ソードアート・オンライン Re:紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回で、フェアリィ・ダンス編は終了です。


第16話 事件の終結

冬馬side

 

2025年 5月16日

 

 あのALOの事件からもうすぐ4ヶ月だ。

 俺達は、この春から、帰還者学校へと通う事になった。

 ちょうど午前の授業が終わり、俺は道具をリュックに纏めていると、1人の男子生徒に声をかけられた。

 

男子生徒「冬馬、席を取っといてくれ。」

男子生徒「無理無理、冬馬はあの人と謁見の日だろう。」

男子生徒「そうだった。畜生!羨ましいよ!」

冬馬「悪いな。じゃっ!」

 

 またいつもの恨み言を言われる前に退散する事にする。

 そして、屋上へと向かい、そこには兎澤深澄が居た。

 

冬馬「お待たせ。」

深澄「カルム。そこまで待ってないよ。」

冬馬「そっか。後、こっちではカルムじゃなくて冬馬だから。」

深澄「ごめん。いつもの癖で。」

冬馬「まあ、無理ないしな。あんな生活をしていたらな。」

 

 そうして、俺達は昼食を取る事に。

 今回は、俺が作ってきた。

 

深澄「美味しそう!」

冬馬「俺の自信作だ!」

 

 俺が作ったのは、鳥肉の唐揚げ、卵焼き、切り干し大根の和物、おにぎりだ。

 一応、これぐらいは作れる。

 食べ終えて、落ち着くと。

 

深澄「………それで、パラドはどうなるの?」

冬馬「ああ。今日辺りに、準備が完了するらしいぞ。」

 

 準備が、今日中には終わるそうだ。

 博士曰く、こんなに早く準備が進むとは思わなかったらしい。

 

深澄「じゃあ、また会えるのね。」

冬馬「ああ。」

深澄「それで、本当にあげるの?」

冬馬「うん。ALOではアイツの体になるしね。」

深澄「そっか。……ねえ、少し寄りかかっても良い?」

冬馬「ああ。」

 

 俺達は寄り添いながら手を繋いだ。

 

拓人side

 

 午前中の授業が終わったので、俺は、カフェテリアに向かい、たぬきうどんを注文して、テーブルに向かう。

 そこには、知り合いが居た。

 

拓人「待たせたな、鋭二。」

鋭二「いや、僕たちも、ついさっき来たばかりさ。」

悠那「こんにちは、レイヒムさん。」

拓人「現実じゃあ、レイヒムじゃなくて、拓人なんだけどな…………。」

 

 俺は、ノーチラスこと後沢鋭二、ユナこと重村悠那、シリカこと綾野珪子が座っているテーブルに向かう。

 ちなみに、俺は、レイヒムとして、SAOをプレイしていた。

 窓側を見ると、リズベットこと篠崎里香、別の方向を見ていたフィリアこと竹宮琴音が居た。

 俺は、鋭二に聞く。

 

拓人「なあ、あの2人は何をしているんだ?」

鋭二「窓の外を見てみれば、すぐに分かるさ。」

 

 そう言われて、2人が見ている方向を見る。

 里香の方には、和人と明日奈さんが、琴音の方には、冬馬と深澄さんが居た。

 それを見て、すぐに察した。

 すると、里香がいちごヨーグルトドリンクを力任せに吸い上げて、周りに盛大な騒音が発生した。

 

珪子「もう、リズ……里香さん、もうちょっと静かに飲んでくださいよ!」

里香「だってさぁ……あー、キリトの奴、あんなにくっついて……。けしからんなぁもう、学校であんな………。」

鋭二「それにしても、琴音は、冬馬の事を諦めていないんだな。」

悠那「ある意味凄いよね。」

琴音「お宝は絶対に諦めないのは、トレジャーハンターのモットーだからね。」

 

 冬馬も苦労しそうだな。

 俺は苦笑しながら、うどんを食べる。

 すると、里香は、空になったパックを握り潰して屑籠に放り込むと、テーブルに頬杖をついて盛大にため息を吐きながら言った。

 

里香「あーあ……こんなことなら《一ヶ月休戦協定》なんて結ぶんじゃなかったなぁ……。」

珪子「リズさんが言い出したんじゃないですか!一ヶ月だけあの二人にラブラブさせてあげようなんて……。甘いんですよ全く。」

琴音「ねぇ、悠那………どうやったら、冬馬は振り向いてくれるかな…………?」

悠那「あははは…………。」

 

 里香が愚痴って、悠那は、琴音の質問に対して、苦笑する。

 俺は、鋭二に質問する。

 

拓人「そう言えばさ、今日のオフ会は誰が来るんだ?」

鋭二「ああ。店主のエギルを含めて、この場にいる全員とキリトにアスナさん、カルムにミトさん、アルゴ、クライン率いる風林火山の面子、黒猫団の面子、後はカルム達が知り合ったヨルコさんにカインズ、シンカーにユリエールさん、ディアベル、サーシャさんで、キリトの妹とその妹さんのクラスメイトも来るそうだ。」

悠那「私も曲を披露させてもらうよ!」

 

 そう、悠那はSAOで生まれた歌姫として、ALOで話題の存在だ。

 そうして、俺達は昼食を食べる。

 

悟side

 

 僕と桐ヶ谷さんは、SAOのオフ会に参加する事になった。

 途中、和人さん、明日奈さん、冬馬、深澄さんと合流して、エギルの店のダイシー・カフェへと向かう。

 その際に、和人さんと明日奈さん、冬馬と深澄さんは手を繋ぎながら歩いていた。

 

直葉「お兄ちゃんとアスナさんにカルムさんにミトさん、手なんか繋いでラブラブだね。」

悟「本当だよね。僕たちの事を忘れないで欲しいかな…………。」

 

 一応、聞こえないようにヒソヒソと話している。

 だけど、本人達は気にしておらず、周辺の空気がピンク色になっていた。

 少し、羨ましいな…………。

 しばらくして、ダイシー・カフェに着いて、本日貸切の看板を見ながら中に入る。

 既に全員揃っていた。

 

和人「おい、俺達は遅刻してないぞ。」

冬馬「何で?」

里香「主役は最後に来るもんだからね。お前らにはちょっと遅い時間で伝えたのよ。ほら、さっさと全員入った!」

 

 すると、里香さんが和人さんに明日奈さん、冬馬、深澄さんをステージ台に乗せた。

 

琴音「本日の主役達が来たという事で、アインクラッド攻略記念パーティーを開きます!」

里香「それでは、ご唱和下さい!……せーのぉ!」

『キリト、アスナ、カルム、ミト!SAOクリアおめでとう!!』

里香「カンパーイ!」

 

 当の4人はポカンとしていた。

 そりゃあ、聞いてなかったみたいだからね。

 

冬馬side

 

 唐突にスピーチをやらされたり、簡単な自己紹介をした後、エギルのピザが出てきて、悠那が新曲を披露して、パーティーは完全なカオス状態に陥った。

 アルゴと久しぶりに再会して、仕事をしているそうだ。

 少し疲れて、和人と共にカウンターの前の席に座る。

 

和人「マスター、バーボン、ロックで。」

冬馬「何言ってんだ、和人。エギル、烏龍茶を頂戴。」

 

 そう言うと、俺の方には烏龍茶が来て、和人の方にはグラスに入った何かが来た。

 和人に聞くと、烏龍茶らしい。

 してやったりという表情を浮かべるエギルに和人は唇を曲げて、俺は苦笑した。

 すると、クラインこと壺井遼太郎がやってきた。

 

遼太郎「エギル。俺には本物くれ。」

冬馬「良いのか?この後、会社に戻るんだろ?」

遼太郎「残業なんか、飲まなきゃやってられねぇっての。それにしても、良いねぇ……。」

 

 遼太郎さんは、女性陣を見て、鼻の下を伸ばしながらそう言った。

 まったく、良い人ではあるのは確かだけど、女好きが玉に瑕だな。

 だから、モテないんだよ。

 そこにシンカーさんがやって来た。

 

シンカー「キリトさん、カルムさん。」

冬馬「シンカーさん。」

和人「ユリエールさんと入籍したそうで。遅くなりましたけど、おめでとうございます。」

シンカー「いや、お恥ずかしい。漸く仕事も軌道に乗って来たところで。」

遼太郎「そういやぁ、見てるぜ、新生MMOトゥデイ。」

冬馬「あれは凄かったからな。」

和人「そういやエギル。あの後、アレはどうなったんだ?」

エギル「すげぇもんさ。今、ミラーサーバがおよそ五十……ダウンロード総数は十万、実際に稼働している大規模サーバが三百ってところだな。」

 

 茅場から託された世界の種子。

 俺達は茅場の助手であった神代凛子博士と会談して、俺たち3人で話し合い、エギルに託す事にした。

 世界の種子、それはザ・シードというプログラム・パッケージだった。

 これを使えば、誰でも仮想世界を作る事が出来て、これにより、死に絶える筈だったALOは別の企業へと渡り、新たに再生された。

 

シンカー「私達は多分今、新しい世界の創生に立ち会っているんです。その世界を括るにしてもMMORPGという言葉は狭すぎる。《MMOトゥデイ》も新しい名前にしたいのですが、なかなか、これ、という単語が出てこないんですよ。」

遼太郎「う~~~む…………。」

 

 シンカーの言葉に、遼太郎が腕組して考え始めた。

 

冬馬「ギルドに《風林火山》なんて名前付ける奴のセンスには誰も期待してないぞ。」

遼太郎「なんだと!言っとくが、新生・風林火山には加入希望者が殺到中なんだぞ!」

和人「可愛い女の子がいるといいな」

遼太郎「ぐっ……。」

 

 俺のツッコミに、遼太郎はそう反論するが、和人はそう言って、遼太郎が口に詰まる。

 それを見て笑って、エギルに聞く。

 

冬馬「ところで、二次会の変更は無いか?」

エギル「ああ、今夜11時、イグドラシル・シティ集合だ。」

和人「それで、アレは、動くのか?」

エギル「おうよ。新しいサーバ群を丸々一つ使ったらしいが、なんせ《伝説の城》だ。ユーザーもがっつんがっつん増えて、資金もがっぽりがっぽりだ。」

冬馬「そう行くと良いけどね。」

 

 その後、酔っ払ったであろう里香に巻き込まれそうになって逃げた。

 ちなみに、エギル曰く、1%以下だから大丈夫だそうだ。

 捕まるよ。

 

リーファside

 

アルヴヘイム・ケットシー領

 

 漆黒の夜空を貫いて、私は飛んでいた。

 以前のALOなら、飛行ゲージを気にしつつ、効率よく飛ぶかを考えていたが、今は違う。

 結局、世界樹の上に空中都市はなくて、光の妖精アルフも存在しない。

 しかし、世界は一度崩壊し、新しく生まれ変わって、全ての妖精に等しく無限に飛べるようになった。

 先週開かれた《アルヴヘイム黄疸レース》にて、私が一位で、カルムさんが二位、お兄ちゃんが三位となった。

 アスナさんにミトさん、色んな人がリベンジを誓った。

 ああいうイベントで飛ぶのもいいけれど、頭の中を空っぽにして、ただただ限界の先を目指して飛ぶのが一番楽しい。

 月に向かってロケットの様に舞い上がる。

 限界高度に達して、自由落下する。

 今日の放課後、お兄ちゃん達に連れて行ってもらったオフ会。

 そこで、私は感じた。

 彼らを繋ぐ、絆を。

 でも、私にはその記憶は無い。

 寂しさのせいか、翅が動かせない。

 すると、誰かが私を受け止めた。

 

リーファ「……!?」

アーロン「どこに行くんだい?キリトが心配してたよ。」

リーファ「ありがとう。」

 

 私を受け止めたのは、アーロンだった。

 

アーロンside

 

 僕は、リーファが高い所まで飛んでいくのを見つけて、受け止めた。

 ただ、リーファは少し思い詰めていた表情だったので、心配になって、声をかける。

 

アーロン「大丈夫?」

リーファ「えっ?」

アーロン「なんか、思い詰めてる様な感じだったから…………。」

リーファ「…………やっぱり、君には隠せないよね…………。」

 

 リーファは、そうため息を吐きながら言って、口を開く。

 

リーファ「今日のオフ会、楽しかったよね。」

アーロン「うん。見ず知らずの僕たちの事も、受け入れてくれた。あんなに楽しいオフ会は初めてだよ。」

リーファ「でもね…………私、感じちゃうんだ。皆より遠く感じるって。」

アーロン「……………。」

 

 リーファの言いたい事は分かる。

 彼らを繋ぐ、目には見えないけど、とても強い絆の存在を。

 今はない浮遊城アインクラッドで共に戦い、泣き、笑い、恋をした記憶が。

 その記憶は、現実世界に戻ってきても尚、彼らの中で、強い光を放っている。

 

アーロン「確かに…………僕たちは、SAOをやっていないし、彼らの絆が本物なのは確かだと思うよ。でも、行けない事はないと思うよ。」

リーファ「えっ……………?」

アーロン「付いてきて。」

 

 僕は、リーファの手を取り、猛スピードで飛んでいく。

 その方向は、世界樹の方角だ。

 急ブレーキをかけて、リーファを受け止める。

 

リーファ「どうしたの?」

アーロン「月の方を見てみて。」

リーファ「え?」

 

 すると、鐘の音が鳴り響き、徐々に大きい建造物が現れ、月を隠す。

 そして、その建造物が発光する。

 

リーファ「まさか、アレって……!」

アーロン「そうだよ。《浮遊城アインクラッド》だよ。」

リーファ「何でここに……。」

アーロン「僕も、ついさっき、カルムに聞かされたんだけど、ALOは、SAOのデータをまるっと流用してたから、アインクラッドのデータもあったんだってさ。」

 

 そう。

 カルム曰く、須郷伸之がSAOプレイヤーを捕えるために、SAOのデータを流用したそうだ。

 それが理由で、SAOのアバターを、そのままコンバート出来る様になった訳だし。

 

アーロン「確かに、さっきも言ったけど、僕たちは、SAOをやっていない。でも、今なら、キリト達が歩んで行って、歩んでいけなかったその先も行く事ができるんだ。だから…………。」

リーファ「えっ…………?」

アーロン「僕たちも、アインクラッドの頂上に行ってみよう。そこからの景色を、リーファと一緒に見たいんだ。」

リーファ「……………うん!一緒に見よう!アインクラッドの頂上を!」

 

 僕とリーファは、そう話し合う。

 すると、元SAOプレイヤーに、ALOのプレイヤーが、浮遊城に向かって行く。

 最後尾に、キリトさんにアスナさん、SAOのアバターにしたカルムにミトさん、そして、パラドも居た。

 

アーロン「あれ?パラドのアカウントはどうしたの?」

カルム「ああ。俺の旧ALOのアカウントをパラドにあげた。」

パラド「だから、俺は自律行動可能だぜ。」

 

 なるほどね。

 その為か、旧ALOのカルムの見た目をベースにしつつ、まだアカウントを持ってなかった頃のパラドの雰囲気が追加されていた。

 

アスナ「皆、行こう。」

ミト「ええ。」

ユイ「行きましょう!」

カナ「皆で行こう!!」

アーロン「じゃあ、行こう!」

リーファ「うん!」

キリト「行くぜ!」

カルム「置いてかれるなよ!」

 

 そうして、僕達もアインクラッドへと向かって行く。

 リーファと一緒に。

 

???side

 

 まさか、こうなるとはな。

 

???「どうやら、ゲムデウスは逃げた様だな。」

 

 彼らの協力で、須郷伸之は捕まったか。

 まあ良い。

 所詮は、技術にしか価値がない男だったからな。

 

???「カルムか…………。その名、覚えておこう。」

 

 私のビジネスを邪魔した事、覚えておくが良い。




今回はここまでです。
これにて、フェアリィ・ダンス編は、終了しました。
ちなみに、余談ですが、アーロンはこの後、リーファに告白して、2人は付き合う事になりました。
そして、最後に出てきた謎のキャラクター。
そいつは、今後の物語に関わってきます。
次回は、フェアリィ・ダンス編までに登場したオリキャラの紹介や、番外編として、extra editionの話、日常回をやって、ファントム・バレットに入っていきます。
アンケートは、ゼットソードとマグナムシューター40Xが拮抗していますね。
ちなみに、ゼットソードとは、ダンボール戦機ウォーズに登場するLBX、ドットフェイサーの武器です。
少し、活動報告に、ファントム・バレット、マザーズ・ロザリオ、アリシゼーションに関する物を出したので、良かったら、下記からそれに飛んで、意見を聞かせて欲しいです。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=288909&uid=373253
感想、リクエストは、絶賛受け付けています。

今作では、ミトもGGOに行くべきか

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