南雲ハジメはバリアスーツと共に   作:ウエストモール

12 / 37

アビリティ紹介

〈ノーマルミサイル〉
30発まで保有可能な通常のミサイル。対象をロックオンして発射する。生体エネルギーによって生成されており、補給の際にはコンセントレーションという行動で補給するが、その際は身動きが取れなくなってしまうため、撃ち過ぎとタイミングに注意する必要がある。


11話 2度目のオルクス

 

オルクス大迷宮 第20階層

 

「お前で最後だ」

 

 コンバットバイザーによってロックマウントの姿が捉えられ、「ピピッ!」という音と共にロックオンされる。選択している武装は、ノーマルミサイルだ。

 

 アームキャノンの先端が4つに割れ、ミサイルの赤い弾頭が露出する。そして、アームキャノンからミサイルが発射された。

 

 射出されたミサイルは彗星の如く光の尾を引きながらロックマウントに向けて突き進み、目標を粉砕した。

 

「弱すぎるな」

 

 ベビーと共にオルクスに入ったハジメは、ここに至るまで魔獣を相手に武装の確認を行っていた。分かったことはただ1つ。このスーツの武装では低い階層の魔獣に対してオーバーキルになるということだけだ。

 

「ベビー、先に進むぞ・・・・・っ!?」

 

 突然、バイザーの下に隠されているハジメの顔が驚きの表情に変わる。その視点の先には、ロックマウントの残骸に噛り付くベビーメトロイドの姿があった。ベビーは、残骸に残っていた魔力を吸っていた。

 

「待てベビー!そんなものを食べるんじゃない!」

 

 魔獣の肉には高い濃度の魔力が含まれており、猛毒である。それを人間が摂取すれば死に至るとされているのだが、メトロイドが吸った場合はどうなるか分からない。

 

 次の瞬間、ベビーメトロイドが光り輝く。そして、光が消えると・・・

 

 

 

 そこには、ゴリラのような形に変化したベビーの姿があった。大きさもアップしており、身長は2.5mを越えていた。

 

「まさか、ロックマウントの特徴を!?だが、これでは町の中に一緒に入れないな」

 

 しかし、その心配も杞憂に終わる。再びベビーが光ったかと思うと元の姿に戻り、その後に再びゴリラ形態に戻った。ベビーは、必要に応じて自らの大きさを元の手のひらサイズに戻すことが可能になっていたのだ。ハジメは、このゴリラのような姿のことを“剛力態”と呼ぶことにした。

 

「頼もしい姿になったな、ベビー」

 

「キュッ///!」

 

 ベビーは嬉しそうな様子だ。

 

 そして、1人と1匹は第20階層の奥にあるグランツ鉱石の所に辿り着いた。

 

「行こう、ベビー」

 

 ハジメはグランツ鉱石に触れた。

 

 

 

 

 

 浮遊感の後、ハジメ達は第65階層に転移していた。あの時崩壊した筈の石橋は修復されており、案の定、魔獣も復活していた。

 

「また会ったな。とはいっても、お前たちは覚えていなそうだが」

 

 前方にベヒモス、後方には多数のトラウムソルジャーが展開している。

 

「骸骨共は任せる。異論は無いな?ベビー」

 

 その瞬間、剛力態となったベビーはトラウムソルジャー軍団の中に飛び込んでいき、その豪腕でバッタバッタとなぎ倒していく。ソルジャーによる反撃があったものの、メトロイドの強固な外皮を破るまでには至らない。

 

 エネルギー武器や通常兵器を無効化する外皮を持つメトロイドを倒すには、凍結させた後にミサイルなどの爆風で粉砕する必要がある。

 

 一方、ハジメはベヒモスと対峙する。バイザーをエーテルバイザーに切り替え、ベヒモスをスキャンした。

 

「スキャニング完了」

 


魔獣:ベヒモス

4足歩行の爬虫類型魔獣です。頭部の2本角を介して炎を操ります。頭部を赤熱化させての攻撃に注意してください。


 

「グルァァァァァアアアアア!!」

 

 ベヒモスの凄まじい咆哮。だが、クレイドというゼーベスの巨大原生生物との戦闘経験があるハジメは一切動じない。

 

 そして、ベヒモスは角から大量の火球をハジメに向けて発射してきた。

 

「火球も撃てるのか。だが・・・」

 

 ハジメはチャージビームを最大チャージした状態で、火球の群れに向けて回転ジャンプを行う。スーツが光に包まれ、その状態の体当たりによって火球を破壊した。

 

 これはチャージアタック。チャージビームを溜めた状態で回転ジャンプすることで、エネルギーを纏った体当たりを繰り出す技である。スクリューアタックに似ているが、威力はそれに及ばない。

 

 ハジメはスペースジャンプを併用することで低空を飛び回り、全ての火球を破壊する。そのタイミングで、ベヒモスは頭部を赤熱化させると突進を敢行してきた。

 

 ロックオン、ミサイル発射。

 

 ノーマルミサイルはベヒモスの右の角に吸い込まれていき、それを破壊する。

 

 突進の勢いは弱まったが、突進自体は継続されていた。ハジメは後ずさりすることなく、どっしりと構えてベヒモスを待ち構える。

 

 ベヒモスの頭部が至近距離まで迫った時、ハジメはアームキャノンを残像が見える程の速度で振り上げ、ベヒモスに強烈なアッパーをお見舞いする。ベヒモスは突進を止め、後方に少し押し戻された。

 

 メレーカウンター。右腕のアームキャノンを鈍器とし、自身に向かってくる相手に近接攻撃を仕掛ける技だ。

 

 次の瞬間、ハジメは背部のブースターを吹かせて後退したベヒモスの頭部に飛び掛かる。そして、アームキャノンを振り下ろして左の角を粉砕した。その一撃によってベヒモスの頭部は地面に叩き付けられ、ダウンする。

 

 ハジメは見逃さなかった。ダウンしているベヒモスの口内にアームキャノンを突っ込むと、ノーマルミサイルを選択する。

 

「ミサイルの味はどうだ?」

 

 ノーマルミサイルを連射する。ゼロ距離射撃であるため、ロックオンの必要もない。ひたすらにミサイルを撃つだけだ。

 

 ミサイルを1発、2発、3発、4発、5発と撃ち込んでいき、10発目に突入した頃から、ベヒモスの体が膨張を始める。ミサイル保有数の3分の2にあたる20発目を発射した時、ついにベヒモスの体は爆散した。

 

 消費したミサイルをコンセントレーションで補給しながら、後ろを振り返るハジメ。そこには、太い両腕を同時に振り下ろしてトラウムソルジャーの魔法陣を破壊するベビーの姿があった。

 

「よくやったな、ベビー」

 

 この日、たった1人と1匹によって第65階層は突破された。

 





>「異論は無いな?ベビー」
元ネタはMETROID OtherMのアダム・マルコビッチのセリフ、「異論は無いな?レディ」です。


次回、鳥人族の要素が出てきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。