【完結】マヤさんは諦めた(ハーメルン移植版)   作:ブドウ冷やしんす

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sideリツコ せめて、作戦部長らしく

 

私はMAGIの点検を行っていた。

 

 

前回の戦いから約1ヶ月、か……

 

 

勝てたしエヴァの損害も無しだったけど、周囲への損害が大きかったから副司令が老け込んだり、ミサトが半泣きで『マヤを作戦部長に』って……持ってた辞表を奪い取るのに苦労したわ。

 

 

あの後、自棄酒(やけざけ)で泥酔したのを日向君に運んでもらったり、リョーちゃんに「それならスイカ畑のバイトでもするか?」って農作業セラピー受けたんだとか。モテモテね?

 

 

……ミサトの言いたい事はわかるけど、マヤを持っていかれるとコッチが困るのよ。

 

 

と言いつつも、今手伝ってもらってるのは

 

 

「あ、待って、そこ。A-8の方が早いわよ。ちょっと貸して」

 

 

「さっすが赤木博士ですぅ」

 

 

鈴谷コハク。コンピューターの扱いに関してはマヤくらいには使えるのよね。調子の狂う(しゃべ)り方だけど。

 

 

そんな事を考えながら作業していると、ミサトが様子を見に来たらしい。

 

 

「どぉ? MAGIの診察は終わった?」

 

 

「大体ね。約束通り、今日のテストには間に合わせたわよ」

 

 

「さすがリツコ。同じ物が3つもあって、大変なのに……ところで今日はマヤちゃんじゃないのね」

 

 

「えぇ、設備点検をね。クリーンルームを使うテストも予定しているし」

 

 

「……(ひま)させてるならウチに寄越(よこ)してくれてもいいのよ?」

 

 

「ソフトも大事だけどハードも重要なの。わかるでしょ?」

 

 

そして、勝手な事を言いながら勝手にコーヒーを飲もうとしてるミサトに一言。

 

 

「冷めてるわよ。それ」

 

 

「んぐっ!」

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

「MAGIシステム、再起動後、自己診断モードに入りましたぁ。第127次、定期検診異常無しですぅ」

 

 

「了解。お疲れさま。みんな、テスト開始まで休んでちょうだい」

 

 

「ところで赤木博士ぇ、マヤちゃん先輩の作業は終わってないんですかぁ?」

 

 

……そういえば、別行動と聞いてガッカリしてたわね。マヤもモテモテじゃない。

 

 

「さっき連絡があってね。第87蛋白壁に侵食が見つかって、後のテストに影響したらマズいから予備に交換するそうよ。それが終わったら合流するって」

 

 

「そうですかぁ♪」

 

 

その時、突如として警報が鳴り響いた。

 

 

青葉君が叫んだ。

 

 

「パターン青を検知! ……嘘だろ……本部内です!」

 

 

発令所内は騒然となった。

 

 

副司令が問う。

 

 

「侵入を許しただと!? 詳細な場所は!」

 

 

「場所は……バイオハザード処理室で」

 

 

……ド…………ォ…………ン……と、青葉君が言葉を言いきる前に地響きのような音が発令所に響いた。

 

 

ミサトがすぐに反応した。

 

 

「攻撃!? 状況は!」

 

 

「処理室に各種警報、これは……丸ごと吹き飛んだのかも知れません。それとパターン青、消失しました」

 

 

バイオハザード処理室……まさか!

 

 

私はすぐ手元の端末でマヤを呼び出した。

幸い、すぐに繋がった。

 

 

「マヤ、無事!?」

 

 

〈……先輩? あ、わ、私、何も変な事してませんよ!? き、急に爆発〉

 

 

「無事なのね?」

 

 

〈は、はい。処理室からは出ていたので、衝撃で転んで少し頭を打ったくらいで〉

 

 

「すぐ医療班を送るわ。直前に何をしてたの?」

 

 

〈大型オートクレーブを回しただけです!〉

 

 

「つまり、蛋白壁を?」

 

 

〈他には何も入れてませんよぅ……〉

 

 

……あ ら ま ぁ 。

 

 

「……マヤが第87蛋白壁に異常を見つけ、処理室で処分していました。微生物型の使徒だった可能性があります。すぐ調査致しますが、恐らく殲滅(せんめつ)したものと思います」

 

 

私がそう述べると、副司令が答えた。

 

 

「……なんと……万が一を考え、拡散には注意したまえ」

 

 

「了解です」

 

 

……大手柄ね、マヤ。人類史上初めて『エヴァなしで』使徒を殲滅した人間になってしまったんだもの。

 

 

何にせよ、この後のテストは中止ね。

 

 

……あら、ミサトが何だか脱け殻のように……ハァ……

 

 

また『セラピー』が必要かも知れないわね。

 





家族への思いから、恐るべき計画を進めるマヤ。
そんな彼女に忍び寄る危険な影。
しかし彼女を守る影も、また存在した。

第弐拾八話「希望的観測は諦めてる」

さぁ! 次回もサービス、サービスぅ♪
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