南雲ハジメはバリアスーツと共に   作:ウエストモール

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久しぶりの投稿です。話が短めなのは申し訳ない。上手く書けなかったので、装備を渡すシーンは没です

最近、メトロイドプライム リマスタードを始めました。


34話 ライセン大迷宮

 この世の地獄として、処刑場として人々から恐れられる地、ライセン大峡谷。普通なら簡単に人間が死体に変わるこの場所で、魔獣が一方的に蹴散らされる事態が起こっていた。

 

 その事態を引き起こしたのは、紛うことなきハジメ達であった。ハジメの槍が魔獣を切り裂き、シアの新しい戦鎚が魔獣を一撃で叩き潰す。そして、ユエが膨大な魔力にものを言わせて強引に発動した魔法が魔獣を焼き払う。

 

「師匠!これは使いやすいです!」

 

 新しい戦鎚を振り回し、製作者であるハジメに対して実際に使った感想を述べるシア。彼女はこの戦鎚を気に入っていた。

 

 この武器の名はデストロイヤー。破壊者の名を冠するこの武器は、シアの身体強化と組み合わせることで、あらゆる障害を破壊することができるだろう。

 

 シアの専用武器であるデストロイヤーには、ブースト機構が組み込まれている。攻撃する際に打撃面の反対側からジェット噴射することで、破壊力を上げる仕組みとなっている。また、戦鎚の先端からはチャージビームを放つことが可能である。

 

 ハジメはこれ以外にも装備を作っているが、それらの説明は実際に使用する際に行わせてもらおうと思う。

 

「ライセン大迷宮… やはり、簡単に見つかるものではないか…」

 

 ブルックの町を出発してから、すでに二日が経過している。彼らはライセン大迷宮の入り口を発見するべく、ジャガーノートを走らせていた。

 

 それらしき場所を見つける度に足を止めて周囲を探索し、必ずと言って良いほどに魔獣に襲われる。その繰り返しだった。

 

 地上の魔獣は迷宮のものよりも弱く、パワードスーツなど使わなくとも生身で十分に対処できる存在である。そのため、パイレーツや迷宮の魔獣以外と戦う時は生身で戦うということが暗黙の了解となっている。

 

 更に走り続けること三日。特に収穫もなく、日暮れの時間となった。夜の探索は危険なため、ここで一泊する。ジャガーノートの後部にはキャンピングカーのようなトレーラーが連結されており、ここで一夜を明かす予定だ。

 

 宿泊用トレーラーの内部にはベッドやキッチン、シャワー、冷暖房が完備されており、水は大気中から水分を抽出する水分凝結機によって確保している。また、トレーラーは強固な装甲とビームタレット、シールド発生装置で守られているため、安心して眠ることができる。

 

「ご飯ですよ!」

 

 夕食が完成したため、シアが二人を呼ぶ。料理が得意なシアはご飯を作る担当となっており、料理の腕が微妙であるハジメからすれば救世主だった。ちなみに、王族だったユエも料理が作れなかったが、最近はシアの指導で上達してきている。

 

 夕食を食べ、食後の雑談をし、交代でシャワーを浴びた後、就寝時間が来る。全自動のビームタレットとシールドがあるとはいえ、念には念を入れて三人で見張りを交代しながら朝を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、状況が変わった。

 

「師匠!ユエさ~ん!こっちに来てください!」

 

 起床して朝食を取った後、シアが用を足すために拠点から離れていたのだが、しばらくしてシアが二人を大声で呼んだ。

 

 何事か?と思ったハジメとユエはその声がした方へと向かう。そこには、巨大な一枚岩が谷の壁面にもたれ掛かるように倒れており、壁面と一枚岩との間に隙間が空いている場所があった。シアがいるのは、その隙間の前である。

 

「見つけましたよ!ここの中です!」

 

 シアの誘導に従って隙間に入ると、その中はそれなりに広い空間になっており、中には鳥人族のオブジェが置いてあった。その側には壁を直接削って作ったと思われる長方形型の見事な装飾の看板があり、文字が彫られていたのだが…

 

「何だこれは…?」

 

「ん、ん…?」

 

 ハジメとユエはそれを見ると、思わず困惑してしまった。何故なら、次のように文字が彫られていたからだ。

 

“おいでませ! ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮へ♪”

 

 地獄の谷底には似つかわしくない、女の子らしい丸っこい字で彫られた、まるで遊園地の入り口かのような文章。それが鳥人族のオブジェの側にあったのだから、なおさら困惑していた。

 

「大迷宮の入り口なのか?」

 

「ん…それにしてはふざけすぎ。でも、ミレディの名前があったということは…」

 

「ミレディの名は知られていないはず… それに、鳥人族関係の遺物も置いてある。本物の可能性が高いな…」

 

 ミレディ・ライセン。その名はオスカーが残した手記に記されており、エルダーもその名を語っていた。世間で知られているのは姓の方であり、名の方は知られていない。そのため、その名があるここはライセン大迷宮である可能性が高かった。

 

 それはそうなのだが、ハジメは鳥人族の遺物の側にこんなふざけた書き込みをするミレディの神経を疑った。とはいっても、これはようやく掴んだ大迷宮の手がかりである。とりあえず、ハジメ達は迷宮の入り口を探すことにした。

 

「ジャミングされているようだ…」

 

 ハジメはパワードスーツを装着すると、手始めにスキャンバイザーを使用して壁を調べていくのだが、人為的にジャミングされているらしく、視界にノイズが入ってしまっていた。そのため、実際に壁に触って調べ始めたのだが…

 

ガコンッ!

 

「なっ!?」

 

 ハジメが壁に触れた途端、その壁が突然勢い良く回転した。それに巻き込まれてしまったハジメは、壁の向こう側へ姿を消してしまう結果となった。そして、ハジメの視界の先に現れたのは、薄暗い部屋の天井から生えている砲塔のような機械であり、見覚えがあった。

 

「ビームタレットだと!?」

 

 叫んだ直後、強力なビームがハジメに向けて発射される。ハジメは咄嗟にサイドステップで回避すると、反撃のミサイルを数発放ってビームタレットを完全に破壊した。

 

「危ない…俺以外だったら死人が出ていた…」

 

 そうハジメが呟くと、再び壁が回転してユエとシアが現れる。

 

「お父様!? 大丈夫?」

 

「師匠、無事ですか!?」

 

「あぁ、大丈夫だ…」

 

 心配している二人に返事を返すハジメ。そうしていると、周囲の壁がぼんやりと光りだし辺りを照らし出す。ハジメ達のいる場所は10m四方の部屋であり、部屋の中央にある石板には看板と同じ文字でとある言葉が彫られていた。

 

〝ビビった? ねぇ、ビビっちゃった? チビってたりして、ニヤニヤ〟

 

〝それとも怪我した? もしかして誰か死んじゃった? ……ぶふっ〟

 

 「「「…………」」」

 

 皆、無言となる。考えていることは一緒だ。「ウザイ」の一言に尽きる。もしも本当に誰か死んでいれば、生き残りは確実に憤慨するだろう。そんな中、ハジメは無言でアームキャノンにビームをチャージし始めている。

 

「お父様?」

 

「二人とも、下がっていろ」

 

 そして、石板に向けられたアームキャノンの先端からスーパーミサイルが発射され、石板を周囲の床ごと粉砕してしまった。完全にオーバーキルである。

 

「ユエ、シア… 行くぞ」

 

 ハジメは迷宮の奥に歩みを進めていく。その後ろ姿を追いながら、ユエとシアは思った。「ハジメを決して怒らせてはならない」と。こうして、ちょっとしたハプニングがありながらも、大迷宮の攻略が始まった。

 

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