AI: ソムニウム ファイル THE futurity Decker 作:ガンダムラザーニャ
毎週土曜日投稿予定ですので、読者の皆様、どうか温かい目で見守ってください。
また活動報告も作りましたので、皆様のリクエストをお待ちしております。
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俺こと明日見 彼方はある場所で働いている。
この街にある洋菓子店・シャルモンで、俺は住み込みで働かせて貰っている。
「坊やぁ!
アップルパイが出来上がったわよぉ!!」
「はぁい!
今行きます鳳蓮さん!」
俺の仕事は、この店のパティシエである鳳蓮さんの手伝い全般だ。
そして、今日もお客さんから注文を受けたケーキを作っていく。
「……よし」
鳳蓮さんと作った、渾身の出来栄えだ。
「坊や、これを持っていってちょうだい」
「はい」
完成したばかりのアップルパイを箱に詰めて、それを厨房の隅っこに置いておく。
すると数分後、それを見た鳳蓮さんが満足げな表情を浮かべるのだ。
「うん、いい出来ね。じゃあ次のケーキに取り掛かるわよ?」
「はい!」
それから仕事も一段落して、裏で休憩していた。
すると鳳蓮さんはコーヒーを持ってきてくれた。
「お疲れ坊や」
「ありがとうございます」
差し出されたコーヒーを受け取りながら、椅子に座って一息つく。
「それで、調子はどうなの?」
「えっ、特に体調が悪いってことはないですよ」
「違うわよ!
記憶よ記憶!
12年前以前のき・お・く!」
「…あー」
そう、俺には12年前からの記憶がない。
あるのは、突撃してきた車の前に立っていたこと、俺と瓜二つの顔をした少年、銀河のような星の光の巨人の3つの手がかりだけだ。
それに何故か時々頭が痛くなってしまう。
それに俺は名前もわからなくて、路頭に迷っていたところを鳳蓮さんが拾ってくれたんだ。
それから今の名前をもらって、こうして働かせてもらってるというわけだ。
「すみません、まだ何も思い出せなくて」
「あらそうなの? それは残念ねぇ」
本当に残念そうだ。
「でも、焦らない方がいいと思うわ。時間はたくさんあるもの」
「……はい」
確かにその通りかもしれない。
焦ってもしょうがないもんな。
「まぁでも、そのうち何かしら思い出せるかもね」
「そうですね」
「……」
ドゴーンッ!!!
その瞬間、どこか近くで何かが爆発する音がした。
「な、何だ!?」
「坊や、あれを!」
建物を出て、上空を見上げる。
「…っ、あれは!」
そこにいたのは、怪獣だ。
街を破壊していく巨大な怪獣がいた。
だがそれ以上に、あの怪獣を見た瞬間に強い頭痛を感じた。
「ぼ、坊や!?
しっかりなさい!
どうしたというの!?」
鳳蓮さんが必死に呼びかけてくれるが、俺は今それに答えれる余裕がない。
むしろ頭痛が強くなって、今にも頭が割れそうだ。
だが、少しずつ何かの映像が頭の中に入り込んでくる。
銀河の光、光の巨人、2つのアイテム。
何がなんだかわからない。
だが、これだけははっきりとわかる。
あの怪獣を、倒さなくてはならないということが。
そうとわかった時には、スッと頭痛が治まり、怪獣に向かって走り出していた。
「ぼ、坊や!?
どこに行く気なのよ!?」
「すみません鳳蓮さん!
俺があいつを食い止めますので、鳳蓮さんはお客さんを避難させてください!」
俺はそう言い残し、怪獣に向かって走り出した。
どうするべきかなんてわからない。
無茶だというのはわかってる。
でも、止めなくちゃいけないんだ!
俺の中の何かが、そう叫んでいるんだから!
逃げ惑う人々の中を掻き分けながら走る。
すると、一人の子供の頭上に瓦礫が落ちてくるのが見えてしまった。
「危ない!」
「ぐっ!」
間一髪で子供を突き飛ばして助けることができた。
それと引き換えに自分が瓦礫の下敷きになってしまった。
「くそっ、動けない……」
痛みはない。
しかし、体がまったく動かないのだ。
そして、そんな俺を見下ろすように怪獣が迫ってきた。
「まずいぞこれは……!」
「グォオオオッ!!」
そして、怪獣は腕を振り上げて……。
その時、俺は光に包まれた。
「…は?」
瓦礫の下敷きになっていた体が自由に動く。
けど、ここはどこだ?
あの怪獣は?
逃げてた人たちはどうした?
駄目だ、周りが光で何も見えない。
そう思ってると、目の前に宇宙の銀河の風景が映し出された。
そこでも俺は頭痛を覚えた。
だが見覚えがある。
これは頭痛が起きてる時には見えた映像の一つだ。
すると、目の前に2つの物が現れる。
一つはデッキケースのようなアイテムで、そこから光の巨人が描かれたカードが一枚出てきた。
もう一つは、その光の巨人を模したアイテムだ。
「これ、俺が使うのか?」
訳がわからないまま、俺はその2つを手に取った。
すると一気に何かが頭の中に流れ込む。
光の巨人の名前、使い方、そして怪獣と戦う使命。
その全てが理解できた。
気がつけば、その2つのアイテムが両腰に装置されていた。
「…よくわからないけど、やるしかない!」
俺はあの怪獣を倒すために、覚悟を決めた。
右腰のデッキケースからカードを一枚取り出し、左腰のアイテム・ウルトラDフラッシャーへと挿入する。
【ウルトラディメンション!】
フラッシャーを手に取り、下部のレバーを引くと、角のように伸びる。
俺はフラッシャーを高く上へと持ち上げ叫ぶ。
「輝け!フラッシュ!デッカー!!」
そしてフラッシャーを自分の顔の前へと持っていきトリガーを押すと、俺はより強い光に包まれた。
【ウルトマランデッカー!フラッシュタイプ!!】
気がつけば、俺は街へと降り立ち、目の前の怪獣を見る。
一瞬怪獣が縮んだのかと思ったが違う。
俺がデカくなったんだと言うことがはっきりとわかる。
それに手を見ると、手が銀色になっていた。
いや、もう体全体が変わってるようだ。
足元を見ると大勢の人たちが逃げてる。
まずい、目の前の怪獣が突っ込んできたら、大惨事だ!
「よし、行くぜ!」
俺は足に力を入れて飛び上がった。
ビルよりも高く舞い上がり、そのまま怪獣の顔面に飛び蹴りを食らわせた。
「ギャアァアッ!?」
キックは見事に決まり、怪獣はそのまま倒れ込んだ。
「まだまだぁ!」
俺は怪獣を持ち上げ、どこか人のいない場所を見て探す。
その先には広場があって、そこには人がいないようだ。
そこなら思う存分戦える!
俺は怪獣を投げ飛ばした。
そして、怪獣を追って自分もジャンプして空中で掴みかかると、地面に叩きつけた。
「グガガッ!?」
起き上がる隙を与えず、連続でパンチやチョップを繰り出す。
だが怪獣が踏ん張って、俺を吹き飛ばした。
「うわぁ!?」
吹き飛ばされながらも、何とか着地した。
すると、怪獣は口から火を吐いてきた。
「あぶねぇっ!」
慌てて横に転がるように避けると、さっきまでいた場所に炎が広がる。
あんなの食らったらひとたまりもないな……。
だが、だからって諦めてたまるか!
今度はこっちから攻める!
俺は怪獣に向かって走り出す。
怪獣も俺に向かって走って来て、お互いの距離が近づいた瞬間に、俺は拳を突き出した。
「はああっ!!」
「グォオオオッ!?」
俺の拳が怪獣の腹に命中し、怪獣は腹を抱えて悶絶していた。
このチャンスを逃すわけにはいかない。
だが、こいつを倒す決定的な攻撃が今の俺にできるのかと考えると、頭の中で感じ取った。
「そうか、これなら!
…はぁあああああ!!」
一度両手を額の前に持っていきひし形を作り、そのまま手を大きく回した後でクロスさせる。
すると両手に強力な力が感じられるようになった。
そのまま、両手を十字にしてその力を放つイメージをした瞬間に強力な光線が怪獣に向かって放たれた。
「グゥオオォオオッ!!」
それは見事命中した。
怪獣は断末魔を上げて倒れた後、爆発した。
「……勝った、んだよな?」
俺は変身を解き、元の姿に戻った。
辺りを見渡すと、避難してた人たちは無事だったようでホッとした。
「よか…った…」
安堵したからか、俺の体にドッと疲れが押し寄せてきた。
体が重い。
俺はその場で倒れそうになる。
「…はっ!坊や!」
すると俺を探しに来てくれたのか、鳳蓮さんが走って俺を支えてくれた。
「ほ、鳳蓮、さん…」
「もうっ、どこに行ってたのよ!
心配したじゃない!」
「すみません、ちょっと色々あって、それで、えっと……」
「何?どうしたの?」
「俺、今、急に眠くなって……て……」
「ちょ、ちょっと大丈夫!?しっかりなさい!」
俺は何とか意識を保ちながらも、鳳蓮さんに運ばれる形でシャルモンに帰るのであった。
明日見 彼方(あすみ かなた)
本作の主人公でウルトラマンデッカーの変身者。洋菓子店シャルモンで住み込みで働く青年。明るく正義感のある性格で、どんな相手にも果敢に立ち向かっていく。ある事情で12年前からの記憶がなく、名前も鳳蓮に拾われた際に名付けられた。
容姿はAI: ソムニウム ファイル ニルヴァーナ イニシアチブの龍木だが義眼ではない。
鳳蓮
洋菓子店シャルモンで働くパティシエ兼店長。鍛えに鍛え抜かれた体格にスキンヘッドに黒いバンダナをしており、上品なオネェ口調で喋る。フルネームは鳳蓮ピエール。パティシエとしての腕もすごい。本物に拘ってとても厳しいが同時に面倒見の良い性格。
容姿は仮面ライダー鎧武の凰蓮・ピエール・アルフォンゾ。