タチグルイ〜太刀に狂いし女〜   作:蒼宇宙EX

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どもども、蒼ニ・スールです!何とか今年最後の更新が間に合いました!

今回は前回からの続きで、トウカとユミナの転生者同士のバトルとなっています。

楽しんで貰えたら幸いです、それではどうぞ!

※2023/10/05:絶技 解刀・刹那の技名を、解刀乱魔に変更しました


第三話:転生者【どうるい】

 

「名前なんざ覚えねぇよ。テメェはここでアタシに討伐されるんだからな!」

 

「モンスター扱いは止めてくれませんか?」

 

「とっくにアイツらと同類認定してんだよ、ギルドは!」

 

ユミナと名乗った、ギルド所属であろう弓使いのハンターさんは、荒々しい口調で非常に失礼な事を叫びながら腕を振るうと、何処からともなく無数の矢を放って来ました。私の目を持ってしても、矢を放つ瞬間が見えなかったのは、見事ですね。

 

「ですが……矢鱈目鱈に撃っているだけでは、私に勝つ事は出来ません」

 

「へぇ……?だったら、これはどう?」

 

「…………!」

 

飛んでくる矢は全て絶斬を振るうだけで落とせます。なので、そのまま距離を詰めようとした瞬間、地面に刺さった無数の矢が動き出し、私に向かって再び飛んできたのです。これはまさか……

 

「なるほど。貴女も「特典」持ち……ですね?」

 

「そっちも間違いなさそうね、スレで話してたヤバい転生者で。そうよ、これがアタシの転生特典……「弓矢人」だぁ!」

 

飛んで来る矢を絶斬で弾くものの、彼女が指揮する様に両手を動かせば、何度でも動き出す矢に襲われる事から転生者が持つ特典による物だと予想すれば、やはり正解だった事が彼女の言葉で判明しました。本当に、全身が弓矢の様な存在とは思いませんでしたがね。

 

「銃は剣より強し。いや、この場合は「弓は太刀より強し」って感じかしらねぇ?良いザマだぜ、アハハハハハハハハハハッ!」

 

「……何ですって?」

 

「ハッ……!?」

 

身体の所々に矢が刺さりましたが、関係ありませんね。弓が太刀より強い?それはつまり、私と我が運命の一振りたる絶斬への侮辱と判断するには充分です。

 

この、ユミナさんというハンター……許す訳にはいきません。そんな私の激情に反応してか、私の身体と絶斬から禍々しい練気の様なオーラが溢れ出て来ますね。

 

「古龍級の力でも持ってんのか……!ふざけんな、そんな特典を貰って何をするつもりなのよ!?」

 

「古龍?ウフフフフフフッ、違いますねぇ。私が手に入れたのは、この運命の一振りたる絶斬。そして、絶斬を振るうに値する力と肉体です」

 

「意味不明よ、そんなの!」

 

「ならば、今こそ両方合わせた私の特典にも名前を付けましょう…………そうですね、貴女達が付けた失礼極まりなかった異名と同じ「魔刃」にしましょうか!」

 

「……!?」

 

魔刃……ギルドが勝手に付けた異名では無く、私の転生特典の名前として改めて名乗る事で更に一段階完成されたのを感じます。その証拠に、身体中に刺さっていた矢は抜け落ち、受けた傷も瞬く間に治ってしまいました。

 

それに酷く驚いている様子のユミナさんへ向けて絶斬を振るえば、青白い斬撃波が勢い良く飛んで行きました。ギルド所属のハンターの中でも、私が斬り伏せたハンター達よりは実力が上なのか紙一重で避けたみたいですが、掠めた左腕には裂傷が出来た為か血を流していますね。

 

「うあああああああああっ……!転生者同士なのに、ダメージが……!」

 

「絶技、解刀乱魔(かいとうらんま)。私の絶斬は全てを斬り裂く……例え相手が転生者でも、関係ありません」

 

「ふざけやがって……だったら、これでどうだ!」

 

怒り心頭と言った様子で叫んだユミナさんが右手を地面に付けると、彼女が触れた部分を中心に岩やら砂やらで形成された巨大な弓矢型の砲台が出来上がりました。予想以上に応用力の高い特典だったみたいですね。しかし……

 

「そんな物を出した所で、今の私に最早勝つ事など不可能だと思いますが?」

 

「そうかもしれないわね……これだけの話だったらなぁ!」

 

「…………!」

 

砲台一つでどうにか出来る様な私ではありませんので、一気にこの闘いを決するべく絶斬を納刀しながらユミナさんへと近づこうとした瞬間、何か殺気の様な物を感じたので身体を大きく反らすのと同時に、私の後ろ側の地面が無数の穴だらけになりました。

 

「不可視の矢……いえ、これはまさか……」

 

「空気矢だぜ?私が視認できてれば、幾らか距離が離れてても矢に出来て操れるって訳だ!」

 

片手を私に向けて翳しているユミナさん。彼女は言葉通りに私の周りの空気も矢に変えていたのです。空気を変換した物なだけに、先程までの矢よりも視認が難しいですね……見えない訳ではありませんが。

 

しかもユミナさんが操作し始めた弓矢砲台からも無数の矢が連射されて来たので、それも合わせて絶斬で弾き飛ばしていきますが、再び翳した手による操作で空気矢と共に何度も襲い掛かって来ます。

 

更に私の身体を飛んで来る矢が掠める度に、僅かな痺れと眠気を感じる事から麻痺属性と睡眠属性も付与されていますね。流石の応用力と言った所でしょう。

 

ですが、今の私ならば対処するのは容易い事。運命の一振りたる絶斬と、最強たる太刀使いとして進化し続ける私に……出来ない事などありませんから。

 

「秘奥義……属性変異(ぞくせいへんい)……!」

 

「太刀の色が赤く変わった……?まあ、何かした所でもう遅え!テメェはこれで詰みだ!」

 

「見くびり過ぎですよ……私達を」

 

絶斬の刀身に私達が秘めた力を集中させた指で触れ、切っ先へ向かって撫でる様に動かすと、そのまま虹色に煌めいていた絶斬の刀身の色が赤に変わりました。

 

それに驚きながらも、己の方が優位だと思ってるのか……ユミナさんは砲台を巨大な弓へと変形させ、更には周囲の地面なども巻き上げて同じ様な巨大弓を複数生み出し、アーチ状に浮遊させながら配置。

 

更には、己の防具であろうドレスの両腕部分を吹き飛ばし、中から彼女専用であろう仕込み型の弓を完全展開。その全ての弓から、大型古龍などを撃退する為に使用する兵器「撃龍槍」を人が放てる限界のサイズまで小型化した様な矢を一斉発射して来ました。

 

「……焼き尽くしなさい。絶斬」

 

「何……だとぉ!?」

 

それに合わせて、ユミナさんが操っていた属性矢と空気矢も襲い掛かって来ましたが、それを薙ぎ払う様に私が絶斬で回転斬りを放てば、強烈な炎の嵐が発生し、彼女が放ち操っていた全ての矢を焼失させながら、ユミナさんも飲み込んでいきました。

 

「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?」

 

「その名の通り、属性変異とは絶斬に様々な属性を付与する奥義……貴女との戦いが、私の限界を越えさせただけでなく、この奥義を会得する切っ掛けとなったのです」

 

「ふざけ……んな……」

 

炎の嵐が消え去れば、そこに居たのは御自慢の防具が殆ど焼失してボンテージ衣装めいた露出の多過ぎる紐の様なインナー姿を曝け出し、全身に幾つも火傷を負っているユミナさんでした。

 

因果応報とは正にこういった事を言うのでしょう、私は今度こそトドメを刺すべく最早動けぬ彼女の近くへと移動し、絶斬を両手で構えました。

 

「これで終わりです。貴女と戦えた事に感謝を込めて……さようなら」

 

「クソがぁ…………!」

 

『ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』

 

そのまま絶斬を振り下ろそうとした瞬間、大きな咆哮と共に紫電を放つ巨大な斬撃波が私達の間を通り抜け、それに私が少しだけ怯んでいた内に、ユミナさんは自分の身体を弓から放たれた矢の様に勢い良く飛ばし、逃げて行くのが見えました。

 

「誰ですかねぇ……私達の邪魔をしたのは」

 

『ゴオオオオオオオッ!』

 

刀身が元の色に戻った絶斬を鞘に納め、興が冷めた様な気持ちと共にヒラヒラと飛んで来たボロ布ローブを回収しながら、先程の斬撃波が飛んで来た方向を見てみました。

 

そんな私の目に映ったのは、紫色に輝く鋭い刃の様な外殻と非常に長大な日本刀めいた刃尾を有し、咆哮と共に何処かへと歩き去っていく恐竜の様なモンスターの姿だったのです。

 

「ディノ……バルド……」

 

思い出した転生前の記憶の中で、覚えている限りの特徴が先程の姿と合致していたモンスター……「斬竜」ディノバルドの名を呟きながら、私はポツンと立ち尽くすのでした。

 

まだまだ私と絶斬は強くなれる、確かな予感と共に……




強い……圧倒的に強い……!己の特典に名前を付け、同じ転生者と戦ったら更に強くなってしまう……それがトウカです!(今の所は)

ユミナも弓使いとしての腕前やハンターとしての力は、前回のギルドナイト達より遥かに強く、大分強力な転生特典持ちなんですがね……如何せん相手が悪く、怒らせてしまったのが敗因なり。死ななかったのは不幸中の幸いです。

さあ、最後に少しだけ見せたモンスターはMHXの看板モンスターの一匹だった、ディノバルドの様でしたが……果たして何だったのかは、これから明かせていければ良いなと。

それでは皆様、今年も応援などありがとうございました!来年も宜しくお願いします、良いお年を!!
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