PS4のコントローラーのXボタンが埋まってゲームがあまり出来ない事態になって凹んでおります。
皆さんも対戦ゲームをやる時は強くボタンを押すのは気をつけてくださいね。
今回からバトロア編です。
では本編どうぞ〜
『勇者様と巫女様による調査の結果、諏訪地域の無事が確認されました。現在大社は、諏訪の避難民へ物資を輸送する方法などを検討しています。また、諏訪以外の地域でも人類が生存している可能性が高いと見られ――』
海斗達は食堂で、そこに設置してあるテレビから流れるニュースを聞いていた。
調査遠征から四国に帰還して、今日で三日目。
今は昼食時間で、皆でうどんを食べているところだ。
だがこの三日間、テレビや新聞などの報道は勇者たちにとっては嘘でしかなかった。
しかし、本当の事を知らない四国に住む人々には例え嘘でも遠征によってもたらされた『
「相変わらず嘘ばっかりだ。せっかくのうどんが不味くなってタマらん」
それに球子が不機嫌そうに言いながら、テーブルに箸を置いた。
球子の言う通り、四国に流れているニュースは全て大社によって歪曲されているもの。
諏訪が無事で、四国の外以外にも人類は生存している、バーテックスは過去より減少している、人類は国土を取り戻す事が出来るなど。
これら全ての情報が人々にとって喜びそうなものばかり。
海斗達が四国の外へ出て目にした事実とは、全くもって異なっている。
こんなの、ただの隠蔽工作と一緒だ。
「人々の士気を下げないために、情報を操作する......戦争なんかでよくあることですけど.......」
杏は暗い口調で呟く。
確かに大社のやり方は間違いといえば間違っているとは言えない。
真実を話してしまえば住民は希望を失い、自殺や犯罪が起きかねない。
それを阻止するためと、小さなことでも心を繋ぎ止めなければ人は簡単に死ぬ。
でも、海斗にとってそれは大社自体に怒りを覚えるのは十分だった。
「......反吐が出る。こんなくだらない茶番を聞くためだけに俺達は外に出たはずじゃないのにな」
箸を持っている右手を強く握り締めながら海斗は吐き捨てるように言葉をこぼす。
何も出来ない悔しさが湧き出る。
これも人々のためだと割り切れたとしても結局は根本的な解決にはならない。
今この場には暗い空気が漂っていた。
誰も何も言わずに静かにうどんを啜る。
「もー、たまちゃんとうみくん、そんな怖い顔しないの!よ〜し、そんな顔をするんだったら私が二人のお肉と蓮根を食べちゃうよ!」
するとすかさず友奈が球子と海斗のどんぶりに入っているおかずに箸を伸ばし、素早く一口食べてしまった。
「あっ!友奈っ、お前〜!タマの大事な肉食べやがったなっ!」
「見えなかった。俺の.....蓮根を取るだと.......?」
「残したり食べなかったら、私が食べた方がいいかなって」
「ちゃんと食べるつもりだったんだっ!こうなったら、友奈のうどんのキツネをいただくっ!」
「ああー!一枚しか入っていないのにー!」
「まぁ、たまには友奈にあげてもいいか」
「......海斗私のキツネ、半分いる?」
「ん、あぁ。ありがとちーちゃん」
うどんを巡って争いを繰り広げる友奈と球子にキツネの半分を千景にもらい感謝をする海斗。
流石友奈だ。その俊敏性は恐ろしく思う。
少しだけ友奈に甘いが別にこのぐらいはいいだろう。
「もう、タマっち先輩、子供みたいなケンカしないでください」
「むぅ......」
杏に叱られ、球子はおとなしくなる。
「友奈さんもお行儀悪いですよ」
「はぁい」
友奈の方もひなたに注意され、恥ずかしそうに返事をした。
球子たちの様子を見て皆思わず苦笑するが、さっきまでの暗い空気がいつの間にか消えていた。
と、友奈がみんなを見回し、明るい口調で言う。
「あのさ!大社の人たちが流しているニュースは、今は嘘だけど、私たちが本当にすればいいんだよ。バーテックスを全部やっつけて、世界を取り戻して!」
友奈の言う通りそれを実現させればいい。それが勇者の勤めなのだから。
◇
放課後――海斗は訓練場で一人、村正に模した木刀を振っていた。
部屋でやる事がない時にはいつもここで訓練をしている。
村正の現物と同じ重さになるように刃の中に重りがあって
硬さも耐久性も同じにしている。
振るえば振るうほどその重さが体に馴染む。
化け物を切る感触、化け物を叩き切る感触、化け物を貫く感触が全身へと流れていく。
「ふっ!はっ!はぁ!」
思う存分に振るい続ける。
そういや、最近身体に違和感を覚える事があった。
誰かを信じて良いのか疑問的になってしまうこと。
仲間と良好な関係を築いているというのに矛盾してしまっているが、どうにも前より人との顔を合わせられなくなったと思う。
振るうの止めて、木刀を見る。
バーテックス襲来時に海斗が勇者の力に目覚め、その日に手に入れた
これがあればバーテックスさえも倒せると思い、弱き者の為に力を振るい続けた。
呪いがある曰く付きだとしてもそれは化け物を倒せない理由にはならない。
だが、それだからこそ人は強き者に縋り付いて頭を垂れる。
――どうしてだと思う?
密かに誰かの声が頭の中で響き、日が差していない所には黒い影が笑を浮かべながらこちらを見ている。
あれが一体何なのかは海斗は気付かなかった。
海斗は遠征で訪れた梅田駅の日記を思い出す。
人と人との争い。これが一番人間がどんな化け物にもなれる瞬間だ。
所詮この世は弱肉強食で強い者は生き、弱い者は死ぬ。
そんな当たり前な世界。
――醜くて、残酷で殺し合いそれを快楽に変え、用が済んだら捨てる......正にそれが本来人間の姿だ。
そしてそれがあの白骨死体が転がっていた現場だ。
衰弱した人や使い物にならない奴は切り捨て、殺す。
それが日記に書かれていた事。
あの時、僅かに怒りで我を忘れてバーテックスに突撃して倒していた。
――お前はバーテックスを倒したいんじゃない。
本来はチームで行動しなくてはならないのに集団から外れて一人で探索しようとしたりと異常な行動が多い。
でも後悔はしていなかった。
そして分かってしまった。
どうして梅田駅で怒りを露わにしていたのかを。
黒い何かが耳元で言ってくる。
認めたくない、何も言うなと心の中で呟くが、それは無に帰った。
――自分の存在を認めて欲しかったんだ。
「――ッ!うるさいっ!!」
海斗は声を荒らげて、木刀を声が聞こえる方に振った。ふと冷や汗を垂らしていた事に気付く。
周囲を見渡してもさっきいたはずの影はいなかった。
「さっきのは、一体........」
まるでもう一人の自分が自問自答しているような気分だった。
でもその後にはさっきの声は聞こえなかった。
原因は不明だが、不吉なものとは分かる。
そういえば昼の時に球子の様子が変だった。
午後の授業を欠席して何処かに行ってしまったが、杏に伝えている時に彼女の表情を見たが珍しく明るくはなかった。
遠征から帰還してからどうもおかしい。
確かに壁外の光景を見たからって彼女があんな暗い顔になるのだろうか?
まだ、中学生だから暗くなるに決まっているのは分かっている。
だとしても時間が過ぎれば元の明るい性格に戻るはずだ。
だが時々ぼーっとしている時があるし――まるで何かを考えているような、複雑な気持ちを持っていたと思った。
しかしそれは球子にしか分からない。
これ以上の憶測は止めよう。
「......部屋に戻っか」
思考を止めて木刀を専用の布状の袋に入れて訓練場を出ようとすると丁度千景がいた。
彼女の手には大葉刈が入っている布を持っていた。
どうやら訓練をしに来たらしい。
「あ......」
千景もこちらに気付いたようで目が合う。
「ちーちゃん、これから訓練か?」
「えぇ。私も、もっと強くなって........高嶋さんや海斗の背中を守りたいの」
彼女の瞳は赤く燃えているように見えた。
本気でそう思っている。
なんなら、大葉刈を持っている手が強く握られている。
なら、これ以上は邪魔しないように直ぐさま退散した方がいいだろう。
何故だか今は誰かと話すのが嫌だった。
「そうか.......んじゃ、俺は部屋に戻るから。訓練頑張れよ」
「――あ......う、うん......分かったわ」
海斗はそう言うと千景に手を振り、訓練場を後にしようとすると千景が声を掛けてきた。
「......海斗!」
「......どした?」
「訓練が終わったら、一緒に夕飯どうかしら?」
「悪ぃ......今回はパスにするわ」
「そ、そう.......」
「――んだよ.......その目」
「え......?」
食事に誘ったが、海斗は断ってしまう。それが少し悲しかったが彼を見ると気分が悪そうに見えた。なら仕方ないと千景は誘った事を謝ろうする。
しかし、海斗がいきなり千景に向かって冷たい言葉を掛けてきた。
「何で.....そんな、俺を憐れむように見るんだよ......」
「わ、私は......別に、そんな事......!」
「してるだろ.....お前は俺にそんな顔をするようになったんだな」
「何を言っているの?海斗......!」
「気持ち悪いんだよ!お前の表情が!そんな顔するぐらいなら俺はお前を――」
すると海斗はハッと自分の言った言葉を思い出し、顔を青くした。
恐る恐る千景は海斗の顔を覗くように伺った。
「海斗.....大丈夫?」
「......ごめん、ちーちゃん。俺、どうかしてた......君になんて事を........ッ」
「大丈夫よ。気にしていないわ.......だって貴方を信じているのですもの」
これぐらいで落ち込まないわと千景は励ましてくれた。
何故彼女にあんな攻撃的になったのだろうか?
どうして思っても無いことを.....分からない。
「(俺の体に何が起こってるんだ、一体.....)」
「海斗もう、大丈夫......?」
「あ、ああ。もう大丈夫だ、ありがとう」
「......ならいいわ」
「じゃあ俺は一先ず部屋に戻ってる」
「えぇ」
「(.......俺、最低だ.....ちーちゃんに思ってない事を言ってしまったッ!)」
海斗は手を振って部屋に戻って行った。
心の中では千景に言ってしまった事を深く後悔した。
彼女は許してくれたが自分は大切な人を傷付けた事が許せなかった。
そして、海斗の後ろ姿を千景は何故か寂しく見えてしまった。
一体どうしたのだろうか?
彼女の不安が止まらない。
だけど彼には一つ心当たりがある。
「海斗......お願い、これ以上――」
最初は海斗は千景に攻撃的な事はしてこなかった。
最近は焦っているような、何かに怖がっているようにも見えてしまった。
彼は無意識に誰かの遺志を背負いすぎている。
自身が救えなかった者に対して後悔していた。
千景は空いている手を自身の胸に触れて彼には聞こえないように告げる。
やめさせようとすれば出来る。けど、出来なかった。
今海斗に言っても止まらない。
もし、自分が死んだとしてもそれが彼にとって正しいことだって知っているから。
しかし千景にはそれが辛くて、耐えれなかった。
「一人で、背負わないでッ.......!あなたの心が壊れちゃう!」
彼の背中を見続けながら千景は一人でに届かない言葉を海斗に嘆いた。
止めさせたいのに止められないもどかしさ。
海斗は知らない。
自分が自己犠牲の道に進んでいる事に。
それが破滅の道だとしても。
◇
翌日。海斗は若葉に呼び出された。
内容は勇者達で丸亀城の敷地全体を使ってバトルロワイヤル形式の模擬戦をやる事を提案された。
何故そんな事をやると若葉に聞いたがここ最近、悪い空気が続いているということでどうにか皆を明るく出来ないかとレクリエーションという名目で試行錯誤した結果、これになったという。
勿論教師には訓練になると説明して許可は貰ったらしい。
まぁ若葉らしいと言えば若葉らしいが、確かにそれは良いと案だと思った。
何せ、体を動かして戦術を練れるし、視野も広くなる。
流石に本物では危険すぎるので勇者たちが使っている物に模したものが支給される。
そして、最後に優勝した者には特典として他のメンバーへ自由に命令を下せるという一種の王様ゲームが出来る。
敗北者にはその命令に必ず従わなければならない。
出来れば過激なものや恥ずかしいものはやめてほしいところではある。
そして午後。海斗は丸亀城の門入口で待機していた。
「あまり対人戦は得意じゃないんだけどなぁ......」
いつも訓練に使っている重りが付いた木刀を肩に乗せて海斗は頭を搔く。
バーテックスは問答無用で倒せるが、相手は人間で躊躇してしまう。
「ま、あまり傷付けないように、気絶程度で済ませれば大丈夫か」
覚悟は決まった。ならもう躊躇いはない。
後は目の前にいる
すると始まりの合図である鐘が鳴った。
「――じゃあ.......行くかぁ......ッ!」
海斗は笑みを浮かばせ、駆け出した。
このゲームの
段々と心が荒んでいってる気がするのは僕だけでしょうか?
まぁ精霊システムだからね仕方ないね(真顔)
では次回にまたお会いしましょう!
次回。第17話 : 戦場の命令権