AI: ソムニウム ファイル THE futurity Decker   作:ガンダムラザーニャ

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覆面の店主と欠けた記憶

今日は鳳蓮さんがクロトさんと店番するからということで、俺は一人昼食を取るためにある場所に向かっていた。

 

そこは無国籍料理店・ブラフマン。

 

変わった料理を出す料理店だけど、これが中々の絶品で俺も何回もここで食べさせてもらってる。

 

ドアを開けると、そこには覆面を被った大柄の男が厨房に立っていた。

 

「あぁ、いらっしゃい彼方さん。

 

空いてる席にどうぞ」

 

「こんにちは厳さん」

 

その不気味な風貌とは裏腹に優しい声で席を勧める大男。

 

俺も慣れた感じで席に付き、注文を取って料理を待つ。

 

この人の名前は石屋鐘厳、このブラフマンの店主だ。

 

鳳蓮さんとは料理仲間で、料理についてよく語り合うことがある。

 

見た目は確かに不気味だが、これは生まれつきの素顔とかを隠すためにしているらしいが、そこまで詳しいことは聞いていない。

 

だがそれでもこの人何かと気にかけてくれるから、常連さんからも親しまれてる。

 

「はい、ワニ肉のオムライスだよ」

 

「ありがとうございます」

 

そしていつも通り注文した料理を運んできてくれた。

 

ワニ肉を使ったオムライス、ここの看板メニューの一つだ。

 

「いただきます!」

 

早速一口食べると、ふわっとしてトロッとした卵に肉厚なチキンライスがよくマッチしてて美味しい!

 

しかもそれがまたあっさりめに味付けされてるからいくらでも食べられそうだ。

 

ワニ肉って意外と淡白であっさりと食べられる食材だから普通に鶏肉のような味だ。

 

うまい、うますぎる…!

 

犯罪的だ…!

 

そんなことを考えながらバクバク食べていると、いつの間にか完食していた。

 

「ごちそうさまでした」

 

「お粗末様でした。

 

彼方さん、食べるの速いですね」

 

「いやぁ、厳さんの料理があまりにも美味かったんですから」

 

「ふふっ、そう言ってもらえると、料理人として冥利につきますよ」

 

そう話し合ってると、誰かが項垂れてるのが見えた。

 

よく見ると、そこには大量の酒を飲んだ上で倒れ込んでる男がいた。

 

「…厳さん、あの人は?」

 

「んっ、あぁ…、彼もここの常連でね。

 

よくここで事件の情報の聞き込みや整理してたんですよ」

 

「とてもそうは見えませんけどね。

 

もしかして刑事さんですか?」

 

「そうですね。

 

龍木さんっていうんですけど、もう6年前からあんな感じで…。

 

まぁ、金は払ってくれるから良いんですけど」

 

「龍、木…?」

 

ふと、俺の頭に頭痛が走る。

 

何だこれ、俺の記憶か?

 

この人には初めて会ったのに、初めてじゃない。

 

もしかして、俺はこの人のことを、知ってるのか? 

 

「厳さん、多分これじゃあしばらくあのままかもしれないので、俺が龍木さん介抱しましょうか?」

 

「いえ、そんな悪いですよ、お客さんにそんなことさせるなんて」

 

「良いですから、ちょっと失礼します」

 

俺は龍木さんに近付き、伏せてる顔を持ち上げる。

 

すると。

 

「…っ!?」

 

龍木さんの顔は、俺と瓜二つだった。

 

いや、正確には俺が成長したような顔立ちだった。

 

酒で酔っててだらけてるが、目元など俺に似ている気がする。

 

それに、龍木という名前にも見覚えがある。

 

まさか……、本当に、この人が……!?

 

「ッ、がっ…!」

 

頭を強く殴られたように衝撃が始まる。

 

俺と瓜二つの顔をした双子の兄弟。

 

いつも行動を共にしていた双子の兄弟。

 

まさか、龍木さんが…?

 

「彼方さん、大丈夫ですか?」

 

「…っ、厳さん。

 

…すみません、あとは厳さんにお願いしてもいいですか?」

 

「えぇ、それは構いませんが……」

 

「それでは」

 

心配そうな表情を浮かべる厳さんを横目に、俺は店を出て行った。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、くそ、なんなんだ今の……」

 

店を出た後、先程のことを考えた。

 

龍木さんの顔を見た瞬間に、頭痛が走った。

 

もし、あの人が俺の記憶に関係してるのなら…。

 

「龍木さん…、あの人は何者なんだ?」

 

そう考えながら俺はシャルモンへと帰った。

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