは、敵の奇襲に気をつけつつ、先へと進んでいく。
キリト達とも合流したい所だ。
すると、キリトとユイちゃんと合流する。
カルム「キリト!」
キリト「カルム!?ミト達まで…………。」
ユイ「どうやってここに…………?」
カナ「パラドのおかげです!」
ミト「それよりも、面倒な事になったわ。」
キリト「どうした?」
アーロン「リーファが攫われた…………!」
キリト「なっ……………!?」
それを聞いたキリトは驚愕する。
キリトは大きく叫ぶ。
キリト「どういう事だよ!?」
カルム「全く持って分からん。」
ミト「私たちも、本当に分からなくて…………。」
アーロン「何か、怪人によって攫われた…………!」
パラド「……………リーファを攫ったのは、ゲムデウスと呼ばれる存在だ。」
パラドがそう言うと、俺たちの視線は、パラドに集中する。
カルム「ゲムデウス?」
パラド「ああ。俺を開発した人物が、ボスモンスターとして作成した物だ。」
ミト「そんな奴が、どうしてリーファを?」
アーロン「というより、何でそんな事に詳しいんだい?」
パラド「ミトに関しては、その思考ルーチンを書き換えられた可能性があって、アーロンに関しては、須郷伸之の企みを調べるために、俺は起動したんだ。」
キリト「何にせよ、まずはアスナの元に行こう。」
そうして、俺たちはアスナが居る場所に向かう。
しばらく歩くと、そこには、一つの鳥籠が鎮座していた。
ちなみに、パラドは俺の中に引っ込んだ。
あの中にアスナが…………。
すると、キリトとユイちゃんが駆け出して、俺たちも駆け出す。
すると、アスナが顔を上げる。
キリト「……………アスナ。」
ユイ「ママ!」
ミト「アスナ!」
カルム「アスナ!」
カナ「アスナさん!」
ユイちゃんが閉じられていた扉を開き、鳥籠の中へと駆け込む。
ユイちゃんは、アスナに思い切り抱きつく。
ユイ「ママ…………。」
アスナ「ユイ……………ちゃん……………。」
キリト「アスナ……………。」
ミト「アスナ…………遅くなってごめん。」
カルム「待たせたな。」
アスナ「ううん、信じてた。3人なら、きっと助けに来てくれるって…………。」
俺たちの言葉に、アスナはそう答える。
キリト「アスナ、帰ろう。現実世界に。」
ミト「それで、どうすればアスナを現実世界に帰せるの?」
ユイ「ママは今、複雑なコードによって拘束されています。」
カナ「それを解除するには、システムコンソールが必要。」
アーロン「そうなのか…………。でも、リーファはどこに…………?」
という訳で、システムコンソールがある最下層に向かおうとしたが、誰かに見られている気配がする。
カルム「皆!警戒!!」
そう言って、アスナ、ユイちゃん、カナを除いた面子は、武器を取り出す。
すると、鳥籠が水没した。
まるで、粘性が高い液体が、俺たちを包む様に感じた。
体が重い…………!
世界が暗くなった。
すると、ユイとカナが体を仰け反らせる。
ユイ「皆さん、気をつけて!」
カナ「何か、良くないものが……!」
その言葉が終わる前に、二人は消えた。
キリト「ユイ!?」
アスナ「ユイちゃん!?」
カルム「カナ!?」
ミト「カナ!?」
アーロン「どうなっているんだ………!?」
俺たちは混乱する。
何とか、ミトの手を掴もうとするが、凄まじい重力が俺たちを襲う。
ミト「カルム…………。」
カルム「ミト…………。」
俺たちがそう呼びかける中、声が聞こえてくる。
???「やあ、どうかな、この魔法は?次のアップデートで導入するつもりだったが、ちょっと効果が強すぎるかな?」
その声を忘れる訳がない。
俺たちを英雄と揶揄したあの声だ。
カルム「須郷伸之……!」
キリト「須郷……!!」
オベイロン「おいおい、この世界でその名前はやめてくれ。妖精王、オベイロン陛下と……そう呼べッ!!」
すると、俺とキリトは蹴られた。
そこに居たのは、姿こそ違うが、あの須郷伸之だと分かる。
アスナ「須郷!あなたのした事は、全部この眼で見たわ!!あんな事をして、許される筈がない!絶対に!!」
オベイロン「へぇ?誰が許さないのかな?君かい、それとも、彼らかい?それとも、神様かな?この世界に神は、僕だけだよ!」
本当に耳障りだ。
その声を聞いていると、イラついてくる。
すると、アーロンが叫ぶ。
アーロン「お前………!リーファを何処にやったんだ!?」
オベイロン「あぁん?リーファ?…………ああ、ゲムデウスが捕獲したプレイヤーの事か。安心しなよ。ちゃんと居るさ。」
すると、リーファが鎖に吊るされた状態で出てくる。
アーロン「リーファ!」
リーファ「アーロン!」
アーロン「お前…………!リーファを攫ったのはどういう理由だ!?」
オベイロン「ああ…………。何でも、とある人物が、彼女には商品価値があると言ってね。攫ったのさ。」
アーロン「商品価値………!?」
オベイロン「詳しい事は、聞いていないんだけどね。」
プレイヤーを商品価値とかで判断するとか、イカれてる。
すると、須郷は俺たちに話しかける。
オベイロン「それにしても、桐ヶ谷君に、小野君、兎沢君……いや、キリト君にカルム君にミト君だったな。まさか、本当にここまで来るとはねぇ。」
カルム「生憎、俺は執念深くてね。」
オベイロン「フン。そもそもどうやってここまで来たんだい?」
キリト「飛んできたのさ、この翅で。」
オベイロン「まあいい。君たちの頭の中身に直接聞けば分かる事さ。」
ミト「…………どういう意味よ?」
須郷の言葉に、ミトはそう聞く。
オベイロン「元SAOプレイヤーのおかげで、思考・記憶操作技術の基礎研究は、8割完了している。かつて、誰にも為し得なかった、人の魂の直接制御が、遂に出来る!その上、アミュスフィアを使っている実験台も手に入ったんだ!楽しみだねぇ!」
イカれてる。
自分が神になれると思ってやがる。
オベイロン「君達は性懲りも無くナーヴギアで接続しているのだろう?なら、立場は他の実験台と全く同じだ。」
アスナ「そんな事、許さないわよ!須郷!!キリト君にミト、カルム君に手を出したら、絶対に許さない!!」
ミト「……カルム。ログアウトして。」
カルム「…………分かった。」
俺は、ミトの言葉に従う。
メニューウインドウを出そうとするも、出てこない。
オベイロン「残念だけどねぇ!この世界からは誰も逃げられないんだよ!!」
そう言うと、4本の鎖が現れて、それをアスナとミトの2人につけて、ぶら下げる。
重力の影響を受けているのか、ミト、アスナ、リーファの顔が歪む。
オベイロン「…………さて。いでよ!ゲムデウス!!」
すると、リーファを攫ったあの怪人が再び姿を現す。
すると、ゲムデウスは、腕から白い煙を放出して、俺、キリト、アーロンを包む。
キリト「何だ!?」
オベイロン「ヒャハハハハ!その煙はな、アカウントをリセットする力があるんだよ!」
カルム「何っ!?」
オベイロン「さて…………ゲムデウス。彼らを痛めつけておけ。僕は、アスナ君を堪能しようとするかな。」
すると、ゲムデウスが俺、キリト、アーロンに攻撃してくる。
カルム「くっ…………!」
ミト「カルム!」
アスナ「須郷…………!」
リーファ「アーロン!」
オベイロン「更に、システムコマンド!ペインアブソーバ、レベル10から8に変更!」
須郷がそう叫ぶと、鋭い痛みが、俺たちを襲う。
オベイロン「痛いかい?まだツマミ2つ分だよ?。段階的に強くしてやるから楽しみにしていたまえ。もっともレベル3以下にすると現実の肉体にも影響が出る様だが………。」
キリト「須郷…………!」
アーロン「うぅ…………!」
オベイロン「しかし、最高だね!彼らが痛めつけられるのを見ながら、アスナ君達を犯せるとはね!!」
須郷の言葉を聞いて、俺達は、怒りが沸いてきた。
だが、ゲムデウスは俺たちを痛めつける。
それでも、俺たちは立ち上がろうとする。
リーファ「アーロン!」
ミト「カルム…………!」
アーロン「諦めて…………たまるか………!」
カルム「ああ…………!あんな小物にな……………!」
キリト「そうだな…………!」
オベイロン「……………何だと?」
俺が言った言葉に、須郷は反応する。
須郷が指示を出すと、ゲムデウスは動きを止める。
オベイロン「この僕が…………小物?何を言っているのか、分からないなぁ。」
カルム「分からないのか?お前、この世界の神だとか自称しておいて、ただのプレイヤー相手に、拘束して痛めつけさせる?本当に小物じゃないか。」
オベイロン「何を言うと思ったら………!」
須郷は激昂し始めたのか、叫びながら、俺の頭を踏む。
オベイロン「君たちとは、土俵が違うのさ!僕は神だ!わざわざ君たちと同じ土俵で戦うわけが無いだろう!」
カルム「くっ…………!」
ミト「カルム…………。」
オベイロン「まあ良い。君たち3人は、ゲムデウスに痛めつけられ、君たち3人にとって、大事な彼女達が、僕に犯されるのを、そこで見てるんだな!!」
そう言うと、ゲムデウスは、俺たちに攻撃を再開して、須郷は、ミト達の方に戻る。
須郷に対して、ああ言ったが、何も出来ないのは、事実でもある。
現に、俺たちは…………。
パラドside
くそ!
このまま、何も出来ないのかよ!
俺は、何とかゲムデウスのステータスリセットの力には影響されず、どうにか出来るのだが、カルム達は、嬲られている。
このままじゃあ…………!
すると。
巧「やっと繋がった!」
パラド「おせぇぞ!!」
巧「すまない!やっと対ゲムデウスのプログラムが出来た!」
パラド「そうか!」
巧「おそらく、須郷が居るな。」
パラド「ああ。なら、早くそのプログラムをくれ!!」
巧「ちょっと待ってろ…………。よし!送信出来たぞ!」
やっと来たか!
それにしても、何か、プログラムの内容が違くないか?
パラド「なあ、何か、プログラムの内容が違くねぇか?」
巧「それはだな…………。」
黎斗「巧が考えたのは、武器にインストールするタイプだが、それでは、武器が奪われている場合は、何も出来ない。そこで、煙状にする様に変更したのさ!」
なるほど、そういう事か。
巧「それだけじゃないぞ!あるデータも転送したから、それを、カルム達に渡してくれ!ついでに、この人も連れて行ってくれ。」
パラド「この人?」
すると、目の前に、誰かが現れる。
パラド「お前は…………!」
カルムside
俺たちは立ち上がろうとしても、ゲムデウスに痛めつけられ、ミト達は、須郷に服を破られ、恥辱の涙を流していた。
すると。
パラド「ハァァァァ!!」
カルム「パラド!?」
パラドが飛び出して、ゲムデウスに何かを吹きかけた。
すると、ゲムデウスが苦しみだして、そのまま怯む。
オベイロン「なっ…………!?貴様、何者だ!?」
パラド「安田博士と黎斗が作ったAIさ!」
オベイロン「何っ………!?何故、ゲムデウスが怯んだのだ!?」
パラド「簡単な話さ。安田博士と黎斗が、ゲムデウスの動きを止めるプログラムを作ってたんだよ。それと…………出てきて良いぜ。」
パラドは、後ろに向かってそう言う。
すると。
???「ああ。」
一人の男性が現れる。
それは、白衣を着た一人の男性だった。
その人物を見た須郷は、大きく叫ぶ。
オベイロン「き、貴様はァァァ!!」
キリト「茅場……。」
カルム「晶彦……。」
そう。
ソードアート・オンラインの開発者にしてゲームマスターの、茅場晶彦だった。
アーロン「えぇぇぇ…………!?」
茅場「そうだ。システムログイン。IDヒースクリフ。」
すると、俺たちを苦しめていた重力が突如として消えた。
そうして、俺達は立ち上がる。
オベイロン「何!?」
茅場「この世界は返して貰うよ。システムコマンド、スーパーバイザ権限をオベイロンからキリトに変更。IDオベイロンをレベル1に。」
オベイロン「か、茅場!!」
恐らく、ヒースクリフのGM権限を使って、権限を剥奪したのだろう。
茅場「それと、君たちにもだったね。システムコマンド。IDキリト、IDカルム、IDアーロンのデータを復旧。」
すると、データが復旧したという通知が来た。
茅場「それと、安田君から、君たちに渡しておきたい物があるそうだ。」
アーロン「渡す物…………?」
パラド「おう!これだ!」
そう言って、パラドは何かの光を照らしだす。
すると、俺たちの装備が変わっていく。
俺は、銀色のローブに、ダイヤモンドみたいな鎧が付いた物で、武器に、アックスカリバーという武器があった。
キリトは何やら、バーコードみたいな鎧で、手には剣を持っていた。
アーロンは、黄金に星が配置されたアーマーを着ていて、凄い派手な剣を持っていた。
アーロン「これは…………。」
カルム「凄いな…………。」
パラド「安田博士と黎斗の二人が作った物だぜ!」
オベイロン「アイツら…………!」
キリト「さあ、須郷。アスナ達を返してもらうぜ。」
そうして、泥棒の王との戦いが、幕を開ける。
今回はここまでです。
SAOの完全新作のオリジナルストーリーの映画が発表されました!
これは、多分、2年後くらいにはなりそうですが、丁度良い感じになりそうですね。
ちなみに、キリトはディケイドのコンプリートフォーム、カルムはウィザードのインフィニティースタイル、アーロンはエグゼイドのムテキゲーマーを模した装備です。
ゲムデウスが残ったのは、次回に繋がります。
アンケートは、しばらく続けます。
あと、この小説のユウキの処遇はどうしましょうか。
リメイク前は、ミトの家で引き取ったのですが、設定が明かされたので、それは無理だと判断しました。
その為、キリトか、アスナか、カルムの家のどれかが、引き取る事にしようかなと思っています。
まあ、アスナの家は、現実的ではないですが。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
アンケートで、マグナムシューターが多いですね。
ただ、カルムにも剣を使わせたいと思うのですが、どうしたら良いでしょうか。
あと、その他を選んだ場合は、どんな武器が良いのか、教えて欲しいです。
それは、下記のアドレスから行ける活動報告にて、お願いします。
あと、オーディナル・スケールに代わるエピソードで、こんなのをして欲しいというのがあれば、宜しくお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=288419&uid=373253
今作では、ミトもGGOに行くべきか
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行く
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行かない