ドラゴンクエストFUTURE~王室護衛係セイラン班~ 作:岬 実
公民館にセイラン達が戻るや、父親を伴って門前で待っていたネツヤナヤが、「あ!」と気付いて声を掛けた。
「おにーちゃんたち、おかえり! はい、ちず! かいといたよ!」
「お、ありがと! 有効に使わせて貰うね!」
セイランは差し出されたスケッチブックを受け取ると、早速内容に目を通した。
それは建物の規模や軒数、道路の繋がりやカーブ等に若干の食い違いは有るものの、概ね実物に即した出来であった。屋号も下手な字ながら明記。それが、公民館周辺を数ページに渡って描かれている。
「いや、助かるなあ」
「えへへ……」
ドロップは、セイランに頭を撫でられているネツヤナヤを指差し、グィネヴィアに訊いた。
「誰これ?」
「ネツヤナヤちゃん。昨日、例の集落で知り合ったの」
「ふーん……。何か悪い予感がするな……」
「ちょっとっ、不吉な事言わないでよ。アンタが言うと当たるんだから」
そんな二人の遣り取りを聞いて、ネツヤナヤはドロップに興味を持った。
「あなただれ~? かわいい~」
言うなり、ネツヤナヤはドロップに抱き付いた。彼女の腕が、ドロップの頭に食い込む。
「いでででで、俺は『ドロップ=プレーンジャズ』ってんだ」
若干顔を苦痛に歪ませながらも、ドロップは律儀に自己紹介をした。
「ドロップくん、あそぼー」
「ドロップ君なんて歳じゃねーんだけどね、オジさんは」
「なんさいー?」
「36」
「おじさーんっ」
「だからそうなんだって……」
「キャッキャッ」と笑うネツヤナヤに反し、グィネヴィアは冷静に呟く。
「プクリポはトシが分かりにくいからね……」
「ドロップおじさん、おじさんなのにちっちゃーい」
「キャッキャッ」と笑うネツヤナヤに反し、グィネヴィアは冷静に呟く。
「ぁいや? そー言えばプクリポにしちゃデカイ方かも」
「他の人種がデカ過ぎるんだよ、ドワーフも含めてな」
ネツヤナヤをたしなめつつ父親は彼女を引き離し、頭を下げた。
「すいません、ウチの子が何度も何度も……。あ、自己紹介がまだでした。私、『ツタァグ=フレォルカギミィ』です。妻は『アリア』と言います。これから宜しくお願いします」
父親の真似をして、ネツヤナヤが「よろしくね!」と続いた。
笑顔で父娘から去りつつ、セイランはガーデンに通信を入れる。
「ガーデンか? ドロップさんと合流した」
『そうか、分かった。それと、俺達も明日の朝にそっちに向かう事になった。油断するなよ?』
「ああ。何としても市民を守る」
セイランは通信を切ると、グィネヴィアとドロップに向き直る。
「さてドロップさんも加わったし拠点に戻ったし、これからの基本方針を確認したいと思う」
「お、若い割に偉そうだな、班長」
茶々を入れたドロップの頭を「班長なんだから当たり前でしょ!」とグィネヴィアがハタき、3人は拠点の部屋へと戻って行った。
設定集
超越の義眼
セイランが額に装備する多機能カメラ。暗視スコープやサーモグラフィー、透視、索敵、等々が可能
通信機器
セイラン達の時代の通信機器は、惑星間でのラグが無い事や、中継アンテナ無しでも星の真裏の相手にも電波が届く