ソードアート・オンライン Re:紫紺の剣士   作:仮面大佐

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今回は、ALOに行くまでです。


第2話 水泳の特訓(後編)

 俺とキリトは、菊岡に言われ、パソコンの画面を見ていた。

 

菊岡「ほら、キリト君、カルム君。ここここ。」

和人「どこですか?」

菊岡「ここ、ここ。」

冬馬「ここだけじゃ分かりませんよ。」

菊岡「この座標だよ。ここに、高レベルプレイヤーが集まっているが、ボス攻略かい?」

 

 菊岡のその言葉に、俺たちは呆れた表情を浮かべる。

 

菊岡「いやなに。最強ソロプレイヤーの2人も、各階層のボス戦には、レイドパーティーに参加するんだなぁって。」

和人「当たり前でしょう。フロアボスは、基本的にソロで攻略できるような相手じゃない。」

冬馬「というより、レイドを組んでいても、危ないボスだって、少なくなかった。」

 

 一層のイルファング・ザ・コボルトロード、二十五層のアスラ・ザ・エクスキューショナー、七十四層のザ・グリームアイズ、七十五層のザ・スカルリーパーが良い例だ。

 二十五層のボス戦は、アインクラッド解放団の面々が、ラフコフの情報に踊らされたとはいえ、壊滅したくらいだ。

 七十四層のボスは、俺とキリトが、奥の手であるエボリューションキングと二刀流を使わざるを得なかったくらいだ。

 スカルリーパーは、高レベルの攻略組から、14人も死者が出てしまったからな。

 

和人「…………でも、アインクラッドには、フロアボスよりも恐ろしい奴らがいた。」

菊岡「ほう…………それは?」

冬馬「プレイヤーですよ。」

菊岡「プレイヤー?」

冬馬「フロアボスは強力だったけど、所詮はプログラムだから、パターンが分かれば対処出来るし、ボス部屋からは出ないから、いざとなったら、逃げる事も出来ますからね。」

和人「でも、殺人(レッド)プレイヤーは、同じ人間です。次々と新しいPK手段を編み出して、沢山のプレイヤーを手にかけた。」

 

 そう。

 ラフコフもまた、そうやって、プレイヤーを殺しまくった。

 そして、その討伐戦で、俺は…………2人の命を殺めてしまった…………。

 いや、2人だけじゃない。

 暴走してしまったクラディールの命も、俺は奪ってしまった……………。

 すると、和人が俺を見ている事に気づく。

 

和人「大丈夫か?」

冬馬「大丈夫だ。…………まあ、殺人(レッド)プレイヤーだけでなく、純粋なデュエルでも、俺たちは苦戦した。」

 

 その言葉で、ある戦闘が思い出される。

 それは、ヒースクリフとのデュエルだ。

 ミトとアスナの一時退団を巡って、デュエルをする事になった。

 皮肉にも、それが理由で、ヒースクリフの正体を看破するきっかけとなったのだが。

 

菊岡「…………その凄腕プレイヤーの頂点が、ギルド、血盟騎士団の団長、ヒースクリフだったという訳だね。」

和人「ええ。そして皮肉にも、ヒースクリフとのデュエルが、奴の正体に迫るヒントになったんです。」

冬馬「本当に皮肉にですがね。」

 

 菊岡の言葉に、俺たちはそう頷く。

 これは、昼飯を食えなさそうだな。

 そう思い、俺はミトに、キリトはアスナにメッセージを送る。

 

悟side

 

 僕たちは、休憩をし終えて、少し練習をした後、昼食にする事にした。

 

明日奈「色々作ったから、遠慮なく食べてね。」

深澄「私も色々作ってきたから。」

「「「わぁぁぁ…………!」」」

直葉「あ…………私もお弁当を作ってきたので、良かったら食べて下さい。」

 

 プールサイドの日陰の部分にシートを広げて、弁当を出す。

 明日奈さんと深澄さんが作ってきたのは、サンドイッチやベーグルサンドなど洋風な弁当だった。

 直葉さんが作ってきたのは、おにぎりや卵焼きなどが入った和風な弁当だった。

 どれも美味しそう…………!

 

「「「「「いただきまーす!」」」」」

 

 僕たちはそう言って、弁当を食べ始める。

 すると、明日奈さんと深澄さんの携帯が鳴った。

 2人は携帯を見る。

 

里香「誰から?」

明日奈「キリト君から。先に食べててだって。」

深澄「私もカルムから、もう少しかかりそうだから、先に食べててだって。」

里香「じゃあ、キリトとカルムの分まで、私が食べてあげよう!」

珪子「そんな事しちゃ可哀想ですよ。」

琴音「そうだよ。ちゃんと残しておいてあげないと。」

里香「へ〜い……………へい!」

 

 里香さんが、和人さんと冬馬さんの分まで食べようとして、それを止めようとする珪子さんと琴音さんを見ながら苦笑していると、直葉さんが声をかける。

 

直葉「ねぇ、悟君。」

悟「うん?」

直葉「おいしい?」

悟「うん。凄く美味しいよ。」

直葉「良かったあ…………。ありがとうね!」

 

 僕の言葉に、直葉さんは、嬉しそうにはにかむ。

 それを見て、僕は嬉しく感じる。

 すると、直葉さんは、気になった事があったのか、明日奈さんと深澄さんに質問をする。

 

直葉「あ、あの…………!」

明日奈「うん?」

深澄「どうしたの?」

直葉「その…………明日奈さんとお兄ちゃんって、どんな風に知り合ったのかなぁって。」

明日奈「えっ…………?」

珪子「私も聞きたいです!」

里香「私も聞きたい!」

琴音「私は、ミトとカルムがどんな風に知り合ったのかを知りたい!」

深澄「琴音まで…………!?」

 

 直葉さんの言葉に、珪子さんと里香さんと琴音さんも食いつき、明日奈さんと深澄さんは困惑する。

 

里香「良いじゃん!私たちもさっき話したんだし!」

珪子「そうですよ!話してないのは、明日奈さんと深澄さんだけですよ!」

深澄「話すしか無いみたいね……………。」

明日奈「しょうがないなぁ……………。」

琴音「やった!」

明日奈「オホン!私とキリト君が出会ったのは、第一層です。」

深澄「私とカルムは、βテストの頃からね。」

 

 そこから、2人は語った。

 明日奈さん曰く、第一層の時は、カルム、深澄さんと行動していたが、ある日、カルムと深澄さんから離れてしまい、モンスターに襲われる。

 そこに、キリトがやって来て、明日奈さんを助けたそうだ。

 深澄さんは、一度は見捨てそうになってしまったが、カルムに叱咤された結果、諦めずに明日奈さんを助けようとする。

 その時に、深澄さんは、カルムの事を好きになったらしい。

 

珪子「…………今の話を聞くと、先にキリトさんの事を好きになったのは、明日奈さんの方ですよね。」

明日奈「そ、そういう訳じゃ…………。」

里香「隠すな、隠すな。いつだったか、剣を研ぎに来た時に、『まだ一方通行だけど……。』とか言ってた癖に。」

琴音「その時から、深澄は、カルムの事を好きになったんだ…………。」

深澄「……………まぁね。」

里香「あれから、2人はどうアタックして、告白まで行ったのよ。」

明日奈「それは……………。」

 

 そう言って、2人は再び語り出す。

 深澄さんの場合は、ちょくちょくカルムを食事に誘ったそうだ。

 そして、2人とも、コンビを組むように言った際には、拒否するような言動を、キリトとカルムがした場合は、ナイフを突きつけたらしい。

 それを聞いた珪子さんと里香さんと琴音さんは。

 

里香「……………2人とも、思った以上の猛アタックね……………。」

珪子「やっぱり、それくらいしないとダメなんですかね…………?」

琴音「流石に、ナイフを突きつけるのは、ダメだと思うよ…………。」

明日奈「し、仕方ないじゃ無い!その…………好きだったんだし……………。」

深澄「私も、カルムが好きだったから…………。」

 

 3人の言葉を聞いた明日奈さんと深澄さんは、顔を赤くしながら俯く。

 

琴音「はいはい、ごちそうさま。」

里香「それで?アンタ達、どこまで行ったのよ?ゲームの中とはいえ、結婚までしたんだから、ねぇ?」

明日奈「ううっ…………!?」

深澄「……………っ!?」

 

 それを聞いた明日奈さんと深澄さんは、先ほどよりも顔を赤く染める。

 2人は、しばらく呆然としていた。

 

里香「お〜い、どうした、アスナ?ミト?」

明日奈「ええっ!?いや、あの………なんでもないよ!何もしてないからね!?」

深澄「……………想像にお任せするわ。」

 

 里香さんが2人の顔の前で手を振る中、明日奈さんは慌ててそう言って、深澄さんは、顔を赤くしながらそう言う。

 深澄さんの言葉は、ほぼ認めたような物じゃないのかな…………?

 

珪子「良いな…………結婚。しかも、ユイちゃんやカナちゃんみたいな子供まで居るなんて、羨ましすぎます。」

明日奈「我が家の自慢の娘ですから。」

深澄「カナも、我が家の自慢の娘よ。」

里香「おやおや…………。10代にして立派な親バカですなぁ。」

深澄「それは、褒め言葉として受け取っておくわ。」

琴音「それじゃあ、ユイちゃんとカナちゃんの為にも、今日のクエストは頑張ろう!」

明日奈「うん。」

 

 琴音さんの言葉に、明日奈さんと深澄さんは頷く。

 2人は、ユイちゃんとカナちゃんと出会った経緯を教えてくれた。

 アインクラッドの第二十二層で、2人と出会ったらしい。

 そして、2人が、SAOのメンタルヘルス・カウンセリング・プログラムである事を知る。

 SAOの基幹システムであるカーディナル・システムに消されそうになった際には、キリトとカルムが協力して、オブジェクト化する事で、消滅を免れた事を。

 

直葉「………ユイちゃんとカナちゃんは、SAOの中で、明日奈さん達と深澄さん達と出会ったんですね。」

明日奈「うん。」

深澄「それからずっと、ユイちゃんはキリトとアスナの、カナは私とカルムの子供だよ。」

直葉「………………。」

悟「まあ、練習を再開しましょう。」

里香「よ〜し!直葉!スイスイ泳げるようになって、キリトを驚かせよう!」

直葉「うん!」

 

 僕たちは、水泳の特訓を再開した。

 

冬馬side

 

 菊岡は、窓から深澄達の方を見ていた。

 

菊岡「良いねぇ…………若いってのは。うん。あの子達が無事、現実世界に帰還出来たのは、君たち2人の活躍があってこそだよね?」

和人「俺は活躍なんてしてませんよ…………。カルムが居たからこそです。」

菊岡「でも、君たちがヒースクリフの正体を看破して、茅場晶彦との最後の戦いに勝利したのは事実だろう?」

冬馬「……………確かにそうですが、正直な所、俺1人じゃあ、勝てませんでしたよ。」

 

 そう。

 茅場は、SAOを開発した。

 だからこそ、ストレートフラッシュが効かなかった。

 もし、キリト達が立ち上がる事が出来なかった場合は、俺は死んでいた筈だ。

 アスナ達が、システム的麻痺を、打ち破れなかった場合は。

 菊岡は、茅場の死因を話した。

 

菊岡「……………茅場先生は、君たちとの勝負に敗れ、自らの脳を、試作型のナーヴギアで焼いたという訳だ。先生の検視結果とも合致する話ではあるねぇ…………。」

冬馬「茅場は…………そこまでフェアにやったのか。」

菊岡「そうだね。それにしても、君たちだけ、ログアウトを遅らせたのは、こう言っちゃなんだけど、不思議だね。」

 

 確かに、茅場は、俺たちと話をしたいという理由で、俺たちのログアウトを遅らせた。

 実際には、ログアウトしたのは、俺、キリト、ミトの3人で、アスナはALOに囚われていたが。

 茅場は、言ってたな。

 

茅場『何故……か。私も長い間忘れていたよ。何故だろうな。私はあの城を、この世界を創り出す事を欲していた。そして、私はそれを見る事が出来た。私はね、まだ信じているのだよ。どこかの世界には、本当に、浮遊城アインクラッドが存在する事を。』

 

 茅場は、ずっと信じているのだろう。

 本当の浮遊城が、どこかの世界に存在している事を。

 すると、菊岡が質問してくる。

 

菊岡「……………ところで、茅場先生は立ち去る前に、このデスゲームを始めた理由を、何か言ってなかったかな?」

和人「さあ?覚えていませんね。」

冬馬「俺も。」

 

 言っても、無駄だろうし。

 すると、俺と和人の携帯に通知が来た。

 それは、もう昼飯を食べたというメールだ。

 俺と和人がため息をつくと。

 

菊岡「誰からだい?」

 

 そんな空気を読まない発言が聞こえてきて、俺たちは睨む。

 

菊岡「ああ、君たちのお姫様か。君たちも大変だったね。SAOから脱出出来たと思ったら今度は…………。」

和人「ええ。本当に大変でしたよ。」

冬馬「ALOで行われていた大犯罪に、どこかの誰かさんが、気づかなかったせいで。」

 

 俺と和人は、菊岡に嫌味を込めた言葉を言う。

 それを聞いた菊岡は。

 

菊岡「いや…………それに関しては、釈明のしようもないよ…………。目を覚まさなかった三百人ものSAOプレイヤーが、須郷伸之の実験台にされていた事に気付いたのが、君たちが事件を解決した後だったからねぇ…………。」

和人「どうしてあいつの企みを、未然に防げなかったんですか?」

冬馬「言っちゃなんですが、須郷の監視がザルすぎじゃないですか?」

 

 俺と和人は、そう言う。

 菊岡は、少し苦々しい表情を浮かべ、答える。

 

菊岡「冬馬君………かなりの毒を吐くね………。須郷は、茅場晶彦と同じ研究室に居たから、チェックはしていたんだ。だけど、六千人ものプレイヤーが、現実世界に帰還した為、彼らの健康チェックや、社会復帰の手配などに忙殺され、一時的に、須郷の監視が手薄になったのは否めない。それに…………須郷がゲームの世界に違法実験の為のラボを設置するとは思わなかった。彼は、現実世界では、我々に尻尾を掴ませてくれなかったからね。教えてくれないか?君たちはどうやって、須郷の企みに気付いたのか。」

和人「気付いちゃいませんでしたよ。最初は。」

 

 そう。

 俺たちは、最初は、そんな違法実験をしているとは気付かなかった。

 そんな事に気付いたのは、アスナが明かしたからだ。

 今でも、アイツの醜い笑顔を思い出すと、無性に腹が立ってくる。

 

菊岡「君たちは、その時は、須郷が怪しかったとは思わなかったのかい?」

冬馬「その時は、和人を気遣ってやるのに精一杯だったので。」

和人「それに…………俺たちが持っていた手がかりは、アスナとよく似たアバターの画像だけだった…………。」

菊岡「その情報だけで、ALOに乗り込んだというわけかい?」

和人「少しでも可能性があれば、なんだってやりましたよ。」

 

 まあ、その時に俺たちが持っていた手がかりは、それだけだったからな。

 今思えば、その多段ロケットで、アスナの画像を手に入れたプレイヤー達には、感謝だな。

 それにしても、その時には、パラドが転送されたんだよな…………。

 

菊岡「確か…………そのリーファっていうプレイヤーが、君の妹さんだよね?」

和人「ええ。俺もまさかALOでスグ…………いや、妹に会うとは思いませんでした。」

 

 和人と菊岡は、そう話す。

 確かに、それはある意味凄いよな。

 実の妹と、ALOで会うなんて。

 

悟side

 

 特訓は、順調に進んでいた。

 今は、直葉さんは、ビート板ありとはいえ、1人で泳げている。

 

珪子「凄い!25m泳ぎ切りました!」

里香「息継ぎもちゃんと出来てるじゃない!」

琴音「凄いよ!」

直葉「えへへへ…………!」

悟「お疲れ様。」

明日奈「やっぱり直葉ちゃん、運動神経が良いね!」

深澄「そうね。」

直葉「ありがとうございます。」

 

 やっぱり、直葉さんは、運動神経が良いね。

 僕がそう思っていると、直葉さんは、校舎の方を見る。

 

悟「直葉さん?どうしたの?」

直葉「いや…………その…………。」

里香「やっぱり、お兄ちゃんが居なくて寂しいの?」

直葉「ち、違います!そんなんじゃないです!ただ、遅いなぁって…………。」

深澄「確かに、2人とも遅いわね…………。」

珪子「でも、キリトさんと直葉さんって、仲良いですよね!私、一人っ子だから、羨ましいです。」

直葉「そ、そうかな…………?」

「「「「うんうん。」」」」

 

 珪子さんの言葉に、明日奈さん、深澄さん、里香さん、琴音さんが頷く。

 

直葉「でも…………お兄ちゃんがSAOに閉じ込められる前は、あんまり仲が良くなかったの。お兄ちゃんが夢中になった、バーチャルMMOが、どんな物か知りたくて、ALOを始めて………今では、私も立派なゲーマーです。」

 

 確かに、直葉さんとキリトは、SAOに閉じ込められるまでは、仲はあまり良くなかったように見えた。

 すると、明日奈さんが口を開く。

 

明日奈「キリト君にミト、カルム君を世界樹にまで案内してくれたのは、直葉ちゃんと悟君なんだよね?」

直葉「はい。でも、悟君が、いきなり案内するって言って、びっくりしたよ。」

悟「なんか、放って置けなくて…………。それに、カルムと深澄さんと合流したのは、ルグルー回廊でですし。」

 

 そう。

 キリトとは、シルフ領の近くの森で出会ったけど、カルムと深澄さんと合流したのは、ルグルー回廊でだ。

 休憩する事になって、里香さんは、直葉さんと僕に質問をする。

 

里香「…………で、一緒に冒険する事になって、キリトへの印象はどうなの?」 

琴音「確かに。お兄ちゃんだって、知らなかったんでしょ?」

直葉「最初の印象は、とにかく早いって感じですね。」

悟「でも、それ以上に、毎回の戦いを真剣に戦って…………。」

 

 ルグルー回廊での戦闘で、僕とリーファは、また飛べば良いと言った。

 その時に、キリトはこう答えた。

 

キリト『俺が生きてる間は、パーティーメンバーを殺させはしない。』

 

 その言葉は、死んだら終わりのSAOを生き抜いたからこそ出た言葉だろう。

 流石に、カルムとミトさんの2人が来なかったら、きつかったかもしれないけど。

 でも、カルムも凄かった。

 相手があのユージーン将軍でも、決して臆する事はなく、果敢に挑み、勝利した。

 

里香「…………兄妹で、仲が良いわね………。でも、悟君の事を忘れてないかしら?」

直葉「わ、忘れてませんよ!?というより、何を言い出すんですか!?それより、練習をしましょう!練習!」

里香「じゃあ、もういっちょ頑張りますか〜!」

 

 里香さんがそう言うと、明日奈さん、深澄さん、珪子さん、琴音さんと共に、プールの方に向かう。

 僕も向かおうとすると、直葉さんが声をかけてくる。

 

直葉「悟君。」

悟「うん?」

直葉「……………ありがとうね。君のおかげで、お兄ちゃんとも分かり合えたよ。」

悟「……………よかった。やっぱり、君には笑顔が一番だからね。」

直葉「悟君…………。」

 

 僕と直葉さんは、お互いを見つめ合う。

 すると。

 

里香「ほぉら直葉!いつまでイチャコラしてんのよ!アンタが来ないと、始まらないでしょ!」

悟「そうだったね。……………行こう、直葉さん。」

直葉「そうだね!」

 

 僕と直葉さんは、里香さん達の元に向かう。

 

冬馬side

 

 俺たちの話は、ALOの世界樹へと乗り込む所まで行った。

 

菊岡「……………で、その妹さんとクラスメイトの案内で、世界樹に辿り着いた君たちは、須郷によって、システム的に達成不可能な難易度に設定された筈のグランド・クエストをクリアして、アスナ君を助けた訳だね。」

和人「いえ…………俺1人がクリアした訳じゃないです。」

冬馬「確かに。リーファにアーロン、パラド、サクヤさんを始めとする風妖精族(シルフ)のプレイヤー達と、アリシャ・ルーさんを始めとする猫妖精族(ケットシー)のプレイヤー達の協力のおかげですよ。」

 

 そう。

 俺にミト、キリトだけじゃあ、あんな理不尽な難易度に設定されたグランド・クエストはクリア出来なかった。

 

菊岡「……………でも、そこに妖精王オベイロンこと須郷が居た。普通に考えれば、普通のプレイヤーである君たちが、ゲームマスターである須郷に勝てたとは思えないけど…………。」

冬馬「そこにダメ押しで、ゲムデウスなんて奴を出してきましたからね…………。」

 

 改めて、あの光景を思い出すと、本当に須郷への殺意が湧いてくるな。

 無意識のうちに、テーブルに拳を叩きつけていた。

 

菊岡「……………冬馬君?」

和人「冬馬?」

冬馬「……………いえ。あのうざい笑い声を出す須郷にイラついてました。」

菊岡「なるほどね……………。」

冬馬「それより、須郷と繋がっていた存在は、結局分かったんですか?」

 

 俺は、菊岡にそう聞く。

 菊岡は、思い出したかのような反応をする。

 

菊岡「そうだったね…………。須郷と繋がっていた存在は、郷野黎斗氏が、心当たりがあると言っていてね。」

冬馬「心当たり?」

菊岡「ああ。郷野正宗氏が関係していたのではと推測しているらしい。」

冬馬「誰?」

菊岡「名前から分かる通り、郷野黎斗氏の実の父親さ。」

 

 実の父親!?

 実の父親が、そんな事してたのか!?

 

菊岡「ただ、郷野親子は、事実上、絶縁状態にあり、当の彼が、どこで何をしているのかは、全く知らないそうだ。」

冬馬「そうですか……………。」

菊岡「まあ、それはそれとして。君たちは、良くゲームマスターである須郷に勝てたね。」

 

 菊岡は、俺たちにそう言う。

 それを聞いた和人は、答える。

 

和人「……………確かに、ゲームマスターの権限は強力です。その世界の中だけなら、神にも等しい力を振るう事が出来る。でも、その力は、システムに与えられた物だ。自分で見出し、鍛えた訳じゃない。」

冬馬「確かにね。……………本当の力は、いつだって自分の中にある。現実世界であろうと、仮想世界であろうと。」

和人「だから、須郷は自滅したんです。与えられた力を過信して。」

菊岡「なるほど……………自滅ね。」

 

 すると、和人の携帯に通知が来る。

 恐らく、水泳特訓は終わったのだろう。

 

和人「その後の話は、菊岡さんも知っての通りです。」

冬馬「では、俺たちは、ALOで用事があるので、これで。」

 

 俺たちはそう言って、椅子から立ち上がり、カウンセリング室から出ようとする。

 すると、菊岡が呼び止める。

 

菊岡「そうだ、最後に一つだけ…………。」

冬馬「何です?」

菊岡「ザ・シードって名前、聞いた事あるかな?」

和人「……………ええ。勿論。」

冬馬「では、失礼します。」

 

 俺たちはそう言って、部屋から出る。

 さて、ALOで、カナとユイちゃんの為に、頑張るとするか。




今回はここまでです。
ALO事件の裏で暗躍していた男の正体を明らかにしました。
まあ、郷野黎斗が、檀黎斗がモチーフと聞いた時点で、察しがついた人も多いのではないでしょうか?
そうです。
郷野正宗は、檀正宗をモチーフにしました。
この人は、色々と暗躍していきます。
アンケートは、今やっているのは締め切りにします。
その為、カルムの武器は、マグナムシューター40Xとなりました。
ただ、それだけだと心許ないので、ファイズエッジも使わせます。
なんか、ファイズの武器と、GGOで合いそうだったので。
今回から、新たなアンケートを始めます。
それは、今作では、ミトもGGOに行くべきかどうかです。
良かったら、票を入れて欲しいです。
Extra Editionは、次回で終わりにする予定です。
日常回をしばらくやって、ファントム・バレットに入っていきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
これからも、応援の程、よろしくお願いします。

今作では、ミトもGGOに行くべきか

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