FAIRY TAIL アクノロギア討伐RTA 妖精の尻尾ルート   作:ハーフィ

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今回はRTAパートではなくガーデローラ視点です。


ガーデローラ

 

ガーデローラがその少女を見つけたのは偶然のようなものだった。

 

空を飛んでいると山の中に綺麗な花畑があるのを見かけた。

つい気になって見ていたら竜の優秀な視力が花畑の中に倒れている小さな影を捉えたのだ。

 

 

まさかと思って降りて見てみると…。

 

 

『やはり子供でしたか…』

 

今にも命が尽きそうな桃色の髪の小さな女の子。まだ3歳にもなってなさそうな赤子と言っても差し支えない子供であった。

目立った外傷はないが赤い顔に大量の汗と口から流れる血。今も苦しそうに咳をしている。

深刻な病を患っているようだ。それも命を蝕むほどの…。

 

このままでは危ない。恐らく数日も持たないだろう。

いや、こんな所に放置されていたのでは数時間の内に命を落としてしまう。

 

 

しかしなぜこんなところに一人でいるのか。

ガーデローラは心当たりがあった。この山を通る前に遠く離れた場所で貧しそうな小さな村を見つけたのだ。

 

この少女が着ている服はチラッと見えたあの村のものと一緒だ。間違いなくあそこに住んでいた人によって捨てられてしまったのだろう。

口減らしのためかもう助かる見込みがないためか。こんな遠い山の中に来て綺麗な花畑に捨てたのはせめてもの愛情だったのだろうか。

何にせよまだ幼い少女を捨てたことには変わりない。

 

『なんて酷いことを』

 

生きていくことだけでも大変な世の中とはいえ、子供を捨てるほど人情のない世になってしまったのか。

 

この世の無情さに心を沈ませていると、掠れた声が目の前からした。

 

「…マ…マ…」

 

 

少女はうっすらと目を開けて黄緑色の瞳を覗かせ、小さな腕をガーデローラに伸ばしてきた。

もういない母親を求める声。捨てられたことにも気づいていないだろう子供は、懸命に心の拠り所を探していた。

それでガーデローラの心は決まった。

 

花の魔法を使って病気を和らげる。そしてこの少女の体をじっくり診察した。

 

『────このままでは…止むを得ませんね』

 

こんな小さな子が理不尽に命を落とすことがあってなるものか。こんな哀れなまま終わらせてなるものか。

ちょうどいい。イグニール達からアクノロギアを倒すための計画を聞かされていたのだ。

 

『…どのみちアクノロギアを倒すためにも必要なこと』

 

それを利用してこの子を育てよう。

滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)の丈夫な体と花という特質。

それらがあればしばらくは生きながらえることはできるはずだ。

 

しかし…診察してみて分かったがこの体は頻繁に病気に罹りやすく命を落としかねないほど脆弱。そんな体が長く持つはずがなく最初から短い寿命を背負ってしまっている。

滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)になっても20歳を超えられれば長く生きた方だろう。

それに魔法を使いすぎれば負担が大きく掛かってしまい、体をもっと壊してしまう。

 

『延命にしかならないかもしれませんが…それでも私は貴方に生きて欲しい』

 

(なぜ…こんな残酷な…!!)

 

どこまでもこの少女を苦難に晒さなければ気が済まないというのか、運命とやらは。

許せなかった。

 

 

ガーデローラは胸に湧き上がる母性と義憤を噛み締め優しく少女の小さな手を自分の大きな手で触れた。

 

『滅竜魔法を教えます。貴方を滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)にする』

 

 

『そして』

 

『私が貴方の母です』

 

 

 

それがレイラとガーデローラとの出会いだった。

 

 

数年が過ぎた。

 

結局ガーデローラ達はあの山の花畑に住み着いていた。

居心地も良く自分たちが暮らすのには適していると感じたためだ。

 

あの村はいつの間にか寂れていた。全員別の場所に移動したのか…滅んだのか。

少し気にかかったがもう自分たちには関係のないことだった。

 

レイラには言葉を教え簡単な魔法も教え、生き抜くための術も教えた。

今では死にかけていた時と比べて大分元気に育ってくれた。

優しく思いやりがあり、感情も豊か。きっと将来は多くの人に愛されるだろう。贔屓目なしにそう確信した。

 

しかし体の弱さはやはり治らないらしく、時々を魔法を使うと苦しそうにしている。

そんな時は無理をさせずに休ませていた。

滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)として強くなった方がいいのは分かっているが苦しそうなレイラを見るのは辛かった。

それに無理して倒れることの方が効率が悪いというのもあった。

 

そんな自分の想いとは裏腹にレイラは努力家でもっと自分を鍛えようとしていた。

ガーデローラが見てない時でも魔法の練習をし、苦しみながらも耐えて鍛錬を続ける。

ガーデローラにはそれが生き急いでいるようにも見えて心が苦しくなる。

 

幸い、レイラは自分によく懐いて溢れんばかりの愛情を与えてくれた。

 

「ガーデローラー!きょうもお花のおかんむり編んできたよ!」

 

『まぁ…ありがとうございます。綺麗ですね』

 

「うん!きれいなお花さんがいっぱいあってよかった。それに美味しかった!」

 

『もう、あまりつまみ食いしてはいけないと言ったでしょう。花の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)とはいえ、まだ今の段階ではお腹を壊すこともあるのですよ』

 

「ごめんなさい〜」

 

ガーデローラもレイラを自分の子として愛していた。掛け替えのない大切な家族。

間違いなく自分はこの子の親で、レイラは自分の子供だと断言することができる。

 

人と竜という違う種族の間でも家族というものは生まれるのだ。こんなにも幸せになれるのだ。

それを知れてよかった。

 

 

「今日の晩ご飯は私が作るね!」

 

『あら、どれほど上達したのか楽しみですね』

 

笑顔を浮かべるレイラの前で頬を緩めるガーデローラ。

『百花竜』などと呼ばれる彼女でもレイラの前では一人の母親だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『明日は出かけます。準備しておいてください』

 

「おかのした!」

 

『準備を終えたらもう寝ましょうか。明日は早いので』

 

「じゃけん花摘みにいきましょうね〜」

 

『眠りやすいように快眠のお花を咲かせておきますね』

 

「ありがとナス!」

 

…時々出るその珍妙な言葉遣いはどこで覚えてきてるのやら。

 

 




次からRTA戻ります。

ようやく原作キャラが出ますよー
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