【完結】マヤさんは諦めた(ハーメルン移植版) 作:ブドウ冷やしんす
最後の戦いにおける勝利。
しかし、その代償は余りにも大きかった。
ついに限界を迎える伊吹マヤ。
そして、運命の歯車は狂い始める。
番外編「14年前の悲劇」
14年前の悲劇
病室に、規則的に響く心電計の音。
ヴィレの設立やエヴァの解体を終えて
私の脳の限界は、意外なほど早かった。
先輩が言うには、持ってあと1週間らしい。
やるべき事は、全てやった。
だけど、心残りがないわけじゃない。
アスカちゃんの言葉で、気付いたんだ。
けど、ゴメン、遅すぎたね?
最後の機会だからと、病室には私の家族三人の姿。
「レイちゃん、シンジくん。二人の結婚式を見たかったな。ごめんね……」
「……お姉ちゃん」「マヤ姉さん……」
「アスカちゃん、あの時の言葉、本当に嬉しかった。なのに、私、本当にバカだった。ごめんね、アスカちゃん」
「……マヤ姉」
「……わたしも、もっと、いっしょに、いたかったよ……ごめん……」
「………………………………
え?
暗 転
規則的に響く心電計の音。
何が、どうなって……
「気が付かれましたか?」
ぼんやりと、見え始める。
元の病室じゃ、ない。少し薄暗い。
壁や設備の様子から、設立したばかりのヴィレを連想したけど、この女性に心当たりはない。
見たところ、私と同年代か、少し下くらい。
声が思ったように出せず
「はじめ、まして。あの、ここ、どこです、か? あなた、は?」
すると、女性は少し悲しげな表情を浮かべて答えてくれた。
「……14年も経ったら、わかりませんよね。はじめましてじゃ、ないんですよ?」
「……ぇ?」
「鈴原サクラです。ほんま、お久しぶりです」
「スズハラ、サクラ、ちゃん?」
「それとマヤさん、お願いがあります」
「……」
「もう、ティンカーベルだけは使わんといて下さいね」
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「どうやら、アップロードに成功したみたいだね」
「……ふふ、
あは、
あ は は は は は は は は は は は は !
やっと!
やっとよ!!
これでようやく私たちの『シナリオ』を始められる!!
『世界』なんてクソみたいなものに奪われた、『私たちの明日』を取り戻す!!!
……だから、待っててね?
『マヤ姉』
ぅわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
タオルケットを跳ね上げるようにして、私は飛び起きた。
どこ!? 私の部屋!!
あれ夢!? よかったぁぁぁぁぁぁぁ!!!
いやいや、いやいやいやいや、あれはない、ないわー……
バイザー外した時のアスカちゃんのあの笑み! 怖っ!! 完全にヤバいやつじゃない!!!
だいたい何あの、黒い、翼を広げた鳥のシルエットみたいな、尖ったバイザーに、真っ黒いマントっていう厨二病全開なコスチューム!
しかも『お揃い』!!
何? 私が早死にするとアスカちゃんがあんな闇堕ちしちゃうの!?
ヤバいヤバいヤバい、すぐ先輩に相談して、長生きできるようにしないと!!!
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伊吹マヤと赤木リツコの行動により、シナリオ『Children of darkness』は破棄されました。
次のコマンドを入力して下さい。
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フローリングワイパーでスッ転んで以来、マヤさんは変な夢をみるようになってしまいましたねって話。
ちなみに最後の「謎の入力画面」は、まぁ「AlfaSystem世界観」とでも思っといて下さい。
本作は「みんながハッピーエンドを望んだからハッピーエンド世界線になった」んです。