ソードアートオンライン~Quantum Anomaly~ 作:Yunice
今回はSAO開始3時間前の茅場晶彦とのやり取りから始まります。
原作では語られることのなかった製作裏を楽しんでいってください。
それではどうぞ
11月6日, 誰もが待ちに待った, SAOのサービスがついに開始する。多くの人々が自室にこもり新たに誕生した世界へ旅立つ。大人から子供まであらゆる世代が楽しむこのゲームは間違いなく歴史に残るロングセラー作品となるだろう。そんな中, その新世界を作った張本人, 茅場晶彦のあの言葉が彼の心にずっと引っかかっていた。
「どこまで耐えられるか」
....あの弱音すら吐かない完璧主義の茅場先生がいくら疲れたとは言え自分の夢が叶う所まで来た時期にあんな言葉を吐くのだろうか。
確かにここまでに至るまで企業の運営と特許関連で大分もめたし異例のメディア露出など,ストレスの溜まる事なんて山ほどあった。サービス開始目前となったら普通"あともう一踏ん張りだ"とか自分への励ましの言葉を使うと思うんだけどな
先週作曲の方が全て完了し茅場先生に見せたとき,酷く喜びおもちゃを見つけはしゃぐ子供のようだった。
PCにダウンロードしていた曲集を一通り聴いてもらった後, 少し悲しそうな顔で感謝の言葉を述べてくれた。かなり満足のいく出来映えだったと評価してもらえたのはとても光栄なことだった。色々不思議な人だと以前から感じてはいたが, 今回は尚更であった。しばらく自分の研究のの進捗状況など他愛もない話をした後, これからもよろしく頼むというと大学の駐車場に止めていた車でどこかへ行ってしまった。
それをも届けてからSAOのサーバーやナーヴギアのあるARGUS本社に行き配線や動作確認といった最終チェックを行う。
思えば僕がこのプロジェクトに参加したのは5年前の丁度今頃だった。
すでにVRゴーグルの開発やそのソフトの開発に成功していた先生から今会えないかと電話で連絡が来た。驚きながらもその理由を尋ねてみると、どうやら研究について相談があるとのことなので当時オックスフォードの大学院で勉強していた僕であったが何か今後の人生が左右する予感がしたので急いで飛行機で日本に帰ることにした。
成田空港まで出迎えてくれた先生にお土産を渡した後先生の自宅へ行くことになった。独り身のくせにやけに大きな家に住んでいたのは驚いたが、早速話をすることになった。
先生は研究に行き詰まりどう進めていけば良いかわからないこと, 今までの方法によるVR技術では到底かなわないことを語ってくれた。
確かにVRゴーグルなどは既存の技術で開発することが出来たが, フルダイブ型となると話は違う。五感を全てコントロールする技術が無い限り開発することが極めて難しいほぼ無理ゲーと言ってもいい物だった。しかしそんなことでは諦めない彼は僕と激しく討論し合った。
優「数年前のアメリカのワシントン大学が発表した論文で、人が手足を動かさなくても脳の信号だけでゲームをプレイできる技術について発表されたんだけど。単なるデジタル技術として扱うるんじゃ無くて脳科学や量子生命化学といった視点で扱うのはどうかな。完全没入型となれば脳のシナプスによる電気信号を一種のコンピュータとして操作する必要があるわけじゃん?でもそのためには脳に電極ぶっささないといけないわけだが...まあ倫理的な面は特許庁に任せればいいわけだしw」
茅場「たしかに脳をコンピューターにするというのは言い得て妙だな。しかし私が目指すのはフルダイブによるオンラインゲーム。すなわち外部のサーバーから脳に情報をアクセスさせる技術が必要になってくる。勿論脳科学の技術が必要なのは言うまでも無いこと。既存の技術ではまず無理だろう。君の言っていた量子生命科学の知識を応用して脳の電子の動きを操作できれば全プレイヤーの脳とクラウドの共有化すると言ったことが可能となるかもしれない。」
優「はぇ~すごいこと考えるんですね。では手始めに何から始めます?」
茅場「そうだな。まず脳の情報を記憶化するためのデバイスの作製からだな。これについては量子デバイスに対して見識のある山﨑君, 君にお願いしたい。
....こいつ今なんて?
優「いやいや!!僕まだ院生ですよ!?学生の分際でそんな世界を変えてしまうようなすごい研究できるわけ無いですよ!!」
茅場「オックスフォードを首席で卒業し今や世界で最も活躍が期待される期待の星である君が今更何をいうのかね?」
優「うぐ...」
そう何気に権威という肩書きを使ったえせ研究者の馬鹿どもがそんなこと言ってるんだったな。全くこれだからあいつらは嫌いなんだ
茅場「で...どうかな?」
優「.....わかりました。他でもない茅場先生がこんな機会を下さったんだ。快く引き受けさせていただきます。」
茅場「フッ...交渉成立だな」
まあこんな感じで僕は脳の情報の記憶化するための量子生命デバイスを, 茅場先生がそれを用いた量子コンピュータの新たな制御理論, 新しいプログラミング言語の生成を行うことになった。
過去の回想を続けながら正式サービス開始時間の1時に向け配線及び動作の最終確認を終え, 商品用のナーヴギアも念の為チェックすることにした。外側のメット部分を分解して外し, 測定機器を取り付けコンセントをさした。
その瞬間とんでもないことが起きた
測定機器全ての表示が急上昇しメット内部に"放電"が生じた。
..............え?............は????
一瞬何が起こったかわからなかった。
ナーヴギアが爆発した。ただそれだけのこと。
失敗は成功の元というのは有名な話で, それの積み重ねが新しい技術を生み出すのだ。
但しサービス開始10分前を除く……
額から流れた汗が冷たく感じ, 酷く焦りを感じた。
何度も確かめた。
技術部門の人たちとも大量生産前に何回も。
ここまで…やっとここまで来て最後の最後で失敗した。
茅場先生の夢をここで僕がぶち壊してしまうなんて…
ひどく自分を恨んだ
それよりもこの事実によって参加したプレイヤー全員の命が危ない。
私は運営陣に連絡し, この事実を報告しなければと必死の思いで内線電話をかけた。
しかしその頃にはすでに遅かった。
サービス開始2分前には既に外部からの仮想世界へのコマンドは一切受け付けられない状況となっていた。
運営陣も僕もできることは何もなかった。
茅場先生…
一体…
一体何をしようとしているんだ!!!!!!!!
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「「「「「「リンクスタート」」」」」」
オックスフォード大学:イギリスの大学。世界でもトップクラスの名門。そこでは世界中の学生が集まって日々勉強に励んでおり最先端の研究が日々生み出されている
量子生命科学:生命の仕組みを量子力学を用いて説明しようとする試み。体の分子レベルの動きの観測から犯罪捜査に至るまであらゆる分野にわたって研究が行われている
ついにサービス開始しました。
アインクラッドではSAOキャラだけでなくようじつキャラも出そうと考えているので次回も是非お楽しみに!!