【完結】マヤさんは諦めた(ハーメルン移植版)   作:ブドウ冷やしんす

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sideアスカ プールと、マグマと、温泉と

 

「みんなに、大切なお話があります」

 

 

ある日、マヤ姉が真剣な様子で切り出した。

 

 

「ど、どうしたの? マヤ姉……」

 

 

「……」

 

 

「何かあったの? 姉さん……」

 

 

「そろそろ、修学旅行の時期なんだけど……」

 

 

修学旅行? 

あぁ、そういえば……けど、それが何?

 

 

アタシたちは固唾を飲んでマヤ姉の言葉を待った。

 

 

みんなは無理なの行けないのゴメンナサイ

 

 

 土 下 座 さ れ た 。

 

 

えええええええええええええええええ

 

 

「ちょ、待って待って何で頭上げてマヤ姉!」

 

 

「パイロットは戦闘待機なのゴメンナサイ

 

 

「わかったわかったから頭上げて!」

「何でそこまでするのさ姉さんやめて!」

「……(オロオロ)」

 

 

軽く修羅場だった。

アタシたちの説得で、なんとか頭を上げてくれたマヤ姉は語り始める。

 

 

「ぅう……だって、みんな楽しみにしてたんじゃないかなって、アスカちゃんだったら水着とかも買って準備してたんじゃないかなって思って……」

 

 

「水着? まだ買ってないけど」

 

 

「へ? そうなの?」

 

 

「そりゃまぁ買っておこうかなとは思ってたし、少しは楽しみにしてたけど」

 

 

「ぅう、ゴメンね? せっかくの機会だし、みんなにはちゃんと思い出づくりしてほしかったのに……」

 

 

?……気のせいかしら。

 

 

なんとなく『自分にはなかった』みたいなニュアンスにも……?

 

 

「まぁ仕方ないよ、パイロットだし。気にしないでよマヤ姉さん」

 

 

「……私も、大丈夫」

 

 

「……ところで、マヤ姉の頃は修学旅行どんなだったの?」

 

 

え、わ、私?……あー、いや、あの、ほら、まだセカンドインパクトの影響とかあって、あんまり楽しい事とかなかった、かな、あはは」

 

 

「……そう、なんだ」

 

 

? なんか、ごまかされた気も……まぁ、アタシたちに気を使ってるだけかも。

 

 

申し訳なさそうなマヤ姉は代替案を挙げていくが……

 

 

「えっと、海は無理だけどプールだったらネルフ内にも……あとはレジャーっていったらジオフロント内の地底湖とか公園とか森林区だったら近場だし大丈夫かな。特に何もないけど……郊外に研究所はあっても水族館とかはないし、あとはゲームセンターくらい……娯楽施設は少ないのよね……ぅう

 

 

「いやいやマヤ姉、そんな気にしなくていいから。だいたいネルフ内のプールでリゾート気分なんて無理だし、それならまだ公園でピクニックでもしてた方が……そうだ、マヤ姉も一緒だったらプールも悪くないかも?マヤ姉、その日は仕事?」

 

 

「ぁー……んー、休みだった、かな」

 

 

「ぇえ!?……あ、僕、泳ぐの苦手だし、学校の成績も不安だから、勉強でもしてようかな! 三人で行ったらいいよ!」

 

 

「え! ……シンジ君もしかして気を使ってない?」

 

 

ん?

 

 

「いや、そんなんじゃなくて、本当の話だって」

 

 

「でも」

 

 

アタシの知らないマヤ姉の事でシンジが気を使ってる?

 

 

な ん か ム カ つ く 。

 

 

「はい ス ト ッ プ 。 シンジ、なんかあるなら言いなさい。いや、言え

 

 

「あ、アスカちゃん、私は別に」

 

 

「マヤ姉も隠さない! 家族なんでしょ? 気ぃ使いすぎとか………………なんか、さみしい

 

 

「あ……」

 

 

「……マヤ姉さん、男の人が苦手だって言ってたから」

 

 

え! 男嫌いなのにコイツ引き取ったの!?

 

 

「前に言ったけどシンジ君は平気よ? 大丈夫! ……なのに肩身狭い思いさせたくないから言わなかっただけよ。ゴメンね、アスカちゃん」

 

 

「……ハァ、マヤ姉が平気だって言うならいいけど、そういうのは前もって知っておきたいわ。誰だって苦手の一つ二つくらいあるんだし、それでシンジをいじめたりは……まぁ、マヤ姉にヤラシイ視線なんて送ったら目ン玉を(えぐ)り出すけど」

 

 

「怖いよアスカ! あと、そんな事しないよ!」

 

 

「……なでなで……」

 

 

なんかレイがシンジを慰めてるわ。アタシが加害者だっての!? 当然の事を言っただけじゃない!

 

 

まぁいいわ。そのままシンジとくっついてなさいよ。その方がきっとマヤ姉がヒゲグラサンに狙われるリスクは下がるもの。

 

 

「あはは、そ、それじゃ、みんなでプールって事で……プールかぁ……いやいや、まずは水着を」

 

 

「……マヤ姉? まだ何かあるなら言ってね?」

アタシはジト目で言った。

 

 

「う……実は公共の浴場とかプールとか海とか、ちょっと……だから水着なんて持ってなくて……いやいや! 塩素効いてるし大丈夫よね! だいたい、それくらい平気にならないと、そのうちみんなと一緒に温泉なんて行けないし!」

 

 

潔 癖 性 ! そういえばよく掃除してるわよね……言いなさいよって! 世話の焼ける姉なんだから。

 

 

「いやあの姉さん、ホント無理しないで」

 

 

「……ホントに大丈夫なの?無理させたって楽しくないじゃない」

 

 

「だ、大丈夫! ……プールサイドで足パシャパシャするとこから始めるわ。泳げないし」

 

 

「ピ ク ニ ッ ク に し ま し ょ う」

アタシはキレ気味に言いきった。

 

 

その後、プールかピクニックかで議論は紛糾。

 

 

だって泳げないの二人も引き連れて「たかが本部内のプール」で貴重な休みを消費とかバカらしいじゃない!

 

 

けど結局マヤ姉は「苦手を克服したい」と言い、

 

 

シンジ「姉さんがそうしたいなら」あんたバカぁ!?

 

 

レイ「二人が望むならそれでい」コラァ!!

 

 

……当日、アイボリーのキャミソールタンキニを着たマヤ姉がパシャパシャしてるのが可愛いかったから許す。

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

浅間山火口で使徒のサナギを見つけたから生け捕りにするって話、最初は「プールの次はマグマに潜るなんてね」とか余裕だったけど、今や完全に黒歴史ね。

 

 

まず耐熱仕様だっていうスーツとエヴァの装備が最悪! 何なのアレ!? 弐号機は『腕にデカイ注射器が付いた某猫型ロボット』だし、スーツあれ頭は守れないじゃない。

 

 

なんかレイは「……かわいい……」とか言ってたけどアンタの感性わかんないわ。あと抱きつくな。

 

 

で、『腕の注射器』だけど……ハァ、全ての原因なんだけどマヤ姉の発案だっていうから、あんまり強く言えないのよね。

 

 

生け捕りにしようとしたけど孵化しちゃって殲滅に切り替わったわけだけど、

 

 

『注射器』は、マグマの中じゃ相手の強度も高いだろうし通常の攻撃は有効じゃないからって、冷却水を吹き付けたり注入して熱破壊する武器で、

 

 

実際、倒せたっちゃあ、倒せたけど……

 

 

使徒の口に突っ込んで注入、まではよかった。

 

 

けど『瞬間的に、大量に』注入された冷却水は、使徒の甲殻をヒビだらけにすると同時に、一気に蒸発して膨張。

 

 

 

 

 

 水 蒸 気 爆 発 よ 。

 

 

 

 

 

マグマと一緒に噴石みたく吹っ飛ばされたわ。

 

 

着地はATフィールドで『お手のもの』よ。

シンジ、レイ、「オーライ、オーライ」じゃないわよ。

 

 

まぁ、何より困ったのは原因の『注射器』の発案者が

 

こ゛め゛ん゛な゛さ゛い゛ぃぃぃ! 生゛き゛て゛て゛よ゛か゛った゛ぁぁぁ!

 

ってボロ泣きで抱きついてこられた事よね。

 

 

ホント、世話の焼ける姉なんだから。

 

 

とりあえず一緒に温泉にも入れたから、まぁいっか。

 




人間関係やメンタルに問題がなければ苦戦する事はないと『わかって』いる次の戦いに、マヤは油断しきっていた。
意外な形で唐突に襲いくる『かつての恐怖』
果たして、悲劇は繰り返すのか。

第弐拾参話「彼の事は諦めた」

さぁ! この次もサービス、サービスぅ♪
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