【完結】マヤさんは諦めた(ハーメルン移植版)   作:ブドウ冷やしんす

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マ「次世代ハードだなんて、ゲーマーとして無視できないわ!」

(๑•̀ㅁ•́๑)✧

マ「……え、FPS系なの?」


ある休日

 

その日、私はアスカちゃんと最近話題になってるというVRMMOを一緒にやってみる事に。

 

うーん……FPS系は苦手なんだけど……

 

アクセスするワールド(サーバー)を相談していると、アスカちゃんが

 

「あ! 新しいワールド解禁になってる! ここにしましょ!」

 

「え、でも私『初心者』なんだけど」

 

アプデ系の要素は初心者には厳しかったりするし、警戒してしまう。

 

「だいじょーぶ! ちゃんと安全エリアあるワールドだから」

 

そう言われて結局『そこ』に決定。

 

 

 

ゴーグル越しに見るゲーム世界。

……五感ありという点では『ダイブ』の方がリアルに感じるけど、グラフィックとかの面ではゲームの方が洗練されてるわね、当然だけど。

 

世界観は『よくある中世ヨーロッパ風』

キャラメイクは女性神官を選択した。

既にある程度やり込んでるアスカちゃんは真っ赤なカッコいい鎧。

魔法騎士らしい。

 

……今まで『苦手ジャンルだから』って、横で見てるだけだったのよ。

 

 

スタート地点は、どうやら大きな街らしい。

 

「すごい人の数ね? これみんなNPC?」

 

「ものすごく栄えてる帝国の首都って設定だし、このくらいは必要よ。……まぁ、たまに『NPCロール』の変なヤツとかはいるけど」

 

なんて話をしながら歩いていると、目の前を小さな女の子が二人、走って来たかと思えば手前にある曲がり角に入って行く。

そっくりだから双子の『設定』だろう。

 

「こんどはこっちよクーデ」

「まってよウレイ」

 

すると世話役だろうか、女性が二人「お待ち下さい!」と追いかけて行く。

 

……何だったのかしら。

 

アスカちゃんが教えてくれた。

「たぶんイベントね。様子から見て、逃げてる双子を捕まえて世話係に引き渡すと感謝されて、何かもらえたりカルマ値が変化したり、って感じかしら」

 

「なるほど……追いかけてみる?」

 

「やめときましょ? 初心者向けに見えても、イベントが始まってみたら『実は高難度』なんて事もあるし、まずは慣れなきゃ」

 

こんな街の中でも、そんなトラップがあるらしい。

怖い怖い。

 

「……あっちに人だかりがあるわ。闘技場みたいね。行ってみましょ? マヤ姉」

 

アスカちゃんに連れられ闘技場へ。

 

闘技場というくらいだから戦ったり賭けをしたりっていう場所かと思いきや、なんとアイドルのライブをやっていた。

 

ワーウルフの男の子が歌ってる。

あ、この曲知ってる。何だっけ、『ピースサイン』だったかな。

 

……中世ヨーロッパ風の世界観なのに。

つい苦笑まじりに呟くとアスカちゃんも「まぁゲームなんだから」と苦笑い。

 

と、その次の曲でラストだったらしく最後に挨拶する感じの流れに。

来たタイミングが遅かったみたいね。

いやまぁ、別にライブ見たくて来たわけじゃないけど。

 

……なのだけど、アイドルの男の子が『皇帝陛下のサプライズ発表』という。

 

貴賓室のバルコニーに『いかにも皇帝』という感じの人が立って演説を始めた。

 

ドワーフ王国が同盟国で、知らないうちに戦争をしてたらしい。

うん、いかにも『帝国』

相手が亜人とドラゴンとは何ともファンタジー……

 

それで、その調査に行ってた冒険者チームがドラゴンを倒して帰って来た……って事はプレイヤーのチームで『イベント終了後の発表』みたいなやつかしらコレ。

 

かなりの大きさの……青白いって事はフロスト・ドラゴンみたいなヤツ? の、首なし死体。

チームのリーダーっぽい人が首を持ち上げてアピールしてる。

……結構グロ表現OKなのね、このゲーム。

 

「……ぅわあ、最近のってすごいわね。私こういうの苦手なんだけど大丈夫かしら」

 

私がそんな風に呟くと、アスカちゃんは

 

「心配ご無用! マヤ姉は絶対に守ってみせるわ! この 天 才 美少女剣士アスカ様が、ね!!」

 

……戦闘の事だけじゃないんだけどなぁ。

 

演説には続きがあって、今回の事で冒険者からの情報買取を始めるとか教習所とか……あぁ、つまり『隠しシステムを解禁するイベント』をクリアした人がいたから『表彰イベント』が発生したのね!

 

なるほど、それはちょっと面白そう。

 

演説の終わりに撒かれたビラを手に取り、アスカちゃんの様子を見ると

 

「……うーん、確かにイベントとか稼ぐ手段とかは増えそうだけど、明らかに上級者向けよね。私はともかく、マヤ姉はやめといた方が良いと思うわ。ビラだけもらっとけば?」

 

上級者への道のりは遠いらしい。

 

 

 

闘技場を出て歩いていると、正面、人混みをかき分け……いや、人混み『が』避けるように、かしら。

周りがエアポケットになってる人が、こちらへ近付いて来る。

 

「やぁ、旅のお方。楽しんで頂けているかな?」

 

黒い肌の顔に、フードを目深に被った黒いローブ姿。

首にかけてる聖印(?)と、瞳だけが金色に輝いている。

 

魔法使いかしら。

プレイヤーの人? NPC?

 

アスカちゃんに助けを求めるように見ると、無視の態勢。

 

小声で訊ねると、

 

「……たぶんNPCよ。返事したらイベント始まっちゃう」

 

向こうから来るイベントとかもあるのね……

 

しばらく無反応だと居なくなる場合が多いらしい。

 

魔法使い(?)が喋った。

時間になったのかしら。

 

「……ふむん。まぁ良い。あまり長居しても良い事は無いだろう」

 

そう言って魔法使いは指を鳴らす。

 

 

 

 

 

……え、画面が真っ暗。

 

「え、何これ、どうなって」

「あーもー! 何よバグ取りきれてないじゃない!? 原因キャラ歩かせてんじゃないわよ!! せっかくのデーt……ンンンンン、休みだってのに!」

 

……どうやら、さっきのキャラに捕まったからバグが発生したらしい。

 

…… 運 営 !!

 

 

 

結局、そこのワールドは長期メンテに突入してしまい、今は二人で違うワールドとかを遊んでいる。

 

一応まだ残してあるけど、ビラは無駄になってしまった。

 

ま、いっか。





「ふむん、混線してしまったかな」
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