ガランゴルムは少女にお花をあげる系モンスターなんだ! 作:Ωが来た!
そして最終回ですが、短めです。前回につなぐには長く、単体にするにはなんか物足りない気はしますが、それは私が未熟ゆえ。
皆さん、このような小説のような物に、感想や評価等々、本当にありがとうございました。
「お願いガラゴム!止まって!そのままじゃ死んじゃう!本当に死んじゃうよっ!そんなのダメ、まだまだ一緒に遊ぼうよ!私わかるよ、戦たのはメルゼナだけじゃ無いって、他のおかしくなっちゃったモンスターとも戦っていたって、それで傷ついていたことだって!」
そう、戦ったのはメルゼナだけじゃない、ここに来るまでにもたくさんのモンスターと戦ったのを誤魔化せると思う?。
それは何度目の静止であろうか?
身体中は、風格と脅威の権化であった外殻はみるも無惨に砕かれ、身体中は痛々しい程の無数の傷と、大量の出血により赤く覆われ、誰がどう見ても『満身創痍』と口を揃えていうであろう。そこまでに傷は深かった。
それでも尚。少女の願いは聞き入れられない。
………
少女を助けるための道中は決して楽なものではなかった。
己の縄張りを我が物顔…ではないが、明らかにいつもと違う、恐れ、苛立ち、今にも正気を失いそうなモンスター達が跋扈していた。
…………
いつもなら絶対に自身を攻撃しないモンスターですら襲い掛かってきた。弱き物、強き者、皆が一様にして我が身を顧みず襲い掛かってきた。
………………
その全てを跳ね返すなどできる訳もなかった。ただ痛かった。ただ疲れた。だが折れなかった。本来、暴れるのも戦うことも好きではない。寝て起きて、散歩して、キノコや木の実を食んでまた眠る。これが本来のあるべき姿、生まれてから幾度となく繰り返した、とても穏やかで、そして退屈な日々。
………………………
では何故ここまでするのか。戦い、傷つくのか、それはひとえに友の為。毎日を彩る特別な繋がりのため。望まぬ別れをし、再び日々を過ごしたいが為に。
「お願い…止まってよぉ………。どうして止まってくれないの…。」
ウ………
しかしそれは叶わず、その身体はとうの昔に体力は尽き、体を巡る命は枯渇し、痛みすら感じることすらなく、限界を迎えている事は明らかだ。
だがそれでも、何処からか体を動かす力が湧いてくる。己の憂いを晴らす為に……。
あぁ、言葉にできず、体で表すことも出来ないが、
「ここは、ガラゴムのお家?きゃ!……ガラゴム!しっかりしてっ!動いちゃったから死んじゃう!」
必死に止めようとするも、動く事を止める事はせず、寝床に着くと、何かを探し出し、それを大切に手で包むと、そっと少女の前に差し出す。
死ぬ事は嫌だ、当たり前だ。
グゥ……ウッ…ウッ…
凄まじい倦怠感を振り払い、なんとか差し出されたその手には、
「…コパール?仲直りってこと?。」
それは美しき、丁度人の手の大きさはどのコパール。初めてガランゴルムと出会った時に持っていた懐かしの品だ。
今思えば後にも先にもあの夜を超える出来事は無いだろう。悪い意味でも、そして良い意味でも。
(コク コク コク)
「………ぅ〜〜〜…、そんな事しなくたって……私が悪いのに……。…………心配してくれてるの?本当に…わたしにはもったいないともだちだよ……」
………ウ
それが為に今までを生きて来たのだから。
それはガランゴルムが一生懸命考え、どうすれば仲直りができるのかを想って導き出した答え。
だけど、中々これも、
「!笑ってるの?……ねぇ!へんじ……してくれないの?…ねえ!お願い返事してっ!置いていかないで………」
うん、これも悪くない…
巨獣は、佇む。静かに、佇む。本懐を成し、仲直りを果たし、もう二度と動くことがない骸となって。大地にしかと腰を下ろす。しかし、
「そんなに……、そんなに満足そうな顔されちゃったら、貴方の最後にケチつけられ無いじゃない……。送り出すしか出来ないじゃない…。」
その表情は、誰が見ても何一つ悔いのない、穏やかな笑みと捉えることができるだろう。友を、少女を見下ろし、安堵の笑みを浮かべている。
巨獣は感謝する。特別をくれた、己の大切で、特別な友達に。
巨獣は満足する。特別を守れた事に、強敵に打ち勝った事に。
「…ありがとう、ガラゴム…貴方は私の大切な友達よ。貴方が助けてくれた命。大切に、貴方の分まで生きて見せるわ……。」
〜〜〜数十年後〜〜〜
「何?ガランゴルムを討伐するに当たって、何かしらの助言が欲しいと?慎重な事は良い事だ。カムラの『猛き炎』よ。しかし、ガランゴルムに関しての見解が私より深いものが居る、場所を教えるからその人に聞くといい。」
「ありがとう、フィオレーネさん。聞きなれないモンスターだから、いくら貴方と行けるとしても足を引っ張るような事は避けたいですから。」
「貴殿が私の足を引っ張るなど、むしろ私が引っ張らないか心配だ。…準備ができたら教えてくれ、我々で、この異変を必ず解決し、共にメルゼナを討とう。」
「勿論ですとも!では、早速聞きに行っていきます。」
〜〜〜
「という訳で、何か気をつける点とかありますかね?」
向かった先に居たのはガレアス提督と同じくらいの年齢をした、小石ほどの大きさのコパールのネックレスをつけた女性だった。
「カムラの里の『猛き炎』に頼られるだなんて、なんだか気分が舞い上がっちゃいじゃない!」
しかし、寡黙なガレアス提督と違い、この女性はかなり明るい性格のようで…?
「やっぱり何度聞いてもむず痒くて慣れないな……。ウツシ教官にも困ったものですよ…エルガドに来て真っ先に来てやる事が弟子の自慢話と宣伝だとは…。」
「良い事だよ!それほど弟子である貴方を愛しているって事だからね。あの方、常々『愛弟子愛弟子』って言い回っているよ。それだけでも、貴方がどれだけ大切にされているかわかる事わかる事…。」
「あの人はずっと変わりませんよ、あんなでも、その腕は確かなんだけどなぁ、残念なんだよ。」
「それ、わかるよ!黙っていればモテモテだろうに……本題外れてない?これ。」
「そうでした!話し過ぎちゃった、すみません!フィオレーネさんを待たせてるので少し手短に、ガランゴルムってどんなモンスターですか?」
「ガランゴルム?…そぉうだねぇ〜。」
そして、ネックレスを手に持ち、見つめながら考え込む女性。その表情はまるで昔を思い出すような、懐かしむかのような様子を見てとれた。
「大切な物なんですか?それ。」
「んあぁ?そうだよ、昔はもっと大きかったんだけどね、色々無理してたくせして頑なにはずさなかったもんだからこんなに小さくなっちゃったよ。まったく、よく無茶するよ、あんたも無茶だけはするんじゃ無いよ?先輩からのありがたい助言、受け取っておきな。」
「はい……。そんなに大切なものを持って狩りに行くだなんて、中々腕が立つんですね。」
「立ったのなんて昔のこと、今はもう動けないよ、ガレアスとアルローがおかしいだけ、本当に、同じ年代だとは思えないよ。」
「それに関しては同感です。…はっ!もうこんな時間だ。結局話し込んじゃいましたね。では改めて、一言で表すならどんなモンスターですか?」
「一言で表すなら、『ガランゴルムは少女にお花をあげる系モンスター』かな?」
「……………へ?」
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ガランゴルム
いゃ〜死んじまったけど、何故だかこう『やり切った』感じがしていいねぇ。
勇敢な騎士
↑それな
ハンター
一様しっかりしないとと思って喋ってるけど、敬語とか苦手。
少女
そう言えばガレアス提督かなり歳いってるから私もかなり年取ってるやん。
ハンターになって、更に勉強しまくって、立派に戦って、一線を退いてます。あの年で戦えるガレアスとアルローがおかしいだけ。(+里長)
これにてこの話は終わりです。皆さん、このような幼い文にお付き合いくださり、ありがとうございました。
次はイブシとナルハの恋愛物語でも描こうかな?