お姉ちゃんにまっかせなさい☆ 作:( ̄▽ ̄)
……………どうしてこんなことになっているのだろうか。
俺、私?はっきりと覚えているわけではないが自分は20○2年を平凡な日々を過ごす平凡な人生の現代人だったはずだ
今日も今日とて休日をベッドの上でゴロゴロと過ごしているはずなのに
「ここどこですかー!!」
見渡す限りの樹、木、樹!!
ああ、なんでこんなうっそうとおいしげる樹海にいるのでしょうか。
ため息をつきつつも立ち上がり改めて周りを見渡す
いつまでも混乱していてもラチがあきませんからね、ひとまず状況整理をしなくては話になりませんね
「……それにしても大きな木ですね。……!」
いや木が大きいのではない。
今木に触れている自分の手があまりにも小さすぎるのだ
ここで初めて自分の体を確かめると10代いっているかわからないくらいの小さな子供のような姿になっているではないか
「……マジですか。記憶はないですが少なくとも社会人にはなっていたと思うのですが……にしてもずいぶん華奢な見た目ですね。まるで女子の…………」
なんとなく、本当になんとなく性別が判別できるあそこをチラリの覗きそして、何も見なかったようにそっと元に戻しその場でしゃがみ込む
見間違いだろう。もう一度覗いてみるがそこにある事実は変わらなかった
「…………女の子なってる」
これが噂にきくTSというやつだろう。前世が男だったのか知らんけど
てか、女の子ひとりがなんでこんな樹海のど真ん中にいるのでしょうか?
おまけに身につけている装備はボロ布一枚、装備らしい装備は一切しておらず正直自殺しにきたような見た目である
うーん、うーん、……………
「…………よし!わからないので歩き回りましょう。多分どこかしらには出れるでしょう」
私はどうやらこの状況を楽観視するようなお気軽な性格らしい。考えていたら頭が痛くなってきそうです
数百メートル先も全く見えない樹海を意気揚々と進み始めるとぴちゃりぴちゃりと何か水滴が落ちるような音が聞こえはじめました
「……雨ではありませんし、もしかしたら水源かもしれませんね。これはラッキーです!」
早速の好展開に喜びながら音がする方に草木をかけ分けながらぐいぐいと進み勢いよく音の根源に飛び出す
「…………ッ!」
しかしそこには目を離したくなるような光景が広がっていた
そこには人だったであろう下半身のみが血溜まりの真ん中に佇んでいたのだ
あまりに突然の光景に吐き気を催し思わず口元を押さえる
するとその血溜まりに血がぴちゃりぴちゃりと落ちる音が鳴り響く。おそらく音の根源はこれだろう
おそるおそる落ちる血の元を辿り見上げるとそこにはこの人物の上半身であろう部位が大きな口の形をした食虫植物に食われていた
やばい
そう直感する前に体は来た道に身を翻し死に物狂いに逃げる
もう大丈夫だろう距離まで離れても逃げ続けた
走って走って体力の限界がきたところでようやく止まることができた
安堵からだろう先ほどの光景が蘇り思わずその場で吐いてしまった
口の中に吐瀉物が入り混じり気持ち悪いが少し落ち着けることができた
「………食虫植物のような見た目でしたね。確かああいうのはテリトリーに入った獲物に食らいつく植物だったはず」
どうやらこの森の植物は人すらも獲物として認識するらしい
危なかった、あのまま進み続けていれば自分が下半身とおさらばしていたでしょう
「こ、これは幸運と思っておきましょう。……だれか見知らぬお方、ありがとうございました
どうかご成仏してくださいな!」
ほっぺ叩き気持ちを切り替えいざ再出発しようと力強く一歩を踏み出すと地面とは思えないフワッとした何か生暖かいものを踏みつける感触が足から伝わってきました
ああ、私はなんと愚かなのでしょうか。たった今気をつけて進もうと決意した矢先に早速の墓穴を踏んでしまうとは
踏みつけたものの先を辿るとそこには黄色の毛に黒い斑ら模様がとても綺麗な毛並みをした背中が佇んでいました
どうやらこの踏んでいるのは尻尾のようです
綺麗な獣毛の持ち主はゆっくりと立ち上がりこちらを振り返り睨みつけてくる
口に収まりきらない鋭く大きな牙を持ちサーベルタイガーを思わせるような見た目をしているがさらに驚異的なのがその大きさであった
でかい、とてつもなくでかい
私のような子供など一口で飲み込んでしまうのではないだろうかと思わせるくらい巨大な姿をしていたのだ
「…………と、とらさん、わざとでないのですよ?
なのでどうかここは穏便に」
通じるかもわからない言葉を一応問いかけてみるが案の定こちらの言葉など一切聞く様子もなく牙を剥き出し威嚇しはじめた
「…………ごめんなさーい!」
「!!!!!!!」
謝罪と同時にまたもや身を翻し走り出す
足をがむしゃらに動かし先ほどより必死に襲われないように駆け出すが現実は非常かな
子供の脚力で獣から逃げ果せるはずもなくすぐに追いつかれ鋭く尖った爪を剥き出しにした前足が振り下ろされる
あ、死ぬ
避けられるはずもなく無情にも獣の爪は少女を捉え後方に突き飛ばされる
ピンポン玉のようにいくつかの木々に跳ね飛ばされ倒れ込む
目が覚めて数十分で死んでしまうとは。なんとも短い人生でした…………あれ?
「………!い、生きてる?」
少し背中が痛いですが全然動けるくらいの痛みだ
当たりどころが良かったのだろうか?
いやいや、あんなに跳ね飛ばされて?
そうこう考えていると獣の接近に気付かず横からの衝撃でまたもや吹き飛ばされてしまうが今度は倒れ込まず立っていることができた
なにやらよくわからないがどうやら私はあの獣の攻撃があまりダメージを受けていないらしい
「なんだかよくわからないけどチャンス!」
走り出し逃走を再開するがすぐさま追いつかれ叩き潰され、立ち上がり逃走、吹き飛ばされ、立ち上がり逃走、叩き潰され、立ち上がり逃走、吹き飛ばさ……………………………ブチっ
「だぁ!!鬱陶しい!!!」
何度も繰り返される攻撃に堪忍の尾がブチギレた少女は振り返りざまに獣に向けて拳を振り上げる
まさかの反撃に獣は回避ができず額に拳をモロに受けてしまう
「ガァアアァーーー!!!」
少女の拳を受けた獣は泡を吐きながら倒れ込みピクピクと痙攣し始めた
獣の額は大きく陥没していた
感情的になり自分で放った殴った攻撃ではあったのだがまさかこのようなことになるとは全く想像しておらず今の状況に混乱してしまった
「…………ええ…」
どうやらこの少女の身体はかなり高スペックらしい。
ああ、神様の慈愛だろうか、ありがとうございます
……いや、慈愛があったらこんな樹海にいないだろ!今のなし!
あれからなんとか落ち着けた私はサバイバルでよく見る棒と板で頑張って火を起こし引きちぎった獣の肉を食べていた
最初は食えるのかと抵抗があったが空腹には勝てず焼いて食うことにした
「かった!くっさ!まっっっず!!」
焼いて食べてみたものの血抜きもされていない獣の肉は血生臭く食えたものではなかった
せめて塩がほしい!
文句を言いながら我慢して食い進み満腹になると急激な睡魔が襲いかかり争うことができず寝てしまうことにした
「………明日は脱出できるといいなぁ」
叶うかもわからない願いを呟きながら