【完結】「不死身(物理)なら尾形を愛せるのでは」という仮説とその検証について   作:捕まえようとした蝶

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33話 バーニャッ!!

 結局。

 最初から見えていた結末とはいえ、スチェンカは惨敗に終わった。

 

「くっ、賭け金がぁ……」

「はあ……」

 

 財布の中身まですっからかんになって散々な有様だが、とにかく男どもを連れて早々に撤収しなければ。さらなる面倒事に巻き込まれそうだ。

 手始めに、柵の一番近くで転がっていた白石に声をかけようとして。

 ──いつの間にか意識を取り戻していたらしい彼が、驚愕の表情で俺を見上げているのに気づいた。いや、俺ではない。

 その背後の、

 

「──あッ!? 岩息!?」

「……!?」

 

 ガンソク。

 ──岩息舞治!

 慌てて振り返ろうとしたその先、ちょうどこちらに身を乗り出していた男の分厚い身体に阻まれる。

 

「むぐっ」

「あっ、白石! キロランケニㇱパ!」

 

 俺が人混み(というか胸筋)に揉まれている間にも。アウトレイジトリオは、先ほどまでダウンしていたとは思えないほどの機敏さで、岩息を追いかけて出て行ってしまったらしい。それをアシㇼパの声で知る。

 

「タマ、大丈夫か!?」

「う、……白石たちは!?」

「いきなり外に走って行ってしまった……追いかけるか?」

 

 何とかアシㇼパの手で壁際まで引っ張り出されたはいいが、彼らを見失ってしまった。

 

「……きっと刺青囚人を見つけたんだ。俺たちも行こう」

 

 ──岩息舞治は、おそらく白石を警戒しつつも、会場までは来ていたのだろう。

 それが、何らかの理由で彼に顔を見られてしまった。そういうことだ。

 建物の外に出たが、案の定、辺りは既に静まり返っており、何の手がかりも掴めそうにない。

 

「どこに行ったんだ?」

「……森に逃げたのかもしれない」

 

 先遣隊の流れを踏まえれば。

 岩息は林に逃げ込み……まあ……なんやかんやでバーニャの小屋まで辿り着くはず。なんやかんやは……なんやかんやである。

 この辺りは不確定要素が多すぎて何とも言えない。何せ、先遣隊とうちのアウトレイジじゃ、そもそもの戦闘能力に差がありすぎるし。まあ、現役軍人・阿仁マタギ・不死身の組み合わせに勝てるパーティがそうそう居てたまるか。

 

「足跡を探して辿るしかないな」

 

 例によって俺は夜目が利くので、アシㇼパの手を引いてガンガン奥に進んでいく。

 大体、銃を持ってるであろう尾形はともかく、キロランケ(丸腰)と戦力外(白石)じゃクズリに勝てるかも怪しい、

 

「────!?」

 

 瞬間。

 背中に衝撃。

 皮膚に走る鋭い痛み、首筋を舐める熱い呼吸。子泣き爺──いや、まさかそんな訳はない、これは、

 

「うぁあッ」

「クズリだッ!!」

 

 いやこっちかーい!!

 って言ってる場合じゃない、何とかこいつを斃さなければここで噛み殺されてしまう!

 銃を背負った状態で背後から飛び掛かられたので、俺にはもはやどうにもできない。アシㇼパに毒矢で仕留めてもらうしかない──のだが、

 

「駄目だ、暗すぎる!」

 

 さっきの衝撃で少し距離が開いてしまったらしく、俺は今、アシㇼパが視認できる範囲外にいるらしい。下手に近づくと彼女まで襲われかねないのでそれはいいのだが、このまま放っておかれても困、痛い痛い。

 

「明かりを、」

「いいッ!」

 

 せっかく番えた弓を下ろそうとするのを、慌てて制止する。そんな時間はないし、どちらにせよ明かりを持ったままでは弓が使えないし、弓を構えたままでは明かりを使えない。BLEACHの巻頭歌か?

 やむを得ない、

 

「アシㇼパ、俺の指示通り射てッ」

「でも……!」

「大丈夫だ、俺を信じろ!」

「っ、」

 

 毒矢ゆえに俺にブチ当たったら死ぬが、普通の矢ではクズリを仕留め切れない可能性がある。

 その逡巡は痛いほどわかったが、今はとにかくこいつの息の根を止めることを優先してもらわないと、俺の息の根が止まる。まあ最悪止まってもいいのだが、息を吹き返すのを彼女に見られても面倒だ。

 

「……わかった、」

 

 厳かに頷くアシㇼパ。こちらこそ面倒をかけて申し訳な、痛い痛い痛い。

 

「…………」

 

 とはいえ、俺だって目測で、しかも射撃側から位置を定めるなんて真似はやったことはない。いや、しかし外せない。絶対に。これは俺のためではない、アシㇼパのためだ。

 息を吸い込む。考えろ。今まで彼女の弓は何度も見てきたはずだ、イケる──はず!

 

「行くぞ……拳ひとつ右……ふたつ上──そこだッ」

 

 瞬間、耳元で風切り音。

 直後に獣の呻き声がしたかと思えば、しがみついていた重みがすっと消える。背後で軽い音がして振り返った先、毒矢の突き刺さったクズリが雪に埋もれていた。

 

「……ふう……」

 

 手間ァ掛けさせやがって。

 肩を払いつつ息を吐いたところで、心配そうな顔のアシㇼパがこちらに駆け寄ってくる。彼女が一番肝が冷えたはずだが、俺を信頼してくれてよかった。

 

「タマ、大丈夫か?」

「うん……外套があって助かった」

 

 フードが首筋にわだかまっていたおかげで、即座に重篤なダメージを受けることは免れたようだ。かなり痛かったけど。ヨカッター。

 胸を撫で下ろしたのも束の間。

 ──すぐ近くの茂みが、動いた。

 

「……誰だ?」

 

 クズリに押さえつけられていた三十年式を下ろして、鋭く呼びかけると。

 木の影から、音の主がのっそり姿を表してきた。

 

「いえ……悲鳴が聞こえてきたものですから」

 

 日本語。そしてかなりの巨漢だが、丸腰だ。まだ少し警戒した様子のアシㇼパが、

 

「……クズリが襲いかかってきただけだ。もう倒した」

「そうでしたか……」

 

 言って。用は済んだとばかりに、こちらに背を向けようとする。その背中に、

 

「では、」

「待て」

 

 ──三十年式の銃口を、突きつけた。

 坊主頭、眼鏡、やたら澄んだ目。

 実物を見ていた訳ではないが、その顔、既に俺には覚えがあったのだ。

 

「お前……白石由竹が言っていた刺青囚人だな?」

「っ、」

 

 隣のアシㇼパが、目を瞠る。ただ、巨漢改め刺青囚人の岩息舞治は、落ち着いていた。ゆっくりと両手を上げ、その体勢のまま、

 

「あなたがたにも顔を見られていたとは……不覚です。しかし、今私を殺せば、白石さんたちの居場所はわからなくなる……」

「……!」

 

 白石。やはり、岩息はこの森で彼らと遭遇していたのだ。しかし、今その姿は見えない。

 ──ならば、なおさら見過ごせない。

 距離を詰める。

 

「あの3人に……百之助に何をした?」

「ロシア式蒸し風呂、バーニャに入ってもらっているだけです。……中から開かないように細工はさせてもらいましたが」

 

 いや出たバーニャ。結局。

 しかし、岩息は先遣隊の時のようにともに入ることはなく、単に白石たちを誘導して、その中に閉じ込めるのに使ったらしい。

 ……殺す気か。

 

「すぐにそこまで案内しろ。そうしたら見逃してやる」

「タマ……」

「背に腹は代えられんからな」

 

 原作に仔細な内容が載っていない事態については、用心に用心を重ねて挑むべきだろう。希望的観測は捨てろ、ということだ。何度も言うが、今ここで俺たちがこいつの写しを手に入れる必要性はないのだから。

 

「わかりました。では、向かいましょう! はあッ☆」

 

 素直に了承した岩息がやたら機嫌良く歩き始めるのを、銃を構えたまま追いかける。ずんずん先を行くその背中に、アシㇼパが心底不思議そうに、

 

「お前……こんなところまで逃げて来て、何をやっているんだ?」

「フフ……お嬢さん方にはなおさら理解しがたい感覚かもしれませんが、」

 

 微笑とともにそう前置きして、

 

「暴力こそが私の、唯一の自己表現の方法なのです。絵や歌や文章や踊りなんかで、自分を表現するのと同じこと。スチェンカで好きなだけ殴り合える……私という男を肯定してもらえるこの環境は素晴らしいッ」

「暴力?」

 

 頭のネジが根こそぎ取れているとしか思えない発言に、それでもこの旅で多種多様な変態を見慣れてしまったらしいアシㇼパはただ、長いため息をついて。

 

「それで網走監獄に……呆れたな」

「ええ。残念ながら、世間は私を理解しませんでしたね……たははっ☆」

 

 ──理解。

 その言葉が、何となく引っかかった。

 野薔薇の棘のように。魚の小骨のように。飲み下せないそれを、じっと見つめる。

 理解。そんな。そんなもの、

 

「誰にも理解はできない」

 

 思わず呟いていた。

 これは悲観などではない。

 

「俺を理解できるのは俺だけだ」

 

 単なる事実である。

 目を瞑る。唇に触れる。

 喉に突き刺さっていたはずのそれは、もはや跡形もなく。そうだ。これは最初から俺だけのもの。そうであれば、痛みも苦しみも、感じるはずもないのだから。

 

「お嬢さん」

 

 穏やかに呼びかけられて、我に返る。

 足を止めた岩息が、肩越しにこちらを振り返っていた。

 

「あなたはとても綺麗な目をしている。怒りと優しさが入り混じった、悲しい色だ」

 

 うん。

 ……いや、あのウイルクにも勝る綺麗な目をしたお前には言われたくないが。

 ゴールデンカムイ世界、『瞳が綺麗』がほぼ褒め言葉じゃないのすごいよな。賛辞としてまともに機能してるのはアシㇼパくらいなもので、この世界だと目が死んでるほうがまだまともまである。

 

「一度、殴り合ってみたかった……」

「死ぬだろ」

 

 男の状態でも御免だわ。

 はあ。くだらないことを考えてしまったな。時間もないって言うのに。

 

「……急ぐぞ。早くしないと白石たちが蒸し焼きになる」

「タマ、白石の肉は不味いぞ」

 

 だから、食ってきたかのように言うじゃん?

 

 

 

 

「あの小屋です」

 

 少し歩いて、やや開けた場所に出た。

 そこで岩息は足を止め。その中にぽつねんと建っている小さな平家を指差して、そう言った。

 うーん、あれが原作と同じバーニャなのかどうか、よくわからんな。

 

「……アシㇼパ、中を確認してきてくれ」

「わかった」

 

 岩息に一杯食わされても困るので、こいつには銃を突きつけたまま、アシㇼパを斥候として向かわせる。多少明かりが漏れているので、彼女でも迷わず辿り着けるだろう。

 

「うーむ……しかし、樺太にまで追手が来るとは……もうここにはいられないかもしれませんね」

 

 憂いたような呟き。

 ……妥当といえば妥当な判断だが、それはまずい。何とかこいつには、先遣隊が辿り着くまではここにいてもらわなければ。

 

「……白石くらいで日和るな。もう少しここで頑張ってみろよ。いい出会いがあるかもしれないし」

 

 杉元とかね。

 小屋に辿り着いたアシㇼパが扉の閂を外し、その中から見覚えのある全裸男性3人が飛び出してくるのを眺めながら、適当に励ましておく。

 脅されていたというのもあっただろうが、岩息は嘘をついていなかった。ならばこちらも約束を守らねばフェアではないだろう。

 

「そうでしょうか……」

「ああ」

 

 銃を下ろして、その隣をすり抜ける。向かった先では、なぜか地面の氷を突き破った白石が湖にドボンしているところだった。

 

『ギャーッ助けてキロちゃあんッ』

『シライシーッ!』

「何をやっとんだあいつらは……」

 

 そこで、ふと。足を止めて。

 

「…………」

 

 何気なく振り返った先には、既に誰の姿もなく。ただ、何もない湖氷が広がっているだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──あれは、確か。

 小学2年生の、3学期だったと思う。

 作文を書け、という課題が出たことがあった。400字詰めの原稿用紙に1枚。

 題は、『すごいと思う人』。

 要するに、身近な尊敬する人間について書けという話だったのだが。当時の俺はそんな微妙なニュアンスを理解できず、母親に「日本で一番偉い人間」について尋ねた。住んでいる国のトップに君臨する存在なら、間違いなく『すごい人間』だと思ったからだ。

 彼女は『内閣総理大臣』と答え、俺は当時の総理について調べ、それを纏めた。

 発表当日。周囲のクラスメイトはほぼ全員、自らの両親あるいは親戚をその対象として挙げていた。

 愕然としたが、若い担任教師は俺の題材選びを“慧眼”としてことさらに誉めた。

 俺は「格好つけている」としてクラスメイトの男子数名に目をつけられた。

 ある放課後、例の如く彼らに呼び出されていた俺は、その中の1人(鈴木とかいう名前だったと思う)に突き飛ばされて、植え込みの角で額を切ってしまった。今ならわかるが、鈴木は俺にそこまで重大なダメージを与えようとしていた訳ではなかった。ただ、少し脅かしてやるつもりだったのだろう。

 しかし、自身の止まらない流血を見た俺は、「これはいけない」と思った。

 彼らは俺を殺すつもりなのだ。

 やられる前に、やらなければ。

 俺は予想外の事態に固まるクラスメイトを、1人ずつ殴って昏倒させ、その足で保健室に向かった。小学生2年生には当然、救急車を呼ぶなどという発想はなかった。

 俺の出血を見た養護教諭はそれでまず青ざめ、次に事情を聞いて、俺の手当てをするより先に保健室を飛び出して行った。

 翌日、俺の両親は学校に呼び出されることになった。

 

『上手くいかないなあ』

 

 額にガーゼを貼りつけた少年が、怯えた目のクラスメイトを睥睨してそう呟く。

 その背中を、少し離れたところからただ眺めている。

 

 ああ。

 馬鹿げているよな。

 

 

 

 

「…………」

 

 どこかで、鳥が鳴いている。

 ──久しぶりに、“昔”の夢を見た。

 ゆっくりと瞼を開ける。乾いた目覚め。何の後味も残らない、空虚な舌触り。

 ……昨晩、岩息と妙な話をしたせいか。

 思い出とも呼べない記憶の羅列がそこにはあった。ただ、それだけだった。

 

「タマちゃーん」

 

 どこかで白石の声がする。宿の薄い掛け布団の中でそれを聞く。──起こしに来たのか。

 

「起きてるぅ?」

 

 隣のベッドを使っていたはずの尾形は、もう支度を済ませたのだろうか。気配がしない。

 ふらふらとおぼつかない歩みが、ベッドのすぐそばまで来て、止まった。

 

「タマちゃあん、」

「……白石」

 

 掛け布団から顔を出す。

 いつも通りの白石由竹と、目が合った。……おかしな夢を見たせいか。妙に、胸騒ぎがした。

 

「……うん?」

 

 その目を見つめながら。

 ずっと考えていたことを、口に出す。

 白石にしか頼めないことだった。

 

「アシㇼパのこと……頼んだぞ」

 

 俺の脈絡のない呟きに、白石が垂れ目がちの三白眼をきょとん、と瞬いた。

 

「どしたのいきなり、」

「杉元佐一がいない間、お前があいつを守ってやるんだ。わかったな」

 

 構わずはっきり続けると、一瞬口籠もって。視線が、困ったように左右を彷徨う。小手先の誤魔化しは効かない雰囲気だ、ということだけは伝わったらしい。

 最終的に、眉を下げた頼りない笑みを浮かべて、

 

「……なんで、俺ぇ?」

 

 そう、呟いてみせた。戯けた調子の裏に確かな戸惑いが滲んだ、不安定な響きだった。

 

「ほら……俺なんかじゃなくてさ、ずっと一緒だった尾形ちゃんとかいるじゃ、」

「尾形百之助とキロランケを信用するな」

 

 腕を伸ばして手繰り寄せた坊主頭。その耳元に、囁くように吹き込む。肩が、小さく跳ねた。

 

「っ、…………」

 

 強張った無表情の中、瞳孔だけが動いて、俺を捉える。白石は何も言わなかった。俺は今、どんな顔をしているのだろう。

 はあ。息を吐いて、彼を解放する。やや起こした上体を、再びシーツに沈める。

 

「……お前しかいないんだ……お前しか……」

 

 彼しかいないのだ。──間宮海峡の流氷原で、尾形百之助からアシㇼパを守ってやれるのは。

 傷つけない。傷つけさせない。

 俺はあの流氷原で、何としてでもその二箇条を達成しなければならない。それには、彼の協力が必要不可欠だ。

 

「何もかも終わったら、頬でも唇でも、好きなだけ接吻してやるから……」

 

 呟きながら、目を瞑る。何度も死んできたことに比べれば、それくらいは安いものだ。

 俺は何だって耐えられる。どんなことだって。

 

「…………」

 

 白石は、しばらく無言で俺を見つめていたようだったが。ふーっ。彼が長く息を吐き出したことで、思わず瞼を開ける。

 

「……野暮なこと言うなよな、おっかねえ別嬪さん」

 

 彼は、優しい笑みで俺を見下ろしていた。

 かと思えば、おもむろにしゃがみ込む。その手が、俺の投げ出していた左手を取り。自らの頭頂部に、手のひらをかぶせてみせる。

 

「俺にゃ、“これ”でじゅうぶんさ」

 

 言いながら、押しつけられる坊主頭。温かい。少し驚いていたら、手のひら越しに、にっと得意げに笑いかけられた。

 ああ、白石由竹。

 

「……ありがとう」

 

 俺は、本当に仲間に恵まれた。

 アシㇼパ、杉元──白石。彼らが俺に与えてくれたもの。大切な光。

 ぐっと、唇を噛み締める。

 

 ──何度目かの“運命の時”が、再び、近づいてきていた。

 

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