【完結】マヤさんは諦めた(ハーメルン移植版) 作:ブドウ冷やしんす
pixiv版にルビ追加してみました。
私から見て彼女は『優秀で能力はある反面、自信がなく自己評価も低く臆病で度胸がない、そこそこ使える人材だが注目するべき何かはない部下』だと、正直思っていた。今までは。
零号機起動実験の時は緊張からか明らかに不調そうだった。
そこはわかる。
それが暴走が起き零号機が停止した途端に弾かれるように救出へ走った。
レイへの思い入れだけでは、あそこまで無駄なく行動できるだろうか。
本番に強いタイプなのかしらね、意外と。
後は初号機のデビュー戦、私も含め周りは『動くかどうか』にしか注目していなかったけれど、あの子はシンジ君に『ATフィールドというものがある』事を説明していた。
結果、フィールドの展開には辛うじて成功し中和を確認できた(だけど結局転倒して
独特の視点があるのでしょうね。
そして……
「わからないなら、わからないなりに対策するしかない、か」
吸い殻を揉み消し、次の一本に火を付ける。
科学者としては情けない考えだと自嘲気味に話していたけど、技術者としては正しい考えよね。
閃光を放って攻撃していたのだから電磁波や素粒子を操作できる可能性。
対策としてコロイド噴霧による減衰効果や装甲ビルの改良。
飛行能力があるのだから空爆など遠距離攻撃の可能性。
であればATフィールドを貫通するほどの狙撃手段の必要性。
電磁波を操作できるならMAGIやエヴァに対するハッキングはあり得るのか。
使徒にサイズ制限はあるのか。
細菌サイズがあり得るなら、感染の危険性。
……なかなか有意義な議論だったわ。
意外と『見てる』のよね。
一回の戦闘から色々と考えるくらいには。
見てる、と言えば「作戦部は技術に
機密の関係で全面公開なんて不可能だけど、合同の勉強会でも開こうかしら。
……あの弱々しさを何とかできれば結構使える子なんじゃないの?
後は、
「外部から精神への干渉、か……」
……面白そうよね。
ただ、あの子は使徒からの精神攻撃やパイロット保護の観点しかなかったようだけど、様々な『可能性』を考えればゼーレが予算を出さないでしょうね。
紫煙を
……あれらの改善案予算に紛れ込ませたら行けないかしら。
まぁ、一番の意外さと言ったら……
「……シンジ君を引き取るとか、潔癖性のクセに大丈夫かしら」
未来への諦観。
運命を仕組まれたレイやシンジの処遇に理不尽さを感じながらも容認せざるを得ない自分に、マヤは自己嫌悪を覚える。
彼女を駆り立てるのは、子供たちへの思いか、それとも……
次回 第伍話「最初のフォローは諦めた」
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