TS悪役令嬢になったオレ! 王子と婚約してるけど悪役令嬢だから婚約破棄されるだろうし、気にせず生きていくぜ!   作:冬月之雪猫

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第七章『TS悪役令嬢になったオレと個性豊かな同級生達!』
第六十一話『キャロライン・スティルマグナス』


 パシュフル大陸はこの惑星に存在する四つの大陸の中でも最大の面積を誇る。

 その広大な大地を三分しているのがカルバドル帝国とイグノス武国、そしてルテシアン連邦国だ。その三国の国境が交差する土地を人は『クレルモア大平原』と呼称している。

 今、その土地は目を背けたくなるような様相を見せていた。

 

「うわぁ……、地獄絵図(じごくえず)

 

 キャロライン・スティルマグナスは青褪めた。この状況を生み出しているのは二人の人間であり、これから彼女はその一方に伝言を伝えるべく、この地獄に踏み込まなければならないからだ。

 平原だった筈なのに、まるで渓谷のような断層が幾つも走っている。底の方には赤く燃え滾る溶岩が流れていて、岩や緑の結晶体の柱が無数に点在している。

 空は雷鳴が轟き、大小様々な影が超スピードで飛び回っている。

 

「えーい、儘よ!!」

 

 キャロラインは意を決して地獄に飛び込んだ。すると、戦闘区域に新たなる侵入者が現れた事を感知した真紅の竜が彼女に襲い掛かってきた。

 

「あれは鋼装竜(はがねそうりゅう)!?」

 

 その竜の身を覆っている物は鱗ではなかった。クルダニウスという真紅の鋼鉄だ。鎧のように纏っているだけではなく、その身の内にも多くの金属を埋め込まれている。

 イグノス武国の天才科学者が開発した魔獣と魔法と科学の融合生物である『メタルディザイア』の一種だ。

 鋼装竜は竜種を改造した物であり、メタルディザイアの中でも最高の戦闘能力を誇る。

 

「もう、雪上加霜(せつじょうかそう)! こっちは伝令を届けに来ただけだって言うのに!」

 

 キャロラインは腰に下げた刀を抜き放つ。

 彼女が鋼装竜と対峙するのは初めてではなかった。

 

「っと!」

 

 空中を駆け上り、鋼装竜の背後を取る。首にも装甲が取り付けられているが、可動領域を確保する為に隙間がある。

 以前戦った時はそこを切り裂く事で討伐する事が出来た。

 

「なっ!?」

 

 けれど、鋼鉄を切り裂く彼女の斬撃が止められた。装甲の隙間の向こう、関節部分が金属製の繊維を編んだ網で覆われている。

 以前、鋼装蟲(はがねそうちゅう)の芋虫タイプの体がそれで覆い尽くされていた為に苦戦した事をキャロラインは思い出した。

 

「さ、さすがはDr.クラウンね」

 

 以前まで存在していた欠点が埋められている。

 敵ながら天晴と思いつつも、やっぱり巫山戯るなという気分になる。

 

「おっと」

 

 鋼装竜はキャロラインに向き合った。

 メタルディザイアに施された改造は脳にまで及ぶ。

 その学習能力は凄まじく、戦闘が長引けば戦闘能力が上回っていても安心出来ない。

 それに、

 

「あんまり暇じゃないんだよねぇ」

 

 接敵する度に足止めを食らっていたら伝令を届ける頃には日が沈んでしまう。

 

「アタシ、師匠程優しくないから!」

 

 彼女は鋼を斬る時に魔力を使わない。魔力を纏わせた時の彼女の斬撃は鋼以上の硬度を持つ合金や魔鉱石すら斬り裂く。

 一度は弾いた攻撃だと考え、鋼装竜は敢えて受け止め、その後に必殺の一撃を繰り出そうと思考した。

 けれど、その考えが実行される事はなく、キャロラインの斬撃は鋼装竜のボディを両断した。

 

「アタシだって、日進月歩(にっしんげっぽ)!」

 

 キャロラインは鋼装竜の屍を超えていく。

 するとクワガタ型の鋼装蟲や大鷲型の鋼装鳥(はがねそうちょう)が襲い掛かって来た。

 

「やっば!!」

 

 鋼装鳥の方は前に討伐した事があったけれど、鋼装蟲の方は撤退を余儀なくされた。

 ブラッククロジオンという合成魔金属で覆われた黒光りする外骨格は魔力を纏わせた斬撃さえ通らない。

 頭部のハサミに挟まれれば同等の金属で鋳造した鎧を身に着けていたとしても容易く両断されてしまう。

 更に、スピードも速い。音速を超えて疾走する事が出来るキャロラインが全力で逃げても振り切る事が出来なくて師匠に対処を願った程だ。

 

「くぅぅぅ、棄甲曳兵(きこうえいへい)!!」

 

 キャロラインは瞬時に逃走を選択した。

 新たに襲い掛かってくるメタルディザイアの軍団を避け、斬り、壁にしながら戦場の中心地に向かって駆け抜けていく。

 後ろを確認する余裕なんてない。確認するまでもなく、死神の集団が嬉々として鎌を構えている光景が目に浮かぶ。

 キャロラインは泣きそうな顔で叫んだ。

 

「ぅぅぅぅ、剣聖様!!」

 

 瞬間、無数の斬撃がキャロラインを除くすべてを斬り裂いた。

 

 ◆

 

 道化師のマスクを被った男はメタルディザイアの死体の山の中で泣きべそをかいているキャロラインを見て高らかに笑った。

 

「ホーッホッホ! あの小娘はまだまだのようじゃなぁ!」

 

 そんな彼の名前はDr.クラウン。イグノス武国が誇る脅威の天才科学者である。

 

「そんな事ないわ! キャロはがんばり屋さんだもの!」

 

 そう返した彼女の名前はマリア・ミリガン。カルバドル帝国最強の剣士であり、剣聖と讃えられし者である。

 二人の周りには夥しい量の死骸が山を築いていた。

 

「まーた、全滅させおって……」

「それが私の仕事だもん」

「死骸の山を築く事が仕事か? お前さんに天国からは門前払いを食らうじゃろうな」

「失礼な! 人を殺戮者みたいに言わないでよ!」

「なら、お前さんの仕事とは何のことじゃ?」

 

 ミリガンは自らの愛刀である『イクサ』を抜き放った。

 

「斬る事」

「……どっちにしろ、天国に歓迎はされないじゃろうな」

「私も天国より地獄の方がいいかなー」

「地獄を望むのか?」

「だってー」

 

 ミリガンはもう一振りの愛刀『フェムト』を抜き放ち、イクサと共に翼の如く広げた。

 

「地獄には斬るべき鬼がいるんでしょ?」

「……昔はもうちょーっとくらいおしとやかだった気がするんじゃけどなー」

「あら? 剣士としてはこの上なく上品で、まさにおしとやかでしょ?」

 

 真紅の瞳を爛々と輝かせ、無邪気に微笑むミリガンにDr.クラウンはゲンナリした。

 

「……メナスの血は何処へ行ったのかのう」

 

 遠い目をするDr.クラウン。そこにキャロラインがやって来た。

 

「剣聖様!」

「やっほー。やっぱり、グラントシザリオンの相手はキツいみたいね」

痛烈無比(つうれつむひ)! 強過ぎます!」

 

 グラントシザリオン。それはキャロラインが勝てないと判断した黒光りするクワガタ型の鋼装蟲の名だ。

 

「ホーッホッホ! 当然じゃ! あやつらは現時点で鋼装蟲の中でも最強クラスじゃからな!」

「加減してよ!」

「いや、加減って……。わし、お前さんらの敵じゃよ? お前さんらを倒す為に来とるんじゃよ?」

「いいからもうちょっと難易度下げてよ! 修行にならないじゃない!!」

「えぇ……、すっごい理不尽じゃのう。そう思わんか? サクリファイスよ」

 

 Dr.クラウンが騎乗している鋼装竜のサクリファイスに語りかけるとサクリファイスはよく分かっていないのか首を傾げた。

 

「まあよいわ! さあ、見るが良いぞ、小娘共! わしの現状の最高傑作! 変形機構搭載の鋼装竜、ガステリオンじゃ!!」

「それより伝令!! ドクターはちょっと黙ってて!!」

「なぁ!?」

「え? 変形機構!? 見たい!!」

「剣聖様!!」

 

 キャロラインに怒られて、ミリガンはシュンとなった。

 

「……ドクター、ちょっとタイム」

「認める!!」

 

 伝令を聞く為にミリガンとDr.クラウンは戦闘を一時中断する事にした。

 この二人はそれぞれ『帝国最強』と『武国最強』の二つ名を持っている。この二人以上の軍事力はどちらの国にもない。

 本来、戦争とは軍と軍のぶつかり合いだが、この二人の前では有象無象など塵芥に過ぎない。

 キャロラインが討伐した紅の鋼装竜でさえ、ミリガンとキャロラインを除くカルバドル帝国のすべての軍事力をもってしても敵わない。

 ミリガンに至っては、その気になればDr.クラウンやメタルディザイアを含めたイグノス武国の全軍事力を一度に相手取ったとしても一昼夜の内には全滅させる事が出来てしまう。

 だからこそ、二人は戦争の全権を握っている。

 ミリガンはキャロライン以外の自国民が戦場としているクレルモア大平原へ侵入する事を一切許していないし、Dr.クラウンも侵入した者は実験材料にすると公言している。実際、侵入してしまったイグノス武国の高官が鋼装人(はがねそうじん)に生まれ変わってしまった事件が国内の新聞の一面を飾った事がある。侵入したのが国王だったら鋼装王(はがねそうおう)が誕生していただろう。

 そして、双方共にクレルモア大平原以外で戦闘行為を行う事を許していない。

 二人の超越者同士による茶番劇。それがこの二カ国間における戦争の実態だった。

 

「剣聖様! 皇帝陛下からで御座います! アタシのアザレア学園への入学許可証が届いたとの事です! 一週間後、アガリア王国へ発つ事になる為、以降の伝令はアルフォンス・ウォーロックが担当します!」

「あっ……、そっかー。もう、そんな時期なんだね。あれ? でも、アザレア学園の入学式って、まだ先じゃなかった?」

「その前に顔合わせの為の夜会が開かれるのですよ」

「それでかー……。そっかー……、キャロ、行っちゃうのか―……」

 

 ミリガンはすごく寂しそうな表情を浮かべている。

 

「おそらく、帰って来るのは最速でも五年後かと……」

「……五年かー」

 

 ミリガンはすっかり落ち込んでしまった。

 けれど、そもそもキャロラインにアガリア王国へ向かう事を命じたのは彼女だった。

 

「なんじゃ? 留学か? アガリア王国というと……、おお! 勇者の件じゃな!」

「ドクターも気づいてたの!?」

「あったりまえじゃ! まあ、わしの国で気づいておるのはわしだけじゃよ。安心せい!」

「こっちも皇帝陛下と私達だけで情報を握りつぶしてるわ!」

 

 目をキランと輝かせて自信満々に言うミリガン。

 

「民主主義という言葉を知っとるか?」

「帝国は皇帝陛下による独裁国家だから問題無し!」

「なんと……、悪の枢軸じゃのう」

 

 自分も情報を握りつぶしておきながら、Dr.クラウンは戦慄した様子だ。

 

「悪の枢軸はそっちでしょ! 倫理観って言葉、知ってる!?」

「ホーッホッホ! 倫理観が怖くて生体兵器が作れるか!!」

「開き直った、この悪党!!」

「ホーッホッホ! 悪の天才科学者とはわしの事じゃもん!」

 

 高笑いしながら、Dr.クラウンはどこからかメタリックカラーの卵を取り出した。

 

「ほれ、小娘! 元服祝に用意しとったもんじゃ! ちょいとばかし早いが持ってゆけい!」

「え? なになに!? プレゼント!? やったー!」

 

 無邪気に喜ぶキャロラインにミリガンはむくれた。

 

「もう! キャロ! ドクターは敵なのよ! 怪しいおじさんから物をもらっちゃいけません!」

「誰か怪しいおじさんじゃ!」

「怪しいでしょ!! それにおじさんでしょ!!」

「ドクターはおじさんって言うか、おじいちゃんじゃないですか?」

「ぶふぉー!!」

「ドクター!?」

 

 いきなり吹き出したDr.クラウンにミリガンとキャロラインは目を丸くした。

 

「おじいちゃん……! なんという魅惑の響きじゃ!!」

 

 嬉しかったようだ。

 

「おじいちゃーん!」

「ホーッホッホ! お小遣いもあげようかのう。アガリア王国の通貨はえっと……」

「お小遣いは私があげるから!! ドクターはもう渡したでしょ!!」

「なんじゃと!! お小遣いは別腹じゃろ!!」

「いいからドクターは終わり! 向こう行ってて!」

 

 ミリガンはシッシとDr.クラウンを追い払った。

 そして、愛刀のイクサをキャロラインに差し出した。

 

「お小遣いの前にこれあげる!」

「イ、イクサじゃないですか!? もらえませんよ、こんな業物!!」

 

 ミリガンの愛刀はどちらもブリュートナギレスの刀匠が鍛えた業物の中の業物だ。

 彼女が刀を本気で振るえば見えている範囲のあらゆる物質を斬り裂く事が出来るが、並の刀ではミリガンの力に耐え切れない。鋼鉄で出来ている筈の刀がガラスのように粉砕してしまう。

 そんな彼女の剣技に耐え得るように鍛えられたのがイクサとフェムトだ。

 どちらも国宝級の逸品であり、鍛えた刀匠が生涯の最高傑作(マスター・ピース)であると断言した程の刀だ。

 

「いいから持っていきなさい! 必要になるから」

「ホーッホッホ! 必要なんて無いぞ!」

 

 折角良い事を言おうとしていたミリガンは横槍を入れて来たDr.クラウンを睨んだ。

 

「必要無い? キャロは才能もあるし、努力もしてるわ! 一流には一流の刀が必要なのよ!」 

「ホーッホッホ! 分かっておるわい! じゃから、その卵を渡したんじゃろうが」

 

 Dr.クラウンはキャロラインが抱えている卵を指差した。

 すると、卵が形を変えていく。鳥の形になったかと思えば、更に変化して刀になった。

 

「へ、変形した!?」

 

 ミリガンはあまりのかっこよさに目を輝かせた。

 

「すごい!!」

 

 キャロラインもテンションが上がった。

 

「そうじゃろう!! 銘は『カイム』じゃ。素体は無く、純粋な絡繰鳥(からくりどり)じゃよ。鳥の形態ならば連絡手段や諜報手段、索敵手段にもなる。刀の形態はもちろん! ミリガンの奥義にも耐え得るよう――――」

「剣聖様の奥義に耐えられるんですか!?」

「――――には出来なかったがのう」

「出来なかったんかい!!」

 

 すっとぼけた事を言うDr.クラウンにキャロラインは怒った。

 

「じゃが、奥義を使わなければ相当に長持ちする筈じゃ。お前さんには丁度いいじゃろう」

「……な、なるほど」

 

 キャロラインは試しにカムイを振ってみた。長さや重さも丁度いい。

 

「すっごく馴染む……!」

「で、でも! 索敵とかに行ってもらってる時は刀になれないでしょ!! キャロにはもう一振り必要よ!」

 

 そう言って、ミリガンはキャロラインにイクサを押し付けてくる。

 

「そんな予備みたいなノリで受け取れませんよ!?」

「なんでぇ!? ドクターからは受け取れるのに、私からはダメなのぉ?」

 

 ミリガンは涙目になっている。キャロラインは罪悪感を覚えた。

 

「そ、そんな事はありません! 君恩海壑(くんおんかいがく)です! えっと、その……、謹んでお預かり致します!!」

「預けるんじゃなくて、あげるんだってば!」

「は、はいぃぃ」

「おうおう、必死じゃのう! そんな無理矢理渡したら可哀想じゃろうに!」

「ドクター、うるさい! もう、今日の戦争終わり! 私達は帰って送別会するんだからね!」

「あー、ずっこいのう! それならせめてお小遣いくらいあげたっていいじゃないか!」

「ダーメ! お小遣いも私があげるんだもーん!」

「おのれい、剣聖め! そっちがその気ならええわい! せーっかく、変形を見せてやろうと思ったけど、やーめた! ついでに試作段階の合体も見せてやろうと思ったんじゃけどなー! やーめた!」

「変形合体!?」

 

 ミリガンは衝撃を受けた。まだ、剣聖を受け継ぐ前にDr.クラウンから誕生日プレゼントとしてもらった変形合体するロボットの人形を彼女は今も大事にしている。

 誰も見ていない事を入念に確認して、部屋の中でこっそり変形や合体をさせて、同じく誕生日プレゼントで貰ったメタルディザイアのフィギュアとお人形遊びのように戦わせたりしている。

 そんな彼女にとって、実物大の変形合体は見逃すにはあまりにも惜しいものだった。

 

「くぅぅぅ……」

 

 苦渋の決断だった。

 

「……分かったわ! お小遣いの権利は譲る! だから……、変形合体見せて!!」

「ホーッホッホ! 仕方ないのう! では、見るが良い!! まずはガステリオン、ファイターモードじゃ!!」

 

 Dr.クラウンの叫び声に答えるように上空でずっと待機していたガステリオンが変形を開始した。

 翠の装甲に覆われた体が次々に変形していく。長い首を覆う装甲はショルダーアーマーになり、頭部は胸元まで引っ込み、細い腕はその顔の両脇に収納され、代わりに翼の部分が変形して腕になっていく。下半身は半回転してこれまた変形していく。

 最後に人間を模したような頭部が現れ、ガステリオン・ファイターモードは完成した。

 

「ふわわわわわわ!!!」

 

 ミリガンは感動のあまり涙を流している。

 キャロラインも瞳をキラキラさせている。

 

「さあ、いくぞい! 試作段階じゃが、ガステリオン! サクリファイス! シャドウ! ゼタ! オルフェウス! 合体じゃ!」

 

 Dr.クラウンが騎乗していたサクリファイスを含め、新たに上空から降りてきた鋼装鳥のシャドウや地面の下から現れた鋼装蟲のゼタ、鋼装狼のオルフェウスがそれぞれ変形していく。

 ガステリオンもファイターモードのまま腕を翼の形に戻し、下半身を背中に回してバックパックのように変形させた。

 サクリファイスは右腕に、シャドウは左腕に、ゼタは右足に、オルフェウスは左足になり、最後にバックパックとなった脚部のパーツの一部が頭部と融合した。

 

「これぞ、合体魔神『ジェネシス・ガステリオン』じゃ!!」

 

 Dr.クラウンがそう叫ぶと共にジェネシス・ガステリオンは爆発した。

 

「ほあ!?」

「爆発した!?」

「ジェネシス・ガステリオンがー!?」

 

 折角の試作品は爆発してしまった。尊い命をいくつも弄んだ末に作り上げられた狂気の絡繰人形は足元に広がる無数の死骸の一部となった。

 

「……さーて、撤収撤収!」

「剣聖様! アタシ、アガリア王国に行っても毎日お手紙書きますからね!」

 

 和気藹々とした雰囲気で帰っていく二人の少女剣士達を尻目にDr.クラウンは沈んでいた。

 

「わ、わしのジェネシス・ガステリオン……」

 

 ホロリと涙がこぼれ落ちるのだった。

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