AI: ソムニウム ファイル the previous Trigger 作:ボルメテウスさん
「白野、人間は生きる上で、必要な事はなんだと思う」
そう言いながら、白野の目の前には、彼を引き取ってくれた男、伊達は真面目な言葉と共に、窓の外の景色を見る。
一昔前にあった刑事ドラマで行われた、ボスが窓の外の景色を見るように後ろにいる白野に優しく語りかける。
「登山家は、なぜ雪山の頂きを目指すのか。サーファーは怪物のような波に乗ろうとするのか。高い鉄塔の上まで登り、そこで懸垂する連中は! 彼らはなぜ、そんな無茶な真似をするのか!」
「それは、分からないです」
伊達の言葉に対して、白野はさらに疑問に思うように首を傾げる。
そんな白野に対して、そっと彼の肩に手を置く。
「スリルを得る為だ」
「スリル?」
「あぁ、生きている事の素晴らしさを体感するんだ。生きることを素晴らしいと思いたい!」
「伊達!」
その言葉を聞くと共に白野は眼を輝かせながら、伊達を見つめる。
「お前も、それが分かるはずだ」
「いや、何を言っているのよ、あんたは」
そんな伊達の言葉に対して、突っ込みを入れたのはみずきだった。
「みずき、俺は白野に生きる事の素晴らしさを知ってもらう為に言ったんだ」
「どこか生きる事の素晴らしさを教えるよ!
あんた、ただ単に白野にエロ本を見られて、敬遠されない為に言っただけでしょう!」
そう言い、白野の手にはエロ本があった。
そのエロ本は白野が部屋を掃除していた時に、伊達が秘密に隠していたのを発見した物だ。
未だに記憶喪失な事もあり、それがどういう本か分からない白野は疑問に思いながら、読んでいた。
そして、みずきはそれを見て、顔を赤くし、伊達を怒鳴りつけ、それに対しての答えが先程までの会話であった。
「でも、みずき。
俺、感動したよ、伊達があそこまで深い事を言っていたなんて!」
「白野、あいつが言っている事はただのでまかせよ。
信じちゃ駄目よ」
白野はすっかりと伊達の言葉に感動している様子を見ながら、みずきは呆れた様子で白野に諭すように言う。
「でまかせなもんか。
俺は自分の気持ちを正直に言っただけだ」
「悪影響が出たらどうするつもりよ、このエロ河童!!!」
そんな言葉を聞いて、不満を持つように伊達は言うが、みずきはそれに対して怒鳴りつけるように言う。
「大丈夫だって、これくらいの事じゃ悪影響なんか出ないから」
「思いっきり、悪影響が出るわよ!
というよりも、白野はなんで、不満そうにエロ本を見ているの!!」
「う~ん、なんというか、伊達が言うようなスリルが分からなくて」
そう言いながら、白野は手に持っているエロ本を開き、その内容を確認するように見る。
そこに描かれていたのは裸体の女性が描かれており、白野にとっては理解できない内容だった。
それを見ながら白野はため息を吐く。
「白野にはまだ早かったかな」
「うん、よく分からない」
「とりあえず、白野。
伊達のようには決してならないでよね」
そう言い、白野の肩を叩き、みずきは彼の手にあるエロ本を取り、ゴミ箱の中に投げ捨てた。
「俺のエロ本!!!」
それを見た伊達は、思わず叫んでしまった。
そうして、叫んだのと同時にぐたりと、力無く垂れていた。
だが、それは一瞬だった。
「マジか」
「どうしたの?」
「少し厄介な事になった。
白野、いけるか?」
「……うん」
それが、何を意味するのか、分かった白野はすぐに頷いた。
それと共に彼らはすぐに走り始めた。
向かった先に見えたのは、空を舞う怪獣だった。
その怪獣の姿を見た瞬間、白野はすぐにガッツスパークレンスを取りだそうとした。
「ふんっ!」
「っ!」
だが、そんな変身を邪魔するように現れた影に攻撃を阻まれる。
すぐに、白野はその方向を見ると、赤と黒を基調としたカラーリングに鎧状のディテールをしており、どことなく白野が変身するトリガーに似ていた。
「なにこいつっ」
「まさか、遺跡にあった」
『久し振りだな、我が好敵手』
「好敵手?」
その言葉に白野は首を傾げる。
「白野、あいつの言葉が分かるのか」
「うん、久し振りとか、好敵手だって?」
そう言いながら、目の前にいる存在に疑問に思いながら、構える。
『悪いが、今回はヒュドラムの奴の頼みでな。
あのツイフォンという奴の力の実験をしないといけない。
なので、ここで足止めさせて貰う』
「ヒュドラム、それがガッツハイパーキーを配っているのかっ」
「それって、あいつらがガッツハイパーキーを配っている奴らという事!」
その言葉にみずきもすぐにガッツスパークレンスを構える。
『我が名はダーゴン。
さぁ、勝負だ』
そう言い、ダーゴンはゆっくりと構える。
白野もまた、構えようとしたが、それを止めたのは伊達だった。
「伊達」
「お前は怪獣をなんとかしろ。
こいつは俺がなんとかする」
「なんとかって」
白野は心配そうに言うが、伊達は不適な笑みを見せる。
「さぁ、見せてやるぜ、人間の力を」
「人間の」『力?』
白野とダーゴンの言葉が重なるように呟くと共に伊達が懐から取り出したのはエロ本だった。
「『???』」「……」
その行動に疑問に思った白野とダーゴンは首を傾げるが、みずきは冷たい眼で伊達を見つめる。
「ほうほぅ、なるほどなるほど」
そんな視線を見つめられながら、伊達はエロ本を見る。
そして
「えーろーほーん……っ!!」
「『っ!!』」
「パワァァ──ーっ……!」
伊達はエロ本を読み終えると同時に叫び出す。
それと同時に、まるで伊達を中心に衝撃波が広がったかのように白野とダーゴンを吹き飛ばした。
「見せてやるぜ、人間の力を、とぅ!!」
それと共に伊達はそのまま素早くダーゴンの目の前に迫る。
一瞬で接近された事に気づいたダーゴンはすぐに、その拳を伊達に向けて振り下ろす。
振り下ろされた拳は、コンクリートの道を軽々と砕き、その拳の、ダーゴンの怪力の凄まじさを証明していた。
だが、伊達はその拳を避けると共に、素早く蹴り上げる。
『なっ』
一撃はそれ程重くなかった。
だが、ダーゴンはそれよりも自身の攻撃が人間に避けられた事に驚きを隠せなかった。
そんなダーゴンの隙を見逃さないように、伊達は続けて攻撃を繰り出す。
腕を振り回すダーゴンに対して、伊達は冷静に、最小限の動きで避けていく。
それを見た白野は、伊達の戦い方を見て、思わず驚いていた。
彼の動きは、今まで見たことの無い戦い方であり、それに驚いたのだ。
「これが、人間の力っ」
『まさか、人間がここまで強くなっているとはっ』
その伊達の動きに驚きを隠せない白野と伊達は思わず呟く。
だが
「いや、ただの変態だから」
みずきは冷たく呟く。
「急げ、白野!」
「っそうだった!」
伊達の言葉を聞くと共に白野は頷くと共に、そのままガッツスパークレンスにガッツハイパーキーを挿入する。
「未来を築く、希望の光!! ウルトラマン……トリガーッ!!!」
その叫び声と共に、白野はすぐにウルトラマントリガーへと変身する。
白野がウルトラマントリガーへと変身すると同時に、既に空中で待ち構えていたツイフォンがその両手鎌で襲い掛かってくる。
瞬時に白野はその手にサークルアームズを召喚すると共に、攻撃を仕掛けてきたツイフォンの両手鎌を受け流す。
だが、その空中から襲い掛かってきた勢いは凄まじく、そのまま白野は地面へと倒れる。
そうしている間に、ツイフォンはそのまま再び空中へと飛びながら、そのまま再び白野に襲い掛かる。
高速で空を飛びながら、何度も白野に攻撃を仕掛けていく。
白野もすぐに空を飛ぼうとしたが、ツイフォンはその隙を与えないように攻撃していく。
何とかして白野は両手鎌の攻撃を防ぐのが精一杯であった。
このままでは白野には勝機が無いと判断したのか、襲い掛かる攻撃に対して、サークルアームズで受け止めるのではなく、避けて逃げ回る事で回避する。
しかしツイフォンもまた、白野を追うように動き回っていた為、中々白野はツイフォンと戦う事が出来なかった。
「伊達のように素早かったらっ」
そう先程の伊達の動きを見ながら、呟いた瞬間だった。
その言葉と共に白野の懐にあったガッツハイパーキーが青く光り始めた。
「これは、もしかしたら!」
同時に白野は頷くと共に、そのままガッツハイパーキーをガッツスパークレンスにセットする。
【Ultraman Trigger Sky Type! Boot up! Runboldt!】
「天空を駆ける、高速の光!! ウルトラマン……トリガーッ!!!」
【Ultraman Trigger Sky Type!】
音声が鳴り響くと共に、その姿は紫と水色が中心のカラーへと変わり、胸部のプロテクターはカラータイマーの下を通り抜ける形状になる。
その変化が起きると共に、その手に持っていたサークルアームズの形態を刃を180度に展開し、サークルアームズをスカイアローへと変形する。
襲い掛かるツイフォンに対して、姿を変えたサークルアームズの光の弦と矢が形成し、襲い掛かるツイフォンに対して、白野は構える。
襲い掛かる両手鎌を、そのサークルアームズで防ぐ。
それと共に白野は光の弦を引き、ツイフォンに向けて矢を放つ。
これまでの攻撃とは変わり、ツイフォンは驚きを隠せず、後ろに下がる。
それと共に、白野は身体に力を込めると共に宙を舞う。
白野がツイフォンと空中戦を行い、互いに地上からは援護できないような高さまで飛び上がった後、白野はサークルアームズを構え直す。
一方でツイフォンの方は、先程までの空中からの攻撃を封じられてしまい、逆に追い詰められた事を理解する。
その事にツイフォンは動揺を隠しきれなかった。
空中では、ツイフォンの方の優位性はなかった。
さらには、白野のその手に持つサークルアームズはこれまではできなかった素早い遠距離攻撃が可能となった弓矢形態へとなる事ができる代物だ。
ツイフォンは追撃を行うように、すぐに白野に迫るが、まるでその攻撃が来るのが分かるように、白野は光の弦を引くと共に、その矢はそのままツイフォンへと向かっていく。
それに対してツイフォンは、その攻撃を避け、反撃を行おうとするが、白野は既に次の矢を引いていた。
そして放った光の矢はそのままツイフォンに直撃し、地面に落下させる。
【Maximum Boot Up! Sky!】
それと共に地面へと向かって、落ちていくツイフォンに向けて、最後の一撃を放つ為に、スカイタイプのハイパーキーをサークルアームズに装填する。
それと共にこれまでの光の矢とは異なる青い閃光の矢が生成され、それを放つ。
放たれた青い矢はそのままツイフォンに命中し、ツイフォンはその攻撃を受け止める事は出来ずそのまま地面に墜落していく。
墜落すると同時に、その値を中心にツイフォンは爆散する
それにより、戦いは終わりを迎える。
『どうやら、実験は失敗に終わったようだな』
戦いの決着を見たダーゴンは納得すると共にすぐにその場から離れる。
「待てっ」
そう言いながら、ダーゴンを追うとしたが、すぐに伊達の前に闇が現れ、行く手を防ぐ。
『また会おう、人間よ!』
その言葉と共にダーゴンの姿は闇の中に消えていった。
「伊達、みずき、無事!」
そうして、ウルトラマンの変身を解除した白野は真っ直ぐと伊達とみずきの元へと向かう。白野が変身を解除し、自分の方へと走って来るのを確認した伊達は安堵の息を吐く。
「どうやら、無事のようだな」
「うん、それよりも伊達、凄いよ!
あれが、エロ本の力!!」
「その通りだ、さぁ「いや、駄目だから」ぐえぇ」
伊達はすぐに懐からエロ本を取り出そうとしたが、それをみずきが阻む。
「良い、白野。
あんたが、この力を手に入れたら、本当に嫌いになるから!!」
「うぅ、みずきに嫌われるのは、嫌だ」
「分かったらよろしい。
ほら、晩ご飯を食べましょ」
それと共に、家に帰っていく。
道路で気絶している伊達を放っておいて。