南雲ハジメはバリアスーツと共に   作:ウエストモール

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原作にいない敵を出すのは緊張しますね


14話 ヒュージ・バグ

 

「ベビー、来い」

 

 後ろからハジメに付いてきていたベビーが、ハジメの傍に駆け寄ってくる。

 

「お父様、この子は?」

 

「こいつはベビー。俺の仲間だ」

 

 ハジメはベビーを紹介すると、容器に入った神水をユエに飲ませる。神水は、長年の幽閉で衰えた彼女の体に活力を与えた。

 

「ベビー、ユエを背に乗せて回避に専念しろ」

 

 ユエは俊敏態のベビーの背に乗る。

 

「私はユエ。よろしく」

 

 ユエのような小柄の人を乗せるのであれば、俊敏態であっても騎獣としての役目を果たすことができていた。

 

 ユエ達を危険に晒さないために背後へ配置したハジメは、巨大集合体と真正面から対峙する。目の前の集合体への最初の対応は、スーパーミサイルを発射することだった。

 

 ビームを最大チャージした後、目玉のようになっている親虫をロックオン。アームキャノンの内部にてチャージビームを核としてミサイル5発を合成することで、スーパーミサイルが形成される。

 

 緑色の弾頭をキャノンの先端から覗かせた後、スーパーミサイルは射出され、光の尾を引いて親虫に命中する・・・・・はずだった。

 

 スーパーミサイルが直撃する前、その軌道に触手状の腕が割り込んだのだ。ミサイルは腕に直撃したが、数匹の小虫がパラパラと剥がれ落ちるだけで無傷に近い状態だった。

 

「スーパーミサイルで無傷だと!?」

 

 小さな虫型魔獣が集合しただけの存在が、スーパーミサイルを受けても無傷だった結果は、ハジメにとって予想外であった。

 

 そして、集合体からの反撃が来る。

 

 襲いかかるのは、鞭状の両腕を交互に叩き付ける攻撃。ハジメはセンスムーブの連続で次々と回避していく。前宙、側宙を連続で行うその姿は、まるで体操選手のようだ。そして、攻撃を躱しながらも、エーテルバイザーで敵のスキャンを行う。

 


魔獣集合体:ヒュージ・バグ

指揮官であるキングバグを中心に、兵隊虫であるバグが集まることで形成される、虫型魔獣の集合体です。固有魔法である〈結合硬化〉により、同種同士で結合することで防御力が著しく上昇する。冷気が弱点であり、温度が下がると結合が弱まります。


 

 魔獣集合体ヒュージ・バグの弱点は、冷気であった。だが、今のスーツにはアイスビームなど無く、フリーズガンという圧縮した冷却ガスを発射する武器も保有していなかった。

 

 敵の一部分だけでも凍らせることが出来れば、敵の巨体を解体していくことは可能だ。しかし、凍らせる手段が無いのだ。

 

 そんな中、ハジメの脳内に1つの手段が浮かんできた。

 

 それは、魔法である。ハジメ自身には魔法の適性があまり無いものの、情報収集を進めていた。魔法には、氷属性も存在する。

 

 ユエが氷属性魔法を使えるのであれば、アイスビームの代わりになってくれるはずだとハジメは考えた。

 

「ユエ!氷属性魔法は使えるか?!」

 

 攻撃が一瞬止み、ヒュージ・バグが威嚇してきたタイミングで、ハジメはユエに尋ねた。

 

「大丈夫。全属性が使える」

 

「そうか、それなら・・・・くっ!」

 

 直後、ヒュージ・バグは両腕を同時に叩き付けてくる。ハジメは、後方宙返りで回避してユエ達の傍に着地した。

 

「お父様、私は魔力が枯渇してる。血を飲めば魔力を回復できるけど・・その・・お父様の血が欲しい」

 

 ユエは吸血鬼族であることから、ハジメは彼女が血を求めてくることを予想していた。

 

 ハジメは、娘のお願いを断るつもりはない。だが、血を飲ませている間に攻撃されたらお仕舞いである。そこで、ベビーに敵の注意を引いてもらうことにした。

 

「ベビー、時間稼ぎを頼む。すまない・・・」

 

「キュイィッ!」

 

 ベビーは、「任せろ!」と言わんばかりに声を上げる。

 

 ハジメがユエのお願いを断らないように、ベビーもハジメのお願いを断ることはしない。ベビーはユエを降ろすと、進んで危険な任務に飛び込んでいった。

 

 そして、ハジメはユエに向き直った。

 

「どこから飲みたい?」

 

「首筋・・・お父様・・いいの?」

 

「父親として、娘を信じない訳にはいかないからな。まあ、死なない程度に頼む」

 

 ハジメはヘルメットを外し、首筋を晒すと姿勢を低くする。そこに、ユエが噛み付いた。

 

 視線の先には、ヒュージ・バグの攻撃を躱し続けるベビーの姿が。同時に、首筋から力が抜けていく感覚を感じる。

 

 そして、ユエが首筋から口を離す。ペロリと唇を舐めて血を余すこと無く摂取した後、彼女の身体から黄金の魔力光が発生した。

 

「ユエ、作戦はこうだ・・・」

 

 ハジメは、ユエに作戦の概要を話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「作戦開始!」

 

 ハジメは、ヒュージ・バグへと真っすぐ向かっていく。腕を使った薙ぎ払い攻撃がくるものの、“飛躍”で高く跳躍して回避することで飛び乗り攻撃(オーバーブラスト)を仕掛け、親虫に至近距離から最大チャージビームを浴びせる。

 

 結合しているために倒すことは出来ないが、ヒュージ・バグはビクンッ!となって怯み、その右腕が地面に突き刺さって動きが制限される。

 

「今だ!」

 

 ハジメの合図に合わせ、ユエが動きだす。

 

「ん・・・“凍雨”」

 

 鋭い氷の針が雨のように降り注ぎ、ヒュージ・バグの右腕に次々と突き刺さっていく。すると、右腕全体が凍結した。

 

「そこだ!」

 

 ロックオン・・・ノーマルミサイル発射。

 

 ノーマルミサイルは凍結した右腕に直撃し、それを粉砕する。周囲には氷の破片とバグの死骸が撒き散らされ、ヒュージ・バグは右腕を喪失した。

 

 ハジメがヒュージ・バグを怯ませ、その隙にユエが氷属性魔法で一部を凍結させた所に、攻撃を叩き込んで破壊する。これが、ハジメの立てた作戦であった。これを繰り返し、敵の巨体を解体していくのだ。

 

「次!」

 

 ヒュージ・バグの片腕がベビーの相手をしている隙に、ノーマルミサイルを親虫に叩き込む。再び怯んだ後、片腕が地面に突き刺さる。

 

 ユエの“凍雨”により、その片腕も凍結する。急接近したハジメはアームキャノンを振り下ろし、それを粉砕した。

 

「これでラストだ!」

 

 攻撃手段が体当たりのみとなったヒュージ・バグを怯ませる必要はない。

 

「“凍柩”」

 

 ヒュージ・バグの足元から氷が広がっていき、そのまま逆三角形の胴体以下が凍結してしまう。

 

「スーパーミサイルのおかわりはいかがかな?」

 

 再び、スーパーミサイルが飛翔する。強化されたミサイルはその効果を発揮し、敵の下半身をまるごと破壊した。

 

 残された部分から飛び出し、ゴキブリのようにカサカサと逃走しようとするキングバグ。その瞬間を、見逃すようなことはしない。

 

「逃がさない。“緋槍”」

 

 ユエは炎の槍を放つ。炎の槍はキングバグの胴体に突き刺さり、その身を焼き尽くす。指揮官であるキングバグの死亡により、残ったバグ達は戦意を喪失してどこかに消えた。

 

 

 

「お父様、あそこに何かある」

 

 ユエが指を指したのは、先ほどまでヒュージバグがいた場所。そこには、球状の岩のような物体が落ちていた。

 

「アビリティスフィア・・・」

 

 恐らく、道中にあった鳥人像が持っていたものなのだろう。ハジメはパワービームを撃ち込んで開封し、中に入っているアイテムをアームキャノンに吸収した。

 

『スピードブースターを入手しました』

 

『走行中に背面ブースターを噴射して高速ダッシュを行うことが出来ます。その際に発生したエネルギーを纏うことで、ダッシュ中に接触した敵や障害物を破壊します』

 

 入手した2つ目のアビリティは、スピードブースター。今すぐに出番は無いものの、後にあるところで役に立つこととなる。

 

「行こうか、ユエ」

 

「はい、お父様」

 

 ハジメとユエ、そしてベビーの2人と1匹は、封印部屋を後にした。

 





今回のアビリティはスピードブースターでした。歴代の2Dシリーズと同様、ダッシュ中に光り輝く仕様です。

〈ビーム〉
・パワービーム
 +チャージビーム
 +ディフュージョンビーム
・グラップリングビーム
〈ミサイル〉
・ノーマルミサイル
・スーパーミサイル
〈ボム〉
・モーフボール
・ノーマルボム
〈スーツ〉
・バリア機能
〈その他〉
・スペースジャンプ
・スピードブースター
 +シャインスパーク
・エーテルタンク
〈システム〉
・???
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