「さて…高校はどうするかな」
とある中学校に1人の少年がいた。彼の名は半間燈哉。野球部でピッチャー。彼は今、今後の進路を探していた。
そんな最中、興味をひく高校を見つけた。
「聖ジャスミン学園…か」
聖ジャスミン学園は、少し前まで女子校だったとのことだったが、最近共学になったと書いてあった。野球一筋な部分がある半間は、ここがちょうどいいと感じた。
「野球部もあるのか…面白い。」
そうして彼は、聖ジャスミン学園に入学することを決めた。無事に試験を乗り切り、入学も決まった。
「この聖ジャスミン学園にはどんな出会いがあるか…楽しみだ。」
この時まだ誰も知る由もなかった。彼が聖ジャスミンの生ける伝説と呼ばれることになろうとは。
入学式当日
入学式を迎え、学校に着いた燈哉。そこには見知らぬ光景ばかりが彼の目を捉えていた。
「共学になったとは聞いたが、男はそこまで居ない…か」
正直自分が浮くのではないかと少し不安になっていたところ、1人の少年に声をかけられた。
「あ、君はもしかして!?」
「誰だ。アンタは。」
「オイラは矢部明雄でやんす。まさか半間くんと同じ高校だとは思ってもなかったでやんす…」
彼は矢部明雄と名乗った。中学時代、何度か彼のいる中学と試合したことがあったため、多少記憶にはあった。」
「俺がここにいるのは意外だとでも言いたげだな。」
「そりゃ中学の中じゃ大物ピッチャーだって話だったでやんすから、あかつき辺りに入学すると思ってたでやんすが…」
と彼は言った。
「俺は強豪校に入るというこだわりはなかったからな。」
強豪校にこだわりのない燈哉は、普通の高校で平和に過ごすのも悪くないと思い、この高校を選んだ。
2人は入学式を終え、教室に向かった。
「半間くんとはクラスは違うでやんすが、野球部で一緒に願っとくでやんす!」
「願わなくとも入るから安心しろ…」
そう会話し、それぞれの教室へ向かった。
入学式が終わってしばらく経ち、何気ない日常に過ごした燈哉。部活見学の日となり、部活見学へ早速向かった。
「ここの野球部ってどうなんだろうな」
そう思いを馳せながら野球部の見学へ向かった。
そこで見た景色は、彼にとっては衝撃だった。
(女子しかいない…だと!?)
そう、聖ジャスミン学園野球部は、女子しか野球部員がいなかった。マネージャーもこれといってはおらず、お互いが助け合って練習に励んでいた。
後々矢部と合流し、共に見学していた。
「かわい子ちゃんがいっぱいでやんす…ぐふふ」
「馬鹿野郎。何想像してんだ…」
女子に見とれる矢部に少し呆れながらも。
しかしその野球部員の1人が、2人に声をかけた。
「君たち…もしかして入部希望者?」
と問われると
「そうでやんす!」と声高々に言う谷部に続き、
「はい。」と淡々と返事した。
「実は、部員の数がギリギリで…良かったら…練習に参加してみる?」と聞かれた。
「構いませんが…」と言うと。笑顔でありがとうと言ってくれた。
「ところで2人とも、ポジションは?」と聞かれた。
「外野でやんす!」と答える矢部に続き、「ピッチャーです。」と返すと、驚いたのか、「ピッチャー!?!?」ときょとんとした。しかもそれは彼女だけでなく、他の部員も。
(え、あの子ピッチャーなの!?)
(先発とかだったら凄くありがたいよね)
(しかも…顔もいいよね、彼)
とひそひそ話が聞こえたのは聞かぬふりをした。
(当たってるんだよな…その予想)
と苦笑いをしながらも、彼はその部員にこう告げた。
「野球部に入部させてもらえないでしょうか。」
と、矢部と共に頭を下げた。それを見た彼女はとても嬉しそうな顔をしていた。
「ありがとう!部員の数ギリギリだから歓迎するよ!」と声高々に言った。
「あ、自己紹介遅れちゃった。ボクは早川あおい。よろしくね!」と彼女は自己紹介をした。
「矢部明雄でやんす!!よろしくでやんす!!」と矢部がでかでかと自己紹介した後に、
「半間燈哉です。よろしくお願いします。」と自己紹介を済ませた。こうして、野球部入りが決まり、新たなスタートをきった。