AI: ソムニウム ファイル the previous Trigger 作:ボルメテウスさん
怪獣騒ぎがあった翌日、みずきは伊達から全ての事情を聞く為に家で睨んでいる。
「今、この東京にはこんなのをばらまいている奴がいる」
そう言いながら、伊達が見せた画面にはUSBを思わせる物が写された。
「これは一体」
「GUTSハイパーキー。
過去の遺跡にある怪獣の細胞やデータを元に作られたキーだ。
こいつは差し込んだ生き物のDNAを書き換える事ができる」
「簡単に言えば、人間を怪獣に変える事ができるアイテムよ」
「人間を怪獣にって」
「実際にみずきも見たはずだ。
今は、アビスを始めとした様々な組織がこれに対抗する為に様々な事を行われている」
「GUTSハイパーキーに対抗する為にGUTSハイパーキーをこちらに使う。
毒をもって毒を制する訳だ」
「それじゃ、白野は一体」
「それは俺にも分からない。
なんだって、白野は遺跡の中で見つかった子だからな」
「遺跡の中って」
その言葉と共にぼーっと外を見つめる白野を見るみずき。
「あいつは遺跡に刻まれた人々を守ったとされる存在、ウルトラマントリガーに変身する事ができる。
そういう意味でも、白野に関する事はトップシークレットとして扱っている。
そして、白野に関するフォローも兼ねて、俺の家で預かる事になった」
「私には内緒に」
「悪かったって」
「まぁ良いわ。
つまり、私にも、今後はアビスとして「何を馬鹿な事を言っている」はぁ」
「お前はまだ小学生だ。
何よりも今回の相手はこれまでの奴らと違って、本物の怪獣だ。
確かに身体能力は高いが、お前が関わる訳にはいかない」
「ちょっ」
「話はこれで終わりだ。
お前らも、とっと学校に行け」」
「ちょっ伊達!!」
その言葉と共に伊達はそのまま出て行ってしまった。
「まったく、あいつは。
いつもは親らしい事なんて、してないのに」
「みずき、怒っているのか?」
「えぇ、もぅカンカンにねぇ!
あんたはウルトラマンに変身できるから特別扱いだから良いかもしれないけど、こっちからしたら、仲間外れで嫌なのよ」
「……すまない」
そう、みずきの怒る言葉を聞くと共に白野はそのまま頭を下げる。
「……こっちこそ、ごめん。
あんたは何も悪くなかったのに」
その言葉と共にみずきはそのままスマホへと視線を向ける。
そこには、ここ最近になって話題になっている行方不明事件であり、不可思議な点が多い事件であった。
「……ねぇ、白野。
これって、もしかしてGUTSハイパーキーに関係しているの?」
「えっ、うん、たぶん」
「だったら、これよっ!
とにかく、この事件を解決すれば、私も認められるはずよ!!」
そう言いながら、みずきは自身のスマホを白野に見せつける。
そこには最近になって話題になっている連続子供誘拐事件であり、現在も警察が調査を行っているが、未だに犯人は見つからない。
「その必要はないだろ。
俺達は小学生だ、その事件の解決も伊達達がやってくれるだろ」
「嫌よ。
あんたはウルトラマンに変身できるから良いけど、私は子供扱いされて、嫌なの」
「実際にまだ小学生ではないのか」
「とにかくっ!!」
そう言いながら、みずきは立ち上がる。
「この事件は私達で解決する!
居候のあんたにも、協力してもらうからね!!」
みずきが白野に対して指を突きつけた後、みずきは勢いよく走り出した。
それに遅れて、白野も慌てて立ち上がった後、走る。
「それで、まずはどこに向かう?」
「まずは最初に誘拐が行われた場所に向かうわよ!」
二人は住宅街を走り抜けて、誘拐された場所へと向かう。
そして、その場所には小さな公園があった。
そこに辿り着くと、二人とも息を整えた後、公園の中に入る。
公園の中は誘拐事件が起きた現場という事もあってか、あまり子供が遊んでいる様子は見られない。
また、二人の目の前では警官が数名ほど、忙しなく動いており、誘拐事件の調査を行っていた。
「……警察がいるようだな。
これでは調査は」
白野はそのままみずきが諦めるのかと、思い、振り返る。
「えっと、あいつらが見張っていない場所はっと」
しかし、みずきはそんな事を気にせずに公園中を見渡した後、少し離れた茂みに向かって走り出す。
それを見て、白野は溜め息を吐いた後に、その後に続く。
それから二人が茂みに近づくと、そこには誰もいなかった。
白野はその事に驚きながらも、さらに奥へ進んでみる。
すると、そこには一人の警察官が立っており、何やら話し合っていた。
「なんか話している様子ね。
ねぇ、あんた、ウルトラマンなんだから、これぐらいの距離だったら、話し声が聞こえるんじゃない」
茂みから出れば、確実に見つかる事もあって、みずきは隠れたまま、小声で白野に話しかける。
「確かに聞こえてはいるが、何を言っているのかは分からないな」
「ちっ。
だったら、警察官が喋っている内容をそのまま話して」
舌打ちをしながら、それでもなお、耳を傾ける。
「……誘拐された子供の足跡は途中で途絶えている。
犯人の足跡も見られないっと」
どうやら、先程の会話の内容をまとめていたらしく、白野は警察官が呟いていた言葉を繰り返す。
「じゃあ、後はここを探せば何か分かるかも」
そう言って、みずきは茂みの隙間から顔を覗かせる。
「そうだな」
白野もまた同様に茂みから顔を出した時、二人の視線の先に、一人の少年の姿が映った。
その少年は特に変わった様子もなく、一人で遊んでいたが、二人はすぐにその場から離れようとしたが。
「っんぐっ!!」
「んっ」
「なに、今の声」
疑問に思い、白野とみずきは少年の悲鳴がした方に目を向ける。
そこには水色に明滅する顔が特徴的な奇妙な怪人が、まるでピエロのように、少年を攫っていく姿が見えた。
「白野っ!」
「あぁ」
怪人はそのまま近くの建物に飛び込み、その姿を消す。
それを確認してから、みずきは立ち上がり、走り出した。
「あっ! ちょっと君達っ!!」
警察官が呼び止める声を無視して、二人はそのまま建物の中に入ろうとする。
しかし、扉を開ける事は出来なかった。
「嘘っ! 鍵が掛かっている!!」
建物の扉はしっかりと施錠されており、開く事が出来ない。
だが
「白野、どいて」
「えっうわぁ!?」
白野が振り返るとそこには鉄パイプを手に持ったみずきがいた。
彼女はそのまま鉄パイプで建物の鍵を無理矢理破壊する。
それからドアノブを掴むと、一気に扉を開いた。
「そこまでよ、犯人っ、あれ?」
建物の中に入った瞬間、みずきは誘拐犯に大声で問い掛ける。
その質問に対し、誰も答える者はいない。なぜならば、建物は外見とは裏腹に、内装はとても広い空間となっていたからだ。
「どういう事? なんでこんなにも建物が広くなっているの?」
みずきの言葉通り、そこは外から見ていたよりも広くなっていた。
それは明らかにおかしいと、白野は周囲を見渡す。
そこには子供はおらず、また、誘拐犯らしき人物もいない。
不気味なほど静まり返っていた。
その事に不安を覚えた白野は、みずきの方を見る。
しかし、彼女もまた、この状況に驚いているのか、呆然としていた。
そんな時、白野の視界に再びあの怪人の姿が見える。
「みずきっ!」
「えっ!」
咄嵯に白野は叫びながらみずきの手を引きながら前へと飛び込む。
すると、二人の背後にあった壁が破壊され、そこからは先程の怪人が二人を掴んだ。
「いやぁ、こんな可愛い子供が二人もいるとはねぇ!」
男はそう言いながら、掴んだ二人の体を持ち上げ、宙に浮かべる。
それと同時に、二人の体は壁の中へと吸い込まれていった。その様子を目の当たりにした他の警察官達は慌てて駆け寄るが、既に遅かった。
「はははははははっ!! !」
高笑いしながら、男は壁に手を触れると、そこから先は一瞬にして崩れ落ち、元のただの壁に戻る。
その様子に警官たちは困惑し、互いに顔を見合わせた。
「離しなさいよっ」
そう言いながら、みずきは何とか逃げ出そうと抵抗するが、怪人の腕力は強く、逃げる事は出来ない。
そんな彼女の行動に怪人は愉快そうに笑う。
そうして、たどり着いたのは、どこかの工場だと思われる場所だった。そこにある作業台の上に二人は放り出される。
「くっ! 痛いじゃない!!」
そう言ってから、みずきはすぐに立ち上がり、目の前にいる男を睨みつける。
「ふむふむ、実に子供らしい子だ。
そっちの子は大人しくて、良い子だねぇ」
そう、2人を見つめる怪人はニヤリと笑った。
だが、次の瞬間には、彼はその場から姿を消し、みずきの背後から姿を現す。そして、彼の右手が彼女の小さな顎に触れる。
その感触に、彼女は驚きながら後ろを振り向いた。
しかし、すぐに顎を掴まれた彼女は顔を強引に動かされ、怪人の顔が視界一杯に広がる。
「あんた、子供を攫って、何をするつもりなのよっ」
「ふふっ、攫うとは人聞きが悪いなぁ。
僕は子供を愛しているだけだよぉ」
そう言いながら、怪人は再び彼女を見つめる。
そんな彼に、みずきは嫌悪感を抱きながらも、彼を押し退けようとする。
「ふざけないでっ! どうして子供ばかり狙うのよっ」
「言っただろ、愛する為だと。
大人は邪魔だ。
だから僕は、子供達だけの楽園を作るつもりなんだ」
「そんな事出来る訳無いでしょう!? 」
みずきは怒りを込めて叫ぶが、怪人はそれを無視して話を続ける。
「そうかい?
今はできなくても、僕の愛でゆっくりと洗脳すればいいんだ。その為にはまず、この子達を私の物にしないとね」
「……みずき、あれは愛なのか?」
「ただの変態よ!!」
「なるほど、ならば倒せば良いのか」
その言葉と共に、白野はそのまま腰にあるガッツスパークレンスの引き金を引く。
それによって、放たれたビームは怪人に当たり、そのまま吹き飛ばされる。
「ぐっぐうぅ!!」
「はあぁぁぁ!!
怪人がそれに当たる事で、悶えている隙を狙い、そのままみずきはそのまま怪人に向かって、鉄パイプを殴りかかる。
その動きは小学生とは思えない程に高く、鋭くなっていた。
その一撃は見事に命中したのだが、怪人はまだ倒れず、反撃として腕を伸ばしてくる。
しかしその攻撃に対して、素早く後ろに下がる事で回避し、距離を取った。
その間に白野も体勢を立て直す。
「まったく、悪い子ですねぇ。
少しお仕置きが必要ですかね」
「悪いけど、あんたみたいな変態の相手は慣れているのよ、こっちは!」
そう言ってから、再び彼女は怪人に近づき、攻撃を繰り出す。しかし、怪人はそれを難なく避けてしまう。
それから怪人の攻撃も始まるが、それも素早い動きで回避されてしまい、中々当たる気配は無い。
「ぐっ、こいつはぁ!!」
怪人は苛立ちながら声を上げると、突然地面を思い切り踏み付ける。
すると、床が抜けて、そこに居た白野とみずきは落ちてしまう。
その衝撃から、白野はすぐにみずきを助けるように抱き抱えて、何とか無事だったが、怪人は、こちらに手を向けている。
すると、そこから光線が発射しようとする。
「ここまで暴れるんだったら、少し、手足を駄目になって貰おうか」
「おい、悪いが、そいつは俺の子供だ。
手を出すなよ」
【ブーストアップ! アシッド!】
聞こえてきた声、それと共に遠くから聞こえた音声と共に怪人に向かって、強酸弾を放たれる。その弾丸は怪人に命中し、大きな爆発が起きる。
それに気づいた二人はすぐにその場所から離れると、そこには1人の男性が立っていた。
「伊達っ、なんでここに」
「お前達が攫われたのをアイボゥから聞いたからな。
白野のガッツスパークレンスにあるGPSでここまで来た」
「だったら、早く助けなさいよ」
「悪かった。
だけど、お前達が暴れているおかげで、攫われている子供を助ける事ができた。
そう答えながら、彼は怪人がいた場所に目を向ける。
先程の怪人の姿は無くなっており、代わりに1人の男が立っていた。
「ツキヤマ。
連続幼児誘拐事件の現行犯で、お前を逮捕する」
「巫山戯るなよぉ!!」
その言葉と共に構える。
【ギランボ】
それと共に、手に持ったGUTSハイパーキーをそのままツキヤマは自身の腕に差し込む。
『Ultraman Trigger Multi Type!』
「白野っ!」
「あぁ」
伊達の言葉に頷くと共にガッツスパークレンスを構える。
『Boot up! Zeperion!』
そうしている間にも白野はそのままガッツスパークレンスにウルトラマントリガーのハイパーキーを挿入する。
「未来を築く、希望の光!!」
右手で持ち、掲げる。
「ウルトラマン……トリガーッ!!!」
その叫びと共に、人差し指で変身トリガーを引く。
『Ultraman Trigger Multi Type!』
闇の街を照らすように、その巨人・トリガーが姿が現れる。
トリガーはそのまま目の前にいるギランボをゆっくりと構える。
「クフフフッ」
ギランボは気味の悪い笑みを浮かべながら、そのままトリガーに向かっていく。
トリガーも迎え撃つべく、ギランボに向かって拳を振りかざす。
しかし、次の瞬間にはギランボの姿はなく、代わりに背後に気配を感じる。
振り向くと、そこには既にギランボの姿があり、腕を伸ばしてトリガーの顔に触れようとしていた。
だが、その寸前でトリガーは顔を横に向けると、伸びてきた腕を掴み取る。
そして、そのまま力任せに投げ飛ばした。
だが、ギランボはまるでピエロを思わせるような動きで、宙を舞いながら受け身を取る。
そのまま空中で一回転して着地すると、再びトリガーに向けて、不気味な顔から次々と光弾が放たれていく。
目映い光と共に放たれる、それらに対して、トリガーは避けようとしたが、すぐに自身の後ろにある建物を見る。
そこには、未だにギランボによって攫われている子供達がおり、彼らがまだ救助をされている途中だった。
それに気づいたトリガーはすぐにその場に留まると同時に、両手を前に翳して、両手から放つ虹色がかった光の盾でギランボの攻撃を防ぐ。
光の盾は、ギランボの光弾を次々と防いでいき、全て出し切ると確認すると共に光の盾を解除する。
だが、広がった先には、既にギランボの姿はなく、すぐにトリガーは周りの景色からギランボを探すように見渡す。その時、トリガーのすぐ側で、突如爆発が起きる。
爆風と煙の中で、トリガーの視界を遮るようにギランボが立っていた。
そのままギランボは手を伸ばし、光弾を放つが、トリガーは体を仰け反らせる事でそれをかわした。
そこから更にギランボは続けて、トリガーに向けて光線を放ち続ける。
それらの攻撃をトリガーは、先ほどと同様に防御していく。
だが、さすがに何度も連続して攻撃を受け続ければ、反撃できる余裕もなくなっていく。
そうしている内に、とうとうギランボの放った攻撃の一つが、トリガーに命中した。
爆音と共にトリガーの体が少しだけ飛ばされる。
それを見たギランボはニヤリと笑った。
同時に、それと共にトリガーのカラータイマーが青から赤へと変わり、点滅をし始める。
それはつまり、今の一撃がトリガーにとって大きなダメージになったという事を示していた。
ギランボはさらに追撃をかけようと、光弾を撃ち込んでいく。
だが、次の瞬間、その光弾を邪魔をする存在が現れる。
「っ!!」
ギランボはすぐにその邪魔をした存在を探した。
その存在は上空からギランボに向かって、突撃していた。
大きさは巨人であるトリガーやギランボに比べれば小さく人間が1人乗り込める程度の大きさの戦闘機だった。
光に照らされ、僅かに機体の色が分かると共に、それは青い機体だった。
「あれって」
「今、俺が操作している」
それを操作しているのはトリガーとギランボから少し離れた場所の車の中で伊達だった。
疑問に思いながら、みずきは目の前の光景を見る。
エンジンのかかっていない車の中で突然現れたその操縦席はまるで戦闘機のコックピットを思わせる物であり、空を飛ぶ戦闘機が伊達が操縦しているとは思えなかったからだ。
「アイボゥとリンクする事で、あの飛行機を遠隔操作する事ができる。
まぁ、馬鹿みたいに経費はあるけど、怪獣対策として用意されたらしい。
という事で、行くぜ、ガッツスワロー」
それと共にガッツスワローはそれと共にギランボに向けて、次々と機関砲の攻撃を浴びせる。
人間相手ならば脅威に近い、その攻撃だったが、ギランボにとっては僅かに痛みを与える程度だった。
しかし、ギランボのピエロを思わせる奇妙な動きを封じる事には確かに成功した。
それを感じたトリガーはすぐにギランボに向かって走り出す。
そして、そのまま右手を大きく振りかざすと、ギランボを殴り飛ばす。
ギランボの体は地面に叩きつけられるが、すぐに体勢を立て直すと共に光線を放つ。
それに対し、トリガーは、両腕を前に突き出し交差させてから大きく横に広げてエネルギーを溜めた後、ギランボに向けて、L字に構えて光線を放つ。
トリガーの必殺技であるゼペリオン光線がギランボへと向かっていき、命中する。
ゼペリオン光線の一撃を食らうと共にギランボはその場で固まると同時に一瞬で、その身体は爆散する。
それによって、戦いは終わりを告げる。
だが
「まったく、お前、どれだけ無茶しているのか、分かっているのか」
白野が合流する頃には、みずきは伊達から説教を受けていた。
「……」
「けど、みずきのおかげで、助かった」
「白野」
その言葉と共に、白野はみずきの隣にいる。
「お願い、伊達。
俺はみずきと一緒に戦いたい」
「はぁ。
まさか、お前から言うとはな」
その言葉と共に、伊達は懐から取り出したのは、ガッツスパークレンスだった。
「これって」
「白野は、今後、色々とトリガーとして戦う。
だが、確実に俺達が近くにいるとは限らないからな」
「伊達、ありがとう。
そして、白野もこれからも一緒にお願いね」