AI: ソムニウム ファイル THE futurity Decker   作:ガンダムラザーニャ

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今回も会話だけになります。

次回からはなるべく戦闘シーンを入れれるようにします。


ファンクラブと化した暴力団

俺と鳳蓮さんはある場所に来ていた。

 

まるでどこかの古い事務所のような、それでいてあまり俺たちが関わって良いような所じゃないというか…。

 

「鳳蓮さん?

 

ここって…」

 

「熊倉組の事務所よ。

 

坊やは名前くらいは聞いたこと、あるわよね?」

 

「熊倉組…?

 

…って、えぇっ!?

 

熊倉組ってあの!?」

 

熊倉組って言うと、この街で有名な指定暴力団だ。

 

今は組長が変わってるらしいけど、その先代の組長がやばかったって話だ。

 

だけど、今の組長はもうやばいことはしてなくて、慈善事業に力を注いでいるんだとか。

 

噂じゃ今の熊倉組は暴力団というよりも、アイドルファンクラブみたいなものになってるとかいないとか。

 

「なんでそんなところに?」

 

「ここなら知ってるかもって、思ったのよね。

 

更識組のこと」

 

「…そうですね」

 

更識組、それは俺が過去に飛ばされた時に、クロトさんが調べてくれた組織だ。

 

何か民間企業をやってるみたいだけど、どういう訳が熊倉組みたいな指定暴力団に睨みをきかせてるという。

 

更識って名前は簪ちゃんの名字だ。

 

つまりこの組織が簪ちゃんと関連してるんじゃないかと言うことだ。

 

そこで、以前シャルモンに来たことがあるからってことでこうして鳳蓮さんに来てもらったわけだ。

 

「じゃ、開けるわね」

 

と、鳳蓮さんが開けると、そこにはいかにもヤバいガラの悪い人たちがいた。

 

「あ?何だてめぇら?

 

来るとこ間違ったならとっとと帰んな」

 

「あら?

 

これは随分なご挨拶ねぇ?」

 

「あん?誰だてめぇ?

 

…ってげぇ!?」

 

「お、お前は…!?」

 

鳳蓮さんを見るなり、ガラの悪い人たちがドン引きしている。

 

「お、おいどうしたおめぇらってげぇーっ!?」

 

ついでにその組長らしき人も鳳蓮さんを見るなりドン引きしていた。

 

「お久しぶりね、猛馬の坊や?」

 

「えーと、鳳蓮さん?

 

この人たち、鳳蓮さんにドン引きしてるらしいですけど、どうしたんですか?」

 

俺は恐る恐る鳳蓮さんに聞いた。

 

「んっ、あぁ坊やは6年前寝込んでたから知らないわね?」

 

「はい、ただ熊倉組が客で来たってことぐらいしか」

 

「彼らはワテクシの店で、ネットアイドルのことでどんちゃん騒ぎしてたから、お仕置きしておいたのよ。それから可愛くデコレートして、ね♡」

 

「や、やめろォ!!

 

俺たちはもうそのことを一変たりとも思い出したくねぇんだよ!

 

あんな悍ましいことはな!」

 

熊倉組の人たちはガタブル震えながら言った。

 

……うん、これ以上聞かない方がいいかもしれない。

 

でも鳳蓮さんはうっとりした様子で笑っている。

 

「そ、それより今日は何の用なんだ!? こんなところに来るなんて」

 

「んもう、照れちゃって♡

 

…アナタたち、更識組のことは知ってるわよね?

 

民間企業なのにアナタたち程の暴力団に睨みをきかせるほどですもの」

 

「…ちっ、まぁそうだがな」

 

「あの、更識組とは、どんな組織なんですか?」

 

「んっ、おめぇは?」

 

「俺ですか?

 

俺は明日見 彼方って言います」

 

「俺は熊倉 猛馬だ。

 

猛る馬と書いてな。

 

この熊倉組の組長を務めてる」

 

「猛馬さんですね。

 

じゃあ教えて下さい、更識組とはなんですか?」

 

「…そうだな」

 

猛馬さんは話をしてくれた。

 

更識組というのは、表向きは民間企業だが、その正体は政府に雇われた、対暴力団用暗部。

 

それ故熊倉組のような暴力団が何かしら悪事を働かないように監視しているんだとか。

 

それで、当主は代々『楯無』という名前を受け継いでいるらしい。

 

「…あの、更識簪って子は知ってますか?」

 

「あぁ知ってるよ。

 

今の更識組の当主の一つ下の妹なんだってな。

 

だがどういうわけか、今は家出しちまってるって話だ。

 

まぁ、そこらへんの詳しい話は知らんがな」

 

「そうですか……」

 

当主は代々『楯無』の名前を受け継いでて、簪ちゃんはその当主の妹。

 

ということは刀奈ちゃんが今その当主をしてる訳か。

 

…そうだ。

 

「あの、何か更識組に何かあったとかは、ないですか?

 

例えば、ヤバい暴力団と戦ってるとか」

 

「いやぁ…、ここんところは俺らも大人しくしてるから、そういう奴らはいねぇな。

 

…だが、噂で聞いたことがある」 

 

「噂?」

 

俺がそう聞くと、猛馬さんは頷き。

 

「あぁ、お前らも知ってるだろ?

 

あのスフィアっていう、飛行物体のこと」

 

「えぇ」

 

「軽く聞いた話だが、スフィアを動かしてる連中がいて、そいつと近いうちにドンパチするじゃねぇかって噂さ。

 

だから今は更識組も忙しいんじゃねぇかな。

 

まぁ、あくまで噂だけどな」

 

「そうですか…。

 

ちなみにその連中の名前は?」

 

「さぁな。

 

俺もそこまでは聞いてねぇ」

 

「ありがとうございます」

 

「気にすんな。

 

俺らはお前らみたいなカタギには手を出さねぇよ。

 

…というか、お前に手を出せばそこのオカマが何を仕出かすか分かんねぇけどな」

 

「んもぅっ、失礼しちゃう!ワテクシだってそんなことしないわよぉ」

 

鳳蓮さんがプンスカ怒る。

 

まぁ、確かにこの人ならやりかねない気がするのは何故だろう……?

 

「あら大変、パイ生地が焼き上がる時間だわ。

 

坊や、そろそろ帰るわよ」

 

「はい。

 

では、また来ますね」

 

「おう。

 

だが鳳蓮、おめぇに関してはおととい来やがれ」

 

「んもうっ、何言ってるのよ猛馬の坊や。

 

ワテクシはいつでもウェルカムよ♡」

 

「お、おい!? 汚ぇ投げキッスするなーっ!!」

 

こうして、俺達は事務所を出たのだった。

 

そして帰り道。

 

俺は頭の中で情報を整理していた。

 

更識組は表向きは民間企業だけど、その実態は政府に雇われた対暴力団用暗部。

 

当主は代々、『楯無』という名前を受け継いでること。

 

簪ちゃんはその当主の妹であること。

 

つまり、刀奈ちゃんは今の更識組の当主であること。

 

そして、その更識組は近いうちにスフィアを動かしてる組織と戦うのではという噂があること。

 

これらの情報から考えられることは……、やっぱり、刀奈ちゃんは更識組の当主として戦っているということなのか?

 

だとするなら、刀奈ちゃんは簪ちゃんを巻き込まないために無能のままでいてって言った可能性がある。

 

まぁ、俺は会ったことないから、全部考察になるがな。

 

…そう言えば一つ気になることがあるな。

 

「鳳蓮さん?

 

そう言えば熊倉組に嫌われてましたけど、何があったんですか?」

 

「んっ?

 

何もないわよ。

 

ただ前に店でA-SETっていうアイドルの生配信を見て、それで周りのお客人に迷惑掛けるくらいどんちゃん騒ぎするものだから締め上げて、暫くの間かわいい女装させて店のお手伝いをさせてたのよ」

 

「うわぁ…」

 

あのいかつい人たちの女装姿を想像してドン引きした。

 

そりゃああれだけ嫌がられて当然だなと思った。

 

「もし良かったら、坊やも可愛らしくデコレ「結構です」…もう、つれないんだからぁ!」

 

「はぁ……」

 

この人面倒見が良いけど、こういうことやりそうだから怖いよなぁ……。

 

そう思いながら、俺と鳳蓮さんは帰路に着いた。

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