Fate/Zure   作:黒山羊

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※ネタバレまみれなので本編を読んだ後にお読みください。


番外編:設定資料集

【番外編:設定資料集】

 

『土地・物件など』

 

「冬木市」

 今作で原作より酷い目にあった可哀想な街。海浜公園は犠牲になったのだ、第四次聖杯戦争、その犠牲にな……。終いには汚らしい濁った粘度の高い液体でグチョグチョにされた挙句全身が沸騰しそうになってしまう。薄い本が厚くなりますね。

 とはいえ、冬木市が大変な事になるのは今に始まったことではなく、少なくとも二、三回は聖杯戦争の煽りを受け、被害が発生していると思われる。そのため、住人たちは今回もしぶとく復興する模様。健気である。

 食品関係に強く、美味しいお店がたくさんある。代表格はお好み焼き鍾馗、喫茶店アーネンエルベ、紅洲宴歳館泰山など。

 

「新都」

 冬木市の区画としては新しい方。故に新都。が、折角の町並みは戦争で消し飛び、建造し直す羽目に。近代都市だけあって、深山町とは逆に平野部が多い。それが災いし、泥の被害をモロに受けてしまった。深山町とは未遠川を境にしており、冬木大橋で行き来がなされている。

 今作の戦闘は大半がこの新都側で起こっており、住民が疎開する程の出来事となっている。つくづく不幸な街である。

 

「深山町」

 遠坂邸での戦いを除けば平和だった冬木の区画。この町があったが故に、新都の復興は多少加速した。やたらに大邸宅が多く、関西でも指折りの穏健派ヤクザの本拠地であることもあって治安は良い。

 この街に大聖杯の本体があるのだが、御三家以外は知らない。

 

「蝉菜マンション」

 発破解体された新築マンション。後に再建され、市長一家が住む。

 

「冬木市民会館」

 大きなホールを持つ多目的施設……だったのだが、キャスター陣営のトラップでゴキブリホイホイ的な魔城と化した。本編には登場していないが、パイプ爆弾や花火由来の火炎放射攻撃などの嫌がらせがまだまだたくさんあった模様。サーヴァントや魔術師はともかく、軍隊程度ならば相手にできた……かもしれない。

 

「冬木ハイアットホテル」

 ラピュタの雷はおろか、ラミエルのビームやスペシウム光線、果てはジークブリーカーにも耐える究極要塞。ケイネスの帰国に伴い元のホテルに戻った……筈なのだが、神秘の残滓が残ったのか、それとも冬木大火災を耐え抜いたことで信仰でも獲得したのか、未だに戦車の砲撃程度なら平気で弾く謎の強度を維持している。

 

「紅洲宴歳館泰山」

 その麻婆、宝具級。

 

「お好み焼き鍾馗」

 イスカンダルのオススメ。モダン焼きのみならず、ネギ焼きや豚玉、イカ玉なども美味。キャベツの甘みと肉の旨みを吸い込んだ生地がお口の中でハーモニーを奏でる。

 

「喫茶店アーネンエルベ」

 店長はスタンド使いであり、三種のスタンドにより八極拳による物理攻撃、大量の使い魔の召喚、移動式結界の展開などが可能。

 

「衛宮邸」

 切嗣が購入し、今作の後は士郎、切嗣、舞弥が住んでいる武家屋敷。部屋が大量にあり、三人で住むには広すぎる。切嗣が自分が死したのちも士郎の肉体である『セイバー』が安定するようにと、土倉に自分の血と水銀で魔法陣を敷設している。

 

「冬木教会」

 言峰親子のいる教会。最近、言峰父、言峰息子、言峰孫の三人体制になり、さらに孤児院が増設されたことで賑やかになっている。言峰孫ことカレンの反抗期に手を焼く璃正というのが、最近よく見る光景。

 

「遠坂邸」

 お城になりました。

 

「間桐邸」

 原作より住民が多く、陰気ながらも生活感はある。が、時々断末魔らしき蛙を踏んづけたような声が聞こえるとご近所で噂されている。虫がめっちゃ獲れるので、カブトムシを求めて侵入するガキンチョが後を絶たない。それを金髪の少女が追い払うのもよく見られる光景である。

 

「海浜公園」

 あいつはいい奴だったよ。

 

 

『人物』

 

「衛宮切嗣」

 酷い詐欺にあった魔術師殺しさん。夢が潰えた反動で丸くなったが、その戦闘力は変わらない。娘を詐欺ジジイの元から救い出すべく策を練っている。

 

「アイリスフィール・フォン・アインツベルン」

 今回の聖杯。9歳のグラマラスレディという設定が公式な人。ザイードに拉致られ、キュッと締められてしまった。————原作と違って出番は控えめ。だが、ある意味彼女のセリフが士郎を救った、という点では大活躍かも。黒アイリは出番なし。

 

「久宇舞弥」

 士郎の面倒を主に見ている人。親機が腑抜けたので、子機である彼女も連鎖的に腑抜けている。が、いつか親機が復活するんじゃないかと期待して、夜な夜なこっそり武器の整備をしている。

 実は作者のお気に入りキャラクターなのだが、表に出すぎるとどうしても贔屓してしまうので極力空気にしたという裏話が。舞弥さん可愛いです。

 

「ディルムッド・オディナ」

 今作のセイバーさん。結局自害して死亡といってもいい末路だが、今回は幸福な自害だった。剣と槍により自由に戦えるので、戦闘力が跳ね上がっている。RPGだと勇者ポジション。黒子の呪いはあまり出番がなかった。

 アヴァロンが無いセイバー陣営が士郎を救う為に、彼の末路は最初に決定したという裏話が。今回は恋愛関係での苦労がないので、原作よりはマシな聖杯戦争を戦えた……のか?

 

「イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」

 天使。が、登場はわずかに一回。

 

「衛宮士郎」

 切嗣の養子。その関係上、舞弥の年の離れた弟とも言える。体のほぼ全てを英霊に置換された為、魔術協会にバレれば封印指定待った無しである。今のところ自分のスペックには気付いていないが、時間の問題。

 彼の固有結界は、UBWではないもののしっかりと存在している。

 

 

「ケイネス・エルメロイ・アーチボルト」

 大怪我を負うも、なんとか生還。弟子とともにサーヴァントを連れ帰ったことで、その名声は更に高まった。今回の聖杯戦争のお陰で天狗の鼻が折れ、生徒からの人気も上昇している。ソラウとの結婚は近々行う予定。

 また、聖杯戦争で魔力量の多さで痛い目を見るという稀有な体験をした為、最近は低コストの魔術に興味を示している模様。天才なので既に幾つか成果を上げているらしい。

 

「ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ」

 今回の聖杯戦争の唯一の観客と言える存在。一応ランサーのマスターではあったものの、彼女が戦闘することはついぞ無かった。英雄という規格外の存在の導きを得て、魔術の名門ソフィアリ家の令嬢として以外の自分を獲得した。ケイネスとの結婚に不満はない。その冷めた性格はそのままだが、最近はどう見ても自分にベタ惚れなケイネスに愛着が湧きつつある模様。

 

「イスカンダル」

 人の臨界点である王様。臣下を魅了する気質はサーヴァントになっても健在で、ソラウやケイネスに良い影響を残した。作者としては原作の征服王の魅力をどうにか筆に乗せようとするもなかなか難しく苦労したキャラクター。元がカッコ良すぎるのも苦労すると知った瞬間である。

 ケイネスとソラウが生存できたのは、偏に彼のおかげ。イスカンダルの幸運とその優れたスペックでケイネス達の不幸属性を華麗にカバー。

 

 

「遠坂時臣」

 優雅顎髭おじさん。英雄王を召喚しなかった事が良い方向に働き、生存。真面目なサーヴァント二騎を獲得して頑張る。本人が言っていた通り、ジルとランスの組み合わせは英雄王に有利。ランスが宝具を盗みジルがそれを換金するという、英雄王の財宝を無断借用した挙句売り捌くというゲスい手が使える。

 片手が手首からスパッと逝ったものの、宝石を埋め込んだ義手によって寧ろ強化された。

 だが、その行く手には娘との不仲という暗雲が立ち込めている。

 

「ジル・ド・モンモランシ・ラヴァル」

 もはやオリジナルキャラクターレベルだが、何故か読者の皆様にはあまり突っ込まれなかった。非常に良い人かつ、作者にとって都合のいい人。ジルの宝具、という謎をカードとして持てたのはラッキーだった。

 何度でも言うが、後少しで優勝していた人。ランスとの相性が良く、彼の『他人の宝具を奪える』能力との組み合わせで相手を武装解除しつつこちらの資金を整えられるというチート宝具の持ち主。

 綺礼に悪の美学を説き、愉悦の方向性を修正したという活躍も見せた。

 

「遠坂葵」

 序盤にちらっと出た魔性の人妻。彼女を巡る昼ドラ展開もZEROの見どころなのだが、今作では空気に。原因は単純に作者が昼ドラを描けないため。

 

「遠坂凛」

 ツンデレロリ。将来は更にツンデレに磨きがかかり、伝統芸能の境地に至る。そのツンとデレのデンプシーロールで士郎くんに大ダメージ。

 

 

「ウェイバー・ベルベット」

 今作のヒロインその1。ふしぎなくすりを飲まされて女の子に変身。ギルと契約して魔法少女になったよ。不眠の呪い、去勢の呪い、性転換の呪いと引き換えに、英雄王がお墨付きを与えるレベルの長命を得た。……が、そんなもんは高位の魔術師なら皆得ているので正直割りに合うかは微妙。

 魔術の才はからっきしだが、その推察力と理論構築力はまさしく逸材。教育者としては天賦の才を持っている。

 数年後の彼は曲がりなりにもケイネスと引き分けた上その礼装を破壊したという事で一目置かれており、更にギルガメッシュにその教育の才を指摘されたことでケイネスの助手になっている。ケイネスの天性の才覚で閃いた原案をウェイバーが理論立て、それをケイネスが運用して実証するという超高効率の研究法により、ケイネスと共著で大量の新理論を発表中。

 

「ギルガメッシュ」

 みんなのヒーロー英雄王。アルトリアと並んでfateシリーズの看板。今作では大暴れした挙句生存し、ウェイバーと共に渡英。彼を連れ帰ったことでウェイバーとケイネスは一躍有名に。

 イギリスでもウェイバーをいじり倒す日々を楽しんでいるが、ちょくちょく冬木に遊びに来たり、世界を漫遊したりと好き放題。

 彼が冬木に訪れる度に大金を落としていくおかげで冬木復興の一助となった。名義はウェイバーなので、本人の知らぬ間にベルベット家は長者番付にランクイン。

 

 

「言峰綺礼」

 愉悦麻婆神父。アーチャーに導かれ、人畜無害な外道というキワモノに。生き甲斐の発見によりある種悟ったような落ち着きを得た結果、最近風格が出てきた。

 冬木大火災の犠牲となった子供達を孤児院に保護して養育中。原作と異なり子供達はスクスクと成長しているが、若さ故の過ちをダシに綺礼の愉悦の犠牲となっている。第三者視点では教育的指導だが、綺礼はその観察眼によって的確に最もその子供が嫌悪する罰則を考案するため、愉悦ポイントは高め。————ちなみに、その罰のお陰で悪行を二度とするまいと誓う子供が続出した結果、冬木市民から「教会の子達は皆礼儀正しく品行方正」だと評判。結果、綺礼は愉悦を楽しめば楽しむほど信頼を勝ち得ることに。

 

「言峰璃正」

 綺礼パパ。今作では令呪の譲渡が穏便にすんだので生存。息子の綺礼が立派な人格者(笑)に成長したので、彼に教会の運営をほぼ任せて半分隠居している。最近は教会の花壇の手入れと孫娘の世話が主な仕事内容。

 

「ランスロット・デュ・ラック」

 アサシンクラスで召喚されちゃった円卓最強さん。今作最大の不遇キャラ。一応、『Auo VS ランスロット』という彼が活躍するプロットもあったのだが、そうなってくるとウェイバーか綺礼のどちらかが死ぬ為、敢え無く却下に。

 仮にステイナイト編があれば活躍する可能性がさっちんシナリオとタイガーシナリオと月姫2が発売される確率と同程度存在する……?

 

「言峰・H・カレン」

 正式に言えば言峰・オルテンシア・カレン。綺礼の実子。今はまだ覚醒してはいないが強力な霊媒体質の素養がある。早めに優しいお爺ちゃんと不敵なお父さんに引き取られたのでそこまでグレてはいないが、しっかりと綺礼の血を引いている同類。

 

 

「雨生龍之介」

 天才殺人鬼。そしてキャスターこと百の貌のハサンの良き友人にしてマスター。キャスターを召喚した事で組織力という力を手に入れ、冬木の地下でひたすら人間を殺しては死を研究している。

 原作と違って生存したのは、彼が滅多に地上に出てこなかったせい。キャスター陣営はザイードを犠牲にしたことで『敗退した』と見做され、彼らの存在は誰も把握していない。

 描写はそれほどされていないが、人体を利用して家具を作るのが趣味。

 

「ヤスミーン」

 結局最後まで、そしてこれからも龍之介に『ヤスミン』と呼ばれることになる、百の貌のハサンの代表的な人格。リーダーシップがあるらしく、ハサンたちはなんだかんだと彼女の指示で動いている。一応暗殺者としての彼女の専門は『近接戦闘』。ハサンの中でも強めの個体である。

 

「マリク」

 口下手なおじさん呪術師。呪殺を得意とする暗殺者だった彼がキャスタークラスに引っかかった為、ハサンなのにキャスタークラスに収まった。基本裏方だが、名前の出る機会は多かった人。

 

「アリー」

 地下施設を設計、製作した大功労者……なのだが出番は一回。彼は建物などを用いたトラップによる暗殺が得意だった。

 

「ザイード」

 専門技能は『指弾』(小石などを指で弾く暗器術)。能力は下の下だったが、龍之介の『一人格ではなく一個人』という考えに感銘を受けて、他の人格に対して兄妹のような感覚を抱いていた。————そんな彼が選んだ、自分が死ぬ事でキャスター陣営の敗退を偽装するという作戦は龍之介を含めた全ハサンがすぐに見破れる程のモノだったが、『死』を尊重する龍之介が死地に自ら臨む彼の意思を尊重した事で計画は実行された。

 彼が占拠した市民会館を、最後の手向けとしてキャスター総出で改造し、ザイードはそこで死を待った。

 そんな彼は、最後にランスロットの撃破を確信して逝った訳だが、その最後の戦いは使い魔からの中継でキャスター、そして龍之介の脳裏に焼きついている。

 キャスター陣営の地下施設には彼の墓があり、その墓標には『暗殺王ザイード』の墓碑銘が刻まれている。彼の死体は露と消えたが、死体の代わりに彼の仮面が埋葬されている模様。

 

 

「間桐雁夜」

 バーサーカーの電池。バーサーカーの粋な計らいでバージョンアップしたというのに未だによく死ぬ。

 

「間桐臓硯」

 バーサーカーの事実上のマスター。不老不死の夢が叶ったので、次は子孫の強化に着手。桜と慎二をじわじわと強化しており、間桐の血筋を蘇らせる事を目論んでいる。

 

「間桐鶴野」

 間桐家の当主。基本的にお飾りだが、事務仕事は主に彼の仕事。お酒が好きだが、酔うとすぐに潰れる。

 

「間桐慎二」

 可愛い妹と優しい姉が一気に増えて内心テンションが高い八歳児。二人の前で良い格好をしようとしているのが良い方向に働いているのか、その才覚を徐々に現わしつつある。実は身内思い。

 

「間桐桜」

 遠坂から間桐にやって来た養子。養子に来てから一週間分の記憶が無いが、以降はぼちぼち幸せな日々を過ごす。優しいお姉さんのバーサーカーと、素直じゃないけど優しいお兄ちゃんの慎二と一緒に生活中。

 

「アルトリア・ペンドラゴン」

 本作のヒロインその2。バーサーカーになった事で竜の要素が強くなり、思考も人外のそれに。その結果暴君ではあるが、王としては完璧な王に。雁夜を電池にしているのでエクスカリバー打ち放題。

 冗談抜きに「第四次では他のサーヴァントに遅れを取ることはなかった」騎士王。

 死亡後に間桐が予め仕込んでおいた魔術によりサーヴァントではなく使い魔として雁夜に召喚され、その魔力を食い漁りながら間桐家に逗留する。

 夢はでっかく第二次ブリテン王国の建国で、将来的に臣下とするべく桜や慎二の世話を焼いている。


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