AI: ソムニウム ファイル THE futurity Decker 作:ガンダムラザーニャ
また活動報告のリクエスト募集を続けてますので、皆様のリクエストをお待ちしております。
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「さっ、今日の仕事はこれでおしまい!
上がってもいいわよ坊や」
「わかりました、お疲れ様です」
シャルモンの仕事が終わり、裏で休憩しようと誰かが来店してきた。
簪ちゃんだ。
「あら簪ちゃん?
今日はもう閉店なんだけど」
「ごめんなさい鳳蓮さん、今日はお客さんとして来たんじゃないの。
…彼方さんと話がしたくて」
「あらそう?
そういうことみたいだから坊や、しばらく彼女の話し相手になってくれないかしら?」
「あぁはい、わかりました」
俺は簪ちゃんを連れて店の裏に出た。
「どうしたの簪ちゃん?
もう夜も遅いし、わざわざ話だなんて」
「その前にどうしても聞きたいことがあるの?
…よく考えて、それで確認がしたかったから」
と、何やら真剣そうな眼差しで聞こうとする簪ちゃん。
一体どうしたんだろう?
「彼方さんって、あの最近出てきたウルトラマンなの?」
「えぇっ!?
い、いや、いきなり何を言ってるんだ簪ちゃん?」
「この間恐竜みたいな怪獣が現れて、怪獣を倒したあと、ウルトラマンが人間になるところ、私見たの。
そしたら、あのウルトラマンが彼方さんになって…」
「そ、それは…」
できたらバレたくなかったし、この際なんて言えば良いのかと考えていると、携帯から臨時ニュースが流れた。
「これって…!」
どうやら近くの山で怪獣が出現して、この街に向かってるらしい。
これは行かなきゃダメだろう。
「ゴメン簪ちゃん、俺行かなきゃ!」
「あっ待って彼方さん!!」
簪ちゃんの制止を振り切り、俺は怪獣の元へと走っていく。
『彼方、もうすぐしたらこの街に怪獣がやってくる。
相手は破壊暴竜デスドラゴだ!
強敵だが君なら対処可能なはずだ!』
「わかりました!
じゃあ…「彼方さんっ!」…簪ちゃん!?」
すると簪ちゃんがやってきた。
「何してるんだ!
ここはもうすぐ怪獣が来るんだぞ!?」
「でもやっぱり私、彼方さんのことが心配で…」
「くっ…!」
どこか安全なところに隠れさせないとと思った矢先で上空から電流が走る。
「危ない!」
「きゃっ!」
俺は簪ちゃんの上に覆いかぶさるようにして、簪ちゃんを守る。
そして上空を見上げるとそこには鹿を思わせる角を生やした怪獣がやってきた。
あれがデスドラゴか。
角がバチバチと光って電流が走ってる。
さっきの電流はこれからなのだろう。
だがどうする?
一刻も早く簪ちゃんを安全な場所に避難させないといけないし、かといってこの怪獣を倒すにはすぐにでもデッカーに変身しないといけない。
「…」
不安そうに見る簪ちゃん。
そして少しずつ、足を進めながら、デスドラゴが咆哮を上げる。
…こうなったら、やるしかない。
覚悟を決めて、やるしかないんだ!!
「…簪ちゃん、さっき俺がウルトラマンかって聞いたよな?」
「う、うん…。
でも今はそんなこと言ってる場合じゃあ!」
「いや、この際答えてやる!
俺は、ウルトラマンだ。
この街を守るために闘っている。
だから、俺は行くよ」
「ちょっ、ちょっと彼方さん!?」
『ウルトラディメンション!!』
「輝け!フラッシュ!デッカー!!」
『ウルトラマンデッカー フラッシュタイプ!!』
俺は、簪ちゃんの目の前でデッカーに変身した。
振り向かない、簪ちゃんがどんな顔をしているのか、怖くて見られないけど、それでも俺は、戦うしかないんだ。
「グルルルルッ……!」
「デスドラゴ、お前は俺が倒す!」
俺は右手を前に突き出し、左手は腰に当てる。
そしてファイティングポーズをとる。
「はぁっ!!」
俺はまっすぐとデスドラゴに向かって走る。
デスドラゴが角から電流を発して俺に攻撃してくるが、俺は腕を盾にして防ぎながら走る。
そしてそのままデスドラゴの腹を捉えて、ラッシュを浴びせていく。
デスドラゴは苦しそうに怯み、このまま一気に決めようと、そう思った時だった。
デスドラゴは俺の両腕を掴むと、電流を流してきた。
「なっ!?
がぁあああああっ!!!」
あまりの痛さに悲鳴を上げてしまう。
しかしデスドラゴは離す気はなく、逆に俺の腕を握り潰そうとする勢いで掴んでくる。
「ぐぅうっ、ああああっ!!!」
痛みに耐えられず、思わず膝をつく。
デスドラゴが掴んでいた俺の腕を放すと俺を蹴り飛ばした。
全身に激痛が走り、思うように動けない。
「くそっ、仕方ない!
サイバーゴモラ、頼む!」
『モンスディメンション!
サイバーゴモラ!』
サイバーゴモラを召喚し、デスドラゴと戦わせる。
サイバーゴモラの強烈な尻尾の一撃を喰らい、吹き飛ぶデスドラゴだったが、すぐに起き上がり、角から電撃を放ち、ゴモラを攻撃する。
サイバーゴモラは耐えきれず、倒れてしまい、それを見たデスドラゴはサイバーゴモラに向かって突進していく。
「くっ、何て力だ!」
『彼方!
奴の電流は角が源だ。
だから角さえ破壊すれば電流は使えないはずだ!』
「…っ、わかりました!」
『ウルトラディメンション!』
「弾けろ!ストロング!デッカー!」
『ウルトラマンデッカー ストロングタイプ!』
ストロングタイプになった俺はデスドラゴに立ち向かう。
角を破壊するために拳でデスドラゴの顔面を殴る。
デスドラゴは反撃しようと、角から電流を放とうとするが、その前に俺が角を掴んだ。
そしてそのまま。
「うぉおおおおお!!!」
ボキィイイッ!!
片方の角を叩き折った。
するとデスドラゴは暴れ始め、放電を始める。
しかも今度は赤黒い電流だ。
「くっ!」
ストロングタイプでもさすがにあの電流を浴びるのはマズいと思い、一旦離れる。
その後でサイバーゴモラが突撃し、攻撃を叩き込む。
だがデスドラゴはびくりともせず、サイバーゴモラに角からの赤黒い電流を浴びせた。
「サイバーゴモラ!?」
サイバーゴモラはそのまま倒れ、俺の中に戻ってしまう。
…マズい。
確かに角を片方へし折ったが、余計に凶暴になってる!
このまま暴れながらあの赤黒い電流が街中で巻き散らかされたら、被害もとんでもないことになる!
と、そう考えていたらデスドラゴがまた赤黒い電流を飛ばしてきた。
しかも今度は俺の後ろの街に飛んでいこうとしてる!
しかもこの方向は!
「くっ!」
俺は走り出した。
何故ならその先にはちょうど簪ちゃんがいたからだ。
さっきまで俺の戦いを見ていたかもしれないが、さっきの赤黒い電流に怯えているのか、その場に座り込んでしまっていた。
俺は彼女の元に行き、彼女の盾になるように背中を向けた。
だから俺の背中に、赤黒い電流が直撃した。
「がはぁっ!!」
「か、彼方さん…!」
巨大になって、今は小さく見えてしまう彼女の声がはっきりと聞こえる。
その表情は、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
言葉をかけてあげたいけど、この姿だと話をすることもできない。
だから俺は態度で示すことにした。
今の攻撃なんて、何ともないと。
激痛が走る体を持ち上げ、デスドラゴを睨みつける。
だがどうする?
今は簪ちゃんのために、虚勢を張るのが精一杯だ。
それに胸元のランプ、確かクロトさん曰くカラータイマーだったな。
それが今赤く点滅してる。
ということはもうすぐ変身が解除されることを意味している。
だがこんなところでは終われない…!
もし解除してしまったら、こいつは間違いなく街に被害を出す!
そうなれば街もそうだけど、鳳蓮さんもクロトさんも、簪ちゃんも危ない。
どうする?
一体どうすれば良い!?
フラッシュでもストロングでも倒せない。
サイバーゴモラじゃ歯が立たない。
もう、この際奇跡でも何でも良い!
どうか、俺にあいつを倒せる力があれば…!
そう思った時だった。
カードケースから一枚のカードが飛び出した。
よく見ると、青くて身軽そうなデッカーの姿が描かれていた。
手に取ると、力が漲ってくる。
だがそれはストロングみたいに熱く燃えるような強い力ではなく、不思議な力を感じるものだった。
「これは…」
『今解析した。
ふむ、なるほどそういう力があるのか。
彼方、それを使ってデスドラゴを倒すんだ!』
「了解です!」
『ウルトラディメンション!』
「飛び出せ!ミラクル!デッカー!」
『ウルトラマンデッカー ミラクルタイプ!』
俺のデッカーとしての姿が、虹色のオーロラを纏うように姿が変わっていく。
全身が青くなり、プロテクターも最小限になったが身軽で動きやすい。
それに体から不思議な力を溢れさせている。
これなら行ける!
「よし!」
そう身構えると、デスドラゴが赤黒い電流を飛ばしてきた。
それに対して俺はバリアを張って防ぎ、続いて上に異空間を作り、それで赤黒い電流を吸い取らせる。
電流を吸い取られたことでデスドラゴはバテたのか、その場で膝を付くが、俺はその隙を逃さず、手刀を構え素早いスピードで通り過ぎ様に残ってる角を切断する。
角を切り落とされたデスドラゴは悲鳴を上げ、暴れ始める。
「これで終わりだ」
俺は右手の中に圧縮した空間を作り、ブラックホールを発生させるとそれをデスドラゴに向けて投げつけた。
その瞬間に、デスドラゴの体が内側から破裂するように爆発し、跡形もなく消滅した。
「……ふう、何とかなったな。
サイバーゴモラも、お疲れ様」
戦いが終わり、カードに戻ったサイバーゴモラを労う。
何も反応はないが、何となく嬉しそうに鳴いてるように聞こえた。
戦いが終わり、俺は変身を解除した。
「…さて、どうしたものかな」
正直言って気まずい。
正体を明かして、目の前で変身したんだ。
もう、いつものように接してはくれないのかな。
もしくは化け物とか罵ってくるのか。
とにかく、簪ちゃんとはもう、目を合わせられないよな。
早くシャルモンに帰ろうと足を運んだ時だった。
「彼方さんっ!」
声がしたので振り返ると、簪ちゃんがいた。
「簪ちゃん…」
どう言葉を投げかけようかと迷ったが、もう彼女と話す資格なんかないと諦めて再び歩みを進めようとしたが、簪ちゃんが俺の手を握り、ポツリと呟いた。
「…何で、そのまま帰ろうとするの?」
「もう君とは、話せないからだ」
「どうして…?」
「どうしてって、決まってるだろう?
俺はあの巨人、ウルトラマンに変身したんだ。
君はヒーローだって言ったけど、俺が変身したなんて知ったら、驚くだろ?
もしくは、怖がるかも……」
「私はっ!!」
大声で叫んだ彼女を見て驚いた。
目に涙を浮かべながら、彼女は必死に訴えてきた。
「私だって、最初は驚いたよ。
でも、それ以上に……嬉しいの……。
あんな大きな怪獣と戦っているのを見た時は、本当に心配したんだよ。
彼方さんが、死んじゃうんじゃないかって。
でも彼方さんは、私のことを守って、怪獣を倒してくれた。
そんな貴方のことを、私が怖がる訳がないっ!!
だから…」
ポロポロと、大粒の涙を流す簪ちゃん。
「だから、このまま立ち去ろうとしないで…。
彼方さんは、私たちのヒーローなんだもん」
「簪ちゃん…」
俺は簪ちゃんの頭を優しく撫でてあげる。
「ありがとう、簪ちゃん。
こんな俺のことを、ヒーローって言ってくれて、受け入れてくれて。
…もし良かったら、いつでも店に来てよ。
こういうのもあれだけど俺、簪ちゃんの好きなアニメの話をしたり、店のお菓子食べてる時の笑顔が好きだからさ」
「うん……!約束だよ!」
そうして俺たちは指切りをして、別れた。
俺は改めて、自分のことを恥じた。
心のどこかで、今までずっと逃げていた自分が情けなくなった。
これからはもっと強くなろう。
手の中にある、フラッシャーを強く握ってそう誓った。