AI: ソムニウム ファイル THE futurity Decker   作:ガンダムラザーニャ

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今回はタイプチェンジとスフィアザウルスの話を書かせていただきました。

また活動報告のリクエスト募集を続けてますので、皆様のリクエストをお待ちしております。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=282648&uid=99940


ストロングなヒーロー

「はぁ〜…」

 

俺こと明日見 彼方は疲れて店の裏の路地裏で休憩していた。

 

店もそうだが、鳳蓮さんのスパルタやクロトさんの怪獣との戦いとかでかなり疲弊している。

 

それと、クロトさんが地下を使うようになって、基本的に引きこもってる。

 

 

一応相手の動きを見て戦えるようにはなってきたし、身体能力も上がってきたと思う。

 

あの二人の練習、明らかにその一つ一つが俺を殺しに掛かってるような感じだ。

 

まぁそれでもデッカーに変身してわかったこともある。

 

まず、デッカーに変身していられるのは3分間で、それを超えると変身が解除されること。

 

今はフラッシュタイプを使ってるが、どうやらまだ使えるカードが出てくるかもしれないということだ。

 

そのことを思い返しながら休憩をしていると。

 

「あ、彼方さんここにいたんだ」

 

「えっ、君は?」

 

そこには水色の髪にメガネを掛けた内気な少女がいた。

 

だが俺はこの子を知ってる。

 

というのも彼女はよくこのお店に来るからだ。

 

「簪ちゃん、いらっしゃい!

どうしたの?

お店なら表だけど」

 

「うん、でも彼方さんが裏にいるって鳳蓮さんから聞いたから。

はいこれ、差し入れ」

 

そう言って渡されたのはスポーツドリンクだった。

 

それを見た瞬間、さっきまでの疲労感が嘘のように消えていくような気がする。

 

そして同時に汗も引いて気分が良くなる。

 

「ありがとう、助かるよ!」

 

「ううん、どういたしまして。

私も彼方さんたちには良くしてもらってるから」

 

そう言って俺の隣に座る簪ちゃん。

 

フルネームは更識簪、このお店の常連客の女子高生だ。

 

大人しそうな見た目だけど、ヒーロー物の特撮が大好きな少女だ。

 

だいぶ年上の俺とも気が合うし、たまにこうして差し入れを持ってきては話をしてくれる。

 

「…ここ最近、スフィアが飛んでるよね」

 

「そうだな。

何かそれで怪獣が刺激されて暴れ始めたとか言う話だし」

 

「でも、それをやっつけてくれる巨人がいるでしょ?

えーと、6年前のウルトラマントリガーとよく似たあの巨人」

 

「ああ、確かにな」

 

その巨人は俺が変身してる、ウルトラマンデッカーのことだ。

 

でも、それを簪ちゃんに言うわけにはいかないしな。

 

「やっぱり、あの巨人はウルトラマントリガーと何か関係があるのかな…」

 

「さぁ、その辺りは何ともな…」

 

「でも、あの巨人、見てて本当にカッコよかった。

怪獣が街を壊さないために人の少ない広い場所に移動させて、それでいて身を挺して私達を守ってくれるんだから」

 

「…そうか」

 

あの時は無我夢中で戦ったけど、そう言われると嬉しいものだ。

 

まぁそんなことを言ったら調子に乗るだろうから言わないけど。

 

「ところで簪ちゃん、最近家の方はどう?」

 

「えっ、いやっ、その…」

 

「…そうなんだ」

 

簪ちゃんに家のことを聞くと、急に表情が暗くなってしまった。

 

実は簪ちゃんは家出をしている。

 

それで今、神社に居候させてもらいながら通学してるような状態だ。

 

その時のことを聞いても、答えたくないのか、こうして暗くなってしまうんだ。

 

「でもごめんね、変なこと聞いて」 

 

「ううん、いいの。

気にしないで」

 

そう言って笑顔を見せるが、どこか無理しているように見える。

 

あまり踏み込むべきじゃないと思った俺は話題を変えようと考えた所で。

 

「…?

ねぇ、あれって…」

 

「え?」

 

簪ちゃんが空を見て指を指すのでその先を見ると、スフィアがいた。

 

しかも、前に見かけた時よりも一回り大きい。

 

と、その時にスフィアから何か巨大な何かが降り立ち、地面が激しく揺れた。

 

「うわっ!」

 

「きゃあっ!!」

 

突然のことで驚きの声を上げる俺たち。

 

そしてスフィアは飛び去って行き、それと同時に現れた巨大な存在がゆっくりと起き上がった。

 

それはまるでトカゲとかイグアナみたいな爬虫類のような見た目をした怪獣だった。

 

何より、目を引いたのは、肥大化し、異常にクリスタルみたいに発達した巨大な前足。

 

怪獣が咆哮を上げると同時に背中の角からとてつもない衝撃波を放つ。

 

「ぐっ…!

何だこれ…!」

 

「あっ、そんな…!」

 

「どうしたんだ!?」

 

簪ちゃんは何か異変があったようでスマホを見せてくると、そこには圏外とだけ書かれた待ち受け画面だけだった。

 

「ここ電波が通ってるはずなのに、圏外になってる!」

 

「まさか、さっきの衝撃波で電波障害が…!?」

 

そう考えてると鳳蓮さんが裏口からやってきた。

 

「坊やっ!!」

 

「鳳蓮さん!」

 

「お客様は皆避難させたわ!」

 

「わかりました!

すみません、簪ちゃんをお願いします!」

 

「えっ、ちょっと待って!

彼方さんはどうするの!?」

 

「俺は他に逃げ遅れた人がいないか見てくる!

すぐ戻るから!!」

 

俺はそう言って飛び出し、暴れまわる怪獣を見上げる。

 

怪獣は巨大な前足を地面に叩きつけると、地面からエネルギーを吸い上げ始めた。

 

「あいつ、地球のエネルギーを吸い上げるつもりか…!

でも、こうなったらやるしかない!」

 

『ウルトラディメンション!』

 

「輝け!フラッシュ!デッカー!!」

 

『ウルトラマンデッカー フラッシュタイプ!!』

 

デッカーに変身した俺は怪獣に向かって走り出し、怪獣を突き飛ばした。

 

それにより、吸い上げられてたエネルギーの吸収は中断された。

 

「お前は、俺が相手だ!」

 

「グォオオオオッ!」

 

俺の言葉に反応するように怪獣も叫び声を上げてこちらを睨みつけた。

 

そしてそのまま巨大な前足をドカドカ言わせながら突進してきて、その巨大な前足で俺を踏みつけようとするが、俺はどうにか受け止めた。

 

「ぐっ…!」

 

だがその見た目に違わず、とてつもなく重い!

 

俺の足が踏ん張ってる地面がめり込んでいく。

 

このままじゃマズい……!

 

そう思って俺は怪獣の腹に蹴りを入れて距離を取り、牽制するように手から手裏剣のように光線を放つ。

 

しかしそれも硬い鱗によって弾かれてしまった。

 

「くそっ、なんて硬さだ……」

 

今まで戦った怪獣の中でも間違いなくトップクラスの装甲を持っているぞ……。

 

それにあの足の威力も相当なものだった。

 

もしまともにくらえばただでは済まないだろうな。

 

怪獣はまたしても突進を仕掛けてくる。

 

しかも今度は頭に生えてる長い角を構えて。

 

明らかに俺の胴体を刺し貫こうとしていた。

 

「うぉっ!?」

 

既のところで角を掴んで動きを止めた。

 

しかしあの巨大な前足で勢いよく俺を殴ってきた。

 

「ぐわっ!」

 

その衝撃で吹き飛ばされてしまう。

 

そのまま倒れ、起き上がろうとした所で怪獣が巨大な前足で俺を踏みつけようとしてくる。

 

「く…っ!」

 

俺は頭を避けて、転がるようにその場から離れる。

 

そして、今さっき俺の頭があった場所が、怪獣の前足で踏みつけられて、地面が抉れて陥没していた。

 

俺はその光景に血の気が引いた。

 

あんなのを食らったらひとたまりもない。

 

だが、だからと言ってここで諦めたら街が危ない!

 

ここには、鳳蓮さんも、クロトさんも、簪ちゃんもいるんだ!

 

だから、諦めるわけにはいかないんだ!!

 

そう思った時だった。

 

「え?」

 

カードケースから、一枚カードが出てきた。

 

デッカーに似てるけど、明らかに赤い。

 

それに両手のプロテクターがガントレットっぽいやつになってて力強さを感じる。

 

…もしかしてこれを使ってことか?

 

そう思ってカードを手に取ると。

 

「うぉっ!?」

 

あ、熱い!

 

全身が燃えるようだ…!

 

でも、同時に力が、全身に力が弾けだす感じがする!

 

「よし、行くぞ!」

 

『ウルトラディメンション!』

 

「弾けろ!ストロング!デッカー!!」

 

『ウルトラマンデッカー!ストロングタイプ!!』

 

デッカーである俺の体が赤く燃えると同時に赤と金の装飾とプロテクターが着けた状態で変身した。

 

「…っ、変身できた。

それに、力も漲る!

これなら!

うぉおおおおおおおお!!!!」

 

俺は怪獣に向かって走り出す。

 

怪獣は巨大な前足振り上げて俺を潰そうとするが、不思議と俺には何の脅威を感じなかった。

 

むしろこいつから街を守るんだという意思が、俺を突き動かしていた。

 

「うぉりゃああああああああ!!!!」

 

拳が燃える程の力を込めて、その巨大な前足へと叩きつけた。

 

すると怪獣の巨大な前足に大きなヒビが入り、大きく後ろに下がった。

 

「まだまだぁ!!」

 

俺は怯む怪獣の懐に潜り込み、持ち上げる。

 

そして、広い場所へと叩きつける。

 

怪獣はよろよろと起き上がり、背中の角からまたさっきの衝撃波を発しようとしているので、俺は飛び上がり怪獣の背中の角目がけて拳を握る。

 

同時に俺の額が強く光り輝き、拳を握った右腕に凄まじい力が溜まってきた。

 

「これで、終わりだぁああああああ!!!!」

 

落下速度も入れた俺の拳が、怪獣の背中の角を粉砕・貫通し、胴体を突き破った。

 

怪獣は断末魔を上げる暇もなく、その体を木っ端微塵に爆散させた。

 

「ふぅ……。

何とかなったな……」

 

俺は変身を解除して、シャルモンへと戻った。

 

すると、簪ちゃんが駆け寄ってきた。

 

「彼方さん!」

 

「んっ、簪ちゃん」

 

「どこに行ってたの?

心配したんだよ!?」

 

「いや、逃げ遅れた人がいないかを見て、それから安全なところに隠れてたんだよ」

 

「そう、良かった…。

…そうだ!

彼方さん、見た!?

さっきのウルトラマン、すっごくカッコよかったよ!」

 

「ウルトラ、マン?」

 

「うん!

トリガーじゃないけど、見た目も似てたし、私たちのことを守ってくれたんだもん!

これはもうウルトラマンとしか言いようがないよ!」

 

「ははは、それは良かったな…」

 

まぁ俺がさっきのウルトラマンだってことは言えないけど、こうして誰かの笑顔を守れるなら、それでいいかな。

 

「シャルモンは大丈夫だった?

中にいた鳳蓮さんも」

 

「あら、ワテクシがどうしたって?」

 

店の入口から鳳蓮さんが出てきた。

 

「ほ、鳳蓮さん、無事だったんですね!」

 

「えぇ、あと地下にいたムッシュ・クロトもね。

坊やも無事で良かったわ」

 

「はい、なんとか……」

 

「うふふ。

…さ!

今新作のお菓子作ってるけれど、簪ちゃん良かったら食べてみる?」

 

「えっ、いいんですか!?」

 

「もちろんよ、味見してくれる人を探してたの。

それに、こうしてあの怪獣の攻撃から生き延びたお祝いも兼ねてよ」

 

「ありがとうございます!」

 

「もちろん坊やもよ?」

 

「えっ、俺もですか?

けど俺は店で働いてる側ですし…!?」

 

すると、鳳蓮さんが俺の首に腕を回して耳打ちしてくる。

 

「何言ってるのよ。

今日の坊や、すっごくカッコよく決まってたわよ?

本物にはまだ程遠いけど、あなたは立派に成長してるわよ。

ね、ウルトラマンデッカー?」

 

「…わかりました」

 

俺は苦笑いを浮かべ、鳳蓮さんに手を引かれる形で、簪ちゃんと一緒に店に戻るのであった。

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