AI: ソムニウム ファイル THE futurity Decker 作:ガンダムラザーニャ
グランスフィアとの戦いが終わった。
あれからスフィアが出現することもなくなり、怪獣も出現しなくなったので、世界が平和になった。
時雨を失ったNAIXの生き残りは烏合の衆となり、刀奈ちゃんたち更識組によって連行された。
あれからというもの、簪ちゃんは相変わらず伊久米神社に居候してるが、俺の仲裁もあったからか、最近では刀奈ちゃんと文通するくらいには関係が修復されていった。
クロトさんは俺のデッカーとしてのデータが満足に取れたからと、最高のウルトラマンを造るためにどこかに消えてしまった。
鳳蓮さんも引き続きシャルモンでパティシエをやって、俺はそこで居候兼バイトをしている。
ちなみに、クロトさんの書き置きで知ったが、俺がグランスフィアと戦っていた最中、地上でも何やら騒動があったらしいが、それはもうすぐに収まったそうだ。
その時の記録も見させてもらったが、何でも6年前に姿を消したウルトラマンがこれを収めてくれたらしい。
この地球と宇宙の同時に起こった事件を境に、みずきちゃんも明るくなった。
最近じゃどこか不思議な感覚を覚える青年に何かと世話を焼きながら仲良くしているみたいだ。
一方俺はというと、シャルモンで相変わらずバイトをしているが、グランスフィアを倒して以来、毎日夢を見るようになった。
それは夢というよりも、失われた俺の記憶の断片だった。
記憶を失う前、俺はある人と兄弟で、常に一緒だった。
双子の兄がいたんだ。
俺ほど正義感が強かったわけではなかったけど、よく俺の人助けに付き合ってくれた人だ。
俺たちは二人で一人、そう思うほどよく一緒にいた。
だが、そんな俺たちの間はいともたやすく引き裂かれた。
ある日、俺とその人が凶悪犯を見つけたので取り押さえようとしたが、凶悪犯が抵抗してトラックで逃げ出そうとしたので俺が走るトラックの前に立ち、止めようとした。
だが俺が生身なのに対して向こうは猛スピードで走るトラック。
当然俺では止められず、その鉄の塊によって俺の体は半分になるように潰れ、その瞬間に意識が途絶えた。
そう、俺は一度死んだんだ。
死んだはずなのに、生きていた。
気がつけば、棺の中に入っていた。
半分潰れていた体も、元通りになっていた。
俺はこの時、自分の名前を含む記憶がなくなっていたから、当時はパニックになり、棺から飛び出し、走り回った。
何日も何日も、行く宛もなく彷徨い続けた。
着せられていた白装束も泥とかで汚れ、至る所が破けていた。
そして気がつくと、ある店の路地裏で、残飯を漁っていると女性口調で話す筋肉質な男に出会った。
それが鳳蓮さんだった。
名前もなく行く宛もなかった俺を拾って、俺に明日見彼方という名前をつけてくれた。
記憶を失って、希望も絶望もへったくれもなかった俺が、彼方まで明日を見れるようにと願いを込めてつけてくれた。
それから俺は鳳蓮さんの元でバイトをしながら居候をしている。
こうして断片的にこの夢を見て俺は思った。
俺は死んで、生まれ変わったんだと。
だが、どうして俺は生き返ったのかはわからない。
もしかしたら、デッカーが俺を生き返らせてくれたからなのかもしれない。
それに、前にブラフマンで見掛けた龍木さんを見たときのあの頭痛。
確証もないし、まさかとは思うけど、あの人は俺の兄さんなのかもしれない。
だが、今はそのことを本人に聞こうとは思わない。
もし、あの人が本当に俺の兄さんなら、どう顔を合わせればわからないから。
何があって、あんなに飲んだくれていたのかは俺にはよくわからない。
それでも、このまま会わずにいたら、それこそ後悔するかもしれない。
…いつか、また会って、ちゃんと話がしたいよな。
それまでは、俺は鳳蓮さんや簪ちゃんと一緒に生きていこう。
そして今日もまた、シャルモンでお客さんにお菓子を売る日が始まる。
今作はこれにて最終回とさせていただきます。
今回は、ソムニウムファイルの原作キャラもほとんどがゲストみたいな感じで、中々介入することもできませんでしたし、本当なら回収したかった伏線などの話を書けませんでした。
今書いてる他の作品やこれから書くであろう作品を、どうか温かい目で見守っていただけると幸いです。