AI: ソムニウム ファイル THE futurity Decker 作:ガンダムラザーニャ
「皆早く!急いで!」
乗っ取られたテラフェイザーが街中で暴れる中、俺たちは逃げる人たちを避難させていた。
だが俺にはある疑問があった。
逃げる人たちの中に、簪ちゃんがいない。
もしかしてクロトさんと鳳蓮さんが避難させたのかと思ったが、いないようだ。
だから俺は必死で街の中を走った。
「はぁ…っはぁ…!」
どこだ?どこにいるんだ簪ちゃん!
そうして街の中を走ってると、微かながら声がした。
うめき声だ。
瓦礫の下から聞こえるのだ。
「まさか、簪ちゃんがそこに!?」
俺は近くにあった瓦礫をどけると、そこには瓦礫に埋もれて傷だらけの簪ちゃんがいた。
「うっ、うぅ!」
「簪ちゃん!待ってろ、すぐに引き上げてやるから!」
「か、彼方さん…、にげ、て…」
「そんなことできるかよ!?
君も絶対に助けるから、ここで諦めて溜まるか!!」
必死で瓦礫を持ち上げようとするも、重すぎて持ち上げられない。
しかも、もうすぐそこまでテラフェイザーが来ている。
「彼方さん…!もういい、もういいから!
彼方さんだけでも逃げてよ!」
「嫌だ!!俺は君を置いてなんて行かないぞ!」
そう言った瞬間だった。
テラフェイザーが俺たちの存在に気付き、左腕のビーム砲を構えてきた。
思わず俺は簪ちゃんの盾になるように前に出た。
そして、そのビーム砲は発射された。
俺はその時に、これまでのことを走馬灯で思い出していた。
鳳蓮さんに拾われて、シャルモンで住み込みで働かせてもらったことを、シャルモンの常連として来ていた簪ちゃんと意気投合して仲良くなったことを、クロトさんから最高のウルトラマンを造るためとして一緒に戦ってくれたことを。
そして、ウルトラマンデッカーに変身し、怪獣と戦ったことを。
「くそぉおおおお!!!」
俺は死を覚悟し目を瞑ったその時、光が俺の前に現れ、ビームを防いだ。
「…え?これは、まさか!」
恐る恐る目を開くと、そこには壊れたはずのフラッシャーがあった。
フラッシャーが光って、俺を守ってくれたんだ。
俺はそれを手に取ると、ボロボロで壊れていたフラッシャーがまるで時間が巻き戻るように修復された。
それと同時に、カードケースから一枚のカードが飛び出した。
「これは…」
それはデッカーのカードだが、これまでとは違う姿が描かれていた。
もう一度、俺に力を貸してくれるのか、デッカー?
そうと決めれば、俺はカードをフラッシャーに装填し、角を立てる。
『ウルトラディメンション!』
「迸れ!ダイナミック!デッカー!!!」
『ウルトラマンデッカー ダイナミックタイプ!!』
その瞬間、俺の体は希望に満ちた光に包まれた。