今回は丸亀城の戦いですね〜。
因みにですが前編と後編を分けさせてもらいました。
では、どうぞー
空を埋め尽くすは無数の星々。
その数は今まで誰も見たことないほど多かった。
星々のいくつかは重なり合い大群を作っている。
それは彼ら勇者にとっての最大の敵であり人類の天敵、バーテックス。
海斗が病院を退院してからひなた直々に神託の内容を話してもらった。
そして予言された侵攻が起こったのは半月も経たない頃だった。
樹海化によって一変した風景を見下ろしながら、海斗達勇者は丸亀城の城郭に立っていた。
瀬戸内海の向こうから、バーテックスの群れがこちらに迫ってきているのが見える。
海斗始め各勇者たちもスマホのマップを使い、侵入してきた敵の数を確かめようとする。だが、もはやマップ全体が埋め尽くされるほどの量だっため不可能に近かった。
ちゃんと数えれば分かるだろうが、それを待ってくれるほどバーテックスという化物は猶予なぞ与えてはくれない。
「まるで、羽虫だな」
海斗は表情が険しくなりながら呟く。
今回は前回よりも厳しい戦いになると理解している。
この戦いで最悪――死ぬかもしれない。
分かっている事だが、いざその状況に晒されると、不安を感じてしまう。
これで誰かが死んでしまったら、その思考が頭を過ぎってしまう。
そんな海斗の隣にいた千景が彼の手を握った。
「ん......ちーちゃん?」
「......海斗、そんな顔しなくても大丈夫よ。私たちは絶対に勝てるわ」
「......ありがと、ちーちゃん」
千景のお陰で、海斗は肩の力を抜くことが出来た。
その優しさや励ましがとても心地好く感じ、勇気を与えてくれる。
彼女がいるだけで海斗はなんだってやれる気がした。
単純だが、大切な人を守れるのなら理由なぞいらないしなんだっていい。ただ相手を斬ればいいだけなのだから。
そして、友奈が勇者達に向けて円陣を組むことを促して皆輪になる。
若葉の掛け声も相まって士気はどんどん光明が上がっていきやる気も十分。
円陣が終わってから勇者達は杏が考えた陣形に付いた。
今回の総攻撃に当たり、持久戦が余儀なくされる。
それに基づいて杏が作戦を考えた。それが
勇者たち六人を決められた場所に配置し、役割を分担してバーテックスを迎撃する。
神樹を死守する防衛ラインは丸亀城。
丸亀城周辺は樹海化中でも、まだ完全には植物にはおおわれておらず、見通しも良いためだ。
丸亀城の正面、東、西にそれぞれ一人ずつ勇者が立ち、その後方に杏が待機、残った二人は休憩しておく。
前方の三人がバーテックスを倒していき、討ち漏らした敵は遠距離の杏が仕留める。
そして前方の三人の中で、疲労が見えた者は、休憩している一人と交代させる。
敵の多さから、今回は休憩を挟んだローテーションで戦えば、長期戦にも対応できる。
また、切り札は杏の指示の元疲労が激しいため、いざの時にしか使わないことにする。
そして正面で戦うのは若葉、東は友奈、西は海斗が務める。
珠子と千景は一時待機。
杏は遠距離援護と指揮官役であるため即座に作戦を伝え作戦を開始した。
西側に到着した海斗。
その正面にはバーテックスの大群が迫ってきている。
この数を今から一人で相手する――いや、皆でするんだ。
昔だったら周りを気にせず前に出ていた。だが、勇者達と時を過ごし、周りを見るようになった。
だからこそ海斗は今だったらなんだって出来る。そんな自信が湧いていた。
村正を握りしめ霊力の刃を出しながらバーテックスの方に向ける。
ここから人類を賭けた大侵攻が始まる。
誰も犠牲なんて出させないし、護ってみせる。仲間も世界も。
「さぁ....行こうかぁ!」
声を強く発した海斗は強く跳躍してバーテックスの大群に突っ込んで行ったのだった。
守る者のために、大切な人との思い出を無くさせないために。
◇
丸亀城に近づいてくる無数の星々。
海斗はそれを迎撃する。
前から突進してくる星屑を海斗は村正を使って斜めから切り倒す。
それを一体ずつ切り続け、切った後の亡骸は段差として使い他のバーテックスを次々倒していく。
するとバーテックスは海斗の攻撃を理解したのか今度は左右から突進してくる。
これではどちらかを相手にしようとしても先にこちらが殺れてしまうだろう。
しかし、海斗は村正の先端にある霊力の刃のリーチを伸ばす。
それを左右から来たバーテックスに横から振り回して斬った。
「うぉぉぉらぁッ!」
声を上げながら両手で村正を持ち、力を加える。
星屑は真っ二つになり消滅する。
海斗は一旦地面に着地して息を整えた。
「ふぅ.....」
まだ疲れていないが、やはり何か身体に
前より、敵の動きが遅く感じるのだ。
そのお陰があってかさっきの左右から分かれて攻撃してきたバーテックス達に対応出来た。
この前病院から目覚めた時にやった精密検査にも異常なしと言われたというのに何故かこの違和感だけは海斗しか知らなかった。
「手も足も何も痛くない......なんなんだこれ」
そして力が増した気がした。精霊を身に降ろした時に何かしらの付与がされたのだろうか.....?
だが現状系、これで敵を倒せるなら使えるに越したことはない。
だったら最後の最後まで使ってやる。
と、そんなこと考えていると背後から気配がしてすぐさま村正を逆手に構えて後ろに突き刺した。
その後ろを確認すると星屑が口を大きく開けながら海斗に襲いかかっていた。
だがそれは海斗の目の前で止まりその星屑は口を開けた状態で村正に突き刺さっている。
「俺に不意討ちをしようとして食おうとしたんだ......覚悟は出来てるんだろ?」
バーテックスに向かって口を三日月状に浮かべながら言う海斗。
すると今度はその後ろから新手のバーテックスがこちらに向かってきているのが確認できた。
海斗は村正を逆手から元の位置に戻して両手で握った。
「――村正......
村正から出ている霊力の刃がでかくなり、星屑の体を内部から貫通する。
それを固定してこちらに向かっているバーテックスの方に村正を向ける。
「この距離だったら......!」
突き刺していたバーテックスが消滅すると同時に構える。
そして切り込み範囲に到達した瞬間。地面を強く蹴り跳躍した。
どんな相手でもゆっくりになって見える。
これがどんな副産物だとしても今は――
「外さないッ......!」
村正を大きく振り星屑を縦に真っ二つにした。
まだ戦いは始まったばかり、のんびりもしてられない。
敵もまだ本気は出していない、ここで体力を削られたら終わりだ。
なら迅速に星屑の量を減らして様子を見ることにした。
村正に霊力を纏わせて次々とまた現れるバーテックスを斬っていく。
「......どれだけ数が多かろうと」
斬り倒し、突き刺して敵に投げて同時に斬り倒す。
消滅寸前の星屑を段差にして次の敵に向かい斬るの繰り返し。
「俺たち勇者は.....」
飛び越えてまた、斬ってスピードを上げる。その速度に着いてこれるのは現状いないだろう。
村正を逆手に持ち替えてバーテックスに下から突き刺した。
風船のように破裂して消滅する。その真ん中には青と赤と白が混ざった勇者装束を着ている者が呟くように声を発する。
「不屈!」
そして自分に
自身の力を全力で使いたい時に気を入れるために使う。
「根性を.......見せてやるよッ!」
その言葉に彼の神器である村正も淡く光り出すのであった。
村正に霊力を纏わせて海斗は目の前にいる数百のバーテックスに向かって駆け出して行ったのだった。
誰も死なせないために、今度こそ誰かを護れるために。
海斗君かっこよスギィ!流石主人公〜(棒)
とまぁ、やっぱ千景ちゃんがいないとケアは出来ないみたいですね。
次回は後編になります!
なのでサブタイはパス!
ではまたお会いしましょうさよならぁ!