そろそろホラータグが必要になってきそう(笑)
1:✝︎名無しの堕天使✝︎
人間さんというのは、本当に不思議な存在ですね。
あれほどまでに脆く、儚く、それでいて眩しい──まるで朝靄の中の灯火のようで。
だからこそ、つい弄りたくなってしまいます。
ひと匙の不安を注ぎ、苦悩にくるしませ、それでもなお縋ってくれる瞬間……
その瞬間に訪れる涙と、震えた声の「ありがとう」が、わたくしにとっての福音です。
今宵も、皆さまのご経験と技術の共有をお待ちしております。
“かわいそう”な“かわいい”お話、たくさんいたしましょうね──
2:✝︎名無しの堕天使✝︎
では私から。
初めてあの方と出会ったのは、ちょうど冬の雨の日でした。
駅の片隅で、うずくまっている人間の青年──目立たぬように息をひそめていたつもりなのでしょうけれど、私には分かっておりました。
とても静かで、どこか諦めたような目をしていました。
だから、ただひとこと「寒くはありませんか」と声をかけたのです。
彼は、まるで奇跡でも見たかのように私を見上げました。
ええ、あの瞬間からすでに、私の“祝福”は始まっていたのでしょうね。
3:✝︎名無しの堕天使✝︎
それからは、ささやかな日常の中で彼に寄り添いました。
手を差し伸べることが、ただ嬉しかったのです。
……ふふっ、いえ、違いますね。
感謝されることが、嬉しかったのです。
だって人間さん、何をしても「ありがとう」と言ってくれますから。
いつの間にか彼の中で私は「必要な人」になっていた。
そしてその逆もまた……
4:✝︎名無しの堕天使✝︎
ある日のこと、彼がこう言ってくれました。
「君といると、もう昔の自分には戻れない気がする」って。
それは愛の始まりでした。人間とはとても素直なものですね。
ちょっと目があったり、手が触れたりするだけで、すぐに顔を赤くしてしまう。初心で健気でかわいいかわいい私の恋人。
人間さんと蜜月を過ごすうち、ああ、彼が普通の幸せに到達してしまう──そう思ったのです。
それは、堕天使として見逃せません。
5:✝︎名無しの堕天使✝︎
その夜、私は言いました。
「あなたのような方は、私でなくてもよろしいのでしょう?」
彼は笑って否定しましたけれど、私はそれに応じませんでした。
翌日も、翌週も、私は以前のようには接しません。
連絡を返すまでの間を、ほんの少しずつ長くして。
いつもの散歩の誘いを、曖昧にして。
彼の顔から笑顔が消えはじめたのは、その頃から。
その痛み、その困惑、その焦りこそが、“かわいそう”の種子。
6:✝︎名無しの堕天使✝︎
三週間経ったある日、彼は泣きながら玄関先で私を呼びましたの。
「何か悪いことをしたなら、言ってほしい」って。
「ごめん、もうどうしたらいいか分からない」と。
ああ、愛しい方。あなたは何も悪くないのに──でも、そう言ってくれるのですね。
私は玄関を開けませんでした。ただ、内側から小さく呟いたのです。
「ごめんなさい。ひとりになりたいだけですから」
声を押し殺して泣く音が、扉越しに聞こえてきました。
不埒にもすすり泣く声をオカズに4回くらい達してしまいました。
このときすでに、彼の世界は私を中心に回っておりましたの。
7:✝︎名無しの堕天使✝︎
数日置いて、私はふたたび彼の前に姿を現しました。
「ごめんなさい、心配させてしまいましたね……」
そう言って微笑みながら、彼の手にそっと触れました。
まるで崩れ落ちるように、その場にしゃがみこんで泣きだした彼を抱き締めながら、私は思いました。──この方はもう、私なしでは立っていられないのだと。
こんなにも繊細で、愛おしい存在。
それからの数日は、たくさん甘やかして差し上げました。じっくりと祝福し、もう私以外の異性は考えられないと思うくらい徹底的に。
安心させて、包みこんで、また笑顔を取り戻させて……その分、次はもっと深く堕とせます。
今目の前で幸せの絶頂にあるこの笑顔が、苦悩と絶望に歪む姿が楽しみで仕方ありませんでした。
8:✝︎名無しの堕天使✝︎
安心しきった頃を見計らって、今度はそっと距離を取りました。
「あなたのような優しい方は、もっと素敵な人と出会うべきです」
まるで祝福を贈るかのように、そっと言葉を置きました。
彼ははじめ、黙って微笑みを返してきましたけれど、
その目の奥には不安が揺れていました。
“君が幸せならそれでいい。けれど、できれば僕を置いていかないでほしい”と、メッセージが送られてきた時は愛おしさでどうにかなってしまいそうでした。
……かわいそうで、かわいい。こんなにも愛されてしまったら、
私、もう引き返せませんね。
9:✝︎名無しの堕天使✝︎
最後の仕上げは、ささやかな裏切り。
あの方の目の前で、ほかの人間さんの肩に手を添えて、笑顔を見せました。
ほんの数秒──それだけで十分でした。
帰り際、彼は何も言いませんでしたけれど、その夜の電話越しに聞いた声は嗚咽を伴って、かろうじて聞き取れるほど揺れていました。
“もう、誰を信じたらいいか分からない”
“でも君だけは、僕のそばにいてくれると思ってた”
……ああ、これ以上、かわいそうで、可愛い人間さんがいるでしょうか?
あのときの彼は、本当に美しかった。
人間の魂が、依存という鎖に絡め取られていく瞬間を、私はずっと忘れません。
10:✝︎名無しの堕天使✝︎
それからは、もう手放しませんでした。
毎朝「愛しています」と声をかけ、夜はハメ潰して。
ご飯も、お風呂も、着るものも、ぜんぶわたしが決めました。
ええ、彼はもう、何も選ばなくてもいいのです。
「君がいなければ僕は壊れてしまう」
「君の声が聞こえないと、夜が来たのかも分からない」
その言葉を初めて聞いたとき、わたし、ひどく満たされました。
これこそが、“祝福”の完成形。
魂と魂が、やさしく絡まり合う瞬間ですわ。
11:✝︎名無しの堕天使✝︎
……とまあ、これが私の“かわいそう”な人間さんのお話ですよ。
やりすぎかしらと思うことも、確かにあります。
けれど、愛とは時に、ほんの少しの苦しみを伴うものですから。
彼はかつてよりもずっと可愛く、ずっと愛され上手になりました。
かわいそうで、かわいい──その極致にある姿こそ、
私たち堕天使が人間に贈るべき、“本当の救い”なのではなくて?
ふふ……
皆さまのご体験も、ぜひお聞かせくださいね。
12:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>11
完璧すぎて、思わず嫉妬してしまいます……。
でも、きっと“あの方”がそれほど素直だったのですね。
私の人間さん、あまり素直な方ではなくて。
つい意地悪してしまうのに。祝福の時は素直になってくれて「……君だけは、僕に優しいから」って。
あの言葉、何度も聞くうちに……
私の方が依存しているのかもしれません。
13:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>11
私の方では、最初に“守られる側”を演出して懐に入りました。
人間さんって、弱々しいのに「誰かの役に立ちたい」って願望が強いのですから。
あえて道に迷ったふりをして助けを乞い、「あなたがいなければ、私……」って震えてみせたら、ものの見事に救済者になりきってくださいました。
そこからの逆転……ふふ、お話できる日があれば、ぜひ。
14:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>11
拝見して、ほんの少し勇気をいただけました。
本当に依存させてしまったら戻れない気がして……でも、
「戻れない」という状態そのものが、すでに“幸福”なのでしょうね。
次に会ったときは、ちょっとだけ冷たい目をしてみようと思います。
──ほんの少し、泣いてくださるといいのですけれど。
15:✝︎名無しの堕天使✝︎
新参ですが、私もいいでしょうか?
16:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>15
もちろん歓迎しますよ
17:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>15
新たな同胞のお話、とても楽しみです
18:✝︎名無しの堕天使✝︎
では、僭越ながら。
少し前、人間さんが香水を贈ってくれたんです。
「これ、君に似合うと思って」って。とても、とても嬉しくて、飛び上がってしまいそうな気持ちでした。
だからこそ、箱のまま大事に飾っているんです。
開封もせず、ラッピングもそのままで──
いつでも目に入る場所に置いてるんです。
……決して、使ってしまわないように。
あの方が気づいてくれるまで、ずっと。
19:✝︎名無しの堕天使✝︎
代わりに、違う香りを纏ってみたんです。
いえ、特に意図があるというわけではなく……
ただ、わたしには少し華やかすぎるような、甘い果実のような香りを、さりげなく。
それから、少しだけ服装にも変化を加えて──
袖の透けたブラウスや、爪先の赤いグロスなど。
ほんの少し、人間さんの知らないわたしを演出してみたのです。
20:✝︎名無しの堕天使✝︎
人間さん、最初は何も言いませんでした。
でも、ある日の夜、「新しい香水?」と尋ねられました。まるで今気づいたかのような、稚拙で可愛らしい演技で。
わたしは「ええ、たまには気分を変えてみたくなりまして」とだけ答えました。
それ以上は問われませんでしたけれど──
その後の彼の沈黙、視線の揺れ、そして、決して開かれず飾られるだけのプレゼントを見つめていた寂しげな後ろ姿。
すべてがわたしの宝物です。
21:✝︎名無しの堕天使✝︎
数日後、彼は少し笑ってこう言いました。
「……最近、すごく綺麗になったね」って。
私は微笑み返しました。「まぁ、ありがとうございます」って。
でもその後、彼は少しだけ視線を逸らして、
「……なにか、変わった事とか、あった?」
そう、ぽつりと呟かれたのです。
その声音の、寂しげな響きが、耳に、胸に、深く残りました。
不安に駆られるその顔を見て、安心させてあげたくなる気持ちを抑えて、至極不思議そうに言いました。
「いいえ?特に何も」と。
22:✝︎名無しの堕天使✝︎
その日、彼が帰ったあと、ふと見れば、贈られた香水の包装が──少しだけ、乱れていました。
おそらく彼が触れたのです。開けるか、開けまいか、きっと迷われたのでしょう。
でも、開封はされてませんでした。
……ふふ、信じたい気持ちと疑いの間で揺れる、その姿。
とても、とても可愛らしいものです。
23:✝︎名無しの堕天使✝︎
ある日、男物の香水をひと吹きだけ、本当に薄く、纏わせてみました。
今まで使っていたものでもなく──ほんのりと艶やかな、異性の匂い。
彼はその匂いに、すぐに気づいたようでした。
「……知らない香りだね」と、ぽつり。
そのとき、目が合わなかったのは──
きっと、わたしのせいでしょう。
24:✝︎名無しの堕天使✝︎
問い返すことはしません。
ただ、静かに微笑んで、「似合っていますか?」とだけ。
すると彼は、「……似合いすぎて、少し怖いよ」と。
ああ、なんて素敵な言葉。
香りだけで、そこまで心を揺らがせることができるなんて──
愛って、残酷で、美しい。
25:✝︎名無しの堕天使✝︎
彼は言葉少なで、お茶も一口だけ飲んで、早くに休んでしまいました。
「なんでもないよ」と言った声が震えていて、手は、少しだけ冷たかったのです。
それを見て、そっと包んであげるふりをして、全身に残る香りを、彼にたっぷりと吸わせてあげました。
──忘れられないように。
26:✝︎名無しの堕天使✝︎
その日から彼は少しだけ、私と距離をとっていました。
そして、香水の箱を見つめながら、「……あれ、いつか使ってくれるかな」って。未だラッピングのリボンすら解かれない箱は、只々そこにあるだけでした。
その言葉が、問いなのか、願いなのか、
わたしは──あえて答えませんでした。
曖昧なままにしておく方が、人はよく揺れますから。
それこそ、心の“可愛さ”が育つ土壌になるでしょう?
27:✝︎名無しの堕天使✝︎
贈られた香水は、いまだにそのまま飾ってあります。
時折、箱の向きを少し変えて、積もる埃を綺麗に払って。
“忘れていない”ことだけは伝えておくのです。
「使ってもらえないのは、嫌いだからかも」
そんな風に思ってしまう彼の、柔らかくて脆い心──その心が壊れてしまわないように、ゆっくりと、ゆっくりと締め上げる。
今彼を焦がす激情がわたしによって救済された時、あなたはどんな顔をしてくれるでしょうか……。
28:✝︎名無しの堕天使✝︎
彼ももうそろそろ食べ頃ですから……。もう少し、もう少しと思う気持ちもありますが、壊してしまっては意味が無いですしね。このスレが完走したら、私も彼を頂こうと思います。
29:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>28
「似合いすぎて、少し怖いよ」……この一言、たまらなく愛おしさが溢れてきますね。
怖がるということは、彼の中に「失うかもしれない」という予感が芽生えたということ。
その小さな芽に、わたくしたちは“優しさ”の水を注ぐ。
時に冷たく、時にぬるく──
そうして、依存という名の蔓が彼の心を締め上げていくのですね。
実に、実に素晴らしい。
30:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>28
思わず深く頷いてしまいました……。
香水を使わない選択、わたしにはできないでしょうね。
つい、嬉しくて纏ってしまいそう。
その瞬間に“安堵”を与えてしまう。
この話を聞いたのが今でよかったです。ああ、わたしも揺らぎの中に誘えるかしら。
31:✝︎名無しの堕天使✝︎
これは……ただの駆け引きではありませんね。
きっと、深い慈しみの中で織られた、言わば信仰の試練。
信じたいのに揺れる。信じているのに不安になる。
──この繰り返しこそ、人間さんを“堕ちないまま縛る”術なのでしょう。
わたしも、あの方の手紙を何通か破いて棄ててみようかしら。
──あえて、見つかるように。
32:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>28
わたくし、その技法の美しさには深く感じ入りましたが──
それでも、ひとつ懸念がございます。
香水という“心を込めた贈り物”を前にして、あえて別の香りを纏うこと。
それは彼にとって“拒絶”と映る恐れもあるのではありませんか?
心が脆い方ならば、それだけで折れてしまうかもしれませんわ。
33:✝︎名無しの堕天使✝︎
折れる心など、もとより救済には値しません。
我らが見るべきは、折れかけて、それでも伸ばされる手。
香水を使わぬのは、心を弄ぶのではなく、育てる行いです。
“使われない”ことで芽生える疑念、それをもって彼は我々を意識するのです。
甘やかな痛みこそ、依存の種──そうではありませんか?
34:✝︎名無しの堕天使✝︎
同意いたします。
拒絶と見せかけて、その実“期待”だけを与える──
まさに、確信なき愛の形。
人間さんがひとり葛藤する姿は、何よりも美しい。
その葛藤にわたしたちがそっと寄り添えば、
彼らの心は、自ずとわたしたちへと傾くものでしょう
35:✝︎名無しの堕天使✝︎
ですが、寄り添いの“間”を誤れば──取り返しがつかないこともございます。
贈り物は言わば心そのもの。
人間さんは“贈り物が無視された”という記憶は、傷となって残るもの。
一歩間違えれば、それは愛ではなく、喪失の象徴として刻まれますわ。
“可愛くする”ために、彼らを“壊してしまっては”──意味がありません。
36:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>35
なればこそ、壊れる限界を見極める目こそが、我々堕天使に求められる資質ではないでしょうか?
我々は、彼らに試練を与えながらも、必ず見ております。
限界の一歩手前で手を差し伸べ、“あのとき救ってくれた”という記憶を、希望を焼きつけるために。
香水をめぐる揺らぎこそ、“確かな救済”への導線なのですわ。
37:✝︎名無しの堕天使✝︎
ふふ……それこそが、“かわいそうはかわいい”の真髄ですね。
捨てられたと思った瞬間に差し出される手。
無視されたと思ったときに感じる微笑みの温もり。
私達は天使のように“天秤の片側に重りを置き続ける者”ではありません。
左右に揺らし、心を波立たせる者──
そして最後に、彼らの祈りとなる存在なのですから。
38:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>37
ただし……。
救済のタイミングを誤った同胞もおります。
“揺らしすぎた結果、祈りが他所へ向かってしまった”事例。
わたくしたち堕天使が忘れてはならぬのは、“彼らが自ら歩む意思を残す”ことですわ。
香水一滴で心を閉ざされることもある──
だからこそ、観察と共感の技術を磨かねばなりません。
39:✝︎名無しの堕天使✝︎
彼らの“心を折らずに曲げる”ことは、極めて繊細な技巧。
香水の話ひとつ取っても、彼の性格・経験・劣等感──
それら全てを読み解き、先回りして構築せねばなりません。
この道に、正解などありません。
それでも、追い求めてしまうのが、堕天使の業というものでしょうか。
40:✝︎名無しの堕天使✝︎
……ええ。
完璧なものは美しいゆえに退屈です。
わたくしたちは、完璧な神の下から堕ちてきた者。
未完成で、揺らいで、失敗するからこそ──
彼らに寄り添えるのかもしれませんわね。
香水も、記憶も、後悔も……すべてが、わたくしたちの“福音”ですわ。
……願わくば、次の香りが、人間さんの夢に届きますように。
41:✝︎名無しの堕天使✝︎
“可愛くする”というのは、何も装飾を施すことではありません。
むしろ、余計なものをひとつずつ剥ぎ取り、無防備で愚かな、“彼そのもの”に還らせることこそが可愛らしさの源だと思うのです。
たとえば、自立心。これは実に厄介。
“頼らせる”のではなく、“依存させる”ことが、要諦だと思うのですが、いかがでしょう?
42:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>41
同意です。
さらに羞恥もまた、重要な鍵ですね。
彼らは羞恥を嫌うように見えて、実のところ、“見られていること”に心を震わせているのですから。
これを上手く利用出来ればさらに深い祝福ができるはずです
43:✝︎名無しの堕天使✝︎
選択肢を減らしてあげるのも有効かと。
“決める自由”を失わせ、“与えられた安心”に甘えさせる。
これもまた、“幼さ”を引き出す技巧のひとつです
44:✝︎名無しの堕天使✝︎
無力感を自覚させるのも、可愛らしさの養分になりますわ。
わたくしは、あの方の出勤前、わざと鞄を取り上げて隠してみました。
それはもう困った顔で玄関に立ち尽くして……
「今日は行かなくてもいいよね?」と囁いたら、
「うん……いいかも」と肩を落として微笑まれたのです。
あの一瞬の、情けなさと甘えが混ざった笑顔──忘れられません。
45:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>44
素晴らしき試みです。
“守ってあげたい”ではなく、“守られるしかない”という認識を彼に根づかせる──
そのためには、ほんの些細な“失敗”を誘発する必要がありますね。
鍵を忘れさせる、携帯を遠ざける、寝坊させる──
全ては、「彼にはわたくしが必要だ」と思わせる準備。
ああどうしましょう。今すぐ試したくて羽の付け根がウズウスします……
46:✝︎名無しの堕天使✝︎
わたし、最近謝らせることに重きを置いております。
無理にではありません。ただ、さりげなく。
ティーカップを落とされたとき、「まぁ、そんなこともございますわね」とちょっとため息混じりに笑っただけなのに、「ごめんなさい……」と呟いて頭を下げられたときのこと──
“許されたい”という気持ちが、何より可愛らしい。
47:✝︎名無しの堕天使✝︎
謝罪の言葉には、“自己評価の低下”が滲み出ますよね。
そこへ愛情を注げば、“こんな自分でも愛される”という勘違いが育つ。
やがてそれが信仰に変わり、わたくしたち堕天使を“救いの象徴”として崇め始めるのです。
──ええ、まさに理想的なかわいらしさ。
48:✝︎名無しの堕天使✝︎
しかし、皆々様、忘れてはなりません。
“可愛くなりすぎる”と、我々の方が縛られます。
愛らしさとは、毒にもなる。
だからこそ、間を空ける、“冷たさ”も同時に持たねばなりません。
彼が涙を流したら──その夜は、何も言わずに背を向けて眠る。
……そうすることで、翌朝の“ありがとう”は、より美しくなるのですから。
49:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>48
肝に銘じますね
50:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>48
我々まで篭絡しようとは罪な方々です
51:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>48
その静寂こそが、愛の深さを測る試練でしょう。
声なき慈愛、触れぬぬくもり、許さぬ赦し。
全てが人間さんをより“可愛くする”ための、神聖なる躾ですもの。
わたくしたち堕天使は、ただ与えるのではなく、“奪ってから与え直す”という方法で、彼らの心を磨いてゆく。
──それこそが、堕天使の福音であり、祝福ですわ。
52:✝︎名無しの堕天使✝︎
では私のお話もひとつ、聞いていただけますか?
53:✝︎名無しの堕天使✝︎
>>52
もちろんです。楽しみにしてます
54:✝︎名無しの堕天使✝︎
わくわくドキドキ、です。
55:✝︎名無しの堕天使✝︎
では失礼して。
わたくしの人間さんは、一度わたくしのもとを離れました。
──自立するため、と仰って。
ええ、それは誇らしいことでした。
けれど、同時に、あまりに幼稚で拙い判断でもありました。
56:✝︎名無しの堕天使✝︎
最初の数日は、何もせずに過ごしました。
心配する様子も、探す素振りも見せず。
彼の中で“わたくしが必要ではない”という考えが、どこまで続くのかを見たかったのです。
57:✝︎名無しの堕天使✝︎
ですが、人間は弱いものです。
寂しさに耐えかねたのか、夜半、何度もわたくしの部屋の前を通っておりました。
物音一つ立てずに、ただ──立ち止まって。
それでも声はかけませんでした。だめ、まだ早いから。
58:✝︎名無しの堕天使✝︎
それから数日後、彼は贈り物をしてきました。小さなブレスレット。
もちろん嬉しかった。でも、受け取りませんでした。
「頂いても、似合いませんから」と、送り返す箱の中にその手紙を添えて。
59:✝︎名無しの堕天使✝︎
彼、半狂乱になって「ごめんなさい!ごめんなさい!」って叫び散らして……。私が声をかけたらまるで捨て犬みたいに媚びた表情で私からの許しを待って……なんて滑稽で可愛い生き物なのでしょう。
彼は気づいてしまった。私無しではもう生きられないことに。
依存とは、後戻りではなく、再発見に過ぎません。その時私は気づいたのです。
60:✝︎名無しの堕天使✝︎
翌日から、彼は毎日わたくしに話しかけるようになりました。
「今日は少し寒いね」とか、「花が咲いてるよ」とか、──まるで、承認を求めるように。
わたくしは、ただ頷くだけで応じておりました。
61:✝︎名無しの堕天使✝︎
決定的だったのは、一週間後です。
彼が風邪を引き、寝込んだと聞いた夜──何も言わずに、そっと看病に伺いました。
彼の手は熱く、声は震えていましたが……「来てくれると思った」と、笑ってくれました。
62:✝︎名無しの堕天使✝︎
私は、何も言わずに手を握りました。
「そばにいてください」と彼が願うまで、待ち続けて。
そしてようやく、絞るような声でそう言ったとき、ようやく──「いい子ですわね」と囁きました。
63:✝︎名無しの堕天使✝︎
彼は、また依存するようになりました。
でも、以前よりも深く、慎ましく、“自分から望んで依存する”という姿勢になっておりました。いくら絶望のどん底に叩き込んでも、その目の奥には必ず助けてくれる安心感から来る希望の光が見えました。
ええ、それこそが真なる信頼。私と彼を結びつける運命の赤い鎖。
64:✝︎名無しの堕天使✝︎
依存とは、強要してはなりませんの。
ただ、居ること──そして、離れたときにこそ、
“どれほど必要だったか”を痛感させること。
故にこそ離れ得ぬ絆が生まれるものでしょう?
65:✝︎名無しの堕天使✝︎
ほんとうに、人間さんというのは──
脆くて、愛おしくて、抱きしめたくなる存在ですね。
壊さぬよう、しかし離さぬよう。
その狭間で揺れる手応えこそ、わたくしたちの悦びと改めて感じさせてくれます。
66:✝︎名無しの堕天使✝︎
大天使ルシフェル……かわいそうはかわいい、その言葉の意味……
ようやく、少しだけ分かってきた気がいたします。
彼らの涙が、こんなにも美しいものだとは──昔のわたくしには、きっと見えなかったでしょうね。
67:✝︎名無しの堕天使✝︎
依存させ、慈しみ、時に突き放す。
それは残酷なようでいて──人間さんにとって、唯一の“安心できる不安”なのかもしれません。
……私達は、救いを求める者に手を差し伸べるだけでいいのです。
68:✝︎名無しの堕天使✝︎
夜の長い時代でございますもの。
彼らを迷わせる風も冷たくて。
──せめてこの翼の下では、安らいでくれますように。
ほんの一瞬で構わないから、“救われた”と思っていただけたなら──
69:✝︎名無しの堕天使✝︎
誰かを“可愛くする”とは、そのひとを“ひとりでは居られなくしてしまう”ということ。
ほんとうに、残酷で、やさしいこと。
……それでも、わたしは、この背負うべき罪をどうしようもなく愛しています……
70:✝︎名無しの堕天使✝︎
人間さんがわたくしたちに縋る時、それは痛みに満ちていて──だからこそ、美しいのですわ。
愛とは救済ではなく、共鳴する歪み。
……そんなふうに思える夜でしたの。おやすみなさいませ。
1000:✝︎名無しの堕天使✝︎
今宵もまた、誰かの可愛さが深まりますように。
そして、いつかきっと“愛されるための哀しみ”に出逢えますように。
ではまた、同じ空の下で──
スレッド閉じますわね。ごきげんよう。
1001:✝︎名無しの堕天使✝︎
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
堕天使: 人間界に降りてきて長く留まった天使が稀に変化した姿。人間のことをよく理解し、故に近い距離で接する。この性質から異種族の中では種族総数における彼氏持ちの割合はユニコルノの100%についで89%と非常に高い水準を誇る。人間の感情の機微に深い関心を抱いており、それを引き出すためには割と悪辣な手段も使う。
表面上は優雅で理知的、何より社交的だが、内心は人間に対する強烈な執着と欲望を抱えており、他種族のどれよりも、下手をすれば人間よりも人間のことを深く理解していることも相まって接触は非常に危険である。人を堕落させることを至上の喜びとしており、これを危険視されてかつては接触禁忌種族だった歴史がある。長っっっがい谷間と、同じくらい深く優しさを湛えた笑顔に騙されないこと。
人間: 心の弱ぇ生き物。天使と違い神聖な雰囲気もなく、気さくに接してくれる堕天使を見て『俺でも付き合えそう』と思ってほいほいついていく。警戒心の欠けらも無いクソザコ種族。
堕天使に捕まった人間はもれなく依存状態となり、堕天使と引き離されると精神崩壊を起こす。かわいそう。
大天使ルシフェル: 最初の堕天使。『かわいそうはかわいい』と説き、多くの天使を堕天させた。大戦犯。