これは、あり得たかもしれない過去が築き上げた、奇跡で平凡な青春だ



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転生したらスライムだった件の2次創作の憑依クレイマンの話のリハビリのためにちょちょいと執筆していたら完成してしまったぜ……

続きは反響次第ですね。はよ憑依クレイマン執筆せんとね

筆がまるで進まんのだけど




アビドス 砂祭りの奇跡の復活

あり得ざる過去、彼女の存在が、現在を形作る。

 

事前に災害を最小限に抑え、敵を撃退する。

 

そのような夢のような存在が、この世界を存続させる。

 

これはあったかもしれない、青春(イフ)の物語。

 

 

私の名前は小鳥遊ホシノ。今年からこの、ゲヘナ、トリニティ、ミレニアム、それらの学園よりも上回るマンモス校であるアビドスに入学した一人の生徒だ。

 

私はすぐに実績を出した。校内での大きな揉め事を数十件を制圧、外部からの退学者などから組織される集団の制圧、及び捕縛が数百件、それらを3ヶ月で成し遂げた。

 

おかげで今私は生徒会の筆頭戦闘員、次期副会長候補にまで上り詰めた。

 

名誉や地位には興味ないが、暇なときおひ――いや、仕事することができて私は満足だ。

 

なんですが……。

 

「ふんふんふーん」

 

腰まで伸びた獅子を思わせる髪をいじりながら、そのお方は立派で年季の入った椅子に座り、片手間に仕事を進めていた。

 

その人こそ、この学園最強、いや、もしかするとキヴォトス最強の生徒会長、名を(すめらぎ)シテンである。

 

1年から先代会長に抜擢され会長となった人で、今は3年生だが支持率は落ちることなく1位、留年を期待されるほどであり学力、運動、芸術、あらゆることを苦もなく一位をキープするまさにトップに相応しい能力を持った傑物、私も天才やエリートと呼ばれているが、彼女に至っては他校から化け物とまで言われる大天才だ。

 

「あの……シテン会長」

 

「んー?なんだねホッシー」

 

「どうして私はここに呼び出されたのでしょうか」

 

私は戦闘員であって生徒会の書類的な仕事は請け負っていない。主に不良、問題を起こした生徒の鎮圧、生徒会長の護衛以外は待機が命じられている。だからこそ何故私は生徒会長の机の前にいるのかが謎だ。特に何かしら起きたとは聞いていないわけなのだが……

 

「あぁ、そうだね。別に戦闘員としてはではなく、友人としてきみを呼び出したんだ」

 

「は、はぁ」

 

「で、その話の内容なんだが……ついに!()()()の開催の目処がたったわけだよ」

 

「――は?」

 

私はあまりの馬鹿げた内容に顔をしかめて変な声が出てしまった。砂祭り、あれはもう数十年前にオアシスが枯れ果ててもう客を呼び込むができずに廃止となったものだ。

 

数日前に、ある話を先輩から聞いている。古い砂祭りのポスターを見せてきて、いつかやりたいなという話だ。

 

その先輩はシテン会長とは仲がよく、そのとき私と一緒にシテン会長も聞いていた、楽しそうにその話を聞いていた様子だったが、まさかこんなにも早くやろうとするとは思わなかったよ普通に。

 

「はぁ……わかっていってます?あれはオアシスありきの祭りであって」

 

「そう、だから僕ね、今そのオアシスを復活させているところなんだ」

 

――何を言ってるんだこの人は。私はその言葉を抑え、何回目かのため息を吐き、その妄言に返事をする。

 

「いや、それ何億もかかるから駄目ですって言いませんでしたっけ?」

 

「うん、だからセイント・ネフティスとか企業からの支援を受けてその復活をやってるわけよ。予算はなんと9億と数千万」

 

「……マジですか貴方、そんな安請け合いで良いんですか」

 

呆れを通り越してもはや感嘆すら覚える行動力だ。

 

「あぁ、問題ないよ。この砂祭りの利点と予想できる収益についてだが」

 

そう言うとシテン会長はわかりやすく巨大オアシス復活しての砂祭りがどれだけ儲かるか、どんな利点があるか話してくれた。

 

そう、この人は天才だ。ただし頭の良い馬鹿でもあるのだ。

 

楽しいことのためなら理屈や理由、成果を納得するしかないことを考えつく人なのだ。

 

「わかりました、わかりましたよ。それで、他の生徒会の皆さんは納得してるんですか」

 

私は後ろに振り向き、他の生徒会のメンバーに話を聞いていく。

 

「んー、あーしとしてはマジでテンション上がるわね。だって昔のものが復活とかいい感じじゃん!ロボット物とかなら勝確に近いじゃん!」

 

「タマミ会計。貴方がそういう人なのは知ってるので聞いてません」

 

会長と同じ3年生であり、他が代替わりする中、シテン会長から言われ今も生徒会に在籍してるこの人は 明園(あけぞの)タマミ、会計を務める俗に言うギャル的な人だ。机の周りがシールやプリクラの写真、手には何かのメカが描かれたネイルなどとても生徒会の人とは思えない感じなのだが、

 

「あ、カイチョー、ここの運動部の部費の金、たぶんコインチョコ一個ほど使ってるわ、それと前にちょろまか(横領)した部のやつら、わからないように無駄な努力してるけど再犯してるわこれ」

 

「ほーん、あの部のやつら馬鹿だねー。今後の部費0にしてやれ」

 

「りょりょ」

 

こんな人だが頭はいいのだ。細かいお金の差異に気づきどうお金を使えば最適なのかを瞬時に判断できる、会計としては優秀すぎる人だ。

 

「……カナリ書記」

 

「……」

 

私はタマミ会計の反対側に座る、黒髪で目元が隠れ、首にタブレットをかけた人、カナリ書記に目を向けて、声をかけた。

 

「……」

 

カナリ書記は仕事を止め、タブレットを私に向ける、そこにはデカデカと絵文字で(・_・;)という何かな?的なものが表示されている。

 

「よくこんなアホみたいなこと通しましたね」

 

「♪~(´ε` )」

 

「気づいてて、アホだとわかって通しましたか……」

 

静葉山(しずはやま)カナリ アビドス生徒会の書記を務める人であり、私と同じ一年ながらその役職についている。

 

かなりの口下手、コミュ障で、タブレットで何を言いたいのか顔文字で表現している、最初は言葉もあったが自覚は無いらしいがかなりの毒のある言葉だったため、今は顔文字になったという経緯だ。

 

ただ書記だけあって、紙の文章は達筆で読みやすく、わかりやすいというこの人もある意味天才なのだろう。

 

「はぁ、なんか聞くのも面倒になってきましたが、ヤタ庶務」

 

カナリ書記の隣の席にいる、備品のコップを磨いているツインテールの人に目を向ける。視線に気づき、コップを置くと次にコロコロで床の掃除を始めた、まったく私の声が聴こえている様子はない。

 

「ヤタ庶務!」

 

「ん?なにさ、別にワタシはオーケー出すくらいだし会長に意見できるほど偉くないからね。あ、すっごいデカいゴミゲット」

 

「この人は……」

 

もはや慣れたが本当に頭痛くなる人だ。2年生斑岩(まだらい)ヤタ 庶務を務める人でかなりのマイペース、生徒会の部屋に埃一つ無い空間にしてくれているのは助かるけど、会長以外の言葉には從わないのが苦手なところだ。まぁ生徒会にいるわけだから天才の部分もあるが今は置いておこう。

 

「あの、副会長はどこに」

 

「寝てるだろね、場所は知らない」

 

「……あぁもう!、自由すぎますね生徒会」

 

これで優秀なやつらで構成されているからたちが悪いんだよね。副会長も忙しいときはちゃんと来てくれますし、うん優秀、優秀な……馬鹿。

 

「やっほぉぉぉぉ!」

 

ドアが勢いよく開かれ、本物の馬鹿が入ってきた。

 

「ホシノちゃん!」

 

「なんですユメ先輩」

 

「窓割れちゃった!」

 

「そう、ですか」

 

苦笑いを浮かべる私に満面の笑みを浮かべてど近距離で器物損壊の報告してきたこの人はユメ先輩。これと言って得意なことはない、成績も赤点を出しまくっている。

 

……まぁ、良い人、なのはわかっていますが。

 

「で、庇った人はどうしましたか」

 

「さっすが!エスパーだねホシノちゃん。うん、別に特に怪我はしていないから大丈夫だと思うよ、私は窓にぶつかったけどちょっと痛い程度」

 

「そうですか……まぁ、今回も故意な損壊ではないから反省文とかいろいろは省きましょう。どうせ時間だけが無駄にかかるだけでしょうし」

 

「わーい!」

 

「だが後二回が限度だ」

 

「はい……」

 

ユメ先輩は喜びの顔の後、しょんぼりとした悲しめの顔をしながら生徒会室から出ようとするが、シテン会長が声をかける。

 

「まぁ待ってユメちゃん、発起人はお前だぞ、例の祭りについて話し合おうじゃないか」

 

「――わーい!、ありがとう!シテンちゃん!」

 

振り向きながらその表情を満面の笑みへと変え、ユメ先輩は会長の机に乗り出す勢いでシテンに近づき、その手を取ったのだった。

 

 

……オアシスは私が聞いたのが1ヶ月後とはいえ、ほんの2ヶ月とちょっと、8月の中盤で復活させ、数日で祭りが開催される超スピードでこぎつけた。

 

シテン会長自ら指揮を執ったのもあるが、見たことない機械などが設置されたりして本当に9億程度なのか?と思ってしまうほどだ。

 

私は祭り当日の肌を焼くギラギラとした太陽が沈んだ冷たい夜、浴衣に着替えさせられ、ユメ先輩と共に祭りの屋台を見て回っていた。

 

「うわ〜、凄いねホシノちゃん!こんなに人がたくさん!」

 

「人ならむせ返るほど学校で見ているはずですが、いやそれにしても流石に多いですね。いえ、ユメ先輩が言ってるほうではなく、学園外からの人がです」

 

普通より大きい屋台、倍くらいのスペースを空けた間隔なのに密集率は変わらないその様相から見える生徒から大人の顔ぶれには悪魔、天使など、ゲヘナやトリニティの生徒が見えており、本当にキヴォトス全体から集まったのだと実感してしまう。

 

「いやぁ、こんな日が来るなんて思わなかったよ。これって奇跡っていうのかな」

 

「ただシテン会長のカリスマと宣伝能力の結果ですよ。まったく、奇跡というのは本当に起こらないことを言うんです」

 

「……そうかなぁ。私としてはこうやってかわいい後輩と一緒にいられて、祭りを楽しめることが奇跡だよねって思うんだけどな」

 

そう語るユメ先輩の表情は、いつもの満面の笑みとは違い、どこか儚げなように見える綺麗な笑みだった。

 

「……そんな当たり前のことこそ、奇跡とは呼びません。ずっと続くものなんですから」

 

「……そう、だね。うん!じゃあ気を取り直して屋台を一つ残らず回り尽くすぞー!」

 

ユメ先輩はまたいつもの満面の笑みを浮かべて、私の手を引いて人の海へと突っ込んでいった。

 

当たり前の日常、当たり前の景色、当たり前の存在、もし、それらが何かが違えば終わってしまうのだとしたら

 

確かに。それは奇跡と呼べるものなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 




オリジナルキャラは今後もし続き執筆するときに掘り下げる予定

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