南雲ハジメにバリアスーツを装着させたいと思い、書き始めました。
1話 鳥人族に育てられた男
俺、南雲ハジメは6歳のとき、宇宙人の犯罪勢力であるスペースパイレーツによって地球から連れ去られた。突然、両親や幼馴染と引き離された俺は、ただ恐怖に怯えるだけだった。
だが、そんな状態の俺に手を差しのべる者達がいた。彼らは鳥人族、またはチョウゾと呼ばれる鳥類によく似たヒューマノイド型の宇宙人だ。
スペースパイレーツから俺を助けた鳥人族は、俺を養子として育てることにした。その際、彼らの居住惑星であるゼーベスに連れていかれ、ゼーベスの環境に適応するために鳥人族の遺伝子を移植された。
12歳の頃、今まで様々な訓練を受けていた俺は鳥人族の技術が惜しみ無く投入された専用のパワードスーツを受領し、初めての実戦を経験した。なんと、スペースパイレーツがゼーベスに侵攻してきたのだ。
初めて知的生命体を殺すことになりながらも、鳥人族の戦士達と協力してスペースパイレーツの撃退に成功し、さらに俺は戦士として認められた。
今、俺は16歳なのだが、初の実戦から今に至るまでの間に、様々な惑星の調査部隊に加わり、危険な原生生物と戦う経験もした。また、銀河連邦からの依頼を受けてスペースパイレーツ等の犯罪組織と戦い、銀河の平和に貢献した。
そして今、俺は故郷である地球へ里帰りすることになった。
1週間前
とある惑星探査の任務を終えた俺は、一時的にゼーベスへ戻ってきており、自室で鼻歌交じりに武器を整備していた。
その時、ドアがノックされる。
「ハジメ、入るぞ」
聞こえてきたのは男性の低い声。鍵は掛けていないため、声の主はそのまま部屋の中に入ってきて、俺の目の前に姿を見せた。それは、カラスを思わせるような黒い鳥人族。
「レイヴンのおっさん、何の用事で?」
彼の名はレイヴンクロー、俺を今まで育ててくれた恩人だ。彼は鳥人族の中でも武闘派のマオキン族と呼ばれる民族であり、戦闘訓練を施してくれたのは彼だ。
「ハジメ、聞きたいことがある。君は、地球のことをどう思っている?」
地球、それは俺の故郷。
「そうだな、言うならば俺の第一の故郷であり、特別な場所だ。ところで、何故そんな話を?」
「ハジメ、君はもう16歳。地球ならば、元服をする頃だ」
おっさん・・・元服は昔の話だ、という指摘が口から出そうになったが、何とか飲み込む。
「つまり、君はもう大人といっていいだろう。そこでだ、大人になった姿・・・そして元気な姿を君の両親に見せに行くのはどうだろうか?」
もう、10年は会っていない地球の両親。すでに俺が死んだものだと考えているだろう。だが、俺は元気に生きている。両親が地面の下に行く前に、顔くらいは出しても良いかもしれない。それと、幼馴染のことも気になる。
「おっさん、いい考えだと思う」
「ハジメ、その気になってくれたか。私がいろいろと手配しておくから、安心して里帰りするといい」
俺の幼馴染・・・白崎香織。俺の記憶の中では6歳の時で止まったままの彼女。6歳で止まっている彼女の時間を動かしたいという気持ちが、胸の内からふつふつと沸いてきていた。
そして、地球に向かう日が来た。俺は専用の黄色のスターシップに乗り込み、コンソールを操作していたのだが、そこにレイヴンクローが入ってくる。
「ハジメ、マザーがこれを持って行けと」
そう言ってレイヴンクローが渡してきたのは、腕時計に見えなくもない銀色の腕輪だった。
ちなみに、マザーというのはマザーブレインのことであり、脳のような形をした鳥人族製の生体コンピュータだ。銀河の平和に貢献するために作られたらしいが、俺からすれば唯の話し相手に過ぎないのだが。
「これは?」
「最近、マザーが開発した量子化収納装置だ。スターシップも収納可能らしい」
「スターシップも?向こうで試してみるか。おっさん、俺はそろそろ出発する。しかし、ここまで見送りに来てくれるとはな」
後ろを振り向けば、レイヴンクローは後ろの座席に座っていた。まるで、自分も一緒に行くと言っているかのように。
「ハジメ、俺も地球に行く」
「おっさん!?」
まあ、そんなこんなでレイヴンクローも地球に行くことになった。どうやら、おっさんは俺の両親に挨拶したいらしい。もちろん、両親の状態にもよるが。
宇宙に飛び立った後、コンソールを操作して地球の座標を入力し、スターシップは地球方面へとジャンプした。
この時点で、ハジメもレイヴンクローも気づいていないことがあった。それは、船内に置いておいたリュックサックがカサカサと音を立てていたことだ。その中に潜む何かは、隙間から外の様子を窺っているように見えた。
スターシップの見た目は、スーパーメトロイドやOtherMに登場した機体を想像してください。