AI: ソムニウム ファイル THE futurity Decker 作:ガンダムラザーニャ
「クロトさん、俺をどこに連れて行くんですか?」
「あぁ、少し怪獣に関係するんじゃないかと気になってる場所があってね。
それで君を連れてくることにしたんだ」
俺がクロトさんに言われて連れてこられたのは、温泉施設だった。
だがここは。
「開店はしてるみたいですけど、廃れてますね…」
「あぁ……そうだな」
建物はボロボロで看板も外れており、お客さんらしき人もいない。
これは潰れてるんじゃないのか?
そう思いながら建物を見ていると、職員らしき人物がやってきた。
「おや、もしかしてお客さんですか?」
「あぁいえ、ここの温泉について調査をしに」
「…そうでしたか。
実は、去年まではすごく栄えてはいたんですが、どういうわけか源泉からお湯があまり出ないんですよ」
「ふむ、ということはこれのことですか?」
クロトさんがノートパソコンを開いて見せた。
それはここの温泉のブログで、近くに隕石が落ちたことが書かれていた。
「えぇ、そうです! あの時は驚きましたよ、いきなり大きな音が鳴ったと思ったら、地面が大きく揺れたんですから!」
「なるほど、そうでしたか。
ちなみに、それ以降から温泉があまり出なくなったのではないですか?」
「はい、そうなんですよ。
だから前に原因を探るために工事の人呼んで採掘を頼んだんです。
すると、あれが出てきまして…」
職員が指を指す方向を見ると、遠くに青くて巨大なカプセルみたいなものが地面に突き刺さっていた。
なんだアレ……。
「ちなみに、あれがどんなものかは?」
「さぁ…、調べたくても硬くて全然駄目でして。
だから仕方なくあのままに」
「…なるほど、わかりました。
情報の提供ありがとうございます」
「失礼します」
俺とクロトさんは話を終えて、カプセルの元へと歩いていく。
近くで見るとかなりデカいな。
「なんでしょうコレ……?」
「うーん……わからないな。
ただ、これが地球のものではないのは確かだ。
実際今調べているが、これの硬さはダイヤモンドの58倍もの鉱物級だ。つまりこの星にあるものでは破壊できないってことだよ」
「ってことはもしかして、これが去年にここに落ちた隕石だってことですか!?」
「その可能性が高いね。
実際地球のものではないもので構成されてるだろうから」
マジかよ……。
じゃあコイツのせいで温泉が出なくなったのか。
許せねぇ!!
「でもどうするんですか? こんなもんどうやって……」
「それを今から調べ…!
待て、何か点滅してるぞ」
「えっ?」
よく見ると、カプセルの上が青く点滅して、何かを発してるようだ。
「…波長を発してるな。
何か言語を話してるようだ。
翻訳する」
そう言ってクロトさんがノートパソコンを操作して、波長の言語を翻訳すると。
『全宇宙の皆さん、こんにちは こちらはメラニー遊星です。
皆さんは勝手に宇宙に進出してくる不愉快な惑星に悩まされていませんか?』
「えっ、な、何だ?」
「メラニー遊星だと?
ということはまさか…!」
俺には何が何だかわからなかったが、クロトさんが何かを察してカプセルを見上げる。
するとカプセルから赤い煙が噴き出し始めた。
そして、中から一体の怪獣が現れ、咆哮を上げ、炎を噴き出しながら暴れ始める。
『そんな時にはこの【破壊獣 モンスアーガー】シリーズ!
綺麗さっぱり、邪魔な文明を根絶してくれます!
これは、皆様に性能をご覧頂くためのデモプレイです。
数に限りがありますので、ご注文はお早めに!』
「モンスアーガーだと!?
…やはりそうか」
「知ってるんですかクロトさん!」
「あぁ、メラニー遊星という死の遊星に存在する怪獣だ。
元々は、来たものをやつが始末していたが、まさか遊星自体が販売目的でモンスアーガーを送り込んだとは!」
「ど、どういうことです!?」
「簡単に言えば、遊星は自分たちの作った兵器を売り込んでるんだよ! この地球にもいずれ売り込むつもりだったに違いない!」
なんてことだ……! こんなものが売られたら世界がめちゃくちゃになる! どうにかしないと!
「…クロトさん、ここは俺が何とかします。
クロトさんは逃げ遅れた人たちの避難を!」
「すまない!」
クロトさんが行ったと同時に俺はフラッシャーを取り出す。
『ウルトラディメンション!』
「輝け!フラッシュ!デッカー!!」
『ウルトラマンデッカー フラッシュタイプ!!』
デッカーに変身した俺はモンスアーガーと対峙する。
「さぁ来い!」
モンスアーガーは俺に向かって突進してくる。
だが、俺もそれに合わせて走り出す。
「オラアッ!」
そのまま拳を振るうが、モンスアーガーはそれを受け止め、もう片方の手で攻撃してきた。
「くっ!」
咄嗟に腕で防いだが、こいつ中々の怪力だな!
「だったらこれでどうだ!」
俺はモンスアーガーの攻撃を避け、今度は蹴りを放つ。
「ハアァッ!!」
だがそれも受け止められてしまい、逆に腹を殴られた。
「ぐあっ……!」
なんとか耐えたが、今のはかなり効いたぜ。
だが、負けるわけにはいかねぇ!
「ハァッ!」
俺はモンスアーガーの顔面を殴ると、奴は怯んだのか後ろに下がる。
よし、このまま一気に畳み掛ける!
「ハッ!オラッ!」
さらに連続でパンチを浴びせるが、モンスアーガーは口から火炎を吐いてきた。
「クッソ……!」
避けようとしたが、足に力が入らず転んでしまった。
まずい……!
近づいてきたモンスアーガーに踏まれそうになるも、俺は何とか転がりながら避けて、体勢を立て直した。
「こいつ、強い!
一体どうすれば…」
『彼方、やつの頭の青い部分を狙え!
やつの神経はそこに集中している!』
「わかりました!」
アドバイス通り、俺はモンスアーガーの頭を狙ってキックを放った。
「がぁっ!?」
しかし当たる直前に、モンスアーガーが頭に網目模様のバリアを貼ってキックを防ぎ、同時に俺に強力な電撃を浴びせてきた。
「ぐああぁっ……!」
『彼方!』
あまりの衝撃に吹っ飛ばされてしまった。
「くそ、動けねぇ……! どうすりゃいい……!」
起き上がろうとしても、体が痺れて思うように動かない。
『彼方、大丈夫か!』
「すみません、痺れて、あまり動けません!」
『ならディメンション怪獣を使え!
その間に体勢を立て直すんだ!』
「わかり、ました…!」
『モンスディメンション!』
俺はサイバーゴモラを召喚し、動けない俺の代わりに戦わせる。
その間は何とか体勢を立て直そうと体を動かす。
「頼んだぞ、サイバーゴモラ!」
モンスアーガーが向かってくるが、サイバーゴモラはその前に立ち塞がった。
長く鋭い爪でモンスアーガーへと立ち向かうサイバーゴモラ。
2体の怪獣の激しい攻防の中は俺は体勢を立て直そうと立ち上がるが、中々上手く立ち上がらない。
そうこうしてると、カラータイマーが点滅し始めた。
「くっ…、まずい!」
『彼方、私にいい考えがある』
「えっ、なんですか?」
『ここには温泉の源泉があるんだ。
今はあれのせいでほとんど出なくなっているが、強力な力で源泉の水脈を刺激するんだ!
ちょうど、君の真下にその水脈がある。
動けなくても、今の君ならそれを利用して倒せるはずだ!』
「…っ、わかりました!」
『ウルトラディメンション!』
「弾けろ!ストロング!デッカー!!」
『ウルトラマンデッカー ストロングタイプ!!』
パワー重視のストロングタイプにチェンジした俺は、腕に強力な力を込めて地面を叩きつけた。
その瞬間に、足元から勢いよくお湯が噴き出し、巨大な俺の体を吹き飛ばした。
「うわぁっ!?」
吹き飛ばされた俺はそのままサイバーゴモラとモンスアーガーの元へと飛んでいく。
サイバーゴモラもそれを察したのか、攻防でダメージを負ったモンスアーガーに両手の爪と角に力を込めて突き刺し、内部で爆発するほどのエネルギーを流し込む。
爆散しなかったものの、大ダメージを負ったモンスアーガーをそのまま飛んでくる俺に向けてぶん投げた。
ダメージのせいで動けないモンスアーガーがそのまま俺に向かって飛んでくる。
俺もは空中で体勢を立て直し、先程よりもより強力なパワーを腕に込める。
「これで、終わりだぁあああああああ!!!」
吹き飛ばされた時の力を乗せた俺の拳が、モンスアーガーの頭にの青い部分に命中し、そのまま爆発四散した。
地面に着地すると、すぐに変身を解く。
「ふぅ、なんとか勝てたか……」
「彼方、大丈夫か?」
「はい、なんとか……、うっ……!」
クロトさんに介抱してもらいつつ、噴き出した源泉を見る。
「これで温泉も、復活しますね」
「あぁ、それにあのカプセルは私が回収しておいたから、もう出なくなる心配はないだろう」
「えっ、あんなでかいのどうやって回収したんですか!?」
「私は色んな世界を見てきたんだ。
あの手のものを回収するだけの代物を用意するなど容易い」
と、回収したカプセルがあるであろう手のひらサイズのケースを見せるクロトさん。
「とりあえず、一件落着だな」
「はい! 本当にありがとうございました! また何かあったら助けてください!」
「もちろんさ、君は私の観察対象だからね。
最高のウルトラマンを造るためにも、今は君に死なれては困る」
「はははっ……」
俺は苦笑いを浮かべながら、2人で帰路につくのであった。