Fate/Happylife~刃の下に心あり~   作:ブラックサレナ

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第肆話“来訪衝撃”

 

遠坂凛が今まで以上にご機嫌だ。そんな噂が学校中を包んでいる、どうも今朝から様子が可笑しいらしいのだが、真相はさなかではない。問題は誰が機嫌を良くしたかだ、学校のアイドルである彼女、それを機嫌よくさせるのは一つは友人、そしてもう一つが恋人だ。友人という可能性もあるのだが、彼女にそこまで親しいものがいるかといえば否だ。もちろん彼女は虐められているわけではない、ただ神聖視があるため、高みの花状態だ。

 

「♪~♪」

 

現状、遠坂凛は昨日からの生活の激変。さらに自分の恋が成就したせいで浮かれきっている。周りの目などいくわけがないのだ。

 

「今日の遠坂さんどうしたんでしょうか?」

「もしかして、何かいいことでも」

「だけどこの学校に親しい友人では?」

「私たちじゃ無理ですよ~」

「と、なると誰だ?」

 

周りの声はこうだ。まあアイドルをここまで上機嫌にさせた相手とは気になるのが心情だろう。そして

 

「お前ら、席につかないか」

 

教師が入る。今日の学校は一体何回、遠坂が注意されるかは見ものだ。

 

――――――――――

 

冬木市。それは聖杯戦争の地にして日本の地方都市。都市と言うだけあってそこには新都とも言われるビル群もある。忍は歩きながらも幼き頃の思い出を思い出していた。うつろにわかるのは背が低い頃の光景。そして

 

「ここだな」

 

忍の目的地。それは衛宮邸、忍が父の死を知った場所でもあった。和風の家といった感じのつくりをしているが、基は魔術師の拠点であったため忍は少し警戒をしていたがしかしなにも無さそうなので銃はしまったままで大きな門の前についた。凄い佇まいであるこの家に忍は一瞬入るのを躊躇ったがしかし、それは思いもよらない一声で変わった

 

「あら、何かようかしら?」

 

忍に声をかけてきたのは、見た目は二十代前半、もしくは十代にも見えなくはないほどの女性だった。

 

「君?高校生じゃないわよね、中学生?なら、こんなところにいちゃダメでしょ、これでもお姉さん教師なんだから」

 

その人はそういうとそのまま忍に近づいた。

 

「あ、え、えっとすいません。ここに衛宮切嗣さんはいらっしゃいますか?」

 

「え」

 

女性は不思議に思ったのだろうか。それこそ、目を丸くして忍のほうを凝視していた。彼女、名前は藤原大河。高校生のころ冬木の虎とも言われていた凄い人なのだが……忍が知らないのはしょうがいだろう、なんせ今までは外国に居たわけでもある。しかし彼女の反応は少し可笑しいと忍は思っていたのだ。

 

「そう、切嗣さんの。どうぞ、いらっしゃい今の家主は学校に行っているから。中で話を聞きますので」

 

女性はまるで自分の家のように忍を案内した。そして入るとすぐにお茶を入れ、忍に話してくれた。すでに切嗣は他界しいてることを

 

「そうだったんですか」

 

「ええ、あ、そう思えば最初にそんな話をしちゃったわね。まずは自己紹介ね、私は藤村大河って言うのあなたは?」

 

「神崎……神崎忍っていいます」

 

「神崎……忍……君!?」

 

大河は何かに驚いたように忍を見つめている。それはさっきと同じような眼、大河はそのまますぐに忍にここで待っているようにといい、せかせかと廊下にでて何かを探しにいったようだ。忍は何がなんだかわからずにいたが、しかし彼女がもし何か変な行動を犯せばすぐに撃ちぬく準備はしていたのだ。切嗣さんが死んでいたとは思っていたなかった、あのひとは正義のおっさんだ。それが、こうも簡単に。忍はあの時見えたおっさんの顔が妙に父親に似ていたのを覚えていた。

 

「ごめんね、これこれ」

 

大河は何か、大きな箱を持ってきたのだ。ダンボールの中に切嗣と書いてある大きな箱だ。そしておもむろに大河がだしたのは大きな本が一冊、そして……一枚の手紙だった。

 

「神崎忍君。切嗣さんのね遺品の中にこういう手紙があったの。神崎忍という人、もしくは子が来た場合必ず、この箱を渡すことって、私とそれと士郎にね。ああ、士郎って言うのは切嗣さんが拾った子で……ねぇ、もしかして君もそういう一人なの。士郎も切嗣さんに助けてもらったの?それに桜ちゃんも、君もそう?」

 

「…そうですよ。俺はあの人に救われたんです」

 

忍にとって魔術のセカイを最初に教えてくれたのはあの人だった。今までの魔術の世界は父親に守られていた世界だった。それを一気に変えてくれたのはこの人でもあったのだ、忍はそのダンボール、そして手紙を持ち。

 

「遺影、ありますか」

 

忍は最後にそういい、切嗣に礼を言うように祈り、そして衛宮邸をあとにしたのであった。切嗣もまた、忍の父どうように魔術師殺しをしていたのをすでに忍の耳には聞いていた。しかし彼女を見る限りそれほど酷い人でもなさそうだと思ったのが正直な忍の気持ちだった。

 

「さて、結構歩いたし。あとは新都のほうは凛ちゃ……凛と一緒に歩けばいいだろうから。さて、家に帰ったらまずはこのはこを開けないとな」

 

大きなダンボールを持ちながらあるいている忍。前が見えず人にぶつかってしまうのはある意味しょうがなかったのかもしれない。

 

「あいてっ!」

 

忍のほうがだが

 

「ふむ、すまない。こちらも気をつけて……これは、神崎忍だったな。久しぶりと言うべきか」

 

そこにはあの神父、言峰綺礼が立っていたのだ。

 

「あ、これは言峰さん。失礼しました」

 

「ふむ、何構わないさ。しかし、そんな荷物は一体?それと遠坂凛とは話をつけたようだな。先ほどその遠坂凛より、君の入学手続きの資料との文章が協会より送られてきた。ふむ、ちょうどよかったものだ。君の住所も聞いていなかったのでな、探すところだったよ」

 

彼の言葉に忍は苦笑いをしていた。なぜか、それは彼の言葉にまったく誠意が感じなかったからだ。

 

「しかし、その状態では難しいか?いや、ここに置いておこう」

 

そしてダンボールの箱の上に手紙を置いて、そのまま立ち去った。酷い大人の見本であろう。ちなみに忍の身長は平均の中学生の身長を少し小さい。それもあってかダンボールに手紙とは完全に悪意しかない。

 

「あの神父、やっぱり苦手だ」

 

そう思いながら俺は凛の家に帰るのであった。そして大体もう少しで忍が到着するであろう、時、後ろから声がした。

 

「忍~」

 

凛の声に忍は反応したかったが、しかしこの状態ではそれこそ振り向くことも難しそうだ。そして凛はこの状況をわかってくれたようで

 

「あら、何これ?」

 

まあ、誰もが思うだろうな。ダンボールの箱を持った少年。しかも上には封筒、これで凛の質問にも納得がいくと言うものだ

 

「説明するから。その前に家に入ろう凛」

 

「そうね/////」

 

ちなみに凛は昨日から忍から名前で呼ばれることに、恥ずかしがっているのだが。今朝はそれを隠すように退散してしまったし、昨日はそれどころではなかった感じで。実際こんな風に自分が名前で呼ばれると凛はすぐに赤面してしまうのだ。

 

「ふぅ~しかし、これは重かったな」

 

忍はその荷物を、自分の部屋に運び込むとそのまま最初の封筒を開けた。ちなみに凛も部屋に来ている。すでに制服から私服に替えてある。まずは神父からの手紙を忍は手に取り、そしてあけた。

 

「何々、凛。この学校で大丈夫なのか?」

 

「ええ、そうよ。ここ、私の学校ね。すでに綺礼に頼んで制服もお願いしといたから。あとは来たもののサイズを確認するだけよ」

 

「確認って、寸法しないで大丈夫なのか?」

 

「あの神父、色々と凄いのよ……まあ、それは今度話すわ。それじゃあ、これで忍も晴れて中学生ね。それと、そのダンボールは何?」

 

「これ?これは……まあなんて言うか、父さんの知人の遺産と言うか、遺言というか。そんなものだよ」

 

凛は興味なさそうにうなずくと

 

「それじゃあ昨日は私の魔術のこと教えたんだから、忍のもいいわよね?」

 

「了解だ。それじゃあこの前と同じ工房にいくか」

 

二人はそして昨日と同じところにやってくる。忍はすぐに銃を取り出して、机に置く。

 

「それじゃあ、まずは俺の魔術についてだね。まあこの前も行ったけど俺の属性は風、それと使用魔術は強化だね。それぐらいかな、出来るのは」

 

「質問、いいかしら。忍」

 

「どうぞ」

 

「それじゃあ……なぜ、魔術師として忌み嫌われている近代兵器(銃)を使っているのかしら?魔術師としては邪道の邪道よ、それこそ」

 

「そうだね、これはまあ一番の原因は父さんにあるんだけどね。まあそれを抜かせば簡単に俺はそれでもしないと生きていけない環境だったとでもいえばいいのかな。俺の師匠は破天荒でね、たまに協会と教会に喧嘩を売っては、死徒狩りしててさ。基からあまり筋力がなかったからさ、俺。それでこれを使っているんだ」

 

「さっき父さんって言っていたけど、それじゃあそれは」

 

「ああ、これは魔術師殺しに使うにはもっとも強いものだよ」

 

その言葉に凛は少し考える、そしてなにか浮かんだのだろうか。頭を上げたさらに質問をした。

 

「それじゃあ、昨日の私では撃てないってのは、どういうことかしら?」

 

「ああ、それだとその前に俺の血ついて説明しないとね。凛のいや遠坂の血は昨日聞いたけど転換でしょ」

 

「ええ、そうよ。それで」

 

「それで、俺の場合は転換ではなく、強化なんだよね。だから魔術刻印もそれに準じるものなんだよね。まあこの強化は普通のものとは少しちがうけど」

 

「違うってどういう意味?」

 

「えっと、凛。強化の魔術についてはどれぐらい知っているの?」

 

「そんなの、それこそ系統の一種ってことぐらいかしら。自分の魔力を対象物に流し込んで存在を高める。確か投影、変化と同じ系統のはずよね」

 

「エクセレント、そのとおりだよ凛。何かご褒美あげようか?」

 

忍の言葉に、凛は一瞬口付けといいそうになったが、しかし凛やはりそう言うのは男性からだと思っており。いい留まり

 

「それもあとで、聞いてほしいわ。それよりも先に、それで、どういうこと?」

 

「う~ん、そうだね。それじゃあ簡単な質問ね、強化の魔術で魔術行使をした、例えばガンドとかって強化できる?」

 

「そんなのできるわけないでしょう。大体強化って言うのは存在を高めることなんだから……もしかして忍」

 

「そう、俺の魔術、いや家の魔術はそれだ。強化が違うのだ、普通ならばそうなのだが例えばこの前の魔術とかね、凛の宝石を腕で凌ぐなんて芸当はそこからなんだよ。それと最初に凛に銃を貸した際に撃つなと言ったのは、この銃。腕が吹き飛ぶからね、人類があつかうと」

 

魔術礼装銃(ジャッカル)、忍の父が作り出したもの。13mm拳銃であり、全長39cm、重量16kg、装弾数は六発が限界の元々は対人間外のものだ。もちろん普通の弾丸も装填可能が忍も父と同じく専用の弾丸だけを装填している。しかし違う点もある。忍の父の場合の専用は弾丸に細かな法儀式済み水銀を入れてるが、忍の場合は芯に自分の魔力で満たせた宝石を入れている。

 

「はぁ~、そんなものを使っているって忍ドンだけ器用なのよ?それよりもその弾丸は量産できるの?」

 

「まあ一時間あれば三十発はできるよ。もちろん宝石もいるけどね、まあ魔術師以外の相手ならばこれでいいんだけどね。投影(プロジェクト)

 

忍は手を光らせると、瞬間的に弾倉(マガジン)を手のひらに出現させた。

 

「忍それって、もしかして投影魔術」

 

「うん、一応俺の得意魔術の一種かな。投影ね、もちろんこんなのそれこそ十分もしないうちに消えちゃうけどさ。けど、これなら普通に弾丸としてなら扱えるから」

 

投影魔術、それは世界に存在しないものを一時的に現界させる魔術。そのせいか、本物の三割程度しか効力がないや、またはすぐに消えてしまうもので、普通に存在するものを強化したほうが遥かに魔力としてはやさしいが、しかし忍のはそれでも十分だ。なんせ撃ち出した弾丸にはもう意味がなくなるので、ある意味勝手に消えてくれる弾丸でもあるのだから。

 

「初めて見たわ。やっぱり人の魔術をみるものためになるのねってもうこんな時間!?」

 

凛の指摘どおり、時計を見ると時間としては六時を過ぎていた。二人ともそれほどに話していたのか、微妙といいたいがしかし、事実時間は過ぎていたのだから仕方がない。二人とも工房からでると、忍は凛に

 

「それじゃあ、俺は飯作るから。シャワーでも浴びてなよ」

 

「ええ、そうするわ。だけど忍本当にこの一日で慣れたのね」

 

「まあまだ、凛を呼び捨てにするのは慣れていないけどね。それに部屋もだけどね、これでも平常心を装っているだけさ」

 

「あら、そう」

 

忍は正直にいうが、この家主が正直に言うわけもなく。そのままシャワーに向かってしまうのであった。忍は着ていた服装の腕をまくり、すぐに料理の準備をする。冷蔵庫の中は今日買い物に行っていなかったため、あまりないが。それでも少しマシなものが出来るだろう。なんせこの忍、どこかの師匠のせいでコウモリと蛙で料理ができた男でもあるのだがら。

 

――――――――――

 

凛はシャワーを浴びながら、今日のことを考える。彼の魔術は少しいびつでもあるが、間違いなく戦闘向きだと言うのが分かった。たぶんそういう風にしか習ってきていないからであろう。まずは投影魔術だ、弾倉を出せるのだから他も可能だろう。次に強化、これも違う使い道、下手をすれば自分の魔術と混ぜれば凄いものができそうだが。

 

「はぁ~それにしても不味いわね」

 

凛は彼と工房に居るさい、忍の横顔がどんどんかっこよく見えてきてしまい、大変な状態であったのだ。もちろん魔術の説明を聞いていないわけではない、しかしそれでも忍の魔術師の顔は今までにないほどの魅力だと凛は思っていた。

 

「まあ、それよりも……これは本当にどうしようかしら」

 

凛にとっては初めての恋愛でもあり、どうしていいのか分からないのだ。忍にキスというか、手を繋いだりとか、触れたいといった感情は凄くあるようだ。しかしそれを実装する勇気がないのだ。だから先の言葉なのだ。

 

「はぁ~聖杯戦争前に、先にこれを片付けよう」

 

シャワーを浴びながら遠坂凛の新たなる挑戦に挑むのであった。

 

――――――――――

 

夕食も終わり、忍はシャワーを浴びていた。遠坂家はやはり洋風というか、風呂と言うよりもバスルームといった方がいいだろう。そして忍はシャワーを浴び終えると、着替える。変えの服はこれともう一着で終了なので、早く荷物が届かないと問題があだろう

 

「凛、でたぞ」

 

「あ、そう」

 

忍も凛も何も言わないがしかし、忍は凛の隣に座る。凛はそれが分かっているかのように先にソファーで席を開けるのであった。

 

そして少しの沈黙の後。

 

「ねぇ、忍…………私たちって恋人どうしよね?お互い好き同士なんだから」

 

「そ、そうだな。魔術師としても、そしてそれ以外としても俺はお前が居ないとダメのようだ。はは、まだ中学生なのにな、俺ら」

 

忍の言葉に凛はうれしくてつい、凛は抱きついてしまった。忍はそれに驚きながらも、落ち着いて手を握った

 

「嬉しいことを平然と言うんじゃないわよ忍。まあ私の前では言っていいけど」

 

「それはありがたいけど、俺もこう言うのは凛の前だけだと思うぞ」

 

「ふふ、そう……ねえ「なあ」……何かしら、忍」

 

「いいのか、凛?」

 

「ええ、あなたからでいいわ」

 

「キスがしたい」

 

「ストレートすぎよ忍」

 

しかし、その言葉に凛は体は違う行動をとった。すでに後ろに抱きついている凛は忍の首のほうに自分の顔を向けてそして唇を突き出す。忍はそれに答えるようにキスをした。

 

―――――――――――

 

あのあと、二人は無言のまま抱きしめあったり、まあイチャイチャしていたのは言うまでもなく、そのまま二人とも部屋に各自戻り、眠りについた。いや、正確には凛は眠りに着いただろう。

 

「さて……おっちゃん。俺に残した手紙、それは一体なんだ?」

 

彼の手に握られているのは今日もらった、あの神父からの手紙ではない。ダンボールの中に入っていた、手紙であった。ダンボールの中身はその手紙、そして書物だけだった。

 

「……これは……」

 

忍は驚愕する、それは最初に一文にあったからだ

 

お願いだ……あれを今度こそ、“破壊”してくれ。

 

これだった。

 




予定では20話までが、連続更新の予定です!!
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