仮面ライダージェイナス外伝 Cの邂逅/二人は捜査官 作:地水
そういえばやってないライダー案の中に合いそうなやついたな。
レオンハルト&新規ライダーで組み合わせでやってみるか
↓
そういうわけで思い立って出来上がったライダーでのバディもの、ご期待ください。
――東京。
夜の都会のビル群を巡る高速道路、そこを走る貨物自動車。
法定速度のまま走るその車を運転するのは、いたって普通の一般男性。
今年で30になり、子供も二人目を設けており働き盛り真っ最中だ。
鼻歌交じりにハンドルを握り、目的地へと向かう運転手の男性……だが、彼の運転する貨物自動車の横をすり抜けて、【ソレ】が通り抜けた。
「ん……?」
男性が何かの目の錯覚か?と目を凝らしてみると、前方を走る大きな【何か】がいた。
バイクにしては大柄でかといって車にしては小さいその
両腕と両足から発せられた高熱の車輪によって高速道路を走っており、そこで振り向いた異形の瞳と目が合った。
「 ミ タ ナ ?」
「うわぁぁぁぁぁ!?」
異形の怪人とも言うべきその存在は急旋回して、貨物自動車へと襲い掛かろうとする。
運転手の男性は今にも襲い掛かろうとする怪人を目の前にして叫び声を上げた。
――――その刹那、白い稲妻が怪人を蹴り上げた。
「はぁ!!」
「ぐぁ!?」
白い人影が怪人を蹴り飛ばし、貨物自動車は間一髪ぶつかずにすんだ。
運転手の男は一体なんだったのか、と思いながら急停車をして窓から身を乗り出しながら後ろを確認するも、先程いた怪人も、それを蹴り飛ばした人影も何処にもいなかった。
一体何だったのか……そんな事を想いながら、呆然としているしかなかった。
一方その頃、近くの地上の道路。
そこでは二つの異形が退治していた。
片方は先程襲い掛かろうとした怪人……その名は『ロード・ドーパント』。
風都にて出回った"人を超人へと変える"という地球の記憶を宿したアイテム・ガイアメモリによって変貌した怪人・『ドーパント』。
その中の一体であり"道路の記憶"を宿したロード・ドーパントは目の前に立つ敵を睨みつけていた。
「キサマ、ナニモノダ」
「――もうわかってるんじゃないかな? お前の罪を示す十字架さ」
ロード・ドーパントに問われて、姿を現したのは一人の仮面の戦士。
白いボディと胸の上に刻まれているのは金色の十字架、湾曲した一本角とCの文字を象ったU字の黒いバイザーの奥には黄金色の双眸が輝くフルフェイスの
謎の仮面の戦士は腰を低くしながら構えると、一気に走り出した。
「ハァァァァ!」
「ッ! クソガァ!」
こちらへと立ち向かってくる仮面の戦士に一瞬ヒヤリとしたロード・ドーパントは焦って高熱を束ねた切断攻撃を繰り出す。
得意の超高速と超高熱を駆使した空間を作り出す能力によってもたらしたこの攻撃は例え同じドーパントでも当たれば一溜まりもない。
だが、目の前にいる白い仮面の戦士は目の前に迫る高熱を臆することなく突き進んでいく。
「セェイ! ハァ! トヤァ!」
ロード・ドーパントの攻撃を華麗な動きで掻い潜ると、一気に懐へ飛び込んだ。
まずい、と思ったロード・ドーパントは腕から高熱の車輪を生み出し攻撃しようと図る。
だがそれより先に仮面の戦士から謎の電子音声が響き渡った。
【CROIS/MAXIMUM DRIVE】
「クロイスブライトアッパー!!」
叫んだ言葉と共に繰り出されるのは、光り輝く必殺の拳。
アッパーカットの形で振り上げられたその一撃は物の見事にロード・ドーパントの胴体へと突き刺さった。
上空へと打ちあがった後、ロード・ドーパントは爆発と共に倒される。
後に残されたのは、砕け散ったガイアメモリと変身者である不健康気味な痩躯の男であった。
仮面の戦士は痩躯の男へ駆け寄ると、自身の記憶の中にある人相を確かめる。
「犯罪者・太田丸善。密輸関与の疑いで現時刻を以て逮捕……しかし前に写真で見たときはふくよかだったはずだけど」
前に写真で見た時は十人中十人が『太った男』と答えるほど肥満体系の犯人だったが、事前に聞いていたロードのメモリの『使用者の人体から道を作り出す』効果と副作用により不健康なほど痩せ細っていた。
多かれ少なかれガイアメモリを使った人間の末路なのは確かだが、何度見てもこの姿は慣れないと思った。
そう思いながら仮面の戦士の手はガイアメモリを使用していた男・太田の懐へ手を伸ばすと、とあるものを見つけた。
それは手帳であり、目当てのモノを引き当てるとさっそく中身のページを開き、パラパラとめくった。
そこで、目に留まったのは……"とある単語"。
恐らく待ち合わせの場所と思われるその場所をを口にして呟いた。
「『西関東科学研究所』、か……」
一人立つ仮面の戦士は戦闘を終えたのを確認すると、その姿を変えていく。
本来の姿である人間の姿に戻ると、彼は太田の腕を掴み、その手に握った手錠を彼へと嵌めた。
――――別々の世界が交差するとき、事件は動き出す
――――混じり合う二つの現場に、二つの正義が邂逅する
仮面ライダージェイナス外伝
Cの邂逅/二人は捜査官
まだ春の余韻が残っている日、レオンハルトはたった一人でとある場所へと足を踏み込んでいた。
「ここか。怪人が出るっていう建物っていうのは」
彼が辿り着いたのは関東地方にある"西関東科学研究所"の跡地。
過去にとある実験の事故によってとっくの昔に閉鎖された場所だ。
ここでは奇妙な人影が出ているという噂が立っており、それに釣られてやってきた野次馬達が意識不明の重体で発見されている。
とある筋からの情報で手に入れて気になったレオンハルトはこうして足を運んだのだ。
「本当ならあの二人も連れていきたかったが……無理矢理連れていくわけにもいかなかったからなぁ」
レオンハルトの脳裏に浮かぶのは一登と優奈の姿。
本当なら仮面ライダーに変身できるあの二人を連れて行きたがったが、生憎あの二人は学校行事の社会科見学で運悪く同行できなかった。
なんでも軌道エレベーター・望月へ向かうそうだ。
仕方がない事ととはいえ、頼もしい戦力がいないのは心もとない……だが彼らの都合に合わせて捜査を待つほど時間に猶予はないと判断したレオンハルトは単独で乗り出した。
「この場にいないヤツの事でうだうだ言ってられねえし、早速乗り出すか」
うだうだ言ってられないと思ったレオンハルトは手に持ったタクティカルバトンも兼ねた懐中電灯を構えて、研究所敷地内へと入る。
ぼうぼうと生い茂った雑草が生え散らかしている中を踏み入り、すぐさま研究所の入り口へとたどり着くと、扉を開けて入っていく。
中に入ると、がらんと空いた広いホールが出迎えてきた。
まるで一昔前に一世を風靡したとあるホラーアクションのゲームを彷彿とさせる場所へ一歩ずつ進んでいく。
足元を照らして見てみると、最近できたであろう泥や踏まれた埃の足跡がいくつもあった。
大方噂を聞いてやってきた野次馬の者だとレオンハルトは思った。
その野次馬達は今も病院のベッドの上で意識を取り戻さないまま眠っているが。
危ない心霊スポットへ足を踏み入れる馬鹿な奴らと同じと思うが、それでも気の毒だと思いながら、せめてこれ以上の犠牲者が出ないようにその原因を探ることにした。
暫く内部を捜索すると、そこでレオンハルトはとあるものを見つけた。
「ん、なんだこれ……?」
足元にぶつかって気付くと、そこにあったのは何かの残骸。
USBの端子らしきものがあるところから何らかのUSBメモリが砕けたものだと一瞬思った。
だが、よく見ると化石にも似たデザインにレオンハルトは異質な印象を受けた。
「フラッシュメモリ? なんでこんなものが……誰かが落としたのか?」
不審に思いながら、それを拾い上げるレオンハルト。
一体これが何なのか、不思議でならなかった。
とりあえず懐から取り出した布ハンカチで丁寧にくるむと、そのまま懐にしまって別の所へと向かった。
そうして暫く迷宮にも思える内部を探索してみたが、目ぼしい手掛かりは見つからなかった。
目新しい資料も研究機材もとっくの昔に何処かへ運び出された今、ここにあるのはがらんどうの空間だけ。
「たっく、外れだったか? 無駄足だったのは嫌なもんだね」
レオンハルトは愚痴りながら建物の奥に位置する最後の部屋を巡った。
そこにあったのは部屋中に広がる焼き焦げた跡と崩壊した瓦礫のみ。
ここが例の事故現場の場所だと察すると、早速足を踏みこむ。
ココには誰も入っていなかったのか積もった埃だけがあり、歩くたびに埃が舞い上がる。
若干煙たくなってきた所へ、前方へとライトの光を向けた。
「しっかし、ここまで来ると不気味なもんだ」
そう思いながら部屋の中央部までやってくると、レオンハルトは突如止まった。
嫌な雰囲気と言うべきか、肌で妙な違和感を感じ取ったのだ。
まるで何かを調べるかのように周囲を探り始める……すると、凛とした声が金属音と共に聞こえてきた。
「誰だ、そこにいるのは」
「!?」
レオンハルトは咄嗟に懐の銃を振りぬき、声の主へと向けた。
後ろを振り向けば、部屋の入口に立つ一人の人影があり、その手には銃が握られてた。
"コルト ガバメントM1911"を握ったその手の持ち主は、若い好青年。
黒髪で優しいように見える顔立ちの彼は、真剣な眼差しでこちらを射抜いていた。
こちらの構えた"デザートイーグル"にビビる気配はなく、暫しの間銃を構える二人。
やがて先に声をかけてきたのは、好青年の方であった。
「えっ……一般人?」
「あん……? 何処のどなただ? 研究所の見学ならとっくの昔にやってないが?」
「いえ、そうじゃなくて……銃社会じゃない国でそんな銃持ってるのはともかく、あなたこそなんでここに」
「なぁに、あわよくば怪人退治に来た秘密の捜査官だよ」
互いに銃を下ろしながら、青年へと近づくレオンハルト。
青年の方もホッと一息ついたのか、同じくレオンハルトへ近づいてくる。
彼の仕草からどうやら少なくとも敵だと判断してないと思ったようだ。
だが、そこで異変は起きた。
二人の周囲に結晶の異形が突如現れる。
レオンハルトは知っていた。以前にも戦ったことがある相手だからだ。
「ミネナリオン!? こいつらなんでここに!?」
結晶兵士ミネナリオン。
日本にやって来て最初に巡りあった事件で遭遇した謎の鉱物の怪物で、そのあまりにも高い硬度によって苦戦を強いられた強敵だ。
彼らが登場したことに驚きながら、二人は身構える。
「なんでこいつらがここに!?」
「こいつらのこと知ってるんですか!?」
「ああ、泣けちまうほど硬さが売りなやべぇ奴らだよ!」
今にも襲いかかろうとするミネナリオンを前に青年は先程収めた銃を再び構えた。
互いに出方を窺う中、レオンハルトは名前を口にした。
「こんな時に言うのも変だけど、自己紹介しとこうぜ! 俺はレオンハルト、アンタは?」
「僕は輝人、
インターポールの捜査官と名乗った青年……『白峰輝人』。
彼はレオンハルトへそう告げると、直後に動き出したミネナリオンの一体へ発砲した。
ミネナリオンへと着弾したそれは軽く鉱物の体を仰け反らせるが、たいしたダメージにはなっておらず再び動き出す。
「ぐぅ!?」
「一旦逃げるぞ!現代兵器じゃ太刀打ちできんぞ!」
向かってくるミネナリオンの腕を掴み上げて、拘束を図るレオンハルト。
輝人は未知の敵に戸惑いながら、苦戦を強いられていた。
今にも襲われそうな光景にレオンハルトは悪態をつく。
「くっそ、こんなときライダーがいないのはきついぜ!」
ミネナリオンに対抗できる数少ない戦力であるジェイナスは今この場にはいない……ないもの願っても現状が変わるわけでもないが、やるしかない。
そう思ったレオンハルトは何処からか取り出したライドブラスターで撃ち抜こうとした。
その時であった、輝人がUSBメモリ型のアイテムを取り出したのは。
「こいつの出番かな……!」
【CROIS】
USBメモリに設けられたスイッチを押すと電子音声が鳴り響いた。
その直後、ミネナリオンから結晶の弾丸が発射され、輝人を襲いかかる。
レオンハルトは一瞬ヒヤリとするが、そこで更なる光景を見つけてさらに驚く。
結晶の弾丸が巻き上げた土煙が突如晴れた。
そこに輝人の姿はなく、代わりに立っていたのは白い仮面の戦士。
腰には十字架を模したドライバーバックルが備え付けられており、装填口に先程の輝人が持っていたメモリがセットされていた。
その姿はまるで仮面ライダーその物であった。
「仮面ライダークロイス……さぁ、いくよ」
謎の白い戦士……『仮面ライダークロイス』は自身のことを名乗り上げると、ミネナリオンへと立ち向かっていった。
その光景をレオンハルトは呆然と見ていた。