この小説の響は何度かデストリームの変身を経験しており、ゲイツリバイブみたく慣れによって、ドライバーの副作用も完全ではありませんが克服しています。
男響のイメージCVは原典の響と同じですが、声のトーンはかなり低めです。
調と切歌の前に現れた仮面の戦士、ベイル。ベイルはゆっくりと近づくが、彼女達は得体の知れない人物相手に警戒していた。
「貴方は一体…?」
「そう警戒するな。俺はお前達の味方だ」
「ひょっとして、さっきアタシを助けてくれたのも貴方なんデスか?」
「ああ。ノイズに襲われているとなれば、放ってはおけなかったからな」
「ありがとうなのデース!」
「礼には及ばない。それよりも…」
ベイルは、先程吹き飛ばされたのにも関わらず消滅していないカルマノイズに目を向けた。
「あの黒いノイズは一体何だ?さっきの攻撃で消えなかった辺り、随分変わった個体に見えるが…」
「あれは”カルマノイズ”って言う危ないノイズなのデス!」
「ダメージを受けてもすぐに再生するから、生半可な攻撃は通じません。それにあのノイズが放つ瘴気に触れると、凶暴化して理性を失ってしまうんです」
「成程な。それでお前達は、あのノイズを倒せるのか?」
「倒せない訳ではないんですが…」
「倒すのにも一苦労で、途中で逃げられる事も何度かあったデス…」
「そうか。ならアイツは、俺が何とかしよう」
「大丈夫なんデスか!?」
「心配はない、俺を信じてくれ」
ベイルは調と切歌を交互に見て、固く頷いた。
「分かりました。他のノイズは私達が何とかします!」
「いっちょやったるデス!」
「ありがとう。雑魚ノイズの殲滅は、出来る限り俺もサポートをしよう」
斯くして、仮面の戦士と2人の歌姫による共同戦線が張られた。調と切歌は西の方向、ベイルは東の方向に視線を向けて身構える。そして新たに出現したノイズの大群が、一斉に二方向から襲いかかった。
「はあぁーっ!」
「デェース!」
「フンッ!」
ピンクの丸鋸と緑色の鎌の連携攻撃、パンチとキックの要領で放たれた赤黒い衝撃波が周囲のノイズをあっという間に消滅させ、残りは1体のカルマノイズのみとなった。
「後は任せました!」
「お願いするデス!」
「任された!はぁっ!」
ベイルが翳した右手から、赤い念動力が発せられる。すると一瞬にしてカルマノイズの動きが封じられ、勢いよくコンクリートに叩きつけられた。
「あんな事まで出来るんデスか!?」
「凄い…!」
2人が思い思いの反応をする中、地面から立ち上がったカルマノイズをベイルはキックから放った衝撃波によって吹き飛ばした。
「そろそろトドメと行くか」
『カブト!』
『Charge…』
ベイルは腰の横に付いたホルダーからカブトバイスタンプを取り出すと、起動させてドライバー中央のディスプレイにスタンプを押印した。そして慣れた手つきで、ドライバーの両端に付いたカバーを押し込む。
『ベイリングインパクト!』
ドライバーから必殺技の音声が鳴ると、ベイルは再び念動力でカルマノイズを捕まえる。すると拘束されたノイズに向けて、連続パンチの動作から放たれる衝撃波を目にも止まらぬ速さでぶつける。
最後にアッパーの要領で放たれた衝撃波によって、カルマノイズは灰となって消滅した。
「カルマノイズを簡単に倒しちゃった…」
「凄すぎるデス…」
あまりにも圧倒的な結果に、2人は驚くしかなかった。丁度その時、オレンジ色の髪をしたシンフォギア装者”天羽 奏”が現れる。
「2人とも!ノイズは!?」
「奏さん!」
「あの人と協力して倒したのデス!」
「あの人…?」
奏の質問に、調と切歌が答えた。切歌の視線の先にいたベイルに、奏は目を向ける。
「凄いんデスよ!途中で出てきたカルマノイズも、あの人があっという間に倒してくれたんデス!」
「…成程。そう言うことだったのか」
ベイルは静かに立ち去ろうとしていたが、それを見逃さずに奏は真剣な声で呼び止める。
「待てよ。あんた、一体何者なんだ?」
「”仮面ライダーベイル”…それが俺の名前だ」
「ベイル、ノイズ殲滅に協力してくれた事には礼を言うよ。けど、このまま大人しくあんたを返す訳にはいかないんだ」
奏はアームドギアの槍を、ベイルに向ける。
「奏さん!?」
「その人はアタシ達を助けてくれたんデス!」
「悪いが、あたし達に付いて来て欲しい。あんたが持っているその力に関して、詳しく聞きたいんだ」
「…聞いてどうするつもりだ。この力を欲しがっているのなら、その頼みは断らせて貰うぞ」
言葉を交わして敵意が無いことを確認したのか、奏は向けていた槍を下ろす。
「誤解しないで欲しい。これはあたし達だけじゃない、あんたの為でもあるんだ」
「…俺の為?」
「あんたが持っているその力は、ノイズ相手に戦える程に強力だ。でも放っておけば、あんたは他の国からのエージェントに拐われるかもしれない。そうなると、その力が悪用されるだけじゃない。最悪の場合あんた自身が、ノイズを倒す為の兵器として利用されるかもしれないんだ」
「……!」
奏の言葉に、ベイルに変身している響は思うところがあった。それは、ベイルライドウォッチを通じて頭に流れ込んできた戦士の記憶。
かつての五十嵐 元太…”白波 純平”は、バイク事故によって重傷を負った後、”ノア”と言う科学研究組織に拾われた。しかし純平はノアによって悪魔の王”ギフ”の細胞を移植され、失敗作の悪魔を始末する兵器として、来る日も来る日も戦う事を強制させられていた。
それは途轍もなく悲しくて辛い過去だった事は、響も十分に理解していた。だからこそ”兵器として利用されるかもしれない”と言う奏の言葉は、響にとって無視出来るものでは無かった。
「さっきあたしが言った事が現実になってからじゃ、手遅れになるんだよ。だから頼む、話だけでも聞かせて欲しいんだ」
奏の頼みを受け入れる事にした響は、その意思表示としてベイルへの変身を解除した。
「あぁーーーーっ!」
響の姿を見て、切歌は驚いた。
「切ちゃん、あの人と知り合いなの?」
「あの時アタシにクレープを譲ってくれた人デス!まさかこの人だったなんて驚きデス!」
「その反応、まさか…!」
響の言葉に応じるように、調と切歌も変身を解除する。そして切歌の顔を見て、響も驚くと同時にため息をついた。
「はぁ…こんな場面で再会するとはな…」
「そう言えば自己紹介がまだだったデスね。アタシは”暁 切歌”デス!」
「”月読 調”です。宜しくお願いします」
「あたしは”天羽 奏”…まぁ有名だし知ってるとは思うけど、一応紹介しておくよ」
「じゃあ改めて…俺は”立花 響”だ。宜しく」
響が名乗った瞬間、彼を除くその場にいた全員が驚きで頭がいっぱいになった。
「どうした?3人揃って鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして。俺の名前がそんなに不思議か?」
響の反応を他所に、3人は思わず絶句するしか無かった。
※おまけ
響が戦う様子を映像で見た元太とベイル(悪魔)
元太「くぅーー!響君!こんなに立派になって…俺は嬉しいぞぉー!(号泣)」
ベイル「…あの坊主、少しはやるようだな」
元太「お前も嬉しいならそう言えって~」
ベイル「そんな訳はない…昔の俺と同じ力を使うからには、あの程度は出来なければ困るだけだ」
元太「相変わらず素直じゃないな~お前は」
ベイル「うるさい…」