AI: ソムニウム ファイル THE futurity Decker   作:ガンダムラザーニャ

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前回の続きです。

新しく活動報告作りましたので、皆様のリクエストをお待ちしております。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=285865&uid=99940


過去との邂逅・後編

しばらくして落ち着いてから、俺はこの目の前にいる幼い簪ちゃんと目を合わせる。

 

「…えーと簪ちゃん?

確かお姉ちゃんたちと一緒に来たって言ったよね?」

 

「うん…。

でも、迷子になっちゃって」

 

「じゃあ俺も一緒にお姉ちゃんたち探してあげるよ。

…えと、お姉ちゃんの名前ってわかる?

あと、どんな見た目してるとか」

 

「うん、えーとね?

刀奈って言うの。

刃物の刀に、奈良の奈って書くけど。

わたしと違って、メガネかけてなくて、わたしと同じ髪色してるけど、外側にはねてるかんじなの」

 

そう言って彼女は自分の髪を指さした。

 

…そうか、簪ちゃんには姉がいるのか。

 

「…そうなんだ。わかった、とりあえずその刀奈ちゃんを一緒に探してあげるよ」

 

「ありがとう!」

 

そう言うと、彼女はニコッと微笑んでくれた。

 

それから森の中を歩きながら話を聞いた。

 

「にしてもそのお姉さんたちもそうだけど、簪ちゃんもここによく来るの?」

 

「ううん、初めて。

お父さんたちのおしごとの都合で来たの。

あまり一緒にいてあげられてないから、お父さんたちがお話してる間にお姉ちゃんと鬼ごっこしてたんだけど、はぐれちゃって…」

 

「なるほどねぇ……」

 

確かに彼女の親御さんの職業がなんなのかはわからないけれど、仕事柄なかなか子供に構ってやれないというのはよくあることだし、きっと寂しい思いをしているんだろうなぁ。

 

にしてもお姉さんの刀奈ちゃんと遊んでいた、か。

 

「変なこと聞くようだけど、お姉ちゃんとは仲良いんだね。

遊んでくれてるみたいだし」

 

「うんっ!

お姉ちゃんね、すごいの!

賢くて優しくて運動神経もよくて、わたしのこといつも守ってくれるの!」

 

「そっか〜、それは頼もしいなぁ」

 

「だからわたしも早く大きくなって、強くなって、お姉ちゃんを守るんだ!」

 

「おおぅ、それは凄い目標だなぁ」

 

妹思いの姉、か。

 

…けど、そうだとするなら未来に、俺たちの世界の簪ちゃんはどうして家出しちゃったんだろ?

 

この6年間の間に、一体何があったんだ?

 

…まぁ、これは未来の話、今の簪ちゃんに言うべきじゃないな。

 

言っても信じてもらえないかもしれないし、言って未来がどう変わるかもわかったものじゃない。

 

多分、簪ちゃんにも複雑な事情があるんだろうな。

 

とにかく、今はこの過去の簪ちゃんを刀奈ちゃんの所に連れて行ってあげないと…!

 

「あれ?

何だか霧がこくなってきてる?」

 

「簪ちゃん!

俺から離れないで!」

 

俺は簪ちゃんを抱き寄せ周りを見回す。

 

最初は薄く霧が出てたはずなのに気がついたら霧が濃くなってきてる!

 

おかげで周りがよく見えない状態だ!

 

『彼方、気をつけろ!

近くに怪獣の反応もある!しかもこっちに向かっているぞ!』

 

「なんだって!?」

 

「な、何が起こってるの!?」

 

徐々にズシンと振動の来る足音が聞こえてくる。

 

ようやく見える距離まで来て、その全貌が明らかになった。

 

銀色の体に赤いラインの入った、羊のように巻いた角を持つ怪獣だった。

 

「…マジかよ」

 

『彼方!

そいつは剛力怪獣 シルバゴンだ!

怪力だが動かないものには襲いかかってこない!

今は彼女に君の変身のことは知られてはいけないならその場でやり過ごすんだ!』

 

「…っ!」

 

俺はクロトさんに言われた通りに簪ちゃんを抱き寄せ、その場で動かないようにした。

 

すると銀色の怪獣・シルバゴンは一度俺たちを見てからそのまま森の奥へと去って行った。

 

「ふぇぇ……怖かったよぉ……」

 

「大丈夫だよ。もういなくなったから…!」

 

すると、シルバゴンが暴れだして、何かを襲い始めた。

 

よく聞くと、女の子の悲鳴が聞こえる。

 

「い、いまのお姉ちゃんの声だ!

お姉ちゃんっ!!」

 

「待てっ、落ち着け!」

 

「放してっ!!

このままだとお姉ちゃんが!」

 

俺の腕の中でジタバタと暴れる簪ちゃん。

 

…わかってる、大事な家族が怪獣に襲われてるんだ。

 

助けに行きたい気持ちはわかる。

 

でも簪ちゃんは幼いんだ、怪獣の所に連れて行くわけにはいかない。

 

「…簪ちゃん」

 

「ふぇっ?」

 

「大丈夫、お姉ちゃんたちは必ず俺が連れてくるから、ここで待ってて」

 

「えっでもそんなことしたら彼方さんがっ!」

 

「俺は大丈夫!

ウルトラマンが、助けてくれるから!」

 

「……ほんと?」

 

「ああ、本当さ」

 

「……うん、わかった。

お願いします、お姉ちゃんたちを……」

 

「任せてくれ。

君は絶対にここから離れないようにね?」

 

「うん……」

 

簪ちゃんを木の陰に隠れさせてから俺は走り出した。

 

そしてシルバゴンが見えてきたところでフラッシャーを取り出し。

 

「輝け!フラッシュ!デッカー!!」

 

『ウルトラマンデッカー フラッシュタイプ!!』

 

光に包まれて、俺はウルトラマンデッカーフラッシュタイプに変身しシルバゴンを羽交い絞めする。

 

「今のうちに逃げるんだ! 早く!」

 

足元にいる女の子、簪ちゃんが言ってた特徴と一致してる。

 

恐らくこの子が刀奈ちゃんだな。

 

とにかく彼女は黒服の男たちに周りを囲んでもらう形で、その場から逃げた。

 

よし、これなら…!

 

「うぉっ!?」

 

シルバゴンが体を大きく震わせて俺を振り下ろした。

 

地面に叩きつけられて、さらに追い打ちをかけるように何度も踏みつけてきた。

 

「がはっ、くそっ!

こいつ強い!」

 

腕でガードし、そのまま足を持ち上げるようにして転ばせ立ち上がる。

 

俺は一旦距離を取ってから手から光線を放つが、多少怯む程度ですぐに立ち上がってきた。

 

やつが尻尾を振り回してきたのでそれをジャンプして避ける形でそのままドロップキックをかまして蹴り飛ばした。

 

するとシルバゴンはそのまま吹き飛ばされ、何かにぶつかる形で地面に倒れた。

 

そのぶつかった何かを見ると、霧でよく見えないが明らかに怪獣だ。

 

「えっ、もう1体いたのか!?」

 

『待て、近くにもう一つ反応がある!』

 

振り向くと、同じく霧でよく見えないが、今度は人型のそれだ。

 

…何か、俺が変身してるデッカーと似てるな。

 

胸元のカラータイマーもそうだし、色もどこか。

 

けど向こうは剣を持ってるみたいだ。

 

『…なるほど、どうやら彼もあの怪獣と戦ってたみたいだな』

 

「そうみたいですね」

 

相手は誰なのかわからない。

 

けど、一緒に戦ってくれる味方だと言うことは直感でわかっていた。

 

だからここは力を合わせるためにその巨人の隣に来て構えた。

 

怪獣たちも咆哮を上げて俺たちに襲いかかってくる。

 

シルバゴンは俺が、もう1体の怪獣は巨人が立ち向かっていく。

 

シルバゴンの拳を受け流し、カウンター気味に横腹に一撃入れる。

 

巨人の方は怪獣の攻撃を素早い動きで避けながら、怪獣の足を狙って斬りかかる。

 

「すごい……! 俺より戦い慣れてる感じだ……!」

 

『彼方、油断するなよ?』

 

「はい!」

 

俺の方はシルバゴンの突進を受け止めてから投げ飛ばし、そのまま空中に飛び上がりかかと落としを決めた。

 

するとシルバゴンは地面を叩き割るほどの威力で落下。

 

地面に激突するが、頭をふらつかせる程度だ。

 

「効いてない……!?

ぐぁっ!?」

 

シルバゴンの突進に避けきれず、吹き飛ばされてしまう。

 

そしてまた起き上がろうとしたところをシルバゴンの強烈なパンチが顔面に入り、倒れこんでしまう。

 

危機的なピンチは、巨人も同じようだ。

 

と、その時に不思議なことが起こった。

 

「…え?」

 

何と、ディメンションカードが光り輝きだしたのだ。

 

それは巨人も同じようだ。

 

カードがコピーされて巨人の元に飛んでいき、巨人の体から何かが飛び出し、カードと共に剣に吸収される。

 

すると剣が光り輝き、2本となってその内の1本が俺の手に収まる。

 

巨人のは鍔がないタイプで、俺のは鍔があるタイプだ。

 

しかも剣だけでなく、カートリッジを思わせるアイテムと巨人の姿が描かれた

 

3枚のカードが俺の手にあった。

 

「これは…うっ!」

 

頭の中で使い方が流れてくる。

 

そしてこの剣はウルトラデュアルソードと言い、アイテムはハイパーキーと呼ばれるものらしい。

 

俺はウルトラデュアルソードにハイパーキーを装填した。

 

【Boot up! Dual Sword!Dual Sword!】

 

その音と共に俺はソードを構える。

 

このソードからは強い力が感じられる。

 

俺はソードを横に一閃し、シルバゴンに向けて構えた。

 

「デヤァッ!!」

 

俺はシルバゴンに向かって駆け出す。

 

そしてすれ違いざまに体を斬り裂き、さらにもう一太刀浴びせる。

 

「オォリャアッ!!」

 

「グガアアァッ!!?」

 

斬撃を受けたシルバゴンは膝をつく。

 

だがそれでも立ち上がってくる。

 

だったらと俺はデッカーのフラッシュタイプのカードと、あの巨人のカードの1枚をソードにスライドさせる形で読み込ませる。

 

【デッカーフラッシュ!トリガーマルチ!デュアル!フラッシュマルチスクラム!】

 

その音声と共にソードの刃の輝きが増す。

 

咆哮を上げながら突進しようとするシルバゴンに対して、俺は足に力を込めて、ソードを構える。

 

そして。

 

「行くぞぉぉぉぉぉ!!!!」

 

強い踏み込みと共に俺は飛び上がる。

 

シルバゴンの横をすれ違う形で大きく斬り裂いた。

 

シルバゴンの体が縦に真っ二つに割れ、そのまま爆発する。

 

同時に、巨人によってもう1体の怪獣が撃破された。

 

「よし!」

 

霧の向こう側にいる巨人を見る。

 

結局、この巨人が一体どんな存在なのかは俺にはわからない。

 

でも、これだけはわかる。

 

このソードを通して、かつての過去との確かな絆を、俺は感じていた。

 

俺は変身を解除して、簪ちゃんは無事なのかを確認するために向かった。

 

するとそこには。

 

「簪ちゃん!」

 

「お姉ちゃん!」

 

どうやら二人は無事再会できたようで、お互いに涙を流しながら抱き合っていた。

 

……よかった、本当に良かった。

 

「あっ、彼方さん!」

 

と、簪ちゃんが駆け寄ってきた。

 

「今日は本当にありがと!

おかげでお姉ちゃんに会うことができたから!」

 

「…いや、お礼はウルトラマンに言ってくれよ。

ウルトラマンが刀奈ちゃんを守ってくれたからな」

 

「うん、それもそうだけど……彼方さんのこともだよ! ありがとうね、彼方さん!」

 

「……あぁ」

 

俺も嬉しくなってつい笑顔になる。

 

だが振り向くと霧が俺に向かってきてるようだった。

 

…そうか、俺はもう未来に帰らないといけないんだよな。

 

「……ん? どうしたの、彼方さん?」

 

「……いや、何でもないよ。

ただ、俺はもう帰らないと行けないんだ」

 

「……そう」

 

さっきまでいたはずのあの巨人は、いつの間にか姿を消していた。

 

となると、俺も帰るべきだと思った。

 

簪ちゃんは寂しそうな顔をしてるけど、それを必死で我慢するように微笑む。

 

「でも、また会えるよね?」

 

「…あぁ、必ず会えるさ。

だから、お姉ちゃんと仲良くな?」

 

「はい!……また一緒に遊んでくれるかな?」

 

「もちろんだ」

 

「やったー!! 約束だよ!」

 

「おう、またな」

 

俺は手を振って別れを告げる。

 

そして俺は、霧の先へと歩いていく。

 

霧を抜けると、そこは森の中だ。

 

振り向くと、もう簪ちゃんたちはもういない。

 

現代に帰ってきたと確信し、俺はシャルモンへと向かった。

 

そしてシャルモンのドアを開けると。

 

「あっ、彼方さん!

お邪魔してるね!」

 

そこには、簪ちゃんがテーブルに席をついて洋菓子を食べていた。

 

俺は簪ちゃんによっと手を振って通り過ぎようとすると。

 

「彼方さん」

 

「んっ?」

 

振り向くと簪ちゃんが持ち運び式のノートパソコンを取り出した。

 

「ちょっと一緒に見たいアニメがあるんだけど、良いかな?」

 

「…」

 

ふと、過去の簪ちゃんの言葉を思い出し、頬が緩む。

 

「うん、一緒に見ようか!」

 

俺は鳳蓮さんから許可を取って、簪ちゃんとアニメを見て楽しく笑いあった。

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