南雲ハジメはバリアスーツと共に   作:ウエストモール

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第2章の始まりです!


第2章 Second Mission
20話 急襲


 

 〈シラクス〉はスペースパイレーツ所属の研究フリゲート艦であった。この艦の内部には実験を行うための設備が整っており、各種研究用資材が満載されていた。そして、この艦で主に行われていた研究は生物のサイボーグ化であった。

 

 だがある日、この艦は消息を絶ってしまう。スペースパイレーツ司令部が捜索隊を出したが、痕跡は1つも発見できない。それどころか、たまたま近くを通りかかった銀河連邦軍の戦艦から攻撃を受ける始末。以前に研究フリゲート艦〈ボルパラゴム〉が行方不明になったこともあり、生物兵器の研究を進めていたスペースパイレーツとしては大きな損害だ。

 

 研究フリゲート艦は何処に消えたのだろうか?

 

 

 

「本部との通信、繋がりません!」

 

「現在の座標不明!」

 

 シラクスの艦橋は正に混乱の極みであった。シラクスは連邦の勢力圏から遠く離れた辺境を航行していたのだが、突然目の前から発生した閃光に飲み込まれてしまう。乗組員達が目を覚ますと、そこは未知の宇宙であった。

 

「艦長、あれを!」

 

 シラクスの艦長である爬虫類のようなパイレーツは、副官が指さす方を見る。

 

「あれは・・・前に行方不明になったフリゲートじゃないか?」

 

 近くの宇宙空間に浮かんでいたのは、パイレーツ所属のフリゲート艦であった。シラクスは通信を試みたが、返事が返ってくることはない。

 

「部隊を派遣しよう。もしかすると、生き残りの同志がいるかもしれない」

 

 艦長が1つの決断をした時であった。

 

ズドォオオン!!

 

 突然の爆発音と共に、艦が大きく揺れた。そして、警報のサイレンが艦内に響き渡る。

 

「こちら第1小隊、連絡通路Aにて侵入者と交戦ty…」

 

 艦橋に量子アサルトキャノンの銃声の混じった通信が入るが、そのパイレーツは全てを言い切る前に絶命する。

 

「隊長がやられた!至急、救援を乞う!」

 

 爆発音は侵入者によるものであった。パイレーツ達は、目の前の侵入者に対してアサルトキャノンの引き金を引き、エネルギーシザースで斬りかかる。

 

 だが、それは無意味だった。

 

 侵入者が黒色の体に青いバリアを張り、銃撃を完全に防ぐ。シザースも同様に防ぎ、右腕のアームキャノンから放たれるショットガンのようなビームを至近距離から浴びせて蜂の巣にした。

 

 そして、銃撃してきたパイレーツに対してはミサイルを放ち、着弾した際の爆風で纏めて吹き飛ばす。

 

「艦長、連絡通路Aの映像です!」

 

 艦橋のコンソールに映像が映し出される。そこには、パイレーツの戦闘員達を虐殺する黒色の死神の姿があった。

 

「こいつは!?」

 

「右腕のアームキャノン・・・まさか、あのナグモか?」

 

 パイレーツの言うナグモとは、南雲ハジメのことである。ハジメは、スペースパイレーツから危険人物として扱われているのだ。侵入者の姿は、ハジメのバリアスーツによく似ていた。

 

「いや、違うな。俺はナグモに遭遇したことがあるが、雰囲気が全然違う。侵入者の雰囲気は、まるで冷たい機械のようだ」

 

 と、1人のパイレーツが言う。そもそも、侵入者の体は有機的な黒色の装甲に包まれているため、ハジメと異なるのは明白であるのだが。

 

「では、別物か・・・とはいえ、敵であることに変わりはない・・・んっ?!」

 

 次の瞬間、侵入者が艦橋に繋がるブルーゲートを青いオーラを纏った体当たりで破壊し、艦橋に侵入してきた。

 

「もうここまで来たのか!?速すぎる!」

 

 この時点で、乗組員の30%は殺害されていた。

 

「撃て!撃て!」

 

 艦長を含めた全員が武器を構え、一斉に射撃する。だが、侵入者は弾が当たるのを無視して青いエネルギーを溜め始める。そして、そのエネルギーは一気に解放され、パイレーツ達を一気に吹き飛ばしてしまう。

 

 強力なエネルギー波を喰らった上、壁や床に勢いよく叩き付けられたパイレーツ達は、気絶した。

 

「君達にも、僕の忠実な兵隊になってもらうよ」

 

 黒色の死神・・・プライムは倒れているパイレーツ達を眺めながら、そう言った。

 

「さて、洗脳の時間だ」

 

 スペースパイレーツ達が迷い込んだ・・・否、召喚されたのはトータスの軌道上。彼らはプライムによって襲撃され、洗脳によって完全に支配下に置かれることとなった。

 

 

 

 


 

 

 

 

 【ライセン大峡谷】

 

 それは、西の【グリューエン大砂漠】から東の【ハルツィナ大樹海】までを繋ぎ、大陸を南北に二分する巨大な大地の割れ目だ。深さの平均は1.2㎞、幅は900m〜8㎞まである大峡谷には、とある特徴があった。

 

 それは、魔力が分解されてしまうということだ。それにより、魔法を発動するために込めた魔力が分解されてしまい、魔法を使うために必要な魔力の量が上がってしまうのだ。その上、魔法の減衰が速くなるため、射程も短くなってしまう。また、エーテルアビリティに関しても必要な魔力量が増えてしまっている。

 

 その特徴に加え、大峡谷には凶悪な魔獣が生息しているため、罪人が追放される場所になっているのだという。ハジメ達が地上に出てきた場所は、そのライセン大峡谷であった。

 

「囲まれているな・・・」

 

「ん・・・」

 

 ハジメ達は、現在進行形で大峡谷の魔獣に包囲されていた。

 

「ユエ、ここでは魔力が分解される。こいつらの相手は任せてくれ」

 

 すでに、地上に出た先がライセン大峡谷であることをエルダーバードから伝えられている。そのため、魔力が分解されることを知っていた。

 

「お父様、1発だけこれを撃たせて」

 

 ユエはホルスターから黄色に塗装された光線銃を抜く。〈イエローバード〉と名付けられたこれはユエ専用に作られたものであり、軽量化が施されている。そして、ダイヤルの操作で撃つビームの特性を変えられる機能がある。

 

 ユエはイエローバードのダイヤルを操作してチャージショットに切り替えると、引き金を引き続けてエネルギーをチャージする。そのまま銃口を魔獣の1体に向けると、引き金から指を外してビームを撃つ。

 

 それを武器だと認識していなかったのか、その魔獣はチャージショットを頭に受けて崩れ落ちた。

 

「前より上手くなったな」

 

 褒められたユエは、満面の笑みを浮かべながらサムズアップした。

 

 直後、拡散効果付きのチャージビームが魔獣達の中に着弾し、魔獣達の死体が宙を舞う。これが、開戦の合図だった。

 

 先ほど吹き飛ばした正面を除いた方向から、一斉に魔獣が襲いかかる。

 

「新兵器を試す良い機会だ」

 

 ハジメは宝物庫からガトリングガンのような武器を取り出す。宝物庫はスーツの下に隠れているものの、その役割を果たしていた。

 

 そのガトリングガンのような武器を右腕のアームキャノンに接続する。手数を補うために製作されたガトリングガン・ユニット〈プレデター〉である。

 

 ハジメはアームキャノンを腰だめに構えると、プレデターの横から突き出ているグリップを握り、回転する銃身から甲高い音と共に光弾の嵐をまき散らした。

 

 光弾の嵐は魔獣を薙ぎ払い、射線に入った全てを蜂の巣にしていく。ハジメの背後に回り込もうとした魔獣もいたが、ユエのイエローバードによる射撃と、ベビー剛力体の腕力によって排除されていた。

 

 5分後、全ての魔獣が捕食者(プレデター)によって狩り尽くされた。

 

「お父様、凄い」

 

「別に凄くはないぞ?これは武器に頼った結果だ」

 

 ハジメは、自分が武器に頼っている事実を強く肝に銘じていた。

 

「でも、私だと使いこなせない。お父様は謙遜しすぎ」

 

 ハジメはプレデターを取り外して宝物庫に収納し、移動用にジャガーノートを取り出そうとした。その時だった・・・

 

チュドォォォォン!!

 

 ハジメ達の近くに青い光球が着弾して爆発し、 爆音が周囲に響き渡る。

 

「お父様!上!」

 

 ハジメ達は上空を見た。そこには、バリアスーツに似ている人型が浮いており、ハジメは咄嗟にアームキャノンを向けた。

 

 

 

 

 

 奴を最初に見た時に最初に思ったのは「バリアスーツにそっくりだ」ということだ。バイザーにアームキャノン、肩の丸い防盾・・・主な特徴が一致していた。

 

 奴は無言で青いビームを放ってきた。

 

「くっ!」

 

 咄嗟にセンスムーブで回避し、反撃のノーマルミサイルを空中の奴に放つ。

 

 誘導されたミサイルは、奴に向けて一直線に飛んでいく。しかし、命中直前で奴は空気のようにパッと消えた。目標を見失ったミサイルは、フラフラと明後日の方向へ飛んでいき、爆発した。

 

 そして、奴が現れたのは俺達の目の前。互いのアームキャノンの砲口が挨拶する形になった。斜め後ろにいたユエが、魔法を放つために掌を奴に向けようとするが、俺は空いている左手で制する。

 

「手を出すな、ユエ」

 

 相手は未知の存在である。どのような能力を持っているか分からない相手と愛娘を戦わせるなど、もっての外だ。

 

「お前は、何者だ?」

 

「はじめまして、イレギュラー君。僕の名はプライム、いずれは君を倒す者さ」

 

 黒色の有機的な装甲に包まれた奴は、プライムと名乗った。

 

「何故、お前は俺に似ている?」

 

「さあね?他人の空似って奴じゃない?」

 

 プライムは適当に答える。

 

「ふざけているのか?」

 

「まあまあ、落ち着いて。正直に言うと、僕は対鳥人族を考慮して生み出された存在なのさ。さっきも言ったけど、鳥人族の遺伝子を継ぐ君を倒す者でもあるんだ」

 

「なら、今すぐ消えろ」

 

 プライムに向けてパワービームを撃つ。だが、奴は先ほどと同じようにワープし、空中に退避してしまう。

 

「逃がすか!」

 

 空中のプライムを撃とうとするが、奴の方が速かった。奴は握り締めた左手に青白いエネルギーを収束させ、そのエネルギーを解放した。

 

 解放された瞬間、体にかかる重力が急に強くなり、立っていられない状態になってしまう。奴は、この周辺を超重力空間に変えたのだ。

 

 グラビティ機能さえあれば、これを無効化できるのだが・・・

 

「今日は君と戦うつもりは無いよ?ただ、君に挨拶しに来ただけさ。そうだ、君にお土産を置いていくよ。またね、イレギュラー君」

 

 プライムが消えると同時に超重力空間は解除される。そして、5体の人影が目の前に現れた。そいつらは、俺にとって因縁の深い連中だった。

 

「スペースパイレーツ!?何故、お前たちが・・・」

 

 その正体は、スペースパイレーツの戦闘員であった。

 

 多種多様な種族で構成されるスペースパイレーツは、銀河連邦と敵対する巨大な犯罪組織であり、高い技術力と軍事力を保有している。そして、銀河の各地で略奪と殺戮を行っている。倫理観など無いようなものだ。

 

 そして、幼い俺を拐った連中でもある。

 

「スペースパイレーツ・・・この世界にも手を出すというのなら・・・容赦はしない!」

 

 戦闘員の1体を照準の中央に捉えると、俺はいきなりチャージビームを放つ。大峡谷における戦いのラウンド2が始まった。

 




スペースパイレーツ参戦!!(スマブラ風)

さて、いつになったら残念ウサギは出てこられるのだろうか・・・
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