ソードアート・オンライン Re:紫紺の剣士   作:仮面大佐

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第3話 スリーピング・ナイツ

ミトside

 

 私とカルムは、ユウキに引っ張られるアスナを追いかけていく。

 2人は、アインクラッド外周から外に出て、九十度ターンして、垂直上昇を行う。

 

ミト「………随分飛ぶわね。」

カルム「多分、27層に行くんだろ。俺たちの時にもそうだったし。」

 

 そう、私とカルムは一度、ユウキが率いるギルド、《スリーピング・ナイツ》に、とある理由で誘われたのだ。

 その際に断って、アスナを紹介した。

 そして、ユウキはまた九十度ターンして、27層の中に。

 私たちも追っていき、ガーゴイルの索敵を避けつつ、主街区である《ロンバール》へと到着する。

 

アスナ「………ね、どうしてここに連れてきてくれたの?この街に何かあるの?」

ユウキ「そうだよ!………その前に、まずはボクの仲間を紹介するよ!って言いたいけど、そこの着いてきてる人達、出てきたら?」

 

 どうやら、バレたらしい。

 ユウキの発言に、アスナが警戒するような表情を浮かべる。

 私たちは観念して、2人の目の前に出る。

 すると、アスナが驚いた表情を浮かべる。

 

アスナ「ミト!カルム君!どうして?」

ミト「アスナが心配でね。」

ユウキ「2人とも、ありがとうね!アスナを紹介してくれて!」

カルム「ああ。」

アスナ「…………え?」

カルム「それより、ユウキの仲間をアスナに紹介したらどうだ?」

ユウキ「そうだった!着いてきて!」

アスナ「あ、ちょ………。」

 

 アスナが私たちを見る。

 その視線は、後で説明をお願いという視線だった。

 ユウキに着いて行って、着いた先には一軒の宿屋が。

 その中に入ると。

 

???「お帰り、ユウキ!見つかったの!?」

 

 そこには、5人のプレイヤーが陣取っていた。

 ユウキは彼らに歩み寄り、アスナの方を振り向いた。

 

ユウキ「紹介するよ。ボクのギルド、《スリーピング・ナイツ》の仲間たち!で、このお姉さんが………。何だっけ?」

カルム「この人はアスナって言うんだぜ。バーサクヒーラーとして名を轟かせ……イテッ!」

 

 カルムの語尾の悲鳴は、アスナに思い切り蹴られたからだ。

 流石に、揶揄うにしてはやりすぎ。

 

アスナ「まあ、私がアスナです。」

 

 すると、小柄なサラマンダーの少年が勢いよく立ち上がる。

 彼は確か、ジュンだった筈。

 

ジュン「僕はジュン!アスナさん、よろしく!」

 

 その次に、ノームの巨漢が話しかける。

 彼はテッチだった筈。

 

テッチ「あー、えーっと、テッチって言います。どうぞ宜しく。」

 

 次はレプラコーンの青年だ。

 タルケンだった筈。

 

タルケン「わ、ワタクシは、そ、その、タルケンって名前です。よ、よ、よろしくお願いし………イタッ!!」

 

 タルケンの語尾に悲鳴が重なったのは、スプリガンの女性、ノリが蹴ったからだ。

 

ノリ「いい加減、その上がり症を直しなよタルは!女の子じゃの前に出るとすぐこれなんだからさ!アタシはノリ。会えて嬉しいよ、アスナさん。」

 

 最後の1人は、アスナと同じくウンディーネのシウネーというプレイヤーだ。

 

シウネー「初めまして。私はシウネーです。ありがとう、来て下さって。」

ユウキ「んで、ボクが、一応ギルドリーダーのユウキです!アスナさん………一緒に頑張ろう!」

アスナ「えっと………何を頑張るのかな?」

ユウキ「…………そっか、ボクまだなーんにも説明してなかった!」

 

 その発言に、スリーピング・ナイツの面々とカルムがずっこける。

 カルムって、こういう時の乗りは凄いのよね。

 ユウキが語ったのは、この27層のボスモンスターを、アスナを含めた7人だけで倒したいという事だった。

 手短にアスナがその辺りの事情を説明していく。

 

アスナ「………っていう訳だから………7人っていうのは、ちょっと無理かなあって思うんだけど…………。」

ユウキ「うん、全然無理だった。実は、25層と26層のボスにも挑戦したんだ。」

カルム「へぇ。」

ユウキ「ボク達的には頑張ったんだけど、どうしてもMPと回復ポーションが持たなくて。あれこれ工夫してるうちに、でっかい集団に倒されちゃった。」

ミト「そう…………。」

 

 そういえば、25層と26層のボスは、同じ集団に倒された筈。

 きな臭い噂も立っている。

 一応、カルムがアルゴに依頼して、調査中の筈。

 アスナがなぜそこまで1パーティーで倒したいのかを聞いて、シウネーが説明する。

 スリーピング・ナイツは、春に解散する。

 だから、全員の名前を剣士の碑に残したいからと。

 気持ちは分かる。

 アスナも、お母さんが強硬手段に出て、私たちと会えなくなってしまうかもしれない。

 

シウネー「………どうでしょう?引き受けては貰えませんか?私たちは、コンバートしてまだあまり経っていないので、充分なお礼が出来ないかもしれないんですが……。」

アスナ「あ、いえ、どうせ経費が山ほどかかりますから、手持ちのお金はそっちに回した方がいいです。報酬は、ボスから出た物を何か貰えればそれで………。」

シウネー「じゃあ、引き受けて頂けるんですか!?」

 

 スリーピング・ナイツは目を輝かせる。

 アスナはどうしようか迷っていた。

 すると、カルムが近づいて。

 

カルム「良いんじゃないか?」

アスナ「カルム君?」

カルム「折角頼ってきてるんだ。答えてやるのも悪くはないだろ?」

ミト「そうよ。偶には当たってみたら?」

アスナ「…………そうね。やるだけ、やってみましょうか。この際、成功率とかは置いといて。」

 

 すると、ユウキが目を輝かせ、アスナの右手を握る。

 

ユウキ「ありがとう、アスナさん!最初に剣を撃ち合った時から、そう言ってくれると思ってたよ!」

アスナ「私の事は、アスナって呼んで。」

ユウキ「ボクもユウキで良いよ!」

 

 そうして、パーティーが始まり、私とカルムも参加する。

 すると、アスナが聞きたい事があるそうだ。

 

アスナ「そういえば、ユウキさ……ユウキは、デュエルで強い人を探してたんだよね?」

ユウキ「うん、そうだよ。」

アスナ「それなら、私じゃなくても、カルム君やミト、黒ずくめで片手直剣使いのスプリガンとか。」

ユウキ「実は、カルムやミトにも頼んだんだけどさ………。」

カルム「俺、互角に渡り合ったけど、ユウキの方が実力が上だし、俺は前衛タイプだから、作戦を立てるのなら、アスナが適任だと思ったからな。」

ミト「私もカルムと同じ。」

ユウキ「あの人は、ボクの秘密に気付いちゃったから。」

 

 キリトは何に気付いたのかしら?

 そんな事を考えつつ、パーティーは進む。

 すると、タルケンがアスナに聞く。

 

タルケン「それで………攻略の、具体的な手段ら、ど………どうなるんでしょう?」

アスナ「あ………えっと………。」

カルム「まずは、ボスの攻撃パターンをきっちりと把握する事が大切だな。回避できる攻撃は回避して、防御するべき時には、ちゃんと防御して、攻め時には全力で攻めるのが大事だと思うぜ。」

ミト「問題は、その手の情報は、ボス攻略専門の大ギルドに聞いても無駄だと思う。一度はぶっつけ本番で挑むべきだとは思うわ。」

ユウキ「ボク達は大丈夫だよ!ただ、前の二つの層でも、ぶっつけ本番で全滅した後、すぐに攻略されちゃったんだ。」

ジュン「3時間後に出直したらもう終わってたんだよなー。気のせいかもしれないけど、何か、僕らが失敗するのを待ってたみたいな……。」

 

 やっぱり、怪しいわね、その大ギルド。

 大ギルドによる管理が過ぎるというのが多い内容だ。

 カルムと顔を合わせて、頷く。

 その後、パーティーはお開きになり、アスナとカルムと共に転移門に向かって行く。

 

アスナ「それにしても、2人とも知ってたなら、先に言ってよ!」

ミト「ごめん。」

カルム「そういうのを抜きで、ユウキと戦って欲しかったからな。」

アスナ「でも、ミトだって、副団長としてのスキルもあるでしょ。」

ミト「流石に、アスナには劣るかな。」

 

 そんな事を話していると、大量のメッセージが届く。

 怖くて開けられないなと思っていると。

 

アスナ「っ………!?」

カルム「アスナ?」

ミト「アスナ!!」

 

 アスナがいきなり硬直したと思ったら、倒れ込むので、カルムに支えてもらう。

 呼びかけるが、反応がない。

 私とカルムは、22層のキリトの家へと向かって行く。

 

カルム「キリト!」

ミト「ユイちゃんかカナは居る!?」

キリト「カルム、ミト!?どこに行ってたんだよ………アスナ!?」

 

 私とカルムが急に入ってきた事に驚いたが、アスナの状態から、緊急事態なのは分かったのだろう。

 すぐに駆け寄る。

 

キリト「一体どうしたんだ!?」

カルム「分からねぇ!急に倒れて!」

ミト「ユイちゃんとカナはどうしたの!?」

キリト「今、リズ達と散歩に出かけてる!すぐに連れてくる!」

 

 そう言ってキリトが飛び出していき、私とカルムで協力してアスナをソファーに寝かせる。

 すると。

 

ユイ「ママ!!」

カナ「アスナさん!」

キリト「連れてきた!」

カルム「速攻だな!頼む!!」

 

 ユイちゃんとカナの2人が、ピクシー形態に戻り、アスナを調べる。

 すると、リズ達も戻ってきた。

 

リズベット「アスナ!?」

リーファ「どうしたんですか!?」

カルム「分からん!急に倒れて!」

アーロン「何が起こっているんですか!?」

 

 そこには、リズベット、リーファ、アーロン、シリカ、フィリア、レイン、パラドが居た。

 しばらくすると、解析が終わったようで、2人がアスナから離れる。

 

キリト「ユイ、カナ。アスナは………?」

ユイ「………大丈夫です。ログアウトして、意識が現実に戻ったから、意識が無くなったんです。」

『………ハァ……。』

 

 解析結果に、全員、力が抜ける。

 

カルム「それは良かったんだけど、突然のログアウトって、何があったんだ?」

カナ「アスナさんの場合、回線が切断されてしまってのログアウトです。」

フィリア「回線が……………切断?」

 

 すると、思い当たった節がある。

 

ミト「そういえば、この時間は、アスナの夕食の時間だから、お母さんに切断されたかも!」

カルム「そういう事か。とにかく、大事に至らなくて良かったぜ。」

キリト「悪いな、2人とも。」

ミト「気にしないで。」

カルム「じゃあ、ログアウトすっか。」

 

 私も疲れたからログアウトしようとすると、突然、腕を掴まれる。

 何事かと思って振り返ると、私にはリズベット、シリカ、リーファ、レイン、フィリアが掴んでいて、カルムにはアーロン、パラドが掴む。

 しかも全員、悪い笑みを浮かべていた。

 

リズベット「それで、アンタ達、どこに行ってたのよ?」

シリカ「アスナさんと一緒って事は、あの絶剣と一緒にいたんですよね?」

リーファ「そろそろ、話してくれませんか?」

フィリア「私たちだけ除け者なんて、ひどくないかな?」

レイン「そうだよね。」

アーロン「吐いたほうが楽になるよ?」

パラド「白ける事、すんなよ。」

カルム「いや、結構です。用事を思い出して………。その手を離してくれ。ちょっ……。離、離せェェェェッ!!!」

ミト「ちょっと!離してよ!」

 

 キリトに助けを求めようとすると。

 

キリト「ユイとカナは見ちゃダメだ。」

ユイ「何でですか?」

カナ「ママとパパはどうなるの?」

 

 目隠しをしていた。

 私とカルムは諦めて、全員の尋問に答えた。

 その間、ずっと正座の状態で。

 キリトは、何かを考え込んでいた様に見えたが。




今回はここまでです。
アスナが、スリーピング・ナイツと接触しました。
そして、アスナはお母さんによって強制ログアウトさせられ、カルムとミトは、怒られました。
そんな中、何かを考えるキリト。
果たして、何を考えているのか。
次回は、ボス戦となります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今後の展開や、マザーズ・ロザリオとオーディナル・スケールに相当する話の間にやる日常回なども受け付けています。
アリシゼーションに関しても受け付けています。

アリシゼーションでのカルムの武器はどうするか

  • 刃王剣十聖刃
  • オージャカリバー
  • オージャカリバーZERO
  • その他
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