アビリティ紹介
〈パワービーム〉
装着者の生体エネルギーを変換して放つ、アームキャノンに標準装備されたビーム。他のビームとの重ね掛けが可能。
初期アビリティについてですが、スペイザービームをディフュージョンビームに変更しました。それと、各種のバイザーシステムも最初から装備しています。
ハジメは魔獣と戦いながらもバイザーシステムをフル活用して様々なタイプのトラップに対処しながら進み、同時にマッピングも行っていた。
ちなみに、食糧に関しては腕輪に収納されているものに加え、同じように収納されているスターシップの中に非常食も積み込まれているので、尽きることは無かった。
それを続けること1週間、ついにハジメ達は第100階層に到達した。
「おかしいな、何もない」
第100階層の奥にあったのは、何の変哲もないただの岩肌。つまるところ、袋小路になっていた。だが、迷宮の奥に何もなかったと決めつけるのは早い。ハジメは、バイザーシステムの1つであるXレイバイザーを起動させた。
Xレイバイザーの機能、それは透視だ。
早速、奥の岩肌を見る。
「なるほど・・・」
バイザーを通して見たものは、カモフラージュされている
ハジメはアームキャノンに標準装備されているパワービームを連射し、ひび割れた壁を完全に破壊した。それにより、道が開かれる。
ハジメは開いた道を通り抜けた。
「これは!?」
その先に広がっていたのは、薄暗い小部屋。その中央に、ハジメが知っているものがあった。
それは、金属製の鳥人族のオブジェであり、その手にはアームキャノンを差し込める穴の開いた板が保持されていた。ハジメは、鳥人族が居住している幾つかの惑星で、これらのオブジェを見たことがある。
ハジメはアームキャノンを穴に差し込む。すると、バイザーに表示が出た。
『不明なシステムをダウンロードしました』
不明なシステムとは何だ?と思ったハジメは、スーツに搭載されたAIに解析を始めさせる。
その一方、システムのダウンロードと同時にエネルギーがオブジェを通して供給されたのか、照明によって小部屋が明るくなる。そして、床がエレベーターのように下降を始めた。
『解析完了。このシステムは、●●魔法を鳥人族がデータ化したものです。何らかに対抗するためのシステムと思われます』
結局、現時点において●●の部分については判明せず、不明なシステムの詳細は不明なままであった。
やがて、床は100m程降下したところで停止する。ハジメ達の目の前には、機械的な六角形のドアが設けられていた。
「ブルーゲートか」
銀河社会において標準規格のゲートであるブルーゲートには、誤作動防止用の弱いエネルギーシールドが張られており、通るためにはパワービームなどを当てて解除する必要がある。
鳥人族のオブジェとブルーゲートの存在は、この迷宮に鳥人族が関連していることを明確に示していると言ってもいい。
パワービームを撃ち込み、ブルーゲートを開ける。その先には、前人未到の迷宮が広がっていた。そして、ハジメはベビーと共に一歩を踏み出した。
今居る場所を真迷宮と呼ぶことにした。俺とベビーは真迷宮の第1階層を進み、狼やウサギのような魔獣と戦っていたのだが、その過程でベビーが新しい姿になれるようになった。
それには“俊敏態”と名付けた。見た目はまるで2本の尻尾がある狼のようであり、第1階層の魔獣である二尾狼の魔力を吸った結果、その姿になった。また、二尾狼の固有魔法である“纏雷”が使用可能になっていた。
犬や狼のような形になったわけだが、古い時代から人間のパートナーとして犬が存在していたことを考えると、一緒に行動するのに一番しっくりくる形態だ。
「ベビー、この辺で休憩にしよう」
俺は“錬成”を使い、一時的なシェルターを作るために壁に横穴を開けていく。20m程掘り進めると、ちょっとした小部屋を作り始める。やがて、壁の中から発掘された物体があった。
「綺麗な結晶だな」
発掘されたのは、濃い青色の鉱石だった。青白く光っており、神秘的で綺麗な石である。“鉱物系鑑定”を使ってみたところ、“神結晶”という鉱石であることが判明した。また、これから溢れ出る液体は“神水”といい、飲んだ者の傷や病を治してくれるという。
そこで、錬成で石を加工して試験管の形にしたものを幾つか用意し、神水をストックしておくことにした。いつか、これらが役に立つ日が来るかもしれない。
数十分間の休憩の後、俺達は第1階層の終わりに差し掛かっていた。
「またウサギか!」
こちらに強烈な蹴りを浴びせようと飛びかかってきた蹴りウサギ。だが、飛び込んでくるタイミングに合わせてアームキャノンを振り下ろすことで一撃で叩き潰した。
そんな中、跳ぶことも忘れて必死そうに地面を走ってくるウサギがいた。まるで、何かから逃げているかのように。
「なっ!?」
突然の風切り音。それと同時に、その蹴りウサギの体が斜めに切断されていた。そして、攻撃の主の姿が暗闇の中から現れた。
「グルルル…」
低い唸り声を鳴らすそいつは、全長2.5〜3mはあるような熊型の魔獣だった。その太い腕には、刃渡り30cmほどの鋭いナイフのような爪が3本生えている。名付けるなら、爪熊だろうか?
「グゥルアアア!!」
その魔獣は、俺とベビーに対して咆哮を上げると、真っ直ぐにこちらへ向かって来た。恐らく、こいつがこの階層の頂点に位置する魔獣なのだろう。
「ベビー、ここは俺に任せろ」
早速、目の前の魔獣のスキャンを開始した。
魔獣:爪熊
熊型の魔獣です。固有魔法〈風爪〉によって鋭い爪に風の刃を纏い、殺傷能力と攻撃範囲を向上させています。また、その巨体に見合わない高い運動能力を有しています。
生身で相手するには危険すぎる。だが、俺には鳥人族から受け継いだパワードスーツがある。
「グゥルアアア!」
再び咆哮した爪熊は、ハジメに突進すると風刃を纏った右腕の爪を、殺意を込めて振り下ろす。だが、それは空振りに終わる。すでにハジメはジェット噴射しながらの側宙で、爪熊の側面に回り込んでいたのだ。
センスムーブ。背部からのジェット噴射で敵の攻撃を回避し、反撃に繋げる技である。
そのまま、アームキャノンのある右腕を弓を引き絞るように後ろへ引き、爪熊の左側頭部に向けて突き出す。
直撃した瞬間、爪熊の頭部に2つの衝撃が襲いかかった。1つは、鈍器としても使用可能なアームキャノンによる正拳突き、アームキャノンナックルによる強烈な打撃。もう1つは、直撃とほぼ同時にアームキャノンの先端から発生した爆発だった。
「グォッ!?」
その頭の形が歪むほどの衝撃を受けた爪熊は脳震盪を起こし、体勢が少し崩れる。そこに、ハジメは畳みかけるように近接攻撃を繰り出した。
アームキャノンを振り上げてアッパーをお見舞いし、がら空きになった胴に鋭い回し蹴りが直撃。爪熊は体をくの字に折って大きく後ずさる。
距離が開いた爪熊に対し、最大チャージビームを放つ。
「グゥウ!?」
直撃するかと思われた瞬間、爪熊はその巨体を投げ出すようにして左側に飛び、ビームを回避してしまった。
チャージビームを回避されることは、スキャンの結果からハジメも予想していた。今度は、回避したばかりの爪熊に向けてノーマルミサイルを放つ。もちろん、爪熊は回避しようとするが、ノーマルミサイルには誘導機能が付いている。
チャージビームの経験から回避できると判断した爪熊であったが、その予想は裏切られる。ミサイルは回避した方向へと進路を変え、左腕に直撃する。
「グルゥアアアアア!!!」
響き渡る爪熊の悲鳴。その左腕は左肩の根本から吹き飛ばされており、肩からは噴水のように大量の血が吹き出していた。
ミサイルをもう一発発射。今度は右腕を吹き飛ばし、血の噴水が2つに。周辺は血の海となり、その巨体は地面に倒れた。だが、まだ爪熊は生きており、その目はハジメを睨みつけている。
「終わりだ」
アームキャノンの内部で最大までエネルギーが圧縮され、ミサイルと同等の威力を持つに至る。そして、砲口から発射された最大チャージビームは爪熊の頭部を完全に破壊した。
爪熊の死体を乗り越え、先へと歩みを進める。すると、迷宮が突然揺れ始めた。
「!?」
アームキャノンを構え、周囲を警戒していると、目の前の床に四角い穴が開き、そこから床が上昇してきた。
その床の上には、透明なカプセルに包まれた緑色の弾頭を持つ太いミサイルが設置されていた。
「これはスーパーミサイルじゃないか!」
ハジメは、スーパーミサイルタンクに触れる。すると、タンクが光り輝いてアームキャノンの中に入っていった。
『スーパーミサイルを入手しました』
バイザーに表示が出る。
『ノーマルミサイル5発と最大チャージビームを組み合わせることで、強化されたミサイルを発射可能です』
「この迷宮にはアビリティが置いてあるのか。これはありがたいな」
アビリティを設置してくれた誰かに感謝しつつ、ハジメとベビーは下の階層に向かった。
やっと、新しいアビリティを入手しました。脳内に流れるアイテム取得時のファンファーレ・・・
>アームキャノンナックル
スマブラにおけるサムスの横スマッシュ攻撃