十数年ほど前へFEif世界に拉致られたナニカサレタ男が自分一人の問題からくる戦争に挑むまでの過程とその結末を綴るだけの物語   作:エーブリス

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ア、アア…アッ…ワァ…










スマン、気絶してた。
あんなん気絶するなって言われてせずにはいられんだろフロムゥ!






んで前回、何だか長くなり過ぎた(アレでも相当削った)上に本編に絡み過ぎてたような気もするけど…まあいいでしょう(マスロゴ並感)。

多分今回は短いし本編にも絡まない。





タマシイハイズコヘ

だだだん、だだん、だだだん…。

――――銃士隊が射撃訓練を行うその轟音が、このだだっ広い土地一面に響く。

 

 

 

銃士隊は、まだその人員数は少ないものの、将来的に銃士は他の兵種を上回るだろうと、各国の軍関係者は口をそろえる。

それもそうだろうなと思いながら…訓練の様子をただじっと、見つめる人影があった。

 

「成程ね、そう言う事。

あれじゃあ…確かに馬鹿らしくなってくるわ…」

 

「ん?何がだ?カザハナ」

 

「……昔、マーシレスに聞かれた事があるの。

もしも明日「刀や槍で挑むのが馬鹿らしくなる超兵器」が現れたら、それでも刀を握るのかって」

 

その7.62㎜程度の鉄くずの例えが、あれから10年と経たぬうちに現実となってしまったようだ。

 

「奴がそんな事を…いいや、意外とそういう男だな。

で、カザハナは何て答えたんだ?」

 

「あの時は「それでもあたしは刀を持つ」って、少し気張ったけれど…。

正直アレを見ると、少し尻込みしちゃうかなぁって」

 

「確かにな。

私もあれだけの銃口の対処法、難儀していた所だ」

 

「――――リンカは昨日今日で来たんだっけ。

一週間前に銃で狙われた時の講習があって、それも基本的に弓で狙われた時と変わらないんだけど「先ず狙われるような位置に立たない」事と、それと「とにかく厚い物の裏に隠れる」んだって。銃声を聞いた瞬間に」

 

弓と銃の違いは弾速や連射力の他は“貫通力”であり、これが元で半端な木の板では突き抜けてしまうのだ。

この点、文化的に木造建築の多い白夜は、やや対策が難しいと言う声も存在する。

 

「だろうな…。

それで、その後はどうするんだ?」

 

「銃を持っているなら、場合によっては撃ち返すのもアリみたいだけど…そうじゃない時は「じっと待て」だって」

 

「そんな受け身な…。

もっとこう、無いのか?銃の致命的な弱点が」

 

講習は聞いていたものの、そこまで理解できなかったカザハナは「うーん」と悩んでしまった。

 

「ジンさんの説明だと、国で使っている“命中率が良い銃(ボルトアクションライフル)”は一度撃ったら次撃つまでに少し時間が掛かるみたいよ。その隙を突いて、障害物から障害物に飛び移って距離を詰めるとか?」

 

リンカは既にジンに関する説明は別の所で聞いている。

無論アレ(鴉頭)コレ(黒い鳥)との落差にはズッコケた。しかし、深層的には兎も角、当たり障りがマトモであるに越したことは無いと、彼女は「それで良し」とした。

 

本当にマーシレスがアホ過ぎただけなのだ…まあそれは置いといて。

 

 

「だが、この前出くわした盗賊団…奴らが使っていた銃は弾を連続的に発射していたぞ」

 

「あー、確かAKとかいうヤツね。

あれもあれで、実は命中精度が低いらしいから…どうなんだろう?」

 

我々の世界で「最も多く使われた銃」として有名なAK47…実はこの世界においては、Ⅰ~Ⅲ型やAKMだけでなくデッドコピーの56式とか、果ては若干別物のAMD-65等に用途さえ違うドラグノフまでもがひっくるめられているのだが…それらが不正規に流通し、ならず者たちの手に渡って一時期大惨事と化したのは前々から説明していた通りだ。

 

現在はAKの大半が3大国によって厳重な管理・保管が行われている。

それでも一部が裏社会に流れ、凶悪犯罪の原因となっている。

 

リンカが出くわしたのもその類であったようだ。

 

訳あって、一人で里帰りしていた所で遭遇。

7.62ミリの弾幕に手も足も出ず絶体絶命だった。

 

そんな所を、息子のイグニスがカールグスタフで返り討ちにしたことで事なきを得た。

件の物品は「不意打ちで奪った」そうだ。

 

 

アーマーナイトの装備が大幅更新され、鎧よりも盾に防御が集約した事で実現した隠密性だ。

 

 

「やはり歩兵銃の1つや2つ、常に持ち運ぶべきか…」

 

「そう、よね。

ソッチの方がいざって時、サクラ様を護れるし。

それに“目下の問題”を刀で対処するのは一苦労よ」

 

目下の問題…今この世を重武装した犯罪者以上に騒がせているデーモンは、(個体にもよるが)1体1体がノスフェラトゥ以上に強力かつ、かなりの数で群れている場合があるので、近接武器で一々近づいて戦うより銃火器を用いた方が効率が良いという事情がある。

 

しかしその銃も、どこでも当たれば良いかと言われれば全くそういう訳でもなく、結局は数ミリ程度しかない小さな金属屑なので一撃で仕留めるには頭部等をしっかり狙う必要がある。

…その頭部も頭蓋骨が分厚かったりで弾丸を弾く場合があるので、その場合はまた違った対処が求められる。

 

 

 

結局必要なのは、より強い武器なのだ。

銃は剣よりも強し…そんな事は頭では嫌と言うほど理解している。

 

しかし、体の何処か・何かが納得出来ていない。

それが適応力の限界なのか…或いは彼女ら“侍”の誇り、或いは意地なのか。

 

依然としてはっきりしなかった。

 

 

 

 

 ■ ■ ■  ■ ■ ■

 

 

 

 

正直、戦況は前と打って変わってかなり良かった。

 

積み上げられた対デーモン戦術に加え、黒い鳥(ジン)を筆頭としたアーマードコアの部隊つまり機甲兵隊の遊撃によって、厄介なハズのデーモンを効率的に撃破していく。

 

実際には、ジン一人の手柄みたいなものだが。

 

 

カザハナもまた、支給された三八式歩兵銃で1体ずつ、犬型のデーモンを撃ち仕留めていく。命中率はそこそこだが、すぐ隣で「当たらねぇ、当たらねぇ」と愚痴をこぼしながら7割の無駄弾を生産している、夫のヒナタよりはまだマシだった。

 

「ごめん、ヒサメ!撃ち漏らした!」

 

「任せてっ…!」

 

…寧ろ、この銃撃で好成績を叩きだしたのはヒサメだ。

元々の冷静沈着な性格が精密射撃へと結びついたのか、彼が放った弾丸の8~9割がバイタルを撃ち抜いている。

 

 

やがてデーモンの群れが少なくなった頃、いつものように陣地交代の合図が出た。

彼女らの部隊が一度前線から退こうとしたその時――――ソレは起こってしまったのだ。

 

まるで、均衡が崩れて傾き、山肌を転げ落ちる大岩の様…。

 

 

「合図…ですね。

丁度今の一射で弾丸を使い切った所でした…」

 

「俺も殆ど残ってねぇ。

…一旦戻ろうぜ、二人共」

 

ヒナタはただ弾を無意味に消費しただけである。

 

「そうだね…あたしも込めてる分しか――――――――ッ!」

 

 

カザハナは、ヒサメの背後から忍び寄って来た影を瞬時に捉えた。

それは先の銃撃と遊撃で身体中がボロボロになりながらも、まだ息の根が絶えて無かったデーモンの1体…!

 

「…?

母さん、一体どう――――」

 

伏せて!!

 

「ッ!!」

 

ぬるりと振り上げられた、デーモンの腕に対し…彼女はヒサメの前に出て、刀を抜いた。

 

 

 

刀を選んでしまった。

 

「ッ!(しまったっ…)」

 

近づいた、とは言ってもまだまだ間合いは広い。

手負い、とは言ってもデーモンの体格は桁外れ。

 

悪手だったのだ…巨格の一撃を、彼女の装備と腕力で受けきるのは至難の業である。

三八式の弾倉にはまだ5発の弾が装填されていた…しかし最早それに持ち替えるだけの時間はない。

 

 

どうにもこうにも、いや…どうにかするしかなかった。

――――一発の弾丸が、通り過ぎるまでは。

 

「やっと当たった…っ!」

 

ヒナタのZH-29半自動小銃から放たれた弾丸が、漸くデーモンの脳天に直撃し体勢を崩した。

その隙にカザハナが刀でその首を斬り落としてトドメを刺した。

 

しかし、彼女の表情に安堵はない。

ただただ動揺し、震えていた。

 

…自分の失態で家族を危険に晒す所だったという、今そこにある事実に。

 

「何やってるんだカザハナ!

今の内に戻るぞ!」

 

「え、う、うん…」

 

ヒナタに手を引っ張られ、それをきっかけにまた走り出し、心をその身に引き戻した。

 

 

それでも、先の事が中々頭から離れない。

あの瞬間…態々刀を取らずに残った弾全てを打ち込めば、あの時点でデーモンを仕留められたハズである。そもそも彼女自身、デーモンの攻撃を避けは出来ても受けきる事が出来ないのは理解していた。

 

「そうなったら、お前…その日まで刀を持ち続けられるか?」

 

再び…マーシレスから投げかけられた質問が過る、気にも留めずにいた小さな取っ掛かりが…今になって大きなしがらみと化して彼女を呪い続けている。

 

輪にかけて残虐で…そして卑屈だったあの男の事だ。まるで思考実験のように問いかけていたが、本当の…所はきっと自分の過去に正当性を持たせるために「道理やワケさえあれば人は墜ちに墜ちれる」と証明したかったのだろう。

当時の彼女は――それに気が付いたかは別として――自分は「それでも(刀を)持つ」と、弱みを跳ねのけたつもりでいたが…実際はこうも弱かったのか。

 

あの日にだけ居る、悪魔のようなマーシレス。

それが記憶の中で…愉快そうに嗤う。

 

 

 

 

「…!

おーい!ハロルドー!」

 

「む!ヒナタ君か!

君たちも第一陣だったのか」

 

「そうよ…所でアンナとルッツは?」

 

「いやぁ、それがエリーゼ様共々はぐれてしまってな。

…支給された銃も壊れてしまい、どうしたものかと悩んでいた所で撤退の合図が見えたのだよ」

 

そう言って、ハロルドは中からポッキリと折れたショーシャ機関銃を見せた。

確かに故障の多い銃ではあるが、こんな壊れ方は中々見ない。

 

そもそも何故悪運で有名なこの男にこんな物を持たせたのか…。

これも暇を持て余した神々の遊び、とでも言うつもりなのだろうか?

 

 

「…まあ、ルッツが居れば向こうも安泰のハズです。

彼の幸運は皆のお墨付きですから」

 

「それもそうだが――――」

 

さて、それは兎も角その悪運で有名なハロルドがまたまた悪運を呼び寄せた。

 

 

――――彼方より飛来した弾丸が、彼の足元に2発か3発ほど着弾する。

 

「のわぁあッ!?

だ、誰かの誤射か!?」

 

「馬鹿言え!人間とデーモンを見間違えるかよッ!?」

 

ヒナタがそう言い放った瞬間、彼の目前で木端が弾けた。

そこからも続く銃声…この時点で確信した。これは襲撃だ…!

 

 

「皆、隠れて!」

 

カザハナの号令で全員、身近な木に身を隠し(ハロルドだけ腐りかけの木だが…)、何物かからの銃撃をやり過ごす。

…この中で唯一、反撃手段を持ち合わせているのは彼女だけだった。

 

ヒサメは既に弾薬を使い果たし、ヒナタは残り少ない弾薬をこの騒動の中で紛失。

ハロルドは…もう言うまでもない。

 

「ッ…!(あとは敵の数と、それと位置さえ分かれば)」

 

とは言え、反撃は難しいだろう。

彼女が少し、物陰から顔を出すと、そこへ相当量の弾幕が襲った。

 

 

「おい、今の銃声…!」

 

「ああ。確か賊が好んで使う…アブトマートカラシなんとか、とやらだ。

数年前に大方回収できたと思ったが…!」

 

つまりAKだ、ハロルドは律儀にフルネームを覚えたがっている。

 

しかも断続的なフルオート射撃を行っているあたり、他のケチケチとセミオート運用を行っている連中とは大分毛の色が違う可能性がある。

 

 

めきっ――――と、身を潜めている内、えらく不安になる音が響いた。

音の出所はハロルドだ。この時点で皆察した。

 

あの木は腐っていた…当の本人は全く気が付いていないようだが。

やがて大木は、メキメキと音を立てて崩壊、賊が居るであろう方角に倒れていく。

 

「うお、うぉおおお、オオ――――ッ!?」

 

腐った、しかし巨大な樹木は、倒れた衝撃で雪煙を巻き上げ、彼らの姿を包み込んだ。

それをチャンスと見たヒナタがいち早く立ち上がり、皆を先導する。

 

 

「今の内だ!

早く逃げるぞ、こっちだ!」

 

「待っ、待ってくれ!衣類が木にッ…」

 

ハロルドは不運だが不幸では無いので死にはしないだろう。

 

 

何はともあれ今は逃げるしかない。

途中、雪煙が晴れて再び銃撃が始まり、カザハナの左頬を弾丸が掠ったが、それでも走り続けた。

 

一行は逃げ続けている道中、放棄されて荒れた寺院を発見する。

 

「アレよ!

あの建物ッ!」

 

「で、でもよ…木造の建物って確か弾丸を貫通して何とか……」

 

「無いよりマシです!

少なくとも、姿は隠せる…ッ!」

 

カザハナ達はどうにか弾幕を掻い潜りどうにか荒れ寺へと駆け込む事に成功した。

正直な所、ハロルドのお手柄だ…逃げ遅れたので、彼だけにヘイトが集中した。

 

「うわっ、どわっ!?

うぉおおおおおッ!」

 

その彼も、転げながらもどうにか駆け込み、姿を隠す事に成功した。

 

 

それでもまだ銃撃は続く。

所詮は木造建築…それも手入れのされていない、いつ倒れるかという荒れ寺。

 

そんな壁では7.62㎜に対し、効果的な防御力は発揮できないようだ。

 

しかし、身は隠せているだろう。

賊が運よく弾を当てない事を祈るばかりだ。

 

「…誰か、敵の位置を把握した者はいるかね?」

 

「いや…ダメだ、遠すぎるぜ。

こういう時マジでマーシレス便利なんだけどなぁ…」

 

「谷底で弓兵隊に襲撃された時、真っ先に死角を見つけてくれましたからね。

なんならあの大剣で片っ端から弾いて…――――。

…一先ず、先客の方と一緒に打開策を考えましょう」

 

「え?先客?

――――あ!リンカ!それにサイラスまで!?」

 

「…漸く気が付いたな」

 

「やっぱり賊の襲撃だったのか…」

 

どうやらカザハナ達よりも先に賊に襲われ、この荒れ寺に逃げ込んでいたリンカとサイラスと共に話し合う事にした。

 

 

「所でサイラス君、馬はどうしたんだ?

君は確か騎兵だったハズだが」

 

「物資運搬の為に別行動していたんだ。

…所で皆、弾丸は余ってるか?俺はまだ15発あるが…馬上用の短いヤツだ、どうにも命中精度が心許ない」

 

「あたしの銃もそう遠くまで届くように出来ていない――――らしい」

 

どうやらリンカとサイラスはそれぞれSTENと44式騎銃を見せた。

二人共弾は残っているようだが、どうにも遠距離戦では不安が残る。

 

 

「俺とヒサメはもう弾が無ぇ…カザハナはまだ残っているけど、そんなに多くも無いだろ?」

 

「うん。

後この中に込めてある5発だけ…それでハロルドは――――」

 

「すまない、壊してしまった」

 

まあショーシャ機関銃なんてあっても無くても大して戦況に違いが出ないだろう。

 

 

「参ったな…これじゃ反撃も出来そうにない。

このまま籠城して、向こうが諦めては――――」

 

サイラスがそう独り言ちた時、荒れ寺の柱に弾丸が2、3発ほど当たった。

 

「聞いた話ですが、ここいらの賊は最近、山二つ超えても追いかけてくる事が多いと聞きます。

恐らくは昨今の治安改善と“例の事件”の影響か…おいそれと略奪できなくなった事が原因で、いよいよなりふり構わなくなったのかと」

 

「こういう場合、悪党共は身を潜めるモノだと思ったが。

…返って凶暴化してしまうとはな」

 

「あいつらも必死なんだろうな…。

だからって同情する気もねーし、命の一つだってくれてやらねーけど」

 

ほんの一瞬だが、ヒナタが珍しくセンチな感情を覗かせた。

 

 

――――この時、カザハナの脳裏には“一つの希望”が過っていた。

 

だが同時に思った…この方法を行うのは、自分のエゴを押し通そうとしているのと同義なのでは無いかと。どうにも先の些細なミスが足を引っ張っているようで、ただただ無情に時間だけが過ぎていく。

 

しかし、彼女は再び己自身へと問いかける。本懐は“ソレ”なのか?そこが魂の場所なのか?

 

 

…瞬間、カザハナに迷いがなくなった。

 

「ねえ…思ったんだけど、それなら“待つ”のもアリなんじゃないかな?」

 

 

 


イチかバチか、最後の手段 試す時だろう…危険を冒し


 

 

 

 

手持ちの弾丸が少なくなってきた山賊達は、標的が隠れ潜んだ荒れ寺へと足を運んだ。

何時までも姿を見せない相手を、確実に仕留める為か…。

 

或いは相手が死んだと確信し、身ぐるみを剥ぎに行くためか。

 

 

――――何もかも、カザハナの想定通りだった。

 

「…ッ!!」「だァあッ!」

 

「「うぎゃッ!?」」

 

手始めにヒナタとヒサメだ。

 

小太刀を用い、賊の最後尾へと奇襲を仕掛けた。

「待ち伏せ」は、侍戦術の基礎である。

 

後方の仲間が上げた断末魔を聞いて、山賊の一部が振り返る…が、彼らが持っていた銃剣付きライフル銃は、狭い室内では障害物に引っかかってしまい、対応が遅れてしまった。

これも彼女の狙いの一つだ、多くのボルトアクションライフルがその連射力と全長から室内や狭い空間での運用が不向きであることは講習で聞いていた。

 

 

「ォオオオオオオオオオッ!」

 

「なッ!?」「うわぁあ!?」

 

その隙に、この中で一番体格の良かったハロルドが死角から、振り向こうとしていた賊の2人へとタックルを仕掛ける。この際運悪く、勢い余った荒れ寺の壁をぶち抜いてしまい、そのまま崖下へと転げて消えてしまった…3人仲良く。

 

ま、2キル1デス(死んでいないが…)でキルレシオは2.00だ。上出来である。

 

 

「今だッ!」「うぉおおおああッ!」

 

「「がッ…」」

 

その隙に残った3人の賊のうち二人を、サイラスが銃剣突撃で、リンカがSTENの銃身を叩きつけて仕留めた。

 

 

「くそ、くそっくそっ!

ナメんじゃねぇ!」

 

最後の一人の、AKライフル――実はガリルなのだが…――を持った男は、何故か発生していた弾詰まりを解消し、今にもそれを構えようとしていた。

 

それにいの一番に反応したのはリンカだったが、先の叩きつけでSTENの内部機構が狂ってしまったようで、何度引き金を引いても弾が出ない。

 

 

AKの銃口の先にはヒサメがいる。

万事休すか…と思われた矢先、カザハナが放った平突が機関部を直撃し、銃口を逸らしただけでなく銃本体も破壊した。

 

その勢いのまま、彼女は賊を斬り捨て、この一件に片が付いた。

 

 

 

後に彼女らの異変を悟った捜索隊が駆け付けた事で、どうにか本隊への帰還を果たしたのだった。

…ハロルドは3日後に自力で帰って来た。

 

 

 


僕らにはまだきっと やるべきことがあるのなら…!


 

 

 

ある時、白夜銃士隊の兵士がこんな会話をしていた。

 

「…なあ、思ったんだけどさ。

この歩兵銃、潜り込まれたらかなり危なくないか?」

 

「確かにな…槍術師あがりの奴は銃剣を付けているが…俺もお前も侍上がりだろ?

やはり刀は持つに越したことは無いな」

 

「だな…今度隊長に俺達の帯刀について掛け合ってみるか」

 

「あぁ」

 

 

…この会話を、それとなく聞いていたカザハナは、ふいに「おーい」とヒナタに呼ばれ、我に返る。

 

 

「何ボサッとしてんだ?

早く戻ろうぜ、まだまだやる事が残ってんだ」

 

「…うん!」

 

もうしばらく、彼女らの魂はそこにある。

 

 

 




例の件で次回は急遽AC回となりました。
とは言えジン主体の話はやってしまったので、FEIF世界全体のAC事情でも書いていこうかと。

ナニカサレタ男のマーシレス周りの人間関係表とか、そういう過去の振り返り的なの欲しい

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