起きたら金髪ケモ耳美少女だったんだが自分の記憶がとんとありません   作:裏白いきつね

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やっとお風呂回です。

昨日誤字訂正を数多くしていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

いや結構見直してるんですけどねえ……やたら誤字が多いです。というかTypoですね。仕事場で打つのは問題ないみたいなんですけど、自宅の方、キーボードのポジションが悪いせいか(などと犯人は訳の分からないことを述べており


恥ずかしいとか言ってられない

 

「このあとお風呂だよね。リズ、ドーロちゃんと一緒に入りたいな」

 

 食堂から談話室につながる通路でそんな言葉が出た。

 

「お、お風呂ですか? ええと……」

 

 お風呂へ一緒に入る、ということはすなわちリズちゃんの一糸纏わぬ姿が俺の目の前に展開される、ということで。自分のをルジェさんの前に曝したのは下着姿までとは言っても恥ずかしかったけど、その時はまあ仕方がないとは思えたのだが……。他人のそれ、となるとなんというか背徳感とかどこか比べちゃって気まずくなりそうだよなとか頭の中でぐるぐる回り始める。

 

「ドーロちゃん? ぼーっとしてるけど、大丈夫?」

 

 リズちゃんの問いかけにハッと気がつく。今の瞬間頭の中ぐるぐるしすぎて意識が飛んでいたようだ。

 

「ドーロちゃん。もしかしたらお風呂の入り方まで忘れちゃってますか?」

「う、うえ?」

 

 ルジェさんにそう言われて、(はた)と考える。

 

「えーと、最初にシャワーで体を流しますよね。そのあと湯船に浸かって……って……もしかし……なくても不正解ですね……これ。お二人の表情見たら分かります、はい。というか個室のシャワーじゃダメですか? ダメですよね……聞くまでもありませんでした」

 

 俺の答えにルジェさんもリズちゃんも既に呆れ顔だ。

 

「これはだめだよね。……ルジェ先輩。徹底的に教育しないといけないんじゃないかな」

「そうですねえ。わたしも全く同意見です」

 

 俺をその場に放置したまま、二人で相談事が始まった。聞き耳を立てれば内容は聞こえるのだが……。どうせこの後実践されるのだしまあいいかとその場では心密かに開き直る。

 二人とも食休みはもう大丈夫そうだということで、この後お風呂道具を持ったら大浴場に即集合となった。そこに俺の意見はないんですか、そうですよね。食休みがもう大丈夫なのは二人と同じだけど。

 

 ドーロのお風呂道具を探すのにまたバタバタがあったのだがそれは置いておいて、三人は今大浴場の脱衣所前にいる。『湯』と大きく書かれた深紅ののれんが空調の風に揺られてゆったりと波打っていた。その景色、当然俺の記憶にはないものだ。

 

「ドーロちゃんはここでの記憶ももちろんないでしょうからあ、わたしの動きを真似る感じで進めましょうかあ」

「はい、よろしくお願いします」

「大丈夫だよ、リズがきちんとお世話するからね」

 

 いや、リズさんのその言い方何か引っかかるというか、……まあいいか。どのみち俺にはもうどうしようもないし。

 

 慣れた足取りでのれんをくぐる二人、その後を追う。

 

「ここが夕方にお話ししていたランドリー回収口ですねえ。それからこちらに並んでいるのがコインランドリーですよ。乾燥機もありますねえ」

 

 ルジェさんが手で示しながら大浴場の説明をしてくれる。

 周りでは下着姿のウマ娘がうろうろ。中には下こそ穿いているがトップにタオルを掛けただけとか、下手するとそれすらない猛者もいて目のやり場に困る。とはいえ同性同種族同士で何を意識するものでもないのが普通なわけで……。そのうちこれも慣れるんだろうなという思いはあれど、それは脳の片隅に追いやっておいて、俺はルジェさんの説明を聞き漏らさないようにするだけだった。

 

「それで、こちらが脱衣所で、あちらの奥がドライヤーのコーナーですね。ロッカーには鍵が付いていますので、脱いだ衣類を入れたら鍵を掛けてほら、リストバンドにしてお風呂場に持って入るんですよ。

 タオルはフェイスタオルとかバスタオルとか、普通の物ならロッカー横に棚があるのでそこから貰ってきて使えば良いですよ。使い終わったタオルはタオル棚の下にバスケットがあるのでそちらに返しますね。もちろん個人持ちのタオルを使うのもありですねえ」

「ふむふむ」

「ドーロちゃん、お風呂上がりのケアとか……ってやっぱりやり方とか忘れてるよね?」

「その言い方だと、体を拭いて髪をドライヤーで乾かすだけではダメなんですよね?」

「そのあたり、お風呂上がりに説明しながらしていきましょうねえ。色々とやり方のコツとかありますし。

 それじゃここらへんで実際にお風呂に入りましょうか」

 

 三人並んでロッカーを使う。ルジェさんは丁寧に脱いだ衣服を畳みながら、リズちゃんは案外ざっぱに脱いだものをロッカーに放り込んでいく。俺も衣服を脱いでロッカーへ。ちゃっちゃと脱いでしまえば却って恥ずかしくないことは、今日のお昼間ルジェさん相手に学習したとおり。

 

 お風呂道具を片手にいよいよ浴室へ。引き戸を開けるとむわっとした湿気が顔に降りかかった。

 

「うわあ、すごい広い」

 

 思わず声が出るくらいに寮のお風呂場は広かった。プールに見まがうほどのサイズで、これまた広く開いた窓辺まで続いている湯船がその中央で俺たちを出迎える。左右を見渡すと幾重にか列を作っている洗い場が並び、その先には木製のドアがあってサウナと書かれている。さらにシャワーブースやミストシャワー、滝のように激しく湯の落ちる打たせ湯なんかもあった。湯船もとにかく広いメインの他、猛烈に泡を吹き出し浸かっている人も流されてるジェットバスや、少し変わったところでは手すりが付いた細長い湯船もあった。他にも小さな湯船がメインを取り囲むように配置され、それぞれに特徴があるようだ。

 

「広いですよねえ。美浦寮だけでこれですからあ。栗東寮の方にもこれと同じ規模で大浴場があるらしいですよお?」

 

 広いのも納得がいく。というのも入浴中のウマ娘、その数が予想していたよりずっと多いのだ。

 

「思っていたよりお風呂に入っている人が多いですね」

「そうですねえ、人数も多いですけどお風呂にかかる時間がどうしても長くなってしまいますからねえ」

「髪を洗って、体を洗って、しっぽも洗わなくちゃいけないからね。一人じゃ洗いきれないから二人以上で入るのが基本かなぁ」

「そうですよねえ。一番大変なのはしっぽですよねえ。後ろに付いてるから見えないですし……でもここは一番きれいにしておきたいんですよね」

「うんうん、リズも同じ気持ちだよ。やっぱりしっぽはいつもつやつやサラサラがいいよねぇ」

 

 そんな二人の会話を聞いていたら、この次の展開がなんとなく読めてきた。たぶん。

 




次回、がんばってもがんばっても動かない。
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