幼年期の後、あるいは新時代の前に   作:杉鋸

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インタビュー

 狩人について調べてる? はははっ! あんな奴等、調べて何になるって言うんだ! ヤーナムの歴史を残したい? このゴミ溜めの歴史なんざ書き残す紙の価値を下げるだけさ! アンタ、気でも狂ってるのかい? ははははっ!

 まあいいさ、出すもんはちゃんと出すんだろう? アンタみたいな気狂いの払ったもんでも金は金さね。ドブに金を投げ込んで泥を撒き散らすのが趣味だって言うんならちょいと手伝ってやるよ。お前さんの望んだ様な泥の跳ね方をするかは知ったこっちゃないがね!

 

 気に入らない手合いを「こいつは獣の病を発症している!」だのなんだのと因縁付けてぶっ殺す。それが教会の飼ってる可愛い可愛い黒い飼い犬、タダのイカれた人殺し、予防の狩人共さ。まあ、こんなのは狩人を自称しているだけの偽者さね。人を狩った事はあっても正真正銘の獣なんて一匹でも狩った事はないだろうさ。

 教会に都合の悪い手合いをどこからともなく矢で殺して回ってる暗殺者も居るらしいが、そいつも予防の狩人様だろうさ。因縁を付ける姿を見せない程度の頭はあるんだから性質が悪いったらありゃしない。

 処刑隊もカインハーストをぶっ殺す為の連中で、まあカインハーストには獣も居たらしいから教会の犬ッコロ共よりはまだ狩人だったろうさ。

 ヤーナムの忌むべき隣人・カインハーストの血の狩人に、狩人狩り。どっちも狩人を狩るが血の狩人はカインハーストの血啜り共の為で、狩人狩りは予防の狩人みたいになっちまった気狂い狩人を狩りたがる異常者さ!

 まったく! 獣狩りとは名ばかりの人狩りの獣共しか居ないのか、それとも人間は全員獣だって言いたいのかねぇ! ヤーナムの狩人なんてそんな奴等ばかりだよ! あははははっ!

 

 なんだい、そうじゃない狩人も居るって? あんたが聞きたいのはヤーナムの歴史だろう? 真面目腐って獣を狩る様な狩人なんて、わざわざ余所からこんな所まで来て獣を狩ろうと思った気狂い共だけさね。そいつらの事もヤーナムの歴史に数えていいのかい?

 一番多いのは獣だなんだに「虫」を見てるとかいう連盟の目ン玉の腐ったバケツ頭共さ。地面を踏みつけてるのはともかく、獣や軟体生物をぶっ殺すのが目的ってんだからヤーナムの狩人よりはマシだよ。まあ襲ってくるなら狩人でも医療者でも関係ないらしいけどねえ。

 後はなんて言ったかねぇ……医療教会に見切りを付けたガスコインだの、他にも何人も居たけども……結局みぃんな獣と人の区別も着かなくなってどこぞに消えてったさ。元から気狂いなのがもうちょっと狂ったってだけだからしょうがないねえ。狩人狩りに狩られたのか、ヤーナムの外にでも向かったのか。まあ、知る由もない話さ。

 

 ……ああ、それでも狩人様様だよ。獣狩りなんてまともな人間様には重すぎるのさ。狩人みたいなどっちが獣か知れたもんじゃない連中でもなきゃあ命がいくつあっても足りる訳が無い。

 人間様が『狩りごっこ』した所で精々人を狩れるかどうかで、狩りごっこだった連中が人以外も狩れる様になる頃には立派な立派な獣の病の発症者さね。

 獣を駆除してくれるってんなら何であれ、ただの獣よりは役に立つってもんだよ。

 

 

 

 

 

 

 全く、興味があるっていうんなら奴等に直接話を聞きに行く方が中身があるだろうに、なんで偶々多少見かけた程度の奴の話なんざ聞きに来るかいね……。

 

 奴等が何者かって、そりゃ俗に言われてる通りの奴等だよ。人でなし、けだもの……自称している通りの『墓場入りしてる奴等』と言っても良いだろうさ。

 

 奴等に理性なんてあってない様なもの。利益が出るだの、良い事があるだの、そういう理由も無しにただやりたい事をやりたい様にやってる連中さ。

 危険な遺物がどうのたぁ言うが、俺に言わせりゃあいつらが遺物共の仲間入りしていない事の方が不思議なくらいには過去の事ばかり見つめておいて、その癖遺物共を正真正銘の墓場送りにして他人には過去を覆い隠す。

 あるいは未来をお題目に据えてはいても未来なんざ大して気にもしちゃいないで、いつ見たって変わり映えしない――亡霊か、その親戚って所だろうよ。

 そうしてやりたいと思ってやる事が危険な危険な遺物共の処理ってんだから正気を疑うね。まあ、殺したって死にはしない連中なんざ危機感も理性も使い所が無くて気が付いたら退化してたのかもしれんが。

 

 極東支部? そいつらとは縁もなきゃ知りもしないが、利益を上げる事そのものを目的にでもしてる手合いでも混じってるんじゃないかねえ? 企業を立ち上げてるとかいうんなら、それこそアポでも取って訪問して来ればいい。俺は知らんよ。

 

 能力も人のそれじゃあないね。身一つで空を自由に飛び回り、携行火砲じゃ手数も取り回しも追いつかない、あるいは火力が足りなくなる様な遺物共すらよく分からん力でぶっ壊し、殺されたって死にゃしない。

 あるいは殺し続ければ死ぬのかもしれんが、遺物共でも殺し切れない連中を殺し切ろうと思ったら何をどれだけ用意する事になるか知れたものじゃない。奴等の顔ぶれが変わるのは「やる気が尽きたから楽隠居でもしよう」って――隠居しておとなしくなるとも思えんが――辞めてくんだろうさ。

 はたまた俺が知らないだけで殺しきれる遺物はあるのかも知れないが、それが表沙汰になってないって事は結局そういうとんでもない代物が表に出て来る前にどうにかできる手合いが居るって事だ。どの道、考えたくもないね。

 

 まあ、まともな連中じゃあ無いけれども実際居ないなら居ないで困るんだろうし、処理すべき遺物がある内は好きなだけ遺物に飛びつかせておけばいいさ。仮にも世の為人の為にはなってる部類ではあるんだから関わり合いになんざならなきゃ問題は無いってもんだ。

 それが問題になっちまったのが俺で、今もお前みたいな変なのに絡まれてる訳だけどもな。

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