転生者……神に見い出された、様々な要因で人生を終えた者達が、己が望んだ「特典」を与えられ、新たなる世界にて第二の生を送る存在の総称。
この物語の舞台でもある「モンスターハンター」の世界にも、転生者は一定数いる。ハンターになった者、モンスターになった者、それらを支える者……それぞれの
何もかもが狂った「彼女」が現れるまでは……
~【雑談】モンハン転生者スレ~
1:名無しの転生弓使い
とうとう、この世界でもヤバい奴出て来たっぽいんだわ
2:名無しの転生片手剣使い
どういう事なんです?
3:名無しの転生徹甲虫
最近、他のモンハン系世界でも、ヤバい奴が現れてるのに……?
4:名無しの転生盾蟹
この世界なら、ハンターでもモンスターでも、転生してるなら仲良くなれるんじゃ?
5:名無しの転生ランス使い
何か噂で聞いたッスよ。確か……太刀使いだとか
6:名無しの転生チャアク使い
私も聞きましたわ。何でも、一本の太刀を作る為だけに、村一つを犠牲にしたとか
7:名無しの転生雪鬼獣
ちょい待って、それガチでヤバい奴では?
8:名無しの転生鎌鼬竜
それな。俺らだけじゃなくて、この世界に生きる普通のハンターとか含む全員にとっての危険人物やん
9:名無しの転生太刀使い
同じ太刀使いだけど、仲良くなりたくねぇと思ったのは、初めてだ
10:名無しの転生大剣使い
太刀使いじゃなくても、仲良くなれるとは思えんなぁ……
11:名無しの転生迅竜
モンスターの場合、容赦なく狩られそうだ。転生者なら、ワンチャン生き残れそうだけど
12:名無しの転生弓使い>>1
その噂は間違いないぜ。アタシはギルド出身だからさ、そういう情報系は一早く手に入るから知れた訳よ。そしたら、村一つ壊滅させてからも中々の被害を出してるみてえだから、とっくにギルド指定の危険人物になってるからな
13:名無しの転生千刃竜
そりゃそうだろうねぇ……怖いなぁ
14:名無しの転生ハンマー使い
取り敢えず、何が起きるかは分からないけど。僕達も、その子に気をつけようって事だね
15:名無しの転生海竜
了解した。気を引き締めねばならんな……
・・・・・・・・
「あらあら、好き勝手に言ってくれますね……しかし、驚きました。このモンハン世界では、ハンターもモンスターも、仲良く出来るなんて」
この世界に転生してきた人達が利用している、専用掲示板とやらの様子を、確認だけしているのが私。掲示板での話題を独占しているであろう、太刀使いことトウカ。
ハンターに転生しようと、モンスターに転生しようと、転生者同士ならば仲良く出来るらしいのが、この世界での皆さんのルールな様子。まあ、私には全く理解できませんが。
本当なら、今直ぐにでも掲示板に参加して、皆様の間違いを正したい所。私がやっているのは、純粋に私自身のハンターとしての力と、運命の一振りたる絶斬の力を試しているだけなのです。
「ですが……今は流石に、そうしている場合ではありませんね」
右手に抱えた絶斬が、何かを知らせる様に震えながら淡い輝きを放つのと同時に、黒いボロ布のローブで身体を包んでいる私の周りを、十数名のハンターらしき者達が囲んでいました。
「性懲りも無く、ギルドナイトの皆さんですか。ご苦労様です」
「相変わらず余裕そうだな、大罪人……「
ギルド直属のハンターたる「ギルドナイト」。男性は赤で女性は青の、貴族風な騎士めいた見た目の防具を纏い、両手にはギルドナイトだけが扱える双剣「ギルドナイトセーバー」を持っていますね。
彼らは私の事を犯罪者扱いし、魔人と魔神に掛けた異名みたいな物まで付けていますが、私には関係ありません。
「例え誰が相手だろうと、私のやる事に変わりはありません。運命の一振たる、この絶斬を我が力のままに振るう……それだけです」
「罪を償って貰うぞ。その命でな!ギルドナイト流、特殊狩猟連携技「
私がローブを脱ぎ捨てるのと同時に、周囲のギルドナイト達が次々と強烈な突きを放っていき、立ち位置を入れ替えていく。それを繰り返しながら、いずれは私を貫こうという魂胆でしょうか。
「例え、どれだけ高い強度の防具とスタミナを持っていようと、いずれは限界が来る!」
「その限界が来るまで、私達は貴様に攻撃を続ける!」
「そして限界が来た瞬間、僕ら全員の刃が貴様の命を貫く!」
「そうなる前に諦めて、自ら命を差し出し、罪を償っても良いわよ!」
終わりそうにない攻撃を、彼らに気づかれない様に最低限の動きだけで避けていると、追い詰めていると勘違いしたのか、わざわざ自分達から技の説明をしてくれました。フラグが立った、という事でしょう。
「スゥー……
「「「なっ!?」」」
「続けて、絶技……
「ガッ!?」
まずは呼吸を整え、誰の目にも止まらず知覚できない程の高速居合を放ち、鞘に絶斬を納めれば血を吹き出しながら倒れ伏したギルドナイトが三人。
続け様に、鞘から指で弾いて飛ばした絶斬が直撃し、怯んだギルドナイトに技を放っていた時の皆さんよりも速いスピードで接近、手元に落ちて来た絶斬を握ると同時に振り下ろし、四人目も斬り裂きました。
「我々の必殺奥義が……破られただと……!」
「これで奥義などと言うには、余りにも片腹痛いですよ?」
「何!我らが研鑽の果てに生み出した、無限乱舞刃を愚弄するか!」
「ウフフフッ……本当の奥義とは、こういう物を言うんですよ?」
挑発に乗り、愚かにもそのまま斬り掛かって来たギルドナイトの皆さんに対して、私は絶斬の刀身に深く濃い青色のオーラを纏わせ、そのまま武器や防具ごと一刀両断して見せます。
「「「「「「うわああああああああああああああああああっ!?」」」」」」
「絶技……
「ぎ、ギルドナイトを舐めるなぁ!」
強い恐怖の感情に任せ、叫び声を上げながら鬼人化をしたリーダー格のギルドナイトが向かって来ますが、私の関心はもうありません。
「さようなら、名も知らぬギルドナイトさん達。それなりの練習相手でしたよ」
「……ゲハァ!」
攻撃を避けながら、私は絶斬の一閃を容赦なく叩き込み、最後の一人だったリーダーー格のギルドナイトさんを完全に真っ二つにしました。
それでも、血の一滴すら付いていなかった絶斬が纏っていたオーラを消し、クルリと回してから鞘に納めれば、後はボロ布ローブを回収して何処かへと立ち去るだけ……だったのですが。
「むっ……!これだけの矢を使うという事は、弓使い……ガンナーですか」
「漸く見つけたぜ、極悪人の化け物太刀使い女!この「ユミナ」様が来たからには、もう好き勝手に暴れられると思うんじゃねえぞ?」
「…………私の名前は、トウカです」
突如として空から降り注いだのは、様々な属性が付与されたであろう、大量の矢の雨。
それを直ぐ様抜刀した絶斬で、全て斬り弾くのと同時に現れたのは、血の様な紅を貴重とした、防具らしからぬドレスめいた服装に身を包んだ、長い髪や鋭い瞳までもが紅色な少女。
弓を構えて居なくとも、大量の矢を操っていた事は間違いないであろう、ガンナーの少女。彼女はユミナと名乗りながら、挑発的な笑みを浮かべていました。
(もしかして……私が見ていた、先程の掲示板……立てていたのは、彼女だったりするのでしょうか?)
そんな事を考えながら、袖の中で何かを弄っているユミナさんに対して、私は改めて左手に持つ絶斬の切っ先を向けるのでした。
今度はもっと、私のハンターとしての力と絶斬が持つ力を、しっかりと振るえる事を祈りながら……
他のモンハン系作品では滅多に見ないであろう、ハンターVSハンターという展開。これが、タチグルイではメインとなります!
しかしながら、とてつもない強さでギルドナイト達を倒したトウカ。更にその事を、悪い事とは全く認識してないという……主人公ながら色々とヤバいですね(汗)
そんな彼女の前に現れたのは、第二のメインキャラたる少女、ユミナ!トウカの予想通り、掲示板を立てていた転生者は彼女です。
防具らしくない防具を纏い、特殊な弓を得物としているハンターです。彼女についての詳しい事は、次回にて!
果たして、転生者同士な二人による戦いはどんな物になるのやら……次回もお楽しみに!感想や誤字報告など、お待ちしております!