第4.5次聖杯戦争   作:慶天

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閑話1 7人目

 今回の聖杯戦争には想定外のマスターが多いようだな。

 聖杯戦争監督役に就任している言峰綺礼は色々とイレギュラーが続く今回の聖杯戦争がとても楽しくなってきていた。

 

「それにしてもあんななにも事情を分かっていない小娘がセイバーのマスターとは」

 桐生空が綺礼の前から立ち去ってからしばらくしてそんな呟きを洩らした。

 

 セイバーは最優という言われ方をすることがある通り、最も勝者に近いと考えられることがある。しかし今回に至ってはセイバーはあまり強力な陣営になりえないのではないか? 綺礼は顎に指を当てしばし考えに沈んだ。

 

 さて、その他の陣営はいったいどのようなサーヴァントを召喚したのだろうか。またどのようなマスターが今回のこの歪な聖杯戦争に名乗りを上げているのか……。今の段階では何もわかることはないが、聖堂教会から代行者の一人がマスターとして参加するという連絡は受けている。

 

「おいおい、俺一人じゃ足らないっていうのか? あんたも強欲が過ぎるんじゃねーか?」

 姿を現せた男は立派な顎ひげを蓄えた精悍な海の男といえばしっくりくるような風貌をしていた。

「手駒は多いに越したことはないだろう?」

「やれやれ。あんたが何を考えてるのか俺にはわからんが、少なくともさっきの小娘やあの当て馬マスターよりはあんたの方が勝てそうだしな」

 

 そう言いながらひげの男はドアの向こうに放置されている魔術師の死体をどうしたものかと首を振った。

「あいつの死体はどうすんだ? えーと、ゲゲイー・ベントーンだったか? 魔術協会とかうるさくねーのか?」

 

「そのあたりは問題ない。適当に処理しておいてくれたまえ。彼は日本に来てすぐに不慮の事故で命を落としたのだ。

 しかしその男、昔、遠坂時臣氏に世話になったとかで、代理マスターを率先して引き受け、こんな遠方の冬木までわざわざ死にに来るとは……随分張り切ってはいたようだったが、ああ、なんてついてないのだろうね」

 さも残念だという素振りで綺礼は肩をすくめた。しかしその表情は全く心が籠っておらず、むしろ笑っているように見えた。

 

 顎ひげをしごきながらサーヴァントと思しき男は、こいつはやはり油断ならねぇ。と心の中で警戒ランクを一段上げた。

 自分とて善人であるとは言えないが、少なくともこの男ほどイカレてはいないと自信をもって言う事が出来る。

 ま、少なくともあの当て馬くんよりは楽しませてくれるだろうよ。

 

 顎ひげの男の新たなマスター、言峰綺礼の右手には新たな令呪が刻まれていた。

 




お読みいただきありがとうございます。

今回で参加マスター、サーヴァントが出そろいました。

この小説はリプレイであり、結末はすでに決定しておりストーリーは完結しております。

さてどの陣営が勝者となるでしょうか?

また、感想などいただけましたらうれしいです。

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